中・東欧、ロシアのこと&大学教育のことを発信します


by chekosan

タグ:本、読書、図書館 ( 280 ) タグの人気記事

今月の「関西ウーマン 信子先生のおすすめの一冊」は、『まわしよみ新聞をつくろう!』です。

みんなで新聞を回し読み、気に入った記事を3本ずつ切り抜いて、その記事をネタにして順におしゃべり。
最後に切り抜きを1枚の紙に貼り付けて壁新聞をつくるという「新聞遊び」です。

子らが小6、小1のときに「親子まわしよみ新聞」に参加して、これは面白い!と教員仲間にも紹介しました。自分の授業でもアレンジしたり、ベーシック版で取り入れたりしています。

でもやっぱりやる側の方が楽しいです☆ 定期的に小さな集まりでやれたら理想! 

詳しくは「関西ウーマン」をご覧ください☆

https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201378


b0066960_11401243.png

[PR]
by chekosan | 2018-08-11 11:43 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
流通科学大学の初年次科目「文章表現Ⅱ」の授業がすべて終わりました。

今年も新聞投稿や書評コンテストへの応募、おすすめの一冊のPOPで、「読み、考え、表現する」一連の学びを作品の形にすることができました。

とくに、今年はグループワークやプレゼンテーションの機会を増やしました。

やはり反復は大事ですね。プレゼンテーションに苦手意識があった学生も、段階を追って準備し、少人数に向けてであればできるという自信をつけてくれました。

クラスメイトが集中して、真剣に聴いてくれたので発表しやすかった、反応があって嬉しかったという感想が多数あったことも喜ばしいことです。

「プレゼンテーションは、発表者だけで行うものではない、発表者と聴衆双方で作り上げるものだ」と説いたことをきちんと体現してくれました。


一番大きな課題だった書評は、POPを提示しながらグループに紹介しました。今年も良い作品がたくさん生まれました。


b0066960_11260578.jpg



b0066960_11264076.jpg

b0066960_11270158.jpg


POPは秋の「図書館総合展」(パシフィコ横浜)や、流通科学大学学園祭などでお披露目します。

授業は終わりましたが、このあとは、この4年の受講生有志と、「文章表現Ⅱ」から生まれた図書館サークルLibroとの課外活動を予定しています。

これまで多くの成果を出してきた「文章表現Ⅱ」の最終年度、楽しく、華やかにしめくくります。




[PR]
by chekosan | 2018-08-10 11:30 | 大学教育 | Trackback | Comments(0)
どしゃぶりに猛暑。しょっちゅう止まる電車。問題なく家に帰れたら万々歳な日々でした。授業も大詰めで、学生の課題を読んだり直したりが続き、整骨院通いの月でした。(^-^; 読書も授業や指導を意識したものが多かったような?


7月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2538
ナイス数:257

こころ (新潮文庫)こころ (新潮文庫)感想
学生のおすすめ。高校の国語で習うせいか、書評の課題に選ぶ学生が多い。私も読んでいたつもりだったが、どうも衝撃のシーン以外が思い出せず、あらためて読んだ。途中、えっ、ここでそうくる!?と思ったので、やはり読んでいなかったのか? 漱石の文章はリズムが良くて好きだが、なぜコレを未だ教科書に載せているのかイマイチわからない。それもネタバレシーンを抜粋して。そこはバラしたらあかんやろ〜。
読了日:07月30日 著者:夏目 漱石


アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)感想
学生のおすすめ。お話として面白かった。知的障害があるが向学心に富む主人公チャーリーは、脳外科手術を受けて知能が急速に向上する。その経過を本人が記録したという体裁も凝っている。頭脳が明晰になるにつれ、ぼんやりとした過去の記憶が何を意味していたかを理解していくという話のつくりが面白い。ただ、この小説はフィクション。想像の産物である。これをもって、知能が高い=幸福ではないという一般化は単純かと。蔑まれ、虐められているにもかかわらず、それを理解できない本人が友情と思っているなら良いということではないだろう。
読了日:07月28日 著者:ダニエル・キイス


太陽の子 (角川文庫)太陽の子 (角川文庫)感想
子どもの頃、理論社の大長編シリーズで灰谷さんや今江祥智さんの作品に出逢った。特別な、原点のような作品群だった。当然『太陽の子』も読んでいたつもりだったが未読とわかり、あらためて読んだ。何十年ぶりかの灰谷作品は子どもの頃以上に衝撃的だった。70年代の沖縄の人々が抱えていた苦しみを同時代に知っておくべきだった。その苦しみがいまだ続いていることに向き合いたい。「知らなくてはならないことを、知らないで過ごしてしまうような勇気のない人間に、わたしはなりたくありません」主人公の少女ふうちゃんの言葉に尽きる。
読了日:07月22日 著者:灰谷 健次郎


国のない男 (中公文庫)国のない男 (中公文庫)感想
学生のおすすめの一冊。ドイツ系アメリカ人のヴォネガットは、第二次大戦でドイツに出兵し、そこで捕虜になる。そして連合軍によるドレスデン爆撃を体験する。その錯綜した経験が彼の思想や主張を形作っている。戦争を体験して初めて一人前になるというような考えを憎み、木陰でレモネードを飲みながら語らう平穏な夏のひとときを幸せと感じる感性を尊ぶ。アイロニーとユーモアをもって社会を批判するエッセイ集。こういう本を「先生、これほんとに読んでください!」と強く勧めてくれる学生を受けもてたことが嬉しい。
読了日:07月21日 著者:カート・ヴォネガット


0円で生きる: 小さくても豊かな経済の作り方0円で生きる: 小さくても豊かな経済の作り方感想
タダでもらい受ける方法なども記載されているが、どちらかというと経済の起こり(贈与と応酬など)や仕組みについてまとめたコラム部分が印象に残った。シェアや協同の意義ばかりでなく、それに伴う人間関係の重さやマイナス面(村八分など)にも言及している。実践部分だけ読めば、すぐにでも不用品を人に譲りたくなったり、もっと節制できるよなあとか生活を省みたりする機会になる。
読了日:07月20日 著者:鶴見 済


ホロコーストの現場を行く (ベウジェツ・ヘウムノ)ホロコーストの現場を行く (ベウジェツ・ヘウムノ)感想
著者はホロコーストをライフワークにするジャーナリスト。50万人がガス室で殺されたべウジェッツ絶滅収容所、35万人がガストラックで殺され森に埋められたヘウムノを訪ねた記録。そこでは選別も強制労働もなく、人々は到着次第ガスで殺された。今でも埋葬場所では遺灰や遺骨を見てとれるという。小学校の教科書くらい字が大きく、写真も多数載っているが、別の絶滅収容所ソビボルやマイダネクの話が挟まれるので、事実関係がわかりづらいところがある。ある程度ホロコーストのことを知っている人でも整理しながらでないと混乱しそうかも。
読了日:07月15日 著者:大内田 わこ


綾瀬はるか 「戦争」を聞く II (岩波ジュニア新書)綾瀬はるか 「戦争」を聞く II (岩波ジュニア新書)感想
戦争終結から70余年が経ち、戦争を経験した人びとが高齢化するなかで、いま伝えておかなくては、あの惨禍が忘れられてしまうという切迫感から、つらい記憶を出して語られました。証言者の方々の「これが最後」「いま残しておかねば」という覚悟と思いが胸に迫る証言集です。「関西ウーマン」信子先生のおすすめの一冊コーナーで1巻と共に取り上げました。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201374
読了日:07月09日

綾瀬はるか 「戦争」を聞く (岩波ジュニア新書)綾瀬はるか 「戦争」を聞く (岩波ジュニア新書)感想
毎月「関西ウーマン」に連載させていただいている書評コーナーで2巻同時に取り上げました。夏だけ思い出せばよいということではありませんが、やはり夏は振り返り語り継ぎたい。綾瀬はるかさんの傾聴と寄り添いが貴重な証言を引き出しています。今年は学生たちと広島を訪ねたいと思っています。
読了日:07月08日



勉強法 教養講座「情報分析とは何か」 (角川新書)勉強法 教養講座「情報分析とは何か」 (角川新書)感想
朝日カルチャーセンターだかの一般向け文化講座4回シリーズを本にしたもの。高価な受講料を払って佐藤氏の話を聞きに行くファン向けに、インテリジェンス(情報収集および分析)とは何か、教養はいかにして身に着けるかを話したもの。国際情勢の読み解き方や、何を使って何を学ぶと良いかという話を具体的に提示しているので、講座を聞いた気、わかった気にはなれる。ただし、書物としては、やや散漫か。月90本(!)の〆切を抱えるだけあって、氏の著作はその類が多いのが残念。氏の知識、教養、主張には、感嘆、共感するのだが。
読了日:07月01日 著者:佐藤 優

読書メーター

[PR]
by chekosan | 2018-08-01 23:05 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
毎月、「関西ウーマン」に掲載させていただいている書評、7月分が公開されました。

『綾瀬はるか「戦争」を聞く』。

夏だけ思い出せばよいということではありませんが、やはり夏は振り返り語り継ぎたい。

綾瀬はるかさんの傾聴と寄り添いが貴重な証言を引き出しています。

今年は学生たちと広島を訪ねたいと思っています。





b0066960_16304755.png

[PR]
by chekosan | 2018-07-14 16:28 | 書いたもの | Trackback | Comments(0)
通読した本の冊数こそ少ないが、「独裁者」「SHOAH」「サラの鍵」など、授業ネタでもあるヘビーな映画を観たり、それに関連する文献を読んだりするなど、いいインプットができていた6月。


6月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1700
ナイス数:274

ナチス体制下におけるスィンティとロマの大量虐殺―アウシュヴィッツ国立博物館常設展示カタログ日本語版ナチス体制下におけるスィンティとロマの大量虐殺―アウシュヴィッツ国立博物館常設展示カタログ日本語版
読了日:06月04日 著者:ロマニ ローゼ






チェルノブイリから広島へ (岩波ジュニア新書)チェルノブイリから広島へ (岩波ジュニア新書)感想
著者はフォトジャーナリスト。1986年に事故を起こした旧ソ連チェルノブイリ原発の被災地域を何度も訪れ、聞き取りや、独自の大規模アンケート調査、救援活動を実施。1991年、国際原子力機関(IAEA)によって被災地であるウクライナやベラルーシの実態とかけ離れた調査報告が出される。これに携わった日本の疫学者は広島の原爆被害や公害病の調査報告もしていた人物であったことを記したくだりには愕然とした。平易な文章だが内容は濃く、重い。
読了日:06月11日 著者:広河 隆一



これは経費で落ちません!  ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫)これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫)感想
ご自由にどうぞコーナーで見つけた本。たまには気楽な娯楽としての読書をしてもバチは当たらんだろう、気分転換もいるさ、と読んだ。なんで登場人物がこんなに変わった名前ばかりなのだろうとか、こんなあからさまに公衆の面前で演技までして人をはめようとする奴が何人もいたりするのだろうかとか、会社というのは退社したら仕事しなくてよいのか、メールも開かないのだなとか、特に得るものはないけど楽しく読んだ。とりあえずお金のことはきちんとしよう。いや、いつもきっちり「フェアに」やってるけど。
読了日:06月12日 著者:青木 祐子


「戦争映画」が教えてくれる現代史の読み方 キーワードはユダヤ人問題「戦争映画」が教えてくれる現代史の読み方 キーワードはユダヤ人問題感想
最近ホロコースト関連の映画を資料として観ているので、カタログ的にと図書館で借りてパラパラ見てみたら、予想外に読み物としても面白かった。時系列で現代史を解説し、そこに当時を題材にした映画をからませて紹介している。図版や地図、年表もあって便利なので購入した。表紙から受けるイメージよりも「使える」本。
読了日:06月15日 著者:福井 次郎




サラの鍵 (新潮クレスト・ブックス)サラの鍵 (新潮クレスト・ブックス)感想
映画を観て原作を読んだ。キツいシーンが続く。小さな子どもが苦しむのを観るのは辛い。この作品がクローズアップするヴェル・ディヴ事件に象徴されるフランスの対独協力、ホロコーストへの積極的関与の事実、それが長くタブーになっていたことにショックを受ける。ドランシー収容所に至っては、いまも集合住宅として使われている。フィクションだが歴史的事実と現在を繋げてくれる作品。詳しくはブログに
読了日:06月18日 著者:タチアナ・ド ロネ



ゴルバチョフに会いに行くゴルバチョフに会いに行く感想
亀山先生のゴルビーへの思い入れが溢れ出る。学生時分、亀山先生もゴルビーも憧れの対象だったので懐かしさを覚えながら読んだ。出版社企画による単独インタビューがあまり振るわなかったため、書籍やインターネット上の情報を駆使して、クーデタやソ連解体の実際を追うことになったという。そのせいかインタビュー前の部分の方が勢いがあるように思う。それにしても文学者はこのように、自分と対象との接点や、同化している状態までも作品中にあらわすことが多いのだろうか。熱い告白本であった。
読了日:06月26日 著者:亀山 郁夫


読書メーター

[PR]
by chekosan | 2018-07-01 16:06 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
かれこれ8年目に入りました、「おすすめの一冊」プログラム。

流通科学大学「文章表現Ⅱ」では4年目となります。

今年は、かつて大阪商業大学でしていたように、はじめにグループ内で口頭発表をしました。

グループメンバーから質問や助言をもらって、それを反映させた書評を書いてもらおうという算段です。

b0066960_15393044.png

口頭発表はなあなあにならないように、厳密に時間を計りました。

流通科学大学の図書館が主催する書評コンテストの字数が1000~1200字なので、それに合わせて4分間の発表、続いて1分の質疑応答(ディスカッションになってもいい)としました。

5分間は必ず発表者なりフロアなりがなにがしか口にしていなくてはいけないことにしました。

いきなりだとうまくいかないので、まずは頭の中でブツブツとリハーサルしてもらいました。そのときもタイマーを表示して、きっちり時間を計りました。

さて、本番です。


b0066960_15391334.png

あらかじめ予告してあったので、多くの学生が4分前後で紹介できていたようです。

一人目が終わったときに、元気系男子学生が「やっっぱ、この授業面白いわ!!」と大きな声で言ってくれていました。そうした反応が出ると、クラス全体の雰囲気も良くなるのでありがたいです。

実際、発表後も質問やディスカッションが盛り上がって、話を切り上げるのが惜しそうなグループもありました。

惜しむらくは、このやり方だと、進行や観察に従事する私やお手伝いの先輩たちが、学生たちの発表やディスカッションを聞けないことです。(^_^;

でもまあ、先生や先輩が入らないからこそ盛り上がったのかもしれません。

このあと、書評を書き、その直しと並行してPOPをつくり、最後にPOP(パワーポイントスライド)を提示しながら、はじめとは別の仲間に「おすすめの一冊」を紹介する予定ですので、そのときは、グループから一人ずつクラス全体に発表してもらおうかと思います。

どんな書評やPOPができあがるか、今年も非常に楽しみです!!





[PR]
by chekosan | 2018-06-25 15:56 | 大学教育 | Trackback | Comments(0)

映画・小説「サラの鍵」

フランスで1942年にフランス警察によって行われたユダヤ人一斉検挙「ヴェル・ディヴ事件」を扱った「サラの鍵」。映画を観たあと、原作を読みました。


b0066960_20400389.jpg


映画は予想以上に衝撃的な場面が続き、途中で抜け出そうかと思いました。

1942年7月のある日の早朝、フランス警察がパリのユダヤ人を一斉にパリのど真ん中の屋内競輪場に強制的に集めます。

水や食料、トイレがまったく足りない状況で、一万数千人が、数日間、閉じ込められます。

10歳の少女サラは、弟だけでも検挙されずに済むようにと、彼を納戸に隠して鍵をかけていきます。

ところが拘禁状態はなかなか解けず、さらにユダヤの人々は収容所へと連れていかれてしまいます。

収容所では親子が引き離され、子供たちだけが取り残されてしまいます。

少女は弟を救い出すべく、収容所を脱出し、匿ってくれた農家の老夫婦とパリに向かうのですが…


b0066960_20491320.jpg


もう1人の主人公、現代のパリを生きるアメリカ出身のジャーナリストのジュリアは、夫の実家が所有するアパートに引っ越すことになります。

仕事でヴェル・ディヴ事件を調査するうちに、ジュリアはそのアパートが、検挙されたユダヤ人一家のものであったことを知ります。

ヴェル・ディヴ事件とサラの足取りを探るうち、夫や夫の家族とのズレが露わになっていきます。

サラとジュリアの話が交互に進み、2人の人生が交差する瞬間が訪れます。そこがクライマックスです。

そのあとはどちらかというと、ジュリアがサラの人生を知ったあと、どう生きていこうとするかという話になるので若干勢いが減じるかな。

はいえ面白くないわけではないです。

なんといっても、ヴェル・ディヴ事件自体の酷さ、そのあとのサラの負った傷があまりにも衝撃です。

それ以上に、ヴェル・ディヴ事件に象徴される、フランスの対独協力、ホロコーストへの積極的関与の事実、それが長くタブーになっていたこと、フランスの人たちにもあまり知られていないということにショックを受けます。

ユダヤの人々が連れていかれたドランシー収容所に至っては、いまも集合住宅として使われているということ。

フィクションですが、歴史的事実と現在を繋げてくれる作品です。









[PR]
by chekosan | 2018-06-18 20:35 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
関西ウーマンに月一回掲載中の書評、
今月は喜劇王チャップリンの名作「独裁者」の制作過程を丹念に追った本です。


関西ウーマンFacebookページの紹介文は、
編集さんの方で抜粋・引用していただいていますが、
「今回私が言いたかったにはまさにそこ!」という部分を引いていただいています。


 ↓ ↓ ↓


『「独裁者」制作前後のドイツによる妨害や、戦後のアメリカでのネガティブ・キャンペーンでは、虚偽・捏造の報道、当局からの圧力、さらには不当な裁判までが起こりました。体制に与しない人物の表現活動を封じるための攻撃を見抜き、それを許さない態度が、私たちに求められていると思います。』

本文はこちらから
https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201342





b0066960_15010601.png



[PR]
by chekosan | 2018-06-09 15:04 | 書いたもの | Trackback | Comments(0)
あっというまの5月。

坂口尚『石の花』や清水潔『「南京事件」を調査せよ』が特に印象に残りました。『ガス室に消えた画家 ヌスバウムへの旅』で紹介されている画家ヌスバウムの作品を集めた美術館には、数年内にはぜひとも行きたいと思います。


5月の読書メーター
読んだ本の数:17
読んだページ数:3715
ナイス数:349

「南京事件」を調査せよ (文春文庫)「南京事件」を調査せよ (文春文庫)感想
一気に読了。テレビ局記者による「南京事件」の調査の発端から過程、結果、後日談まで。福島で元兵士から戦争体験の聞き取りを続けてきた人物から提供された兵士の手による生の日記やインタビュー記録と、軍の資料や外国紙の報道、船舶の輸送の記録等々を突き合わせ、現場を確認、確定していく。確実に立証できた揚子江河岸での捕虜の大量処刑に話を絞ることで、調査の信憑性を揺るぎないものにしている。最終章では、著者自身に潜む偏見を自覚し、父や祖父の戦争体験を明らかにし、人ごとではない、知ろうとしないことは罪であることを再確認する。
読了日:05月28日 著者:清水 潔


ホロコーストの跡を訪ねる (母と子でみる)ホロコーストの跡を訪ねる (母と子でみる)感想
読みやすいが密度が濃い。数字や出典もていねいに提示されている。ヒトラーが活動を始めたミュンヘンから始まり、ドイツ国内に初期に造られたダッハウ強制収容所、ポーランドにつくられたアウシュヴィッツ強制収容所、そこに近い都市クラクフを訪ね、ホロコーストの経緯、抵抗活動を紹介する。戦後、これらの場所にまつわるホロコーストの記憶がどのように残し伝えられているかも記述。そこが特に興味深かった。/1989年以降、戦中戦後にポーランド住民が起こしたユダヤ人迫害・虐殺の事実が掘り起こされたが、揺り戻しが起こらないか懸念する。
読了日:05月27日 著者:荒井 信一,山本 耕二


アウシュヴィッツと「アウシュヴィッツの嘘」アウシュヴィッツと「アウシュヴィッツの嘘」感想
3部構成。第1部はアウシュヴィッツ絶滅収容所の成り立ちや運用の経緯、第2部はナチスによるユダヤ人の組織的大量虐殺はなかったとする「修正主義」への反論をコンパクトに読みやすくまとめている。第3部は、日本人研究者による、日本における「ガス室はなかった説」(マルコポーロ事件)への反論や、ホロコーストを否定する言説を罰する法律制定の経緯や問題点、修正点などの解説。この第3部を付したのはとても良いと思う。
読了日:05月25日 著者:ティル バスティアン,星乃 治彦,石田 勇治,芝野 由和



母と子でみるアウシュビッツ (母と子でみるシリーズ)母と子でみるアウシュビッツ (母と子でみるシリーズ)感想
早乙女勝元氏の戦争を記録し伝える活動は小さい頃からうっすら知っていたが、最近あらためて、この「母と子で見る」シリーズを何冊か読んで、そのラインナップの幅広さや一冊一冊の内容の濃さに圧倒されている。本書など35年前のものなので画像が不鮮明だったりするのだが、「母」はともかく「子」が見て大丈夫だろうかと思うような強烈な写真が多数掲載されている。衝撃度はかなり高い。アウシュヴィッツ=ビルケナウでの死亡者数などは、その後、研究が進んで修正されているので、細かい数字の引用には注意が必要。
読了日:05月20日 著者:早乙女勝元


石の花(4)激戦編 (講談社漫画文庫)石の花(4)激戦編 (講談社漫画文庫)
読了日:05月20日 著者:坂口 尚
石の花(3)内乱編 (講談社漫画文庫)石の花(3)内乱編 (講談社漫画文庫)
読了日:05月20日 著者:坂口 尚
石の花(2)抵抗編 (講談社漫画文庫)石の花(2)抵抗編 (講談社漫画文庫)
読了日:05月20日 著者:坂口 尚
石の花(1)侵攻編 (講談社漫画文庫)石の花(1)侵攻編 (講談社漫画文庫)
読了日:05月20日 著者:坂口 尚
石の花(5)解放編 (講談社漫画文庫)石の花(5)解放編 (講談社漫画文庫)感想
うぉ~~っと一気に。何年も前にある先生に教えていただいて購入したものの、戦争戦争した話なので読み進められなかった作品。機が熟したのだろう、今回は一気に読めました。第二次世界大戦中のユーゴの話。ていねいに描かれていて面白かった。こういう緻密につくられた漫画を子らも読めるようになってほしいなぁ。まぁこの作品自体は関心を抱く人は少ないテーマと思うが。感想はまとめてブログに。
読了日:05月19日 著者:坂口 尚





旅するリトアニア旅するリトアニア感想
リトアニアの自然、食べもの、ハンドクラフトなど綺麗なものばかり集めた本。お店の紹介もあるが、ガイドブック的には作られていない。素朴系路線。ベリー系の飲み物がおいしそう。今度行ったら探してみよう。
読了日:05月16日 著者:口尾麻美





バルト三国 愛しきエストニア、ラトビア、リトアニアへ (KanKanTrip13)バルト三国 愛しきエストニア、ラトビア、リトアニアへ (KanKanTrip13)感想
オールカラーの写真がたくさん!オシャレなカフェや雑貨屋さん、市場の紹介はガイドブックとして、野外民俗博物館やお祭りルポはバルト三国を知るとっかかりとして◯🙆 布もの食べ物クラフト系が好きな人には情報量大。この前リトアニア🇱🇹行ったときはダークな史跡とスーパーといかにもなお土産屋さんしか行かなかったけど、今度は勇気を出してオシャレなお店や市場にも入ってみようっと!この本はフォークロアなもの中心だけど、リトアニアは現代的な夏のワンピースもすっごく可愛かった。今度は1着くらい欲しいかも。
読了日:05月16日 著者:Sanna



文房具と旅をしよう文房具と旅をしよう感想
小さな可愛らしい本。ざっと眺めて楽しんだ。ヨーロッパに文房具を訪ねる旅。スーパーや郵便局にある、その土地ならではの便箋や封筒やシールなどが写真で紹介される。著者お2人は業務用のような簡素なものがお好きな模様。私は著者たちほど事務事務した文具に執着はないが、A5ノートが大好きなので、書店や美術館をチェックしまくって探している。外国の郵便局から本を送るときに買った箱も愛おしくて捨てられなくて、本を入れたまま収納容器のように使っている。書店や美術館で買い物した時の袋もなかなか捨てられないなぁ!(๑˃̵ᴗ˂̵)
読了日:05月14日 著者:寺村 栄次,浅井 良子,スコスステーショナリーズカフェ



ガス室に消えた画家 ヌスバウムへの旅 母と子でみる A 40ガス室に消えた画家 ヌスバウムへの旅 母と子でみる A 40感想
同じ著者の『ホロコースト 女性6人の語り部』で、本書の表紙にもなっている自画像を見て強烈に惹かれた。ナチスのユダヤ人迫害で外国を転々とし、密告によって捕らえられて収容所で殺された画家。友人たちに預けた作品が戦後ずいぶん経って親戚の手に移り、故郷オスナブリュックで展覧会が開かれた。それをきっかけに残りの作品の所在も判明し、オスナブリュックに集結。市民が寄付を集めて常設の美術館もできた。ぜひ行って、作品を生で見たい。詳しくはブログに。https://chekosan.exblog.jp/28304919/
読了日:05月10日 著者:大内田 わこ


トラウマ映画館 (集英社文庫)トラウマ映画館 (集英社文庫)感想
町山さんのことは『映画と本の意外な関係!』を読んで、教養に裏打ちされた文章にすっかりファンになった。本書はタイトルどおりトラウマ必至の恐怖系残酷映画ばかりだが、やはり社会的背景や映画史を踏まえた濃い紹介。クスッと笑える表現も散りばめられていて、胸の悪くなるようなエロやらグロやらバイオレンスな映画なのに観たくなる。と読み進めていくと、著者自身のトラウマが少しずつ語られていく。そこが一番衝撃だったかも。どこからでも読めるが、前から順にあとがきまで逃さず読むことをおすすめ。各章の並びの意図を理解できるだろう。
読了日:05月07日 著者:町山 智浩


ダークツーリズム入門 日本と世界の「負の遺産」を巡礼する旅ダークツーリズム入門 日本と世界の「負の遺産」を巡礼する旅感想
沖縄、学会で行ったけど戦跡は見れていない。広島には一度も行っていない。上息子はどちらも修学旅行で行ったのに…広島行ってないの家族で私だけになりそう。近いうちに行こう。サラエボやチェルノブイリにも遠くないうちに行く。ルワンダ強烈すぎる…などと読み進めていて、執筆者に知ったお名前を発見。そうと知らずに手に取った本で、学生時代の友人と「再会」し、ご活躍を知ることができて嬉しく思ったのでした。詳しい感想はブログに。https://chekosan.exblog.jp/28296566/
読了日:05月05日 著者:


以下の2冊は、月一回の書評連載「信子先生のおすすめの一冊」@関西ウーマンで紹介。




続・僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう (文春新書)続・僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう (文春新書)
読了日:05月04日 著者:池田 理代子,平田 オリザ,彬子女王,大隅 良典,永田 和宏
僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう (文春新書)僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう (文春新書)
読了日:05月03日 著者:山中 伸弥,羽生 善治,是枝 裕和,山極 壽一,永田 和宏

読書メーター

[PR]
by chekosan | 2018-06-02 11:40 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
第二次世界大戦のユーゴスラヴィアを舞台とした漫画『石の花』は、1983年から1986年に連載されたものです。

これを読めば、このころのユーゴの歴史がスッキリわかる!とはいきませんが(なにしろ複雑)、関心がある人にはとても面白い作品だと思います。

農家の兄弟と幼なじみを中心に、ドイツに抵抗するパルチザン部隊、ユーゴ侵攻を進めるナチスSSのエリート将校、闇の商売に暗躍する人物などの戦い、駆け引き、苦悩をていねいに描いています。

それぞれの立場や主義をうまく盛り込み、単純な勧善懲悪にしていません。

主人公のクリロ少年、クリロとともにパルチザンに入るユダヤ少年、クリロの幼なじみの少女フィーたち、少年少女の純粋さと葛藤がとりわけ読みどころです。


最終巻には、ユーゴ史の専門家、柴宜弘氏の解説も掲載されています。歴史考証に協力されたそうです。なるほど納得です。

話が複雑で、文字も多く、絵もていねいなので、大きな版で読む方が良いかと思います。文庫版で一気読みすると、眼球がとても疲れました! (^-^;


b0066960_21270864.jpg

[PR]
by chekosan | 2018-05-20 21:31 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)