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by chekosan

タグ:本、読書、図書館 ( 340 ) タグの人気記事

「関西ウーマン」でのブックレビュー、5年目に入っています。今月で49本目、次回で50本目になります。(⌒∇⌒)


今月は、ワルシャワに行ってきたので、ポーランドと日本をつなぐエピソードが紹介されている『ワルシャワの日本人形』を取り上げました。


本書に登場する場所を含むワルシャワ見聞録もブログにどしどしアップしています。







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by chekosan | 2019-08-24 11:11 | 書いたもの | Trackback | Comments(0)
旅から帰ると、行ってきた土地に、より興味がわきます。位置関係や雰囲気がわかるので、そこを舞台にした本を読んでも理解(しようとする気持ち)が深くなるように思います。

行く前に予習するのも大事ですが、行ったあとに復習するのも効果的ではないかなと今回も感じています。

先日は、田村和子さんの『ワルシャワの日本人形』を再読し、パヴィアク監獄や掩蔽豪などの「復習」をしました。この本は以前に読んでいて、ワルシャワに行くときには出てきたところをたどろうと思っていたのですが、直前のおさらいができずでした。

それでも、記述があったことは忘れていたけど、現地でたまたま史跡にゆきあたったときに、それがいったいどういうものなのかがすぐに理解できたのは、やはり予習のおかげでした(たとえば、掩蔽豪 跡など)。

『ワルシャワの日本人形』は、明日8/24公開の月イチ書評連載@関西ウーマン でも取り上げました。またご覧ください。


また、王宮を守ろうとした人びとのお話『ガラスの盾』を読んだときには、グーグルマップで通りや建物の名前を検索して、位置関係や建物の外観について確認していきました。がぜん臨場感がアップしました。


さて、本題。

ヨアンナ・ルドニャンスカ『ブリギーダの猫』(こちらも田村和子さんの訳)は、ワルシャワの東側のプラガ地区に住む6歳の女の子が主人公のお話です。


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実話にヒントを得て書かれたフィクションです。

プラガ地区には、ユダヤ人が多く住んでいました。主人公の一家はポーランド人ですが、従業員や店子、親友にはユダヤ人がたくさんいます。

主人公の両親は、ドイツ占領下で、ゲットーに強制移住させられたユダヤ人を連れ出し、かくまって、別の土地に逃がします。

ポーランドでは、ユダヤ人をかばうようなことをすれば、裁判も何もなく、家族もろともその場で銃殺される状況だったので、命がけの行動です。

父親は、少女をゲットーを通過するトラム(路面電車)に乗せて、異常な過密状態で困窮と不衛生と恐怖にあえぐゲットーの様子をあえて見せます。

小さい子どもに残酷なものを見せないのではなく、ちゃんと目にしておく、記憶しておくことを求めるのです。

これは作者ルドニャンカ氏の友人イレナ・モリソンさんの実体験だったそうです。イレナさんの父親イグナツィ・モリソンさんは、ユダヤ人をかくまい、幼いイレナさんにゲットーの様子を見せて回ったそうなのです。

イグナツィ・モリソンさんは、戦後、「諸国民の中の正義の人」としてイスラエルのヤド・バシェムから顕彰されているとのこと。イレナさんの証言は、スピルバーグのショアー財団が収集した記録に収められているそうです。※あとがきより。


ーーー

『ブリギーダの猫』の主人公一家が住んでいたプラガ地区のあるヴィスワ川右岸(東側)には、終戦まぎわにソ連軍が入ってきて、ドイツ軍を押し戻しました。

そのため、ワルシャワ蜂起がドイツ軍に鎮圧されたあとの徹底的な破壊を免れたので、比較的古い建物が残っています。

なのに、今回の旅では、ほとんど街歩きをしなかったのはしくじった感大。

でも、『ユダヤ人を救った動物園』の舞台であるワルシャワ動物園に行ったときに、『ブリギーダの猫』に象徴的に出てくる聖フロリアン教会はかろうじて見ることができていました。(⌒∇⌒)



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隣の建物には、「プラガ」という文字と、クマの絵が見えます。なぜクマかというと、



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上の写真の反対側には、なんと、動物園のクマが歩道すぐそばにいるのです!!!

動物園内ではなく、出張所みたいな感じ? 人が歩いているところは、さきほどの道路に面した歩道です。


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クマです、クマ! 

本物のクマが、大きな道路のすぐそばに!


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滝やら堀やらがつくってあって、はかなり広い森になっています。

いや~~、ワルシャワ動物園は、メインの園内も広くて、すがすがしくて、とても良かったのですが、この出張クマ舎にも驚かされました。

そしてやはり、ここも臭いを感じませんでした。

ーーー

今回、プラガ地区の内部には入り込めなかったので、宿題が残りました。今度ワルシャワに行くことができれば、じっくり歩いてみたいと思います。





by chekosan | 2019-08-23 11:18 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
レンタルビデオ屋さんにも、よく探すと観たかった映画がけっこう入っていると気づいて、週末ごとに借りに行くのが新たな楽しみとなった7月。

ソ連、ロシア、東欧関連の映画や本を楽しみながら、ラストに向けて授業準備に励んだ7月。

授業はいい感じで終わって、さあポーランド旅行だ!と思ったら、夏風邪をひいて、出発直前に寝込んでしまった7月でした(;´∀`)


7月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1309
ナイス数:303

ガガーリン ----世界初の宇宙飛行士、伝説の裏側でガガーリン ----世界初の宇宙飛行士、伝説の裏側で感想
授業で学生が映画「ガガーリン」の紹介をしてくれるので、私も予習。映画を観て、この伝記を読んで、すっかりガガーリン・ファンに。同時代に生きていたら、絶対パレード見に行ってました☆ 笑顔が素敵なナイスガイ☆ ブログにいろいろ熱く語ってしまいました。https://chekosan.exblog.jp/29504374/



闘うもやし 食のグローバリズムに敢然と立ち向かうある生産者の奮闘記闘うもやし 食のグローバリズムに敢然と立ち向かうある生産者の奮闘記感想
『地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門』とともに友人に教えてもらった本。面白くて一気読み。大きく傾いた家業を継いだ二代目の奮闘。嘘みたいに安く売られているもやしは工業製品のように作られているから。著者の会社は昔からの豆と製法を貫いたため、次々と取引先を失い、資産をとり崩す。それでも著者は消費者に直接、声と商品を届け、志を同じくする仲間を増やし、評判を高めていく。ところが利益や販路拡大にはなかなか結びつかない。倒産ギリギリのところで、意外なところから希望が見える。スリリングで熱い一冊。
読了日:07月06日 著者:飯塚 雅俊


今日も朝からたまご焼き お弁当生活はじめました今日も朝からたまご焼き お弁当生活はじめました感想
28歳独身一人暮らし会社員のみのりさんがゆるゆるとお弁当作りするコミックエッセイ。続かなかったり、思ったようなのにならなかったり。小さなワンルームなのでスペースがなくて、洗濯機の上で炒めた玉ねぎを冷ましたりしているような、ちょっとしたカットがかわいい。かく言うわたくし、実家にいる間はずっと母のお弁当。
今はオット氏が男衆3人のお弁当作りに励んでくれているので、お弁当作りは完全に人ごと。ちなみにウチの男衆のお弁当は、揃いのジャータイプ。汁物も入れられて、保温バッチリ。ただし、パーツ多くて洗うの面倒。
読了日:07月10日 著者:森下えみこ


おいしいロシア (コミックエッセイの森)おいしいロシア (コミックエッセイの森)感想
月イチ連載書評書かせていただきました。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201568 ロシア料理とロシアの魅力がふんだんに盛り込まれたコミックエッセイ。カバーイラストのお料理は、すべて本文中に出てくるもの。リカ子さん流レシピもあるのでお料理の再現も可能です。大昔にソ連に語学研修に行ったとき、チェコ語研修で知り合ったロシア人の友達のお家に招いてもらったときの思い出があふれてきました。食は人生の基本、深いところに記憶を残してくれるように思います。
読了日:07月13日 著者:シベリカ子


ロシアと雑貨~ラブリーをさがす55の旅~ロシアと雑貨~ラブリーをさがす55の旅~感想
ロシア の懐かしテイストな雑貨たち。モスクワ五輪のマスコット、こぐまのミーシャ は、昔ソ連に行った時にキーホルダーをたくさん買って帰ったのだが、実家に置いてきてしまった。発掘したいなぁ。ピンバッジ はよく露店で古いのを売っているので、いかにもなのをちょっとずつ集めている。ぐさぐさ刺して飾りたいなあ。ガガーリンのマトリョーシカ 欲しいなあ〜! 映画と伝記ですっかりファン(*´∀`*) あぁ、ロシアもまた行きたいな~~♪
読了日:07月14日 著者:井岡 美保


いまさらですがソ連邦いまさらですがソ連邦感想
登録を忘れていた一冊。なんでもいいからロシア(ソ連)東欧の本を手にとってみようという課題を出したら2人ほどがこれを挙げた。たしかになんでもいいとは言ったけどもさと思いながら、AmazonプライムでKindle版がタダだったので読んでみたら結構面白くて。でもKindleだとなんだか頭に残らない気もする。また見返そうっと。
読了日:07月23日 著者:速水螺旋人,津久田重吾


パレスチナのちいさないとなみパレスチナのちいさないとなみ感想
パレスチナの働く人たちの姿が収められている。表紙の飴売りのおじさんの写真なんて実に魅力的。ところが、イスラエルとの関係や、パレスチナの置かれた状況を解説した部分になると、パレスチナの人々の直面する困難にページをめくるペースが遅くなっていったのでした…  
読了日:07月25日 著者:高橋 美香

読書メーター

by chekosan | 2019-08-08 06:39 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
ロシア人男性と結婚し、一年間サンクトペテルブルクに住んだシベリカ子さんによる、ロシア料理とロシアの魅力がふんだんに盛り込まれたコミックエッセイです。

ボルシチにビーフストロガノフ、ブリヌイ(パンケーキ)にペリメニ(餃子)、クワスにピロシキ…

カバーイラストにずらりと並んだおいしそうなロシア料理は、すべて本文中に出てくるもの。リカ子さん流レシピもあるので、お料理の再現も可能です。

大昔にソ連に語学研修に行ったとき、チェコで語学研修をしているときに知り合ったロシア人の友達のお家に招いてもらったときの思い出があふれてきました。

食は人生の基本、深いところに記憶を残してくれるように思います。



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by chekosan | 2019-07-13 10:12 | 書いたもの | Trackback | Comments(0)
先週末くらいから、ひとりガガーリン・ウィークです。

まずは映画。Amazonプライムで吹き替え版が無料だったのですが、やはりロシア語で(もとの役者さんの声で)聴きたくて、有料の方に切り替えました。



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実に気持ちのよい、爽やかな英雄ものでした。

ガガーリンは天才タイプではなく、努力家タイプなのですね。

ソ連全土からふるいにかけられた優秀で頑健なパイロットのなかで、なぜ彼が人類初の宇宙飛行士になれたかというと、決め手は総合的な人柄のよさだったようです。

自然とチームのリーダーになるタイプ。誰にも好かれる人物。真面目でユーモアがあって、落ち着いていて、カリカリしない。笑顔が魅力的で、庶民的。ひなびた村の農民の子というのもソ連のヒーローにふさわしかったようです。

もちろん、運動能力や体力もあって、どこも問題のない体質、強い意志、へこたれない性格、如才なく受け答えできる頭脳があったうえでです。パーフェクトですねえ!

とにかくナイスガイで、上司も仲間も、盛り立てたくなる人だったのだろうなあと思わせます。


映画は、ガガーリンの飛行時間に合わせて108分間でつくってあります。地球一周なんですね。あら、そんなものなの?と思いましたが、観ていくと、まあよく無事に帰還できたものだと思うような飛行です。

なにより、大気圏への再突入が!

そんな原始的な方法で!?

いやいやびっくりしました。

すっかりガガーリンファンになったところで、もっと詳しい伝記を。

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こちら(右の『ガガーリン』)もとても面白い!

映画は、宇宙飛行士の訓練から帰還までの様子に、ガガーリンの半生の重要な局面を少しずつまぶした感じなのですが、こちらは、ガガーリンの生涯に加えて、米ソの宇宙開発競争についても詳しく説明されています。

映画では少しわかりづらかった小さい頃の恐怖体験や、どのようにガガーリンが宇宙飛行士候補に選ばれたのかもていねいに書かれています。

ガガーリンが搭乗したヴォストーク号がどんなもので、どう発射して、地上ではどのような作業をしていたのか、宇宙でヴォストーク号がどんな風にパーツを切り離して軌道を飛んだのかは、映画の方がずっとわかりやすいです。

ガガーリンが帰還してからのことは、映画では触れられていないので、そちらは伝記の方で詳しく知りました。

ガガーリンは帰還後、ソ連の広報塔として世界中をかけめぐります。1962年に日本にも来て、9日間、全国を回っています。




彼の後援者であるフルシチョフ第一書記が失脚し、ブレジネフ時代になると、引っ張りまわされることは減りました。

しかし、国民の人気と期待は絶大で、常に人から注目され、ジャーナリストに追い回され、見知らぬ人からも頼みごとをされ、管理職的な仕事も行いながら、新しい宇宙開発の研究を並行するという日々にガガーリンは疲れ切っていきます。

彼は再び宇宙に飛び立つことを強く願っていましたが、英雄を危険な目に合わせられないという判断で二度と宇宙には行かせてもらえませんでした。

皮肉にも、その少しあと、1968年に、ガガーリンは戦闘機の操縦訓練中に事故を起こして亡くなってしまいました。

事故の原因は徹底的に調査されましたが、縦割りの弊害と、当時のソ連の秘密主義のために、真相ははっきりしないままでした。

1986年、実に20年近く経って、ガガーリンの仲間たちによる真相究明の陳情が聞き入れられ、新たな審問委員会が設置されたそうです。そこで、明らかにされていなかったさまざまな記録も見つかったとか。

その仲間によれば、事故が起こった原因は、近くを飛行訓練していた超音速機の衝撃波を受けて、ガガーリンの乗っていた戦闘機が制御不能になったためだということ。2013年に、相手方のパイロットの名を明かさないことを条件に、そのことを公表してよいと許可が出たというニュースがこちら。







同時代に生まれていたら、夢中になってパレードを見に行っただろうなあと思わせる、笑顔の素敵な、魅力的なガガーリン。それだけに、帰還後の苦悩や非業の最期に心が痛みました。





by chekosan | 2019-07-03 21:29 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
天候のせいか、どことなく体がだるくかった気がする6月。

EU加盟国のレアな映画を格安で上映する「EUフィルムデーズ」月間だったが、結局、エストニア映画「小さな同志」一本しか行かなかった。ロシアの映画監督ソクーロフの作品を集中的に上映する企画もあったのだが、そちらも行かず。

その代わりというか、室内でせっせと読書、映画鑑賞、資料収集、夏の旅行の事前調査に励む。今年はポーランド。ワルシャワに腰を落ち着けて、じっくり見て回ることに。


6月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:2487
ナイス数:348

ぐるぐる♡博物館ぐるぐる♡博物館感想
「博物館が好きだ。旅先で博物館を発見したら、とりあえず入ってみる」という三浦しをんによる博物館案内。学芸員や案内の人たちとざっくばらんに会話を進めながら、博物館と彼らの魅力を引き出し紹介。選択基準は「個人的な興味のおもむくまま」。三浦さんの関心が次々と広がってゆく博物館サーフィンならぬ博物館ぐるぐるの過程が興味深いので、できれば順を追って読むことをおすすめ。書評連載で取り上げました。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201549
読了日:06月01日 著者:三浦 しをん





チェルノブイリ報告 (岩波新書)チェルノブイリ報告 (岩波新書)感想
チェルノブイリ原発事故レポート。87年から5年ほどかけてウクライナやベラルーシ、周辺諸国をまわって、事故の影響を調査したルポ。植物の巨大化、白血病や免疫系の病気に倒れる人びとと医師らの必死の治療、避難をせずに故郷にとどまる人びと、避難の指示が出ずに、あるいは避難先も危険であったことが後で判明し、放射能汚染の影響を受けてしまった人びとの声、救援資金や物資が必要とする人たちに届かない問題など、事故発生直後から数年の混乱と悲劇を伝える。
読了日:06月03日 著者:広河 隆一


日露戦争の裏側“第二の開国”―日本列島に上陸したロシア軍捕虜七万人日露戦争の裏側“第二の開国”―日本列島に上陸したロシア軍捕虜七万人感想
日露戦争でのロシア兵捕虜は7万人、全国29か所に分散して収容された。捕虜に対する人道的処遇を定めたハーグ条約のもと、驚くほど厚遇である。初めに開設され、全国のモデルとなった松山だけではなく、ほぼどの収容所もそうであった。日本が戦場にならなかったからか、地元民も、敵愾心よりも物見高さの方が勝ったようで、どこでも見物人の黒だかりだったそう。特需を狙った誘致もあったとか。実際、落ちるお金は大きかったよう。タイトルは若干怪しげだが、当時の資(史)料や先行研究をひもとき、各地を足で回って編んだ歴史ものである。
読了日:06月05日 著者:大熊 秀治

日露戦争時の捕虜収容所が舞台の映画「ソローキンの見た桜」の感想はこちら。





「白バラ」を忘れない―反戦ビラの過去と今と (母と子でみる)「白バラ」を忘れない―反戦ビラの過去と今と (母と子でみる)感想
「白バラ」はナチを批判したビラと、その活動グループの呼称。ショル兄妹ら活動家たち(大学生や教授など)は1943年に死刑となった。82年、05年に映画化。本書は、82年の映画に衝撃を受けた早乙女氏による83年夏のミュンヘン取材記と、2008年に立川市の防衛庁宿舎にビラを投函した市民団体メンバーが有罪判決を受けた事件とをサンドイッチにした構成。白バラの方は他の文献の方が詳しいが、立川の事件と比較することで今日的な視点が加わっている。カラー写真がないのは残念だが、ショル兄妹の遺族への直接取材あり。
読了日:06月06日 著者:早乙女 勝元


ザ・ピアニスト―廃墟ワルシャワからの奇跡の生還ザ・ピアニスト―廃墟ワルシャワからの奇跡の生還感想
やっぱり超有名な作品はそれだけのことはあるなと思う今日この頃。ポランスキ監督の映画「戦場のピアニスト」の原作である本書を読んで、ますますそう思った。原作にとても忠実でいながら映画ならではの表現方法を最大限に生かしている。原作にはシュピルマン氏を救ったドイツ軍大尉の日記からの抜粋や、ドイツの詩人ビーアマンによる後日談も載っていて、これがまた良い。本文にコルチャック先生に関する記述が結構あったことも感動。などなどブログに熱く語る。https://chekosan.exblog.jp/29468273/
読了日:06月11日 著者:ウワディスワフ シュピルマン

詳しい感想や関連記事へのリンクはこちら。





ポーランド紀行 (SERIES地図を読む 6)ポーランド紀行 (SERIES地図を読む 6)感想
いつもの図書館で日ポーランド国交樹立100周年コーナーをやっていて見つけた。1989年にポーランドを一人旅された方の記録。ごくごく私的な体験談。書いていいのだろうかという内容も。私は同じ年にソ連に一ヶ月強滞在したが、同じ社会主義国でも国や旅のスタイルが違うとずいぶん体験することが違うもんだ。男女の違いもあるかもしれないが。
読了日:06月12日 著者:新名 哲明



映画で学ぶ国際関係 (広島修道大学テキストシリーズ)映画で学ぶ国際関係 (広島修道大学テキストシリーズ)感想
通読するというよりは事典のように必要なときに見たいところだけ見ればよい本。複数の専門家が分担して執筆しているので、幅広い作品を扱っている。Amazonのなか見!検索で目次を見ることができる。私の関心事である東欧やドイツ関連の作品タイトル一覧をブログにアップ。https://chekosan.exblog.jp/29474358/
読了日:06月15日 著者:



映画で学ぶ国際関係〈2〉映画で学ぶ国際関係〈2〉感想
あらすじ、時代背景、解説、参考文献が見開き2枚(4ページ)程度にまとめられている。映画を読んでから、さらに作品理解を深めるために時代背景を知る、その国や時代の専門家の見方や分析の仕方を知るという使い方も。読書メーターやAmazonのレビューは極端に少ないので惜しく思う。Amazonでは、なか見!検索で目次が見れる。私の関心分野の東欧、ドイツものはブログにアップ。https://chekosan.exblog.jp/29474358/ (ただしⅡ巻には少ない)
読了日:06月15日 著者:





「灰とダイヤモンド」の国ポーランド「灰とダイヤモンド」の国ポーランド感想
図書館の日ポーランド国交樹立100周年コーナーで発見。ポーランドに研究滞在していた物理学の研究者によるポーランド報告。歴史や風物、時事などを日本の研究者団体の会報に書いたものをまとめたもので、今でいうブログ風。本にする段階で練り直したわけではないので、重複や推測も多いが、書かれた当時の雰囲気を感じとれるという点が面白い。2002年発行の本なのに、すでにものすごく古く感じるのが不思議。20年近く経てばそんなものか。
読了日:06月16日 著者:稲村 卓


黙って行かせて黙って行かせて感想
アウシュヴィッツ=ビルケナウの女看守だった母とその娘が対峙する話。あとがきによれば3%ほどのフィクションが入った自伝的小説ということなので書かれていることは事実なのだろうが、読み進めるにつれ、作った小説のような印象が強まっていった。母の思想と過去の行動は許せないが、母に愛されたかった、母を愛したかったという想いとがせめぎあって葛藤する娘(著者本人)の視点と感情の強さの方が目立つからだろうか。なんかちょっと引っかかる。とはいえ、一気に読んだけど。
読了日:06月18日 著者:ヘルガ・シュナイダー


社会主義後のウズベキスタン―変わる国と揺れる人々の心 (アジアを見る眼)社会主義後のウズベキスタン―変わる国と揺れる人々の心 (アジアを見る眼)感想
最近行きたくて仕方ないウズベキスタン。2008年の本なので、2007年くらいまでのウズベキスタンの様子がわかる。著者はウズベキスタンの大学を出て、日本で研究をしている。社会主義からの転換期に青年期を送っていて、ソ連へのノスタルジーも、新しい社会を作る必要性も理解しているので、バランスが取れた記述。
読了日:06月28日 著者:ティムール ダダバエフ


「ロシア・東欧地域研究」の授業内で、学生がウズベキスタン見聞記を発表してくれるので、その補足のために読みました。発表の様子はこちらにちらりと。




読書メーター

by chekosan | 2019-07-01 10:48 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
広島修道大学のテキストとして編まれた本です。

1巻は2005年、2巻は2013年に、いずれも法律文化社から発行されました。

タイトルどおり、映画を通して国際関係学、歴史や社会に関心を持つことを促す本です。

同大学の数人の教員が、それぞれの専攻分野に関係する作品を取り上げて解説をしています。そのため、扱う作品のラインナップが幅広いのが魅力です。(1巻と2巻で傾向が違いますが)

あらすじはもちろん、時代背景や考察ポイントや参考文献が見開き2枚(4ページ)程度にまとめられているので、どこかの国の歴史や、世界史の大きな転換点を知るのに、まずはとっつきやすい映画から入ってみようというときに便利です。

映画を読んでから、さらに作品理解を深めるために時代背景を知る、その国や時代の専門家の見方や分析の仕方を知るという使い方も。

読書メーターやAmazonのレビューは極端に少ないので惜しく思います。Amazonでは、なか見!検索で目次が見れるので、どのような作品が取り上げられているかをチェックできます。

東欧やロシア、ホロコーストものも多数あって、まだ見ていないものも半分くらいあるので、残らず見ようと思っています。

それ以外でも参考になる作品ばかりなので、手元に持っておこうと思いましたが、手に入りにくくなっているようです。

Amazonマーケットプレイスには複数冊出ていて、そちらで2冊とも買うことができました(2019年6月現在)。新品レベルの状態のものが届いて大満足。

D大図書館にも所蔵しているのですが、目次に書き込みがけっこうあって… 借りた人が、自分が観た作品をチェックしていったんでしょうね。目次をコピーしてやりなさい!って話です。

ということで、もう現物が手元にあるのですが、検索できるように、中・東欧、ロシア、ドイツあたりに関係するタイトルを挙げておくとします。

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『映画で学ぶ国際関係』

・戦艦ポチョムキン ー第一次ロシア革命と日露戦争
・西部戦線異状なし -限りなく命が軽い戦争の中で
・チャップリンの独裁者 ーヒトラーに対する<挑戦状>
・生きるべきか死すべきか ーナチス・ドイツのポーランド侵攻
・戦場のピアニスト ーゲットーと抵抗のワルシャワを見たユダヤ人
・この素晴らしき世界 -戦時占領下という日々の非日常
・存在の耐えられない軽さ -人間の顔をした社会主義の顛末
・グッバイ・レーニン! -国が必要とした「壁」と母に捧げる「壁」
・名もなきアフリカの地で -ナチス期におけるユーラフリカとユダヤ人
・コーリャ 愛のプラハ -黄昏ゆく社会主義体制を生きた仮の父子
・黒猫・白猫 -ロマの国境に縛られない生き方
・サウンド・オブ・ミュージック -実話をもとにした難民の物語
・ホワイト・ナイツ:白夜 -今なお発生する亡命 ※バリシニコフ主演
・シンドラーのリスト -ユダヤ人問題とホロコーストを考える
・スペシャリスト 自覚なき殺戮者 -ホロコーストと個人の責任、そして自律
・博士の異常な愛情 -冷戦と核軍備競争

『映画で学ぶ国際関係Ⅱ』
・ヒトラーの贋札 -生き抜くことと悪魔への荷担との葛藤
・厳重に監視された列車 -ありふれた個人史と激戦の時代の間に
・善き人のためのソナタ -旧東ドイツ、監視国家体制下における個々の人生と良心
・サラエボの花 -戦乱後に遺る傷跡を見つめるまなざし
・オーケストラ! -国際政治に翻弄された音楽家たち




by chekosan | 2019-06-15 18:21 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
先週から同志社の授業でホロコーストの話をしています。そのため、映画を立て続けに観たりして強化しています。

例年、感心するのですが、ポーランドやドイツの強制収容所跡に行ったことがあったり、関心を持っていたりする学生が少なからずいます。先週は、2月にアウシュビッツ強制収容所跡に行った学生が発表してくれました。

さて、映画「戦場のピアニスト」は、鑑賞したことがあるという学生も多い作品です。

ホロコースト映画のなかでは、いまだ「シンドラーのリスト」と双璧をなす作品だと思います。どちらも実話に基づいていますし、映画としても非常に丁寧につくりこんであり、圧倒的な迫力があります。

映画「戦場のピアニスト」のシナリオ本についてはアップ済みですが、今回ようやく原作を読みました。

戦前からポーランドで活躍していた実在のピアニスト(作曲家としても活躍)であり、ドイツのユダヤ人に対する苛烈な弾圧や「選別」を生き抜いたシュピルマン氏が戦後すぐに執筆し、すぐに絶版にさせられた本です。


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驚きました。ポランスキ監督は、原作に相当忠実に映画を作ったのですね。

映画のなかに出てくるさまざまなエピソードは、当時に起こったことを集めてつくったのかと思ったら、すべてシュピルマン氏が実際に体験したこと、目撃したことなのですね。

映画のなかでもっともショッキングだった、あのシーンやあのシーンも…



感動的なのが、ヤヌシュ・コルチャック=コルチャック先生に関する記述です。コルチャック先生は、ポーランドの医師で作家で、孤児院を運営し、非常に尊敬されていた著名な人物です。

☞コルチャック先生に関する本はこちら


シュピルマン氏は、コルチャック先生に関して、「これまでに私が出会った最高に立派な人物」で、「コルチャックの真価は、書かれた作品にあるのではなくて、書いたように生きた事実の中にある」として、最大級の賛辞を送っています。

ちょうど真ん中あたりには、ワルシャワ・ゲットーからコルチャック先生と孤児たちが整然と並んで、「笑みを浮かべながらみんなで歌をうたい、小さなヴァイオリニストがそれに伴奏をつけ」ながら、移送のための集合場所に進んでいく様子が書かれています。

同時期にワルシャワ・ゲットーに閉じ込められていたユダヤ人同士、著名人同士なので、知り合いなのは不思議ではないのですが、あらためて実際にあったこと、実際にいた人なのだと思わせられます。

シュピルマン氏は生き延びて、戦後も音楽家として活躍されたので、比較的最近の映像も残っていますが、コルチャック先生は当時ですでに60歳代、子どもたちとトレブリンカに連れていかれて亡くなっているので、伝説の人物のような感じがしていたのです。

ーーー

映画が原作と違うのは、ドイツ軍将校と出会ったときにシュピルマン氏が弾いた曲です。映画ではショパンのバラード1番ですが、実際にはノクターン嬰ハ短調なのですね。

この曲は、ドイツ軍の攻撃で中断するときに弾いていた曲でもあり、戦後にワルシャワ放送に復帰したときに弾いた一曲目でもあるそうです。

シュピルマン氏によるノクターン嬰ハ短調の演奏は、DVDの特典映像にも入っていますし、YouTubeでも見ることができます。




ーーー

本書の巻末には、シュピルマン氏を助けたドイツ将校ホーゼンフェルト大尉の日記からの抜粋と、ドイツの詩人ヴォルフ・ビールマン(ビーアマン)によるエピローグが掲載されています。これがまた読み応えのある内容です。

ホーゼンフェルト大尉の日記には、ナチ批判、ポーランド人やユダヤ人に対する虐殺行為への怒りが明確に書かれています。シュピルマン氏と併せて読むことで、状況が立体的になって見えてきます。

ビーアマンの書いた後日談には、大尉がシュピルマン氏以外にも何人ものユダヤ人やポーランド人の命を救っていることが明らかにされています。


なお、本書がすぐに発禁に近い扱いを受けたのは、ドイツ将校に助けられたという事実や、ウクライナ兵、リトアニア兵がドイツ兵以上にポーランドの人々に酷いふるまいをしたことが書かれてあるからのようです。


ーーー

今年の夏は、ワルシャワに行ってきます。シュピルマン氏の、コルチャック先生の足跡を辿ってみようと思います。





by chekosan | 2019-06-11 23:36 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)

月イチ連載書評、6月分が公開されました。


今月は『舟を編む』をはじめとするお仕事小説の達人ならではの面白くてタメになる博物館案内です。


王道博物館から、こんなテーマの博物館が!?というところまで。


ニヤニヤ楽しく博物館の世界に浸れますよ。


私はこれを読んで、そう遠くないうちに雲仙に行こうと思いました!


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by chekosan | 2019-06-08 10:51 | 書いたもの | Trackback | Comments(0)
楽しくインプットに励んだ5月。

今期は、「ロシア・東欧地域研究」の授業で、本や論文を読むのはもちろんだけど、いろんな作品や展示や現場を見ようという指導を強化していて、読んだもの、観たもの、見たことを、次々、発表してもらっている。

授業方針と具体的な発表の指示を出して一本目の小レポートが提出された4月最終週以降、毎週2名くらいずつ、任意で、誰かしらがなにがしか発表してくれている。

90数名規模の講義科目としては、なかなか面白い取り組みができているのではないかと思っている。

私自身も、案内した催しに足を運んだり、学生の発表の補足説明のために新たなテーマを勉強したりで、授業ネタを一新することができている。(もちろん、これまでの材料も適宜、織り交ぜ)

学生が取り上げたテーマを補強するための勉強というのは、たいへん楽しく面白く取り組める。授業というタイムリミットがあるのも効果を上げているような気がする。

全国でもトップクラスの公立図書館が近くにあるので、週末ごとに、関連する本を根こそぎ借りては勉強して返すというサイクルがうまく回っている。

これはある意味、非常に恵まれた、贅沢な状況ではないか。


5月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:2555
ナイス数:346

銀いろの記章 わたしの少年時代 (ジュニア・ライブラリー)銀いろの記章 わたしの少年時代 (ジュニア・ライブラリー)感想
チュコフスキー(1882 - 1969)は、その名を冠した文学賞もあるソ連を代表する児童文学作家。このお話は、その少年時代を書いた自伝。銀いろの記章とは中学のバッジのこと。彼は優秀な子どもであったが貧しい母子家庭の子であったために無実の罪を着せられて退学処分にあう。彼を大学生にするためにお金持ちの洗濯を請け負って働きづめだった母との約束を果たすべく、彼は友達と励ましあって自学し、遂には…と書くと重い苦労話のようだが、ユーモアがあって読みやすい。当時の風俗や生活がわかって面白い。
読了日:05月04日 著者:コルネイ・チュコフスキー


ユダヤ人の歴史と職業: 文学で読むユダヤ人の歴史と職業: 文学で読む感想
「ユダヤ文化とビジネス」という授業内容をまとめたもの。著者はユダヤ系亡命作家の研究者。アメリカに渡ったユダヤ人の興した産業(音楽、映画、化粧品、不動産など)の発展や、イスラエルのハイテク農業、ハイテク産業などを文学の中の記述を引いて紹介。時々なぜここでこれがと首を捻る比較や記述があるのと推測の文と重複が多いのが気になるが、興味を持てる人物や作品、実例がたくさん出てきたので、とっかかりにしよう。
読了日:05月07日 著者:佐川 和茂


段ボールはたからもの 偶然のアップサイクル段ボールはたからもの 偶然のアップサイクル感想
書店の旅のコーナーの「女子旅」とか「○○のおいしいカフェめぐり」といったお洒落な本のなかに、段ボールの本? これが大当たり。著者の島津冬樹さんは、拾ったり譲り受けたりして集めた世界各国の段ボールを使って財布をつくり、販売している。段ボールからはさまざまなことが見えてくる。商慣習、経済力、モノの流れなどなど。普段見過ごしているものを観察することの面白さに目覚めること請け合い。月イチ書評で詳しく紹介。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201540
読了日:05月11日 著者:島津 冬樹


片想い (文春文庫)片想い (文春文庫)感想
ふんふんとまあまあ面白く読んだ。わりと最初の方にヒント(伏線)が出てきていたので、真犯人と最後の結末はわかってしまったけど、そこに至るまでの「性」に関する逡巡の部分が面白い。ただ、東野氏の小説の登場人物には、どうも魅力を感じない。今回は特にセリフが下手な芝居みたいだったのと、主人公がイマイチなのとで、まったく感情が動かされず。作品ごとに面白いテーマを取り上げているし、どれもさらっと一気に読めるので気分転換にはいいのだけど。
読了日:05月11日 著者:東野 圭吾


むかし僕が死んだ家むかし僕が死んだ家感想
夫氏が借りたのを読み始めたら止まらず。元カップルが、女性の幼児時代の記憶を取り戻すカギとなりそうな家に行き、遺留品から謎を解く話。死体発見?犯人登場!?と思わせる展開、ホラーっぽいゾクゾク感。家族が寝に行って静かになっていく深夜の自宅で、柱か梁のピシッという音、風が雨戸を揺らす音にビクビクしながら読んだ。残された日記や手紙といった少ない手がかりから真相を推理するのは研究と通じるものがあって楽しめた。ところが他の読者の評判はイマイチのよう。どうも東野作品に関しては多くの読者と私の評価は逆転するようだ(笑)
読了日:05月14日 著者:東野 圭吾


戦艦ポチョムキン (1978年) (国民文庫―現代の教養)戦艦ポチョムキン (1978年) (国民文庫―現代の教養)感想
ここのところ映画「戦艦ポチョムキン」に軽めにはまっている。これ笑いとろうとしてる?みたいなお茶目なシーンもあるし。「戦艦ポチョムキン」に言及している本は何冊もあるが、山田氏のこの本は、エイゼンシュテインの生い立ちから映画の解説、映画の広がりなど、広くていねいに記述している。先を読みたくなる文章で、とても面白く一気読みした。映画の感想はブログに(小ネタ集っぽいが…)。https://chekosan.exblog.jp/29429900/ いつかオデッサ行って、あの階段で写真撮ろうっと。
読了日:05月19日 著者:山田 和夫


戦艦ポチョムキンの生涯 1900‐1925戦艦ポチョムキンの生涯 1900‐1925感想
戦艦ポチョムキン号の建造前から廃船までの流れを追っている。ポチョムキン号の反乱がロシア革命にもたらした影響や、映画「戦艦ポチョムキン」に対する著者の評価は低い。著者は外資系企業に勤務したのちウクライナに語学留学。露語や英語文献も参照、それらの記述の比較と、著者独自の視点や見解を展開している。ただ、出典の示しようにバラツキがあることと、著者の想像による記述が少なくないことには注意が必要。なお、想像部分は本文中に想像であると明記されているし、著者自身、「真実」ではなく「解釈」であると、あとがきで書いている。
読了日:05月23日 著者:寺 畔彦


新装版 レモンをお金にかえる法新装版 レモンをお金にかえる法感想
商業大学に勤めだした頃に、初学者(自分含む)にいいかもと思って買ったのだったか。ミクロ経済学の超入門書。商売を始める、人を雇う、競争が起こる、合併するといった流れをわかりやすく教えてくれる。中1息子にもすすめてみたら、さっそく隣で読み始めた。5分とかからず読める。原書なら、英語の経済用語を知るのにいいかも。巻末の訳者、佐和隆光先生のあとがきも良かった。NHKの「課外授業 ようこそ先輩」でこれをアレンジした授業をされたとか。見たいなあ。
読了日:05月27日 著者:ルイズ・アームストロング


新装版 続・レモンをお金にかえる法新装版 続・レモンをお金にかえる法感想
何年も前に買っていたのを発掘。インフレ→不況→景気回復の巻。巻末の佐和隆光先生の解説によれば、本書はマクロ経済の「仕組み」について理解するための「事始め」。ケインズ経済学にもとづいて書かれているが、ケインズ主義的政策が効くのは、経済をからだに例えると「青年期」の体までで、「中高年期」を迎えた日本経済の病気には効き目はなさそうとのこと(2005年新装版あとがき)。とはいえ、マクロ経済学の「基本中のキホン」を、5分か10分ほどで読める絵本にぎゅっと凝縮してあって、エッセンスをつかむにはとてもよい。おすすめ。
読了日:05月27日 著者:ルイズ・アームストロング


歯みがきつくって億万長者―やさしくわかる経済の話 (チア・ブックス)歯みがきつくって億万長者―やさしくわかる経済の話 (チア・ブックス)感想
何かで紹介されていて知ったのだったか。発掘して読んでみたら、とても面白い! 小学生たちが安全な歯みがきを作って、正直な商売を広げて大成功するというお話。児童向けに単純化し、極端にして、商売ってどういうものか、経済ってどういうものかを楽しく読みながら学べるようになっている。アメリカだったら本当にこういう子ども、いそうだなあ! いや、日本でもアイディアと工夫で起業して成功している子どもや若者が出てきているか。起業する気もないし、その才もないことはわかっているが、なぜか起業ものを読むのは好きなので面白かった。
読了日:05月27日 著者:ジーン メリル


アウシュビッツの沈黙アウシュビッツの沈黙感想
アウシュヴィッツその他の収容所を体験した人々の証言集。1997年に映像で収録し、1時間半の作品にしたものをあらためて書き起こしたものだそう。映像で納めきれなかった分も再現したということ。ユダヤ人だけでなくポーランド人も含む。人体実験された人、解放後アウシュヴィッツ博物館で働いていてヘス元所長の処刑も目撃した女性も登場する。収録時にはアウシュヴィッツ=ビルケナウにはあまり人が訪れていなかったよう。すこし廃れた感じだった様子が文字からでも伝わる。訳が良いのか、証言者が目の前で話している臨場感がある。
読了日:05月30日 著者:米田 周


青野原俘虜収容所の世界―第一次世界大戦とオーストリア捕虜兵 (historia)青野原俘虜収容所の世界―第一次世界大戦とオーストリア捕虜兵 (historia)感想
松山や徳島の板東俘虜収容所は映画にもなっているが、日露、第一次大戦時には、ほかにもたくさんの捕虜収容所がつくられた。兵庫県小野市と加西市にまたがる青野原もその一つ。第一次大戦までは、日本はハーグ条約にもとづき、自国の軍隊と同等の処遇を維持するよう努めた。そのため、所内では娯楽やスポーツ(体操、テニス、サッカーなど)、文化、生産活動も行われた。地元民との交流もはかられた。青野原に収容された捕虜は技術者が多く、様々なものを作って販売もした。今は納屋と井戸くらいしか残っていないが、一度訪ねてみたい。
読了日:05月30日 著者:大津留 厚

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by chekosan | 2019-06-06 13:40 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)