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中・東欧、ロシア、大学教育、美術展、映画鑑賞などなど


by chekosan

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チュコフスキー(1882 - 1969)は、その名を冠した文学賞もあるソ連を代表する児童文学作家です。


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が、この作家の少年時代を書いた自伝を読んだのは、彼自身よりも、彼の代表作『アいたた先生』のモデルとされるドクター・シャバドに関心があったからです。

シャバド先生というのは、今のリトアニアのヴィリニュスで活躍したユダヤ系の医師で社会活動家です。人びとにたいへん慕われ、尊敬された人物ということで、ヴィリニュスに銅像が立っています。



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チュコフスキーはシャバド先生に実際に会ったことがあるとの記述をインターネットでみつけたため、彼の少年時代を書いた作品にシャバド先生に関する言及がないかと思って読んでみました。

結局そのような記述はなかったのですが、この作品自体とても面白くて、チュコフスキーにも関心が高まりました。

銀いろの記章」とは中学のバッジのことです。彼は優秀な子どもだったのですが、貧しい母子家庭の子であったために無実の罪を着せられて退学処分にあいます。そうした貧しい家庭の子どもを中学に入れないようにする布告が出されていたからです。

彼を大学生にするためにお金持ちの洗濯を請け負って働きづめだった母との約束を果たすべく、彼は友達と励ましあって自学し、遂には…

と書くと重い苦労話のようですが、ユーモアがあって読みやすいお話です。当時の風俗や生活がわかって、たいへん面白いです。


チュコフスキーが使っていた別荘が博物館として公開されているようです。いいですね。いつか行ってみたいです。




by chekosan | 2019-05-05 21:32 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
シベリカ子さんの『おいしいロシア』(イースト・プレス 2016)を購入。速攻で読みました。

タイトルどおり、ロシアのおいしい料理や生活を紹介するマンガです。

このカバー、見てください。かわいらしい! 思わず、カワ(・∀・)イイ!! と顔文字を出したくなります。
絵を描けるっていいですね。

カバーに描きこまれているものはすべて本文中に紹介されています。レシピもあるので、再現も可!

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ロシア人の大好きな食材、料理、ダーチャ(夏の家)での保存食づくり、親せきや友達とのおつきあいなど、いまのロシアの普通の人々の暮らしが垣間見れます。

私がロシアに行ったのは、30年くらい前のギリギリソ連時代。まだ勝手に動くことは許されず、1か月半ほどの滞在は、すべて外国人専用ホテル。3食すべてホテル内のレストランという語学研修でした。

普通のお家は見れなかったですし、お店も外国人専用お土産屋さん以外はほぼ入れなかったので、こうした日常生活を絵で描いてある本を見ると、とても楽しい! わくわくします。

ロシアも玄関で靴を脱ぐのねとか(チェコも脱ぐ)、冷蔵庫にマグネット貼ってる!とか、料理の写真のカレンダーだ!とか(チェコにもよく売っている)、緑茶に砂糖を添えるとか(チェコのお茶専門喫茶もそうだった記憶がうっすら)。

夏の家ダーチャにあるペチカも一コマ出てきます。

ペチカ(調理と暖房を兼ねた暖炉)については、前々から注目していて、ポーランドの博物館で実物を見れた!と大はしゃぎしている記事や、映画「炎628」のなかに出てきた!と嬉しがっている記事 も書いていまして、最近も別の映画で決定的なシーンを見つけました。またアップする予定(笑)

カバーにもある黒字に植物の模様が入った木の食器「ホフロマ塗り」は当時から主力お土産品のひとつとしてたくさん売っていました。私もたしか、とりわけ用のスプーンを自宅へのお土産に買ったように思います。懐かしいな。あれ、どこにいったんだろう。発掘したいな。

ロシアと言えば黒パン。はじめは酸っぱくて無理と思いましたが、慣れるとクセになりました。キャビア(「黒いイクラ」)をたっぷりのせて食べたような。。。なにしろ名物なので、普通にテーブルにのってました。いいものだったのかどうかはわかりません(笑) 

日本でレストランで出てくるキャビアは数えられるくらいしか粒がなくて、それはそれで、おいしいも何もわからない気がしなくもないですが。

ブリヌイ(クレープのような薄いパンケーキ)は、私にとってはロシアではなくチェコの思い出と結びついています。

90年代半ば、チェコの語学学校で知り合ったロシア人の女の子のお家に遊びに行ったときに、はじめて食べたように思います。ロシア語研修の滞在ホテルでは出てこなかったと思うのです。

彼女は、真っ黒な髪に青い目、小柄で、とても美人でかわいらしい妊婦さんでした。そのとき語学学校のクラスは英米出身者ばかりで、優しくていい方ばかりだったのですが、私とその女の子だけはやはり少し異質な感覚がありました。

まだほとんどチェコ語もできず、かといってロシア語も薄れてしまっていて、彼女の方は英語はほとんどできなかったので、いったいどうやって意思疎通していたのか今となっては不思議ですが、私がロシアにも行ったことがあると知ると親しみを持ってくれて、ブリヌイをごちそうしたいとお家に招待してくれました。

小さなアパートにお邪魔すると、おなべいっぱいのブリヌイを作って待っていてくれました。それを取り出してお皿に盛ってくれたら、ほんとに、このカバー絵くらい山と積まれて、ずいぶん驚きました。

当時、日本でもすでにクレープは流行りが収まり、日常的に食べるお菓子の一つになっていってはいましたが、生クリームやら果物やらいろいろ包む食べもので、けっこう値段も張るものでした。そのため、一度に一枚食べるものと思っていました。

フライパンで薄く焼いて作るものなので、なぜおなべから出てきたのかわからないですが、焼いたものが冷めないよう、ひからびないように、深いお鍋に入れて保管してあったのでしょうか。

一枚一枚は薄いものなので、いったい何十枚焼いてくれたのだろうと感激しましたが、そうは食べられず、、、もういらないの?と、大きなきれいな目で、ちょっと悲しそうというか残念そうに見つめられて申し訳なく思いました。ごめんね。

当時はメールなどなく、お互い住所を聞いたのか聞かなかったのか、帰国した後は連絡が途絶えてしまいましたが、その後、無事かわいい女の子を出産されたと語学学校の先生から聞いたように思います。どうしているかなあ~。ブリヌイといえば彼女を思い出します。それにしても美人だった。


コーラみたいな黒い発酵飲料「クワス」は、ソ連時代に自動販売機で飲んだ思い出を以前も書きました。→クワスの思い出(2016/5/11の記事)

この記事を書くときに見つけたチェコ紙幣を使う旅はすぐあとの2016年8月に実現できましたが、クワスも2018年8月にラトヴィアで飲むことができました!

ラトヴィアの首都リーガの市場にクワス売りの車を発見。小さいカップを注文しました。


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30年越し(?)でクワスを飲めたの図。息子が動画を撮っていてくれたのですが、それによると、わたくし、「うん、おいしい。う~~ん、なんていうんやろなあ、、、、、黒蜜!」と言ってました(笑)

息子は一口で「ええわ」と放棄。残りはすべて私がおいしく飲み干しました。^^

リーガ、すごく良かった! 完全に忘れないうちに記録しないと!
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というわけで、一瞬で読めてしまう本ですが、思い出語りはえんえんと。

やはり食は人生の基本、深いところに記憶を残してくれるように思います。

最近の旅では、一般家庭に滞在する機会は長く作れていませんが、普通のスーパーや市場で現地の食材を調達して、ごはんを作って食べることで、ちょっとだけでも雰囲気を知りたいなと思って実践しています。といっても、スーパーの売り場における現地の食材の割合はだいぶ低下している感じではありますが。


ロシアもまた行きたいなあ。そのときは、この本を持っていかなくちゃ。







by chekosan | 2019-04-20 17:51 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
「関西ウーマン」の書評連載、今月はソ連からアメリカに亡命した作家、セルゲイ・ドヴラートフの『かばん』です。たしか小説を取り上げるのは初めてです。


さらっとクスッと読めて、郷愁を感じる連作短編集です。特に「フェルナン・レジェのジャンパー」にはジーンときました。

ドヴラートフはソ連ではほとんど出版させてもらえなかったのですが、ペレストロイカ以降、人気急上昇、いまや「現代の古典」とまで言われているそうです。

残念ながらご本人は早くに亡くなられました。

昨年は、その名も「ドヴラートフ」という映画も公開されました。観たいなあ!


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書評に書いた展覧会のチラシやチケットのファイル


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by chekosan | 2019-03-09 14:29 | 書いたもの | Trackback | Comments(0)
ひたすら学生のレポートを読んで成績をつけていた2月。合間に展覧会、音楽会、映画、子の学校行事参観、小さな原稿執筆等々をねじ込みました。目・首・肩・腰にとどまらず、喉やら頭やら歯まで痛み出す始末。成績つけおわったらと放置していた本の山、紙の山の片付けで全身筋肉痛。ふと気がつくと月末。そうか2月は28日までしかないのだった! 駆け込み読書でなんとか二桁いきました…


2月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:2954
ナイス数:561

さよなら妖精 (創元推理文庫)さよなら妖精 (創元推理文庫)感想
東欧の本を読む授業で、学生がユーゴが関係すると教えてくれた本。米澤氏が学生時代にユーゴのことを研究されていたとか。ちょっと意外。ストーリーも登場人物の言葉づかいも日常の謎解き的な部分もこなれてなくて青くさい感じはする。タイトルも、なんで妖精? それでも今どきの若者に人気の作家が取り上げたら、少しでもユーゴのことに関心を持つ人が増えるかも。どうやら続編があるのか? それもユーゴが絡むなら読みたいかな。
読了日:02月01日 著者:米澤 穂信


本屋という「物語」を終わらせるわけにはいかない (単行本)本屋という「物語」を終わらせるわけにはいかない (単行本)感想
盛岡が、全国の県庁所在地の中で、一世帯あたりの書籍購入金額1位(2017年)というニュースを目にして、名物書店があったのもそのあたりじゃなかったなとうっすら思い返していたところ、ナイスなタイミングで本書を発見。盛岡の本屋さんが『思考の整理学』ブームをつくり、書名を隠して売る「文庫X」を仕掛けたんだ!「文庫X」は敬遠していたけど、あの人の本なら読もう。ところで、先の調査では我が滋賀県の大津市も3位。滋賀は図書館が充実しているが、そのことと書籍購入は反比例しないってことね。むしろ購入を促すんじゃないかな。 
読了日:02月03日 著者:松本 大介

後日談:本書の著者を含め、さわや書店さんで活躍された店長さん、書店員さんが相次いで退社されるということ。




モダンガール論 (文春文庫)モダンガール論 (文春文庫)感想
いや~面白かった! 母校の学部同窓会からの依頼で、母校女子部の明治~戦後直後のことを少し調べていて、本書の存在を思い出す。7年も塩漬けだったが、まさに時機を得た感じで一気読み。明治以降の女性たちの「出世コース」を資料から丹念に読み解いているのだが、文体が軽妙なのでまったく退屈しない。背景にある階級(階層)の分断や貧困の問題もわかりやすく描き出している。こういう文章、本を書けるってすばらしい。指導教授による文庫解説もクスっと笑えて、最後にウルっとさせる。研究内容だけでなく文体も師の影響なのかな(笑) 
読了日:02月09日 著者:斎藤 美奈子


アンネ・フランクに会いに行く (岩波ジュニア新書)アンネ・フランクに会いに行く (岩波ジュニア新書)感想
学生のおすすめの一冊。著者は78年に欧州に渡って以来、長期に渡ってアンネの足跡を辿る取材を重ねてきた。そのため本書には、現在とは違う収容所跡の雰囲気や受け入れ体制の様子や、当時を知る関係者の生の声など貴重な体験や証言が散りばめられている。そうした証言者自身の体験や言葉の方が興味深かった。特に「アンネのストーリーはごく一部」だという証言者の言葉は重い。もちろん一人の人物の人生を追うことにも意義があり、矛盾・対立することではないが。それにしても写真が少なくて残念。記者時代に撮った写真は個人では使えないのかな。
読了日:02月11日 著者:谷口 長世


ハリスおばさんパリへ行く (fukkan.com)ハリスおばさんパリへ行く (fukkan.com)感想
気分転換に、少女時分に読んだお話を再読。一気読みしてしまった。憧れのディオールのドレスを手に入れるべく爪に火を点して貯蓄に励んだイギリスのお手伝いさん、ハリスおばさんの大冒険。おばさんのきっぷのよさやまっすぐさ、それにほだされて親切に手を尽くしてくれるまわりの人々。訳も愛嬌があって、ふふっと笑ったり、じわっときたり。世を恨んだり文句言ってたりしても始まらないわ! シリーズ読破しようっと。※復刊ドットコム版は、昔の版をOCRで読み取って復刊したと思われる。誤字脱字が多い。大勢に影響はないけど。
読了日:02月18日 著者:ポール ギャリコ


火葬人 (東欧の想像力)火葬人 (東欧の想像力)感想
うーん… ナチに支配されたプラハでドイツ系の主人公がそれまでの寛容な態度をあっさり翻して周囲の人々をクビにしたり消していったりする、ああ恐ろしい全体主義…というように読めるのは読めるのだろうけど、それ以上に、このおっちゃん、穏やかで、品性を保って、誰にでも丁寧な物腰の紳士としてふるまっていたけど、実はすごくルサンチマン的な人で、それが高じて、どんどん狂っていったんじゃあないの? その様子に妻が恐怖感を抱いて、元気がなくなっていったんじゃ? というのが最大の感想。→感想のつづきはこちら
読了日:02月19日 著者:ラジスラフ・フクス


よろこびの日―ワルシャワの少年時代 (岩波少年文庫)よろこびの日―ワルシャワの少年時代 (岩波少年文庫)感想
第一次大戦前後のワルシャワのユダヤ人の生活の様子がわかる。1930年代後半の写真も載っていて雰囲気を伝えている。作家シンガーの父はラビだが、実入りは少なく、一家は家賃を払うのも苦しかった。その一家が住んでいたのがクロフマルナ通り。この通りにはコルチャック先生が1911年に開いた孤児院もあった。コルチャックは著名人だったので同時代人のシンガーも知っていたと思われるが、残念ながらこの本には出てこなかった。/この当時はアジア人は劣等に見られてたのだなあとわかる一節あり。
読了日:02月22日 著者:アイザック・バシェビス シンガー

私が図書館で借りて読んだ版の表紙はこちら↓

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わが家の人びと―ドヴラートフ家年代記わが家の人びと―ドヴラートフ家年代記感想
面白かった。ユーモアがあって、くすっと笑える部分多し。ロシア文学には珍しい軽妙な文体の短編集。時代的にはソ連誕生前後から80年代のはじめまで。誰それが銃殺されたとか誰それが刑務所に入れられたといったエピソードも多いが、作者は78年に西側に亡命したので、そんな話さえもソ連(ロシア)への郷愁を感じさせる。といっても彼の書くものは自伝的要素が強いものの、虚実混ざっているとのことだが。彼の作品の邦訳は本書と『かばん』くらいのよう。もっと読みたいなあ。表紙の絵がイメージに合っていて好き。
読了日:02月27日 著者:セルゲイ・ドナートヴィチ ドヴラートフ


専門馬鹿と馬鹿専門―つむじ先生の教育論専門馬鹿と馬鹿専門―つむじ先生の教育論感想
エッセイ集。さらさらっと読めるので少しずつ楽しんだ。時事的なものは年月が経ってわかりづらくなったものも。面白かったのは、知ってるつもりできちんと読んでなかったガリヴァー旅行記を読み直したら面白くて、自分が法学部の先生なら絶対テキストに使うと熱く語る話。そんなこと言われた日には使わねば😁 そういえば私もきちんと読んでなかったので早速お取り寄せ〜
読了日:02月28日 著者:なだ いなだ



エラい人にはウソがある ―論語好きの孔子知らずエラい人にはウソがある ―論語好きの孔子知らず感想
前半の孔子その人に関する検証部分は、マッツァリーノ氏にしては推定の部分が多いかな。孔子は紀元前500年代の人だから同時代の史料がほとんどないので仕方ないか。後半の日本における儒教や『論語』の受容と衰退、復活を考証するあたりから本領発揮。原典を正しく理解せずに経営や教育の指針として闇雲に論語を読ませようとすることを批判する。しかもそういう人に限って孔子の非暴力主義については触れないという指摘が面白い。晩年に論語に傾倒した渋沢栄一に関しても、渋沢の経営や社会事業の業績は論語とは関係ないと断言している。
読了日:02月28日 著者:パオロ・マッツァリーノ


壁のむこうの街壁のむこうの街感想
『走れ、走って逃げろ』(映画「ふたつの名前を持つ少年」原作)の作家による児童文学。たった一人でドイツ占領下ポーランドのゲットーの廃墟に隠れ住み、父親の迎えを待ち続けた少年のお話。フィクションということだが、長期間、潜伏できるようにつくられた地下室の様子や、家屋同士を繋ぐ秘密通路の存在や、住人が収容所に連行されて無人となった空き家が略奪にあう様子などが具体的に描かれている。こうした話を読むといつも、自分も家族もこういう状況を生き抜く生活力はないなと思う。
読了日:02月28日 著者:ウーリー・オルレブ

最後に、主人公の友ハツカネズミのスノーにちなんで、うちの白ねずみのダイヤさんに登場してもらいましょう。

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読書メーター

by chekosan | 2019-03-01 11:27 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
2018年8月は、上旬に何年ぶりかで家族揃って杉原千畝の足跡を辿る旅・岐阜編、
下旬は高2息子とバルト3国10泊12日の旅、合間に仕事やちょっといろいろ。
目一杯みっちりでした。

ということで読んだ本は旅ものや、
9月中旬に予定している学生たちとの広島スタディツアーの準備がメイン。



8月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:2169
ナイス数:146

まわしよみ新聞をつくろう!まわしよみ新聞をつくろう!感想
みんなで新聞を回し読み、気に入った記事を3本ずつ切り抜いて、その記事をネタにして順におしゃべり。最後に切り抜きを1枚の紙に貼り付けて壁新聞をつくるという「新聞遊び」。子らが小6、小1のときに「親子まわしよみ新聞」に参加して、これは面白い!と教員仲間にも紹介。自分の授業にも取り入れています。でもやっぱりやる側の方が楽しいです☆ 定期的に小さな集まりでやれたら理想! 「関西ウーマン」書評コーナーで取り上げました。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201378
読了日:08月04日 著者:陸奥 賢





広島の木に会いにいく広島の木に会いにいく感想
原爆の爆心地から半径2キロ圏内で生き残った被爆樹木と、樹木を調査し、守り、伝える人々をドキュメンタリー映画監督が訪ねる。その場を動けないにもかかわらず熱線や爆風に耐えて生きのびた植物の強さに感銘を受ける。生きているだけに、挿し木をして子孫を残すにも非常に繊細に扱わなくてはいけない。また、木の内部を研究するのは現在の科学ではなかなか難しいとのこと。学生と広島スタディツアーに行くので、ぜひとも一緒に何本か見てきたい。小学高学年から読めるようルビつき。イラストもいい。年齢を問わずおすすめ。
読了日:08月10日 著者:石田 優子


被爆樹巡礼被爆樹巡礼感想
広島の原爆で傷つきながら生き残った被爆樹木をていねいに紹介する本。被爆樹木を守った人々の証言も掲載。被爆樹をめぐるモデルコースも。被爆者が高齢化し、被爆体験の伝承はあとの世代に引き継がれようとしているが、人間や建物等よりも寿命の長い樹木は、「現場」に残る「現物」として悲劇と復興を伝えてくれる存在になる。それにしても植物の生命力はすごい。児童書の『広島の木に会いに行く』とともにおすすめ。学生と広島スタディツアーに行くときには、2冊を参考に、被爆樹にも会いに行きたい。
読了日:08月12日 著者:杉原 梨江子


はじめての沖縄 (よりみちパン! セ)はじめての沖縄 (よりみちパン! セ)感想
同じ著者の『断片的なものの社会学』を読んだあと、著者が作家デビューされたと報道で読んで納得。『断片~』を読んだときも感じたのだが、本書はさらに全編にわたって「わたし」が溢れ出る。自分を対象(本書の場合は沖縄)にめりこませ、なのに一体化できていないという意識を持ち、自分と対象との関係性に過敏になり、どうふるまうか、どう思考すべきかに悩んで、その逡巡までも不特定多数の読者に開陳する。沖縄に対峙するということを思考する本だが、それ以上に著者本人が発露している本という印象。シンクロする人はシンクロするだろうな。
読了日:08月15日 著者:岸政彦


「超」旅行法 (新潮文庫)「超」旅行法 (新潮文庫)感想
お出かけの行き帰りの電車で読むのに図書館で急いで借りた本。そのため飛ばし読み。ちょっと年月が経って古びている感じもあるが、そこは仕方ない。準備をするために旅をする=旅は準備こそが楽しい、というのはまったくそう。いろいろ調べてスケジュールを組んで、グッズを用意して。でもあまりに慌ただしい日々だと、ロクに準備できてないのに前日、なんてことになる(;´Д`A ``` いままさにそれ。って、こんなこと書いてないで、準備しなくちゃ! 明日は早いぞ!!(汗)
読了日:08月19日 著者:野口 悠紀雄


十五の夏 上十五の夏 上感想
いやすごい。彼は詳細な記録を残しているのだろうか、あるいは体験をつぶさに記憶しているのだろうか、あるいはどちらもか? 自由旅行ができなかった1975年に高校一年生が一人でソ連・東欧をひと夏かけて旅行するとは。上巻は東欧編。国ごとの違いが興味深い。書評連載で取り上げました。https://www.kansai-woman.net/Review_s.php?id=201394
読了日:08月20日 著者:佐藤 優


十五の夏 下十五の夏 下感想
下巻はソ連編。彼が十五にしてソ連・東欧に旅したいきさつにも紙幅を割いている。北方領土に言及する場面では元外交官の顔が出てきて若干異質。それにしてもこの時代にこの歳で、この知識、能力、好奇心、コミュニケーション能力。やはり異能とか知の怪物とか言われる人は少年時代から違う。しかも繊細で礼儀正しくかわいらしいんだから。当時の写真も興味深い。書評連載で取り上げました。https://www.kansai-woman.net/Review_s.php?id=201394
読了日:08月21日 著者:佐藤 優






ショッピングモールから考える ユートピア・バックヤード・未来都市 (幻冬舎新書)ショッピングモールから考える ユートピア・バックヤード・未来都市 (幻冬舎新書)感想
著者たちが強調するように、学術的に証拠立てて論じた本ではなく、ショッピングモール「から」いろんなことを読み取ってあれこれ対談した本。ほほうと思うところ多々あり。それでもやっぱりあの空間には愛着は持てないと思ったり、だけどどこに行っても本能的に?「わかってしまう」空間構成になっている点に普遍性を感じたり。古い街並みの残るバルト3国への旅行中に読んでいたので、旅先でもあえてモールにも入って観察した。そして日本も欧州も香港もほぼ同じだなあと確認した。本書のとおり、吹き抜けには個性、内装の妙ありか。詳しい記録は別記事で。
読了日:08月31日 著者:東 浩紀,大山 顕




読書メーター

by chekosan | 2018-09-08 20:31 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
今年の展覧会第3弾は、「大エルミタージュ美術館展」。「大」を付けたのがウマイなあ。平日の午後3時でしたが、賑わっていましたよ。

サブタイトルは「オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち」。宗教画や風景画など85点が展示されていたようです。

兵庫県立美術館は入るまでのわくわく感を高める演出が楽しいんですよね。



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この鳥のコンサートの絵が良かったです。↓


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エルミタージュっぽさを演出?

エルミタージュには大昔、ロシア語研修で滞在したときに行きました。でも、もうとにかく建物の豪華さ、大きさに圧倒されて、絵なんか全然覚えてない😅


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階段右の写真↑がサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館ですね。



展示会場を出たところには、又吉さんマトリョーシカが。これは撮影可。


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コレクションをつくった女帝エカテリーナ2世になり切れる撮影コーナーも大人気。一人だったのでいいなぁ〜と横目に見ながらショボンと帰ってきました。

今日は兵庫県立美術館のシンボル、カエルの美カエルもおらず🐸 風が強いからかな。冬眠中?

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by chekosan | 2018-01-12 16:13 | 美術 | Trackback | Comments(0)
タルコフスキー監督の長編デビュー作「僕の村は戦場だった」を買ってあったDVDで観ました。

前々から名前は知っていたものの、モノクロの戦争映画にはなかなか食指が動かず、ようやくです。

が、戦争は戦争なのですが、グロテスクな場面や戦闘シーンは最小限で、意外とのんびりした映画な感じでした。

いや、ホロコーストものなどを続けて観ているせいでショックを受けなくなってきているだけかもしれませんが。

第2次世界大戦のソ連で、ドイツ軍の攻撃によって両親と妹をなくしたイワン少年は、ドイツへの復讐を果たすため、斥候として敵陣を偵察に行くという危険な任務を自ら望んで果たしています。

周りの大人の兵士や将校たちは、さすがに年端のいかない少年が最前線にいるのは良くないと、幼年学校にいかせようとするのですが、イワンは断固として拒否、結局、大人たちは折れて、再度イワンを偵察にやらせます。

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という話の中に、気丈で頑固だけど、やはりまだまだ幼いところも残るイワンが見る夢が挟まれていきます。

大好きなお母さんとの夏の日。お母さんは、ピカピカしていて、がっしりしていて、いかにも「最愛の母」という感じ。

ものすごい美少女の妹と遊ぶ光景。(私は、鑑賞後、他の人の解説や感想を読んでやっと妹だとわかりました…近所の幼なじみかと思った。そういえばセリフで妹がいたと出てきていましたね。映画の登場人物の読みとり能力の低い私…)

戦場の様子とは対照的な夢の部分が美しいです。

◇◇◇

絶賛の声が多いなか、妹が妹とわからない者が言うのもなんですが(笑)、やはり昔の映画だなあ、第一作だなあと思うようなところも多々あるように思いました。

主要登場人物は美男美女揃いで、目の保養になるのですが、すごく演技演技しているとか。なんかちょっと学芸会っぽい、わかりやすい「照れる演技」「悔しがる演技」だったり。

作品全体の流れも少々ぎこちないような、、、

でも、ピンとこない大戦中の戦場の様子が少しわかって参考になりました。

先週、輪読ゼミで読んだアレクシェーヴィッチのデビュー作『戦争は女の顔をしていない』では、たくさんの女性たちも前線に行っていたということがわかったのですが、この作品にも主要キャラとして若いものすごい美人の軍医(中尉)が出てきます。彼女は階級が高いので、スカートを履いて、髪の毛もゆるくカールして、余裕が見られますが(それとも映画だから?)。

塹壕とはどういうものなのかもわかりました。アレクシェーヴィッチの作品を読んだときに写真では確認したのですが(その影響で夢にまで塹壕が出てきました)、映像の方がわかりやすいですね。

ラストで、ソ連軍がベルリンを制圧し、ドイツ軍の書類を押収するのですが、そのときに処刑者の書類がたくさん出てきます。なるほど、そういうものによって死亡が確認できたり行方を辿ったりしたのだなあと思ったり。

多少の脚色はあるかもしれませんが、字で読むだけではわかりづらい一世代前の様子を知るには映画はいいですね。











by chekosan | 2017-10-15 10:29 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
同志社大学の「ロシア・東欧地域研究」では、学期の始めの方に「図書館でこの授業と関連しそうな本をみつける」という小さな課題(任意)を出しています。ジャンル不問。通読しなくてもいいけれど、パラパラでいいので必ず中を見て、どこか面白そうなところを書いてもらいます。なかにはきっちり読んで書いていそうな学生さんもいて感心します。

そして、これも任意ですが、授業内で紹介してもらいます。同輩の発表って、刺激になるんです。さらに私だけが見ていてももったいないので、今年はリストにして受講生全体で共有することにしました。

手書きのワークシートで出してもらったので、打ち込むとちょっと大変なため、あらためてLMS(授業支援システム)で出してもらおうとしたのですがうまくいかず… さらにメールで出してもらったりと右往左往しました。ごめんね、受講生のみなさん、二度手間、三度手間になりました。<〇>

そして集まったデータをアシスタントの院生O君にリスト化してもらいました。書影や、図書館の請求記号も入っているので、気になる本はすぐに探して見ることができます! A4で13ページにもなったため、縮小して両面印刷して配布します。(^-^;  

ちなみに、今年はロシアに関心が集中する傾向が見られました。


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by chekosan | 2017-06-22 00:34 | ロシア・東欧に関する授業@同志社 | Trackback | Comments(0)
同志社大学の「ロシア・東欧地域研究」では、各自好きなテーマを選んで小レポートや期末レポートを書いてもらっています。そうすると毎年必ず登場するのが、この小さな可愛らしい謎の生き物です。

クマ? タヌキ? サル? そのいずれでもありません。オレンジの箱の中で寝てしまって、ロシアにやってきた南の方の正体不明の動物です。

1966年に発表されたウスペンスキー作の児童文学『ワニのゲーナとおともだち』に登場するキャラクター、チェブラーシカです。

当時のソ連では、スターリン時代ほどではないものの、表現活動に厳しい制約がありました。そのなかで比較的、創作の自由の可能性があったのが児童向けの絵本やアニメーションなどでした。チェブラーシカも実は社会風刺や隠喩を含む物語です。

先日、このお話の具体的な作品分析を、学生さんが発表してくれました。わかりやすく興味深い内容で、あの可愛らしいアニメにそんな含意がと他の学生たちも感心していました。

写真は、2012年の滋賀県立近代美術館を皮切りに5カ所で開かれた展覧会「チェブラーシカとロシア・アニメーションの作家たち」の図録です。ウスペンスキーの原作に付けられた何パターンかの挿絵や、アニメ版チェブラーシカのキャラクターデザイン画などが載っています。結構、画家によってチェブラーシカの造形が違うのが面白いです。

この展覧会が開催されていたのは知っていましたが、仕事に忙殺されていた時期で、逃してしまいました。当時はあまり関心がなかったというのも正直なところ。行っておいたら良かったな!

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by chekosan | 2017-06-18 21:59 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
第一部では、ソ連出身で20代後半のときにベルギーに亡命した半生、
第二部では、音楽に関する哲学的な考察を、
ベートーヴェンのソナタの解釈を中心に語っていきます。

アファナシエフ自身が指名したというインタビュアーとの対話による書下ろしなので、
全編を通して流れがあり、聞き手との信頼関係を感じさせる深い対話になっています。

ピアニスト、音楽家としてのアファナシエフに関心がある人には第二部が興味深いでしょう。
私は1960年代のソ連の音楽教育事情がわかる第一部が面白かったです。

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ソ連は音楽やスポーツで見どころのある子どもを集めて英才教育を施したと聞きますが、
アファナシエフ自身はそういうトップエリートではなかったそうです。
モスクワ音楽院に入るまでは、普通の学校と音楽学校を掛け持ちしていたという話が出てきます。

ソ連は学校が始まるのが早く、午前中には授業が終わるので、
午後に芸術やスポーツを、その道の専門家にみっちり習えたのです。

日本の部活のように学校内で朝から夕方まで
あらゆる活動を学校の先生たちが面倒を見るシステムとは違います。
ここは面白いところだと思います。


また、ソ連の体制にうんざりして早くから亡命を考えていたアファナシエフも、
コンクール前の手厚いサポート態勢は優れていたことを認めています。

コンクール出場者には公開演奏会の機会が設けられ、
世界的ピアニストやピアノの教師が居並ぶなか、ホールで全曲を通しで聴いてもらえるのです。
協奏曲はプロのオーケストラと何度も合わせる機会をつくってもらえます。

アファナシエフが出た国際コンクール直前の公開演奏会では、
ギレリスらモスクワ音楽院の教授陣が夜を徹して出場者の演奏を聴いたと語っています。

国の代表として西側に勝たせるというプレッシャーもあったでしょうが、それだけではありません。
次代の音楽家たちを育てる熱意や親心が感じられるエピソードが、
ピアノの師匠たちへの敬愛と感謝の念をもって語られています。


アファナシエフは一日中ピアノの練習をするタイプのピアニストではないそうで、
作家として毎日決まった量の文章を書き、決まったルートを2時間も散歩する毎日を続けています。

第二部は具体的な楽曲の話が続いたので、動画でアファナシエフの演奏を流しながら読みました。
とてもゆっくりなので少し違和感を持ちましたが、そのうちにしっくりなじんでいきました。

「鬼才」と呼ばれているそうですが、それよりは思索する音楽家という印象を受けました。

アファナシエフの文学作品を紹介した新聞記事の紹介はこちら
by chekosan | 2016-12-30 11:48 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)