中・東欧、ロシアのこと&大学教育のことを発信します


by chekosan

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2018年8月は、上旬に何年ぶりかで家族揃って杉原千畝の足跡を辿る旅・岐阜編、
下旬は高2息子とバルト3国10泊12日の旅、合間に仕事やちょっといろいろ。
目一杯みっちりでした。

ということで読んだ本は旅ものや、
9月中旬に予定している学生たちとの広島スタディツアーの準備がメイン。



8月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:2169
ナイス数:146

まわしよみ新聞をつくろう!まわしよみ新聞をつくろう!感想
みんなで新聞を回し読み、気に入った記事を3本ずつ切り抜いて、その記事をネタにして順におしゃべり。最後に切り抜きを1枚の紙に貼り付けて壁新聞をつくるという「新聞遊び」。子らが小6、小1のときに「親子まわしよみ新聞」に参加して、これは面白い!と教員仲間にも紹介。自分の授業にも取り入れています。でもやっぱりやる側の方が楽しいです☆ 定期的に小さな集まりでやれたら理想! 「関西ウーマン」書評コーナーで取り上げました。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201378
読了日:08月04日 著者:陸奥 賢





広島の木に会いにいく広島の木に会いにいく感想
原爆の爆心地から半径2キロ圏内で生き残った被爆樹木と、樹木を調査し、守り、伝える人々をドキュメンタリー映画監督が訪ねる。その場を動けないにもかかわらず熱線や爆風に耐えて生きのびた植物の強さに感銘を受ける。生きているだけに、挿し木をして子孫を残すにも非常に繊細に扱わなくてはいけない。また、木の内部を研究するのは現在の科学ではなかなか難しいとのこと。学生と広島スタディツアーに行くので、ぜひとも一緒に何本か見てきたい。小学高学年から読めるようルビつき。イラストもいい。年齢を問わずおすすめ。
読了日:08月10日 著者:石田 優子


被爆樹巡礼被爆樹巡礼感想
広島の原爆で傷つきながら生き残った被爆樹木をていねいに紹介する本。被爆樹木を守った人々の証言も掲載。被爆樹をめぐるモデルコースも。被爆者が高齢化し、被爆体験の伝承はあとの世代に引き継がれようとしているが、人間や建物等よりも寿命の長い樹木は、「現場」に残る「現物」として悲劇と復興を伝えてくれる存在になる。それにしても植物の生命力はすごい。児童書の『広島の木に会いに行く』とともにおすすめ。学生と広島スタディツアーに行くときには、2冊を参考に、被爆樹にも会いに行きたい。
読了日:08月12日 著者:杉原 梨江子


はじめての沖縄 (よりみちパン! セ)はじめての沖縄 (よりみちパン! セ)感想
同じ著者の『断片的なものの社会学』を読んだあと、著者が作家デビューされたと報道で読んで納得。『断片~』を読んだときも感じたのだが、本書はさらに全編にわたって「わたし」が溢れ出る。自分を対象(本書の場合は沖縄)にめりこませ、なのに一体化できていないという意識を持ち、自分と対象との関係性に過敏になり、どうふるまうか、どう思考すべきかに悩んで、その逡巡までも不特定多数の読者に開陳する。沖縄に対峙するということを思考する本だが、それ以上に著者本人が発露している本という印象。シンクロする人はシンクロするだろうな。
読了日:08月15日 著者:岸政彦


「超」旅行法 (新潮文庫)「超」旅行法 (新潮文庫)感想
お出かけの行き帰りの電車で読むのに図書館で急いで借りた本。そのため飛ばし読み。ちょっと年月が経って古びている感じもあるが、そこは仕方ない。準備をするために旅をする=旅は準備こそが楽しい、というのはまったくそう。いろいろ調べてスケジュールを組んで、グッズを用意して。でもあまりに慌ただしい日々だと、ロクに準備できてないのに前日、なんてことになる(;´Д`A ``` いままさにそれ。って、こんなこと書いてないで、準備しなくちゃ! 明日は早いぞ!!(汗)
読了日:08月19日 著者:野口 悠紀雄


十五の夏 上十五の夏 上感想
いやすごい。彼は詳細な記録を残しているのだろうか、あるいは体験をつぶさに記憶しているのだろうか、あるいはどちらもか? 自由旅行ができなかった1975年に高校一年生が一人でソ連・東欧をひと夏かけて旅行するとは。上巻は東欧編。国ごとの違いが興味深い。書評連載で取り上げました。https://www.kansai-woman.net/Review_s.php?id=201394
読了日:08月20日 著者:佐藤 優


十五の夏 下十五の夏 下感想
下巻はソ連編。彼が十五にしてソ連・東欧に旅したいきさつにも紙幅を割いている。北方領土に言及する場面では元外交官の顔が出てきて若干異質。それにしてもこの時代にこの歳で、この知識、能力、好奇心、コミュニケーション能力。やはり異能とか知の怪物とか言われる人は少年時代から違う。しかも繊細で礼儀正しくかわいらしいんだから。当時の写真も興味深い。書評連載で取り上げました。https://www.kansai-woman.net/Review_s.php?id=201394
読了日:08月21日 著者:佐藤 優






ショッピングモールから考える ユートピア・バックヤード・未来都市 (幻冬舎新書)ショッピングモールから考える ユートピア・バックヤード・未来都市 (幻冬舎新書)感想
著者たちが強調するように、学術的に証拠立てて論じた本ではなく、ショッピングモール「から」いろんなことを読み取ってあれこれ対談した本。ほほうと思うところ多々あり。それでもやっぱりあの空間には愛着は持てないと思ったり、だけどどこに行っても本能的に?「わかってしまう」空間構成になっている点に普遍性を感じたり。古い街並みの残るバルト3国への旅行中に読んでいたので、旅先でもあえてモールにも入って観察した。そして日本も欧州も香港もほぼ同じだなあと確認した。本書のとおり、吹き抜けには個性、内装の妙ありか。詳しい記録は別記事で。
読了日:08月31日 著者:東 浩紀,大山 顕




読書メーター

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by chekosan | 2018-09-08 20:31 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
今年の展覧会第3弾は、「大エルミタージュ美術館展」。「大」を付けたのがウマイなあ。平日の午後3時でしたが、賑わっていましたよ。

サブタイトルは「オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち」。宗教画や風景画など85点が展示されていたようです。

兵庫県立美術館は入るまでのわくわく感を高める演出が楽しいんですよね。



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この鳥のコンサートの絵が良かったです。↓


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エルミタージュっぽさを演出?

エルミタージュには大昔、ロシア語研修で滞在したときに行きました。でも、もうとにかく建物の豪華さ、大きさに圧倒されて、絵なんか全然覚えてない😅


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階段右の写真↑がサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館ですね。



展示会場を出たところには、又吉さんマトリョーシカが。これは撮影可。


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コレクションをつくった女帝エカテリーナ2世になり切れる撮影コーナーも大人気。一人だったのでいいなぁ〜と横目に見ながらショボンと帰ってきました。

今日は兵庫県立美術館のシンボル、カエルの美カエルもおらず🐸 風が強いからかな。冬眠中?

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by chekosan | 2018-01-12 16:13 | 美術 | Trackback | Comments(0)
タルコフスキー監督の長編デビュー作「僕の村は戦場だった」を買ってあったDVDで観ました。

前々から名前は知っていたものの、モノクロの戦争映画にはなかなか食指が動かず、ようやくです。

が、戦争は戦争なのですが、グロテスクな場面や戦闘シーンは最小限で、意外とのんびりした映画な感じでした。

いや、ホロコーストものなどを続けて観ているせいでショックを受けなくなってきているだけかもしれませんが。

第2次世界大戦のソ連で、ドイツ軍の攻撃によって両親と妹をなくしたイワン少年は、ドイツへの復讐を果たすため、斥候として敵陣を偵察に行くという危険な任務を自ら望んで果たしています。

周りの大人の兵士や将校たちは、さすがに年端のいかない少年が最前線にいるのは良くないと、幼年学校にいかせようとするのですが、イワンは断固として拒否、結局、大人たちは折れて、再度イワンを偵察にやらせます。

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という話の中に、気丈で頑固だけど、やはりまだまだ幼いところも残るイワンが見る夢が挟まれていきます。

大好きなお母さんとの夏の日。お母さんは、ピカピカしていて、がっしりしていて、いかにも「最愛の母」という感じ。

ものすごい美少女の妹と遊ぶ光景。(私は、鑑賞後、他の人の解説や感想を読んでやっと妹だとわかりました…近所の幼なじみかと思った。そういえばセリフで妹がいたと出てきていましたね。映画の登場人物の読みとり能力の低い私…)

戦場の様子とは対照的な夢の部分が美しいです。

◇◇◇

絶賛の声が多いなか、妹が妹とわからない者が言うのもなんですが(笑)、やはり昔の映画だなあ、第一作だなあと思うようなところも多々あるように思いました。

主要登場人物は美男美女揃いで、目の保養になるのですが、すごく演技演技しているとか。なんかちょっと学芸会っぽい、わかりやすい「照れる演技」「悔しがる演技」だったり。

作品全体の流れも少々ぎこちないような、、、

でも、ピンとこない大戦中の戦場の様子が少しわかって参考になりました。

先週、輪読ゼミで読んだアレクシェーヴィッチのデビュー作『戦争は女の顔をしていない』では、たくさんの女性たちも前線に行っていたということがわかったのですが、この作品にも主要キャラとして若いものすごい美人の軍医(中尉)が出てきます。彼女は階級が高いので、スカートを履いて、髪の毛もゆるくカールして、余裕が見られますが(それとも映画だから?)。

塹壕とはどういうものなのかもわかりました。アレクシェーヴィッチの作品を読んだときに写真では確認したのですが(その影響で夢にまで塹壕が出てきました)、映像の方がわかりやすいですね。

ラストで、ソ連軍がベルリンを制圧し、ドイツ軍の書類を押収するのですが、そのときに処刑者の書類がたくさん出てきます。なるほど、そういうものによって死亡が確認できたり行方を辿ったりしたのだなあと思ったり。

多少の脚色はあるかもしれませんが、字で読むだけではわかりづらい一世代前の様子を知るには映画はいいですね。











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by chekosan | 2017-10-15 10:29 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
同志社大学の「ロシア・東欧地域研究」では、学期の始めの方に「図書館でこの授業と関連しそうな本をみつける」という小さな課題(任意)を出しています。ジャンル不問。通読しなくてもいいけれど、パラパラでいいので必ず中を見て、どこか面白そうなところを書いてもらいます。なかにはきっちり読んで書いていそうな学生さんもいて感心します。

そして、これも任意ですが、授業内で紹介してもらいます。同輩の発表って、刺激になるんです。さらに私だけが見ていてももったいないので、今年はリストにして受講生全体で共有することにしました。

手書きのワークシートで出してもらったので、打ち込むとちょっと大変なため、あらためてLMS(授業支援システム)で出してもらおうとしたのですがうまくいかず… さらにメールで出してもらったりと右往左往しました。ごめんね、受講生のみなさん、二度手間、三度手間になりました。<〇>

そして集まったデータをアシスタントの院生O君にリスト化してもらいました。書影や、図書館の請求記号も入っているので、気になる本はすぐに探して見ることができます! A4で13ページにもなったため、縮小して両面印刷して配布します。(^-^;  

ちなみに、今年はロシアに関心が集中する傾向が見られました。


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by chekosan | 2017-06-22 00:34 | ロシア・東欧に関する授業@同志社 | Trackback | Comments(0)
同志社大学の「ロシア・東欧地域研究」では、各自好きなテーマを選んで小レポートや期末レポートを書いてもらっています。そうすると毎年必ず登場するのが、この小さな可愛らしい謎の生き物です。

クマ? タヌキ? サル? そのいずれでもありません。オレンジの箱の中で寝てしまって、ロシアにやってきた南の方の正体不明の動物です。

1966年に発表されたウスペンスキー作の児童文学『ワニのゲーナとおともだち』に登場するキャラクター、チェブラーシカです。

当時のソ連では、スターリン時代ほどではないものの、表現活動に厳しい制約がありました。そのなかで比較的、創作の自由の可能性があったのが児童向けの絵本やアニメーションなどでした。チェブラーシカも実は社会風刺や隠喩を含む物語です。

先日、このお話の具体的な作品分析を、学生さんが発表してくれました。わかりやすく興味深い内容で、あの可愛らしいアニメにそんな含意がと他の学生たちも感心していました。

写真は、2012年の滋賀県立近代美術館を皮切りに5カ所で開かれた展覧会「チェブラーシカとロシア・アニメーションの作家たち」の図録です。ウスペンスキーの原作に付けられた何パターンかの挿絵や、アニメ版チェブラーシカのキャラクターデザイン画などが載っています。結構、画家によってチェブラーシカの造形が違うのが面白いです。

この展覧会が開催されていたのは知っていましたが、仕事に忙殺されていた時期で、逃してしまいました。当時はあまり関心がなかったというのも正直なところ。行っておいたら良かったな!

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by chekosan | 2017-06-18 21:59 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
第一部では、ソ連出身で20代後半のときにベルギーに亡命した半生、
第二部では、音楽に関する哲学的な考察を、
ベートーヴェンのソナタの解釈を中心に語っていきます。

アファナシエフ自身が指名したというインタビュアーとの対話による書下ろしなので、
全編を通して流れがあり、聞き手との信頼関係を感じさせる深い対話になっています。

ピアニスト、音楽家としてのアファナシエフに関心がある人には第二部が興味深いでしょう。
私は1960年代のソ連の音楽教育事情がわかる第一部が面白かったです。

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ソ連は音楽やスポーツで見どころのある子どもを集めて英才教育を施したと聞きますが、
アファナシエフ自身はそういうトップエリートではなかったそうです。
モスクワ音楽院に入るまでは、普通の学校と音楽学校を掛け持ちしていたという話が出てきます。

ソ連は学校が始まるのが早く、午前中には授業が終わるので、
午後に芸術やスポーツを、その道の専門家にみっちり習えたのです。

日本の部活のように学校内で朝から夕方まで
あらゆる活動を学校の先生たちが面倒を見るシステムとは違います。
ここは面白いところだと思います。


また、ソ連の体制にうんざりして早くから亡命を考えていたアファナシエフも、
コンクール前の手厚いサポート態勢は優れていたことを認めています。

コンクール出場者には公開演奏会の機会が設けられ、
世界的ピアニストやピアノの教師が居並ぶなか、ホールで全曲を通しで聴いてもらえるのです。
協奏曲はプロのオーケストラと何度も合わせる機会をつくってもらえます。

アファナシエフが出た国際コンクール直前の公開演奏会では、
ギレリスらモスクワ音楽院の教授陣が夜を徹して出場者の演奏を聴いたと語っています。

国の代表として西側に勝たせるというプレッシャーもあったでしょうが、それだけではありません。
次代の音楽家たちを育てる熱意や親心が感じられるエピソードが、
ピアノの師匠たちへの敬愛と感謝の念をもって語られています。


アファナシエフは一日中ピアノの練習をするタイプのピアニストではないそうで、
作家として毎日決まった量の文章を書き、決まったルートを2時間も散歩する毎日を続けています。

第二部は具体的な楽曲の話が続いたので、動画でアファナシエフの演奏を流しながら読みました。
とてもゆっくりなので少し違和感を持ちましたが、そのうちにしっくりなじんでいきました。

「鬼才」と呼ばれているそうですが、それよりは思索する音楽家という印象を受けました。

アファナシエフの文学作品を紹介した新聞記事の紹介はこちら
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by chekosan | 2016-12-30 11:48 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
今年度から、同志社では「特殊講義 ロシア・東欧の政治と社会」も担当しています。
春学期の「ロシア・東欧地域研究」は講義と各自の発表のハイブリッドにしていますが、
秋学期の「特殊講義」は輪読のゼミ形式で、一冊の本をていねいに読んでディスカッション。

はじめに読む3冊はシラバスで指定しました。ジョージ・オーウェルの代表作と解説の本です。
受講生みんな、初回の授業までに読んできてくれていました。スゴイ! *^^*

翌週から一人にレジュメを作ってきてもらい、ざっと報告してもらって、そのあとは気楽にお話。
あれこれ話が深まったり、広がったりして、とても楽しく濃い時間になっています。


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初回の報告はアシスタントの院生君、今週は4回生が担当してくれました。
さすが二人ともうまい。細部までよく読んで、適切にまとめてくれています。
院生君なんて私以上に幅広く話題提供してくれて、上回生が下回生のいいお手本になってくれています。
私も1回生のときから、こんな先輩たちと勉強したかった(笑)

『動物農場』『動物農場の政治学』と一週一冊ペースで進んで、次回は『1984年』。
予告していた本はこれで尽きるのですが、コロッと変えるのはなんとなく惜しい。

候補本は一応あった↓のですが、
せっかくなので、次は1984つながりでアレ、いきませんか? という提案がありました。

ふむ、みんなで話すなかで出てきた関連本を取り上げるのもいいね、
少人数ならではの贅沢な行き当たりばったりでいこうか! という流れになりました。

その「アレ」、私は未読。(^-^;
ということで、展開が予想できない授業。わくわくです。


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by chekosan | 2016-10-26 17:03 | ロシア・東欧に関する授業@同志社 | Trackback | Comments(0)
同志社のロシア・東欧地域研究、第二期の授業が終わりました。

今年度は、もう一つ同志社でロシア東欧関係の科目を担当することになったので、
本科目は入門編的な位置づけにして、春学期に移しました。

多人数を避けようと土曜1限にしたところ、
前学期112名登録だったのが、今学期は16名! 
初回から一度も来なかった学生も数名いて、最終的には10名に落ち着きました。

極端に人数が違うので、しばらくは進度も反応も手探りでしたが、
さすがに土曜1限に来る学生たち、少数精鋭でした。
受講者が多かった前学期以上に、多様性に富んだレポートや発表が相次ぎました。

法学、政治学、経済学系に加え、歴史、文学や美術、民俗学、宗教など、
幅広い話題が提供されて、私も大変刺激をもらいました。

期末レポートは、3回の小レポートで取りあげたテーマをさらに充実させた人、
あえて小レポートとは別のテーマに挑戦した人がいましたが、
それぞれが確実にレベルアップを果たしているのがわかる濃い内容でした。

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実は、前学期の授業評価アンケートで、1,2名ではありますが、
授業中に受講生に発表してもらったり、毎回カードをやりとりしたり、
ていねいなレポート指導をしたりしたことに対して、
非常に強い否定の言葉を書いてきた学生がいて、今後どうしたものかとだいぶ悩みました。

が、大多数の受講生は一方通行でない授業スタイルを歓迎していましたし、
その声に沿わないのは、今学期の受講生の不利益になると思い直し、
前学期以上に発表の機会を増やす方向で進めました。

最終授業を終えて、記名ではありますが感想を読んで、やはりこの路線でいこうと思った次第です。

以下、抜粋です。

 「他の人のレポートを聴き、大変参考になった。… レポートの書き方も大変勉強になった」

 「レポートのお題の自由度が高かったので、みんなの興味関心から
  個性あふれるお話がたくさん聞けて勉強になりました」

 「発表を聞いて、自分が調べていない分野に強い興味を持ちました。…… 色々な面から
  ロシア・東欧について知れて、この授業に出てとても良かったと思いました」

 「みなさん非常に分析が深いレポートを作っていたので驚きました!」

 「レポートを書く機会が多くあり、自分で調べ物をして勉強することもでき良かったです」

 「講義の中で何人もの人が調べてきた発表を聞きましたが、この講義をとっている方は、
  自分がロシア・東欧の何に興味があるのかはっきりわかっていて、
  すごいと感心していました。… 」

 「レポートで好き勝手に好きなことを取り上げてしまってすいません … 」
 
  →全然OKですよ! 興味深い話題を提供してくれてよかったですよ!


秋学期は、迷いなく、完全にゼミ方式です。
ロシア・東欧に関する本を次々読んで、あれこれ語り合いたいと思います。
毎回、ざっくばらんな座談会のようになればいいなあ。
意欲的な学生さんのお越しをお待ちしております。^0^
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by chekosan | 2016-07-24 01:30 | ロシア・東欧に関する授業@同志社 | Trackback | Comments(0)
「課題に使う本を探していてみつけたんですが。先生がお好きなんじゃないかと」
と、受講生がわざわざ図書館で借りて持ってきてくれた本。

その名も『共産主婦 東側諸国のレトロ家庭用品と女性たちの一日
(イスクラ著 社会評論社 2014年)。
『共産趣味インターナショナル』というシリーズの第4冊目です。

なんちゅうタイトル?!と思いながらパラパラ見せてもらったら、これがかわいらしいんです。
旧東側諸国のお人形が、社会主義時代の女性たちの生活の様子を再現している体で、
オールカラー、写真たっぷり、ちょっとコミカルで。

でも日用品やそれを生産していた会社のこと、当時の様子がきっちり説明してあって、
へええ~~~という事実もたくさん。楽しい一冊です。

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◇◇◇

1990年代にチェコのプラハに何度か行ったときには、
いつも一人暮らしの初老の女性のアパートにホームステイさせてもらっていました。

本書にも紹介されている「パネラーク」と呼ばれる、社会主義期に建てられた集合住宅です。

部屋数は少ないのですが、一室はゆったりしていて天井が高く、
ホストマザーが海外から持ち帰った思い出の品や家族の写真が飾られていて、
こじんまりとあたたかみあるお家でした。

キッチン奥のパントリーには、自家製ピクルスやジャムが並んでいて、
お昼ごはんに出してもらうスープもとにかくおいしかったです。
手作りのケーキもよく出してもらいました。

飲み物はお茶。体調に合わせて、いろんなハーブティーを出してもらいました。
お客さんが来られたらコーヒー。そして少しだけ煙草を吸われていました。

夜はソファでテレビを見ながら刺繍や編み物をされていることが多かったです。
手作りのものをたくさんプレゼントしてもらいました。
チェコの日常生活を体験させてもらったことを懐かしく思い出しました。

ホストマザーは亡くなられたので、その部屋にはもう滞在できませんが、
貴重な経験をさせてもらったなあと思います。

◇◇◇

最近、東欧諸国の雑貨や絵本や民芸品は日本の女性に大人気で、
それらを紹介する本も次々出ています。

この本も、そうしたものが好きな人にはたまらないのでは、と思うのですが、
このタイトルでは手に取るのを躊躇する人も多そう? (^^;) 
でもでも、楽しい本なので、レトロなものが好きな人にはおすすめです。

著者も女性で、旧東側の雑貨などをネット販売されています。
この本の撮影に使ったレトロ雑貨も展示している店舗も開かれています。
本には尼崎と書いていますが、移転されたようです。
→ 東ドイツ民生品展示室 DDR Komet
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by chekosan | 2016-06-29 23:33 | ロシア・東欧に関する授業@同志社 | Trackback | Comments(0)
大阪中之島の国立国際美術館で開催中の
「森村泰昌:自画像の美術史」展に行ってきました。

今回の展覧会は、美術史に大きな功績を遺した芸術家たちの自画像に
森村さんが扮した作品を中心に構成されています。
展示室のつくりも凝っていて、たいへん充実した展覧会でした。

そしてなんと、撮影可、ブログやSNSでの拡散OKなのです!
ということで、ロシア、東欧に関連するものをご紹介。

「第9章」の部屋に入ると、えっ、カンバスが後ろを向いて林立しています。
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前に回って作品を見てみると、、、ん??
どこかの美術館なのですが、額縁しかない?? 
どうやって撮ったんだろう??
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これは実は、ロシアのエルミタージュ美術館が
第二次世界大戦時に大量の美術品を疎開させて額縁だけが残った
という史実にインスピレーションを受けて制作されたものです。
どの作品にも、森村さんがある人物に扮して登場しています。

そして、「第10章」の空間には「少年カフカ」という作品が。
カフカ少年に扮しているのは、もちろん森村さん本人です。
手に持っているのは、カフカのあの作品。
足元に転がっている水色のクマちゃんは、森村さんが大切にされていたもの。
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この展覧会、副題が「「私」と「わたし」が出会うとき」
両空間の作品群にはいろんな解釈や想像を喚起させられます。

ほかの作品もすべて非常に面白いです。何度も通いたいくらい。
ベラスケスの大傑作「ラス・メニーナス」を基にした作品群は、
現物を観ないと面白さがわからないと思います。

70分の映画も上映されています。料金に含まれています。
6月19日まで。おすすめの展覧会です。
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by chekosan | 2016-05-27 23:35 | ロシア・東欧に関する授業@同志社 | Trackback | Comments(0)