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by chekosan

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いま、京都文化博物館で「EUフィルムデーズ」が開催されています。

6月7日から30日まで、ほぼ毎日2本ずつくらい、EU22か国の映画が上映されます。常設展示の入場券(500円)で映画も鑑賞できるというありがたい企画。 (☞昨年はリトアニアの映画「エミリヤ、自由への闘い」を観ました)

といって、毎日通うどころか、やっと1本しか観れていません。半日仕事になるわりに、座れるかわからないというリスクがあるんです。

今回は、開場(上映開始の30分前)の15分くらい前には行っておいたので望む席に座れましたが、開演時には満々席でした。

普段、貸し切りみたいな状態で映画を観ているので、こういうシチュエーションはしんどかった~。もっと値段を上げてもいいから、上映回数を増やしてほしい&席に余裕がある状態で観させてほしいなあ…

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それはさておき。

エストニア映画「小さな同志」を観ました。


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パパかっこいい! 少女可愛い!


1950年、スターリン体制下のエストニアの田舎が舞台です。

就学前の6歳の娘レーロ一家は、母が校長職を解かれたため、学校内の住居を出て、森のなかのボロ家に引っ越します。

そこへ、泣く子も黙るNKVD(ソ連内務人民委員部、秘密警察)が現れ、家宅捜索を始めます。母はソ連に敵対的な態度をとる「人民の敵」とみなされ、連行されてしまいます。

体育教師の父も、ソ連体制やソ連式の教育に積極的に従おうとはしません。

父はかつてエストニアを代表するほどの優れたスポーツ選手(陸上と思われる)でした。そうした人物は、エストニアの愛国者として目を付けられてしまいます。そこで、父まで連行されてしまわないよう、祖父母は実家にあった賞状やメダルを処分します。

少女レーロはそうした事情がわからないので、自分が悪い子だからママが帰ってこないのだと悲しみます。良い子でいようと健気にふるまうのですが、そのためにかえって親族を危うい状況に陥れそうになる場面もあって、ほどよくハラハラ。

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お話としては、ソ連に組み込まれ、ソ連の構成共和国ではあっても独自の旗を掲げたり、国歌を歌ったりすることも許されなかったエストニアの悲劇と(※)、そうした抑圧の犠牲になった一家が、家族愛で困難を乗り越えるというもので、そんなに複雑でも、ひねってもいません。

ピオネール(共産主義少年団)に憧れるレーロが、両親を秘密警察に売ってしまうのか!?とドキドキしましたが、そうではありません。

それこそスターリン時代につくられた映画だったら、そういう展開になるところですが、現代のエストニアはそんな映画をつくりませんよね。(;^_^A ちなみにこの映画は主人公レーロの自伝を基につくられたそうです。


※ちなみに、国旗を持っていたり、掲げたりするだけでソ連国家への反逆とみなされるというのは、前述のリトアニアの映画にも出てきました。

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日本映画みたいに説明くさくないだけに、お話の背景や社会状況がわからない人も多そうです。終演後、感想を交わしておられた方たちも、ロシア国内の話と思われていたようでした。ソ連時代をリアルタイムで知っておられる年齢層の方たちでしたが。 

言葉も、エストニア語とロシア語が話されていて、エストニア人の大人は両方を相手と状況に応じて使い分けているのですが、どちらかの言葉を知っている人でないと違いがわからないかも。

このEUフィルムデーズ、全作品のあらすじを載せたパンフレットはありますが、もう少し解説を入れたものにすれば、EU諸国の歴史や文化への理解を深めることになると思うのですが。


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ところで、この映画、2018年公開の作品でした。ちょうどエストニア独立100周年を記念してつくられたのですね。昨年バルト3国に旅したときもいろんなところで見た100周年記念のロゴが、この映画のはじめとおわりにも出てきていました。

実は誰にも気づいてもらえないですが、わたくし、エストニアで買った、その100周年記念ロゴ入り靴下を履いて、今日の映画を鑑賞したのでした。v(⌒∇⌒)

エストニア映画といえば、「みかんの丘」 「こころに剣士を」を2017年に見ました。どちらもとても良かったです。エストニア映画、これまでのところハズレなし!(母数が少なすぎるけど)



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by chekosan | 2019-06-20 21:11 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)