中・東欧、ロシアのこと&大学教育のことを発信します


by chekosan
同志社大学法学部の「特殊講義 文学作品で知るロシア・東欧」、
大学から徒歩圏内のホテルランチで新年会をしながら、各自の好きな作品紹介の第2弾をしました。

まず、A君からは、エッカーマン『ゲーテとの対話』。
ドイツに行くときに旅のお供で読んで、とても良かったとのこと。

ゲーテといえば、フランクフルトのゲーテの家は良かった! 
最後の授業で写真披露しようっと。

あ、ゲーテと言えば、昨年度みんなで読んだクンデラの『不滅』にも出てきましたね、そういえば。

Bさんからは、チェコの作家ボフミル・フラバルの『厳重に監視された列車』と、
ローラン・ビネ『HHhH プラハ、1942年』が登場。

前者は、イジー・メンツェル監督で映画になっているのですが見てない。
メンツェル監督の作品は好きなので見たいな。DVD買おうかな。

後者も映画化されたとのことで、
同じ題材を扱った映画「ハイドリヒを撃て!」よりも評判が良さげだそうな。

留学生Cさんは、タルコフスキー監督の映画『惑星ソラリス』について、
ていねいなパワポまで作って紹介してくれました。

Cさん、母語と英語と日本語でいろんな本を読み、映画を観ています。素晴らしい。。。

そのCさんが見たくて見れていない映画「神々のたそがれ」(ゲルマン監督)を、
なんとDさんが紹介しようとDVDを持ってきていました。
その場で貸してあげたりなんかして、なんて素敵♡

ところで、「神々のたそがれ」ってワーグナーの?と思ったら全然違うんですね。

で、「これというのが思い浮かばなかったので、本屋でいいのがないかと探して読みました」と、
E君が紹介してくれたのが、エミール・クストリッツァ『夫婦の中のよそもの』

こちらは関心を示した院生君に貸してあげていました。なんだかいい感じ~。

E君はクストリッツァが監督ということは知らずに選んだそうですが、
私は年末に彼の映画「オン・ザ・ミルキー・ロード」を見たところなので速攻で取り寄せました。


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これはクストリッツァの初の小説集なのだそうです。
先に彼の映画を観ていなければ、私はあまり好きなタイプの題材ではなかったかも。(^-^;

でも、「オン・ザ・ミルキー・ロード」が楽しかったので、
この短編集も読みながら映像が見えるようで、
通勤電車の行き帰りで楽しく読みふけることができました。

「オン・ザ・ミルキー・ロード」の原案となった短編も入っています。
映画は、かなり登場人物や登場動物を増やして複雑にしてあります。
また、映画では監督自身が主人公を演じたこともあってか、
小説とはキャラがだいぶ変えてありました。

独立した短編2編と、連作短編4編からなるのですが、
全体として少年が成長していく話という感じでしょうか。

社会主義期のボスニア・ヘルツェゴビナの普通の人々の
ごちゃごちゃした暮らしぶりに触れられて面白かったです。


ついでに、フランクフルトのゲーテの書斎と、
階段ホールで今も正確に時を刻む時計もアップしておきます。


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# by chekosan | 2018-01-24 23:52 | ロシア・東欧に関する授業@同志社 | Trackback | Comments(0)
先日授業を取材していただいた記事、私自身が取材対象者なので、当然、転載の許可は出るものと新聞社に申請を出したのですが、「ホームページは可だが、ブログはだめ」という社内規定があるとのこと。

ところが、担当してくださった方が(気の毒に思ってくださったのか?)、記事をHPにアップロードしてくださいました。そのおかげで、リンクをシェアするという形がとれました。災い転じて福となす?

今回は、特に「オリジナルな文章と写真とで、オリジナルな記事を書く」ということを指導してきた手前、正式な許可の手続きを取ってみました。

掲載許可の申請自体は、紙一枚のことです。こんなに簡単なことなのかとわかってよかったです。
昨年、テキストを作るときは出版社さんにお願いしたのですが、今後は自分で手続きできそうです。

記事に関係ない人・団体の場合は有料ですが、数千円ほどですし、取材対象者であれば無料になることもあるようです。




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# by chekosan | 2018-01-23 17:07 | 大学教育 | Trackback | Comments(0)
流通科学大学の1年ゼミが先日終わりました。

彼らとは入学式からのつきあい。雪の残るスキー場での合宿から始まり、
前期は、先輩や社会人の方のお話を聞いたりフィールドワーク&プレゼン大会があったりの週4コマ。

後期は「教養演習」という科目に変わり、週1コマ。

こちらは各担当教員の裁量に任されるので、私のクラスでは、
新聞記事から自分の関心を引き出し、大学で何を学ぶかを考えたり、
関連本を探して読んだりして、そのまとめを学園祭で展示して賞をいただきました。

※このときの展示物は、1/19現在も、大学の本部棟のホールに継続展示されています。

学園祭後は、神戸新聞の教育機関向けアプリ「ことまど」を使って、
自分の関心にもとづいて取材をしたり体験したり調査したりして、
各自でオリジナルな記事を書き、グループで一つの新聞を作ることを最終課題にしました。


休み明けの授業には、神戸新聞社の担当者さんがおふたり見学に来られて、
翌日(1月13日)の朝刊に掲載してくださいました。


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最終回には、同じく神戸新聞社から、編集記者さんにゲスト講義に来ていただきました。
あらかじめ学生の作った新聞を読んでいただき、いくつかを講評いただきました。

プロの記者さんに文章の書き方や見出しの付け方を直接教えていただくという貴重な経験。
学生も私も、たいへん勉強になりました。



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最後の最後まで遊びの要素が少なく、真面目一辺倒な授業でしたが、
ついてきた学生たちは、新聞の読み方、パワーポイントやWordの操作、
新聞データベースの活用には、かなり長けたと思います。

今後の大学での学習や、職に就いたときにおおいに役立ててほしいと思います。







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# by chekosan | 2018-01-22 21:18 | 大学教育 | Trackback | Comments(0)
先日観に行った映画「否定と肯定」の原作本を読みました。

面白い。とても読み応えがあって面白いので、読みふけらないように自制しながら読みました。

副題「ホロコーストの真実をめぐる闘い」が示すように、アウシュヴィッツのガス室に象徴されるナチスドイツによるユダヤ人絶滅政策をめぐる実際にあった裁判の話です。


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ホロコーストがヒトラーの命令によって組織的に行われたことを否定するイギリスの歴史家アーヴィングを著書で批判した著者リップシュタットは、その歴史家から名誉毀損で訴えられます。

イギリスでは、訴えられた側が、名誉毀損の事実がないことを立証しなくてはいけません。

そこで、被告であるリップシュタットは、有能弁護団や専門家たちと綿密な調査を重ね、原告アーヴィングが歴史的資料を歪曲して引用していることを証明していきます。

映画も、裁判の様子やリップシュタットと弁護団のヒューマンドラマをわかりやすく描いたと思いますが、原作の方は、イギリスの裁判の進め方や法廷での具体的な争点をていねいに追っていて、それがとにかく面白いです。

裁判開始までに、関連のある資料を開示するよう双方が請求し、それらを元に何年にもわたってリサーチを積み重ねるのですが、開示資料には手紙や日記まで含まれているのです。そうしたプライベートな記録も、請求があれば提出しないといけないのです。

弁護団は、アーヴィングの著作の記述と、彼が出典として示した資料を徹底的に照らし合わせていきます。その一つ一つの立証場面が実に細かくて感心します。

裁判記録や、リップシュタットが詳細につけていた日記をもとに、彼女の心情も隠さず盛り込んで書かれているので、歴史もの・裁判ものでありながら、小説のように読むこともできます。

一部事実関係を確認したい記述があったので、全面的におすすめかは保留ですが、論争的な史実に関していいかげんなことを言ってはいけない、ましてや自説を通すために歪曲したり不適切な抜粋をしたりしてはいけないということを知ることができる本だと思います。






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# by chekosan | 2018-01-21 23:14 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
ビリニュスの中心部にある、お城の丘に登りました。

てくてく徒歩で、どれくらいだろう… 
景色やらマンホールの蓋やら撮りまくりながら30分くらいかけたのかな?
スタスタ登れば、そんなにかからないと思います。

夕方の5時台でこんな感じ。いつまでも明るいリトアニアの夏。


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地面にある蓋が好き。リトアニア旅行では、えーと、100を下らない蓋を撮りました。
お城への登城道にも蓋がありますよ。↓


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頂上が近づいてきましたよ。

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登り切ったところから、お城跡を撮った図。


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昨年(2017年)は、足を痛めて、この旅行でも飲み薬や湿布持参だったのですが、
でも! 登って良かった! この景色! 写真ではなかなか再現できないですが。


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手のひらに塔を乗せている感じにしたかったのですが。見えませんね。


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お城の丘の麓は緑の公園。
カウナスもビリニュスも、通りや公園にたくさんアートがあるのですが、ここには犬が!
リトアニアン・ハウンドだそうです。


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可愛さ余って思わず抱きしめるの図。またがりはしませんでしたよ!


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# by chekosan | 2018-01-20 15:22 | リトアニア | Trackback | Comments(0)
まっすぐな通りが交差するわかりやすいカウナスから、迷路のような旧市街を持つビリニュスに移動。
さすが小さいながらも首都、多くの人で賑わっているし、夏はなかなか暗くならないし、
夕方からですがぶらぶらと繰り出し、大聖堂の鐘楼に登って、街の全体像をつかみました。

高いとこ、しんどいし怖いけど、なんか登らないではいられないんですよね。

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こんな狭い階段から始まります。

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こんな風にスケルトンになってると怖さ倍増!

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一枚目の写真に写っている聖堂が眼下に。そして向こうにはお城。そちらにも後日登りました。

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美しい街~~!

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屋根の色が統一されているのがいい!

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目抜き通り。ここは後日、KGB博物館に行くときにずーっと歩きました。


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登ってみたシリーズ続編へ(多分)




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# by chekosan | 2018-01-18 22:04 | リトアニア | Trackback | Comments(0)
同志社の特殊講義、今年度は戦争や原発事故ものなど、かなり暗くて重いのを読んでいます。
あまりに重いのが続いたので、途中でちょっと系統の違うものも挟みました。

ウクライナの作家アンドレイ・クルコフの『ペンギンの憂鬱』(新潮社 2004年)です。
表紙がかわいいですよと友人に教えてもらって、図書館で借りて読み始めたら面白い!

ソ連が崩壊し、秩序が乱れるウクライナのざわざわする空気をうっすら伝えてくれます。
存命中の人物の追悼文を書く仕事を始めたことでじわじわと危険が迫ってくるが、
決定的な何かが起こるわけではないような日々。

なりゆきで預かることになった幼女やそのベビーシッターの少女との
愛があるようなないような疑似家族生活。
主人公の2DKのアパートで飼われているペンギンが一番確かな存在感を放ちます。

するするすると読めて、哲学も衝撃もないのに、

続いてこの作家を読みたいと思わせる不思議な魅力があります。


深く語り合うというタイプの作品ではないので、小ネタ披露の回にしました。
それぞれが話の中に出てくる細かいことを突っ込んで調べてくるという趣向です。
さて、どんな小ネタが発掘されるか!


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これがなかなか予想以上に面白かったです。
報酬やものの値段から推定する主人公の給料の額、登場人物の名前の由来、ペンギンの生態、
果ては、ちょろっと登場する町のチンピラが着ているジャージのメーカー当て、などなど。
よくそんなところに目を付けたね~~と笑いながら、お互いの発見と探索を聞きました。

クルコフをもっと読みたいと思ったのですが、邦訳はあまりなく、絶版だったり。
残念ながら一作だけとなりました。

余談ですが、インターネットで検索していたら、
2年前の東浩紀さんといくチェルノブイリ原発見学ツアーの現地ゲストだったと判明! 
このツアー、どうもその年が最後だったようで、ますます残念!



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# by chekosan | 2018-01-17 15:40 | ロシア・東欧に関する授業@同志社 | Trackback | Comments(0)
関西大学法学部の3-4年生対象科目「外国書研究」の授業が終了しました。

この科目は、私の「癒し系」。いつも少人数で穏やかに和やかに進めています。

新しめの英文記事を精読し、関連することを調べて発表してもらっていますが、
人数やそのときの雰囲気などで、やり方は少しずつ変えています。

今期はこんな部屋が割り当てられたので、これまで以上に密な感じで進められました。
PCやプロジェクタの設置は、お願いしておけば大学の方でしていただけます。
そういうサービスも充実しているんですよね~、関大は。



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秋学期はもう思いっきり私が今一番関心あるテーマを取り上げたので、
うっかりあれこれしゃべったり、写真を見せたくてモタモタしたりしたのですが、
みんな寛容に待って、見たり聞いたりしてくれていました。(^▽^;)

全員が非常によく予習していたので、たいへんスムーズに進みました。
調べもの(A4一枚くらいのレジュメ)の回数は5回ほどに減らし、
内容の充実をはかるとともに、全員に発表してもらう形に変えました。

最後の2回は、パワーポイントスライドを作ってきてもらいました。
あまり使う機会がないという声が多数でしたが、いやいや上手に作ってくれました。
文字やイメージ画像を見ながら発表が聞けるのでやっぱりいいですね。
来年度からは毎回パワポで作ってもらおうかな?



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大半は卒業、もしくは規定上これ以上の履修はできない学生たちなので
授業が終わるのはちょっと残念でした。
今後の活躍を祈っています☆










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# by chekosan | 2018-01-16 23:01 | 大学教育 | Trackback | Comments(0)
「ナチス・ドイツ占領下のポーランドにおける、ユダヤ系も含むポーランド市民の経験をめぐる証言文学」(訳者解説より)

ナウコフスカは両大戦間期からポーランドの文壇で活躍し、戦後はナチス犯罪調査委員会の一員として市民の声を聴き集めた。それらの一部を証言を主体に編んだのが本書。

本書は最初期のホロコースト文学、ナチス犯罪文学の一つに数えられる。ポーランドでは社会主義期においても学校などで積極的に読み継がれてきたという。

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収められているのは8編。いずれも短いが、事実は小説よりの言葉どおりのエピソードが続く。

特に一編目は強烈である。いまだたくさんの死体が残されたままの解剖学研究所の検分の様子から始まり、その遺体の保存の仕方や、そこで行われていた解剖学実験の実態がさらりと語られる。

以下、家畜用の貨物車両にすし詰めにされての移送、列車から脱出したものの負傷して線路脇でただただ弱っていく女性の話、収容所でのサディスティックな行為の数々など。

こうしたエピソードは、さまざまな自伝や証言集、小説などに頻繁に登場する。誇張でも、もちろん創作でもないことがあらためて確認できる。

訳者解説には、その後、明らかになったことなどもかなりの紙幅を割いて記述している。そのなかで、もっとも強烈な一編目で言及される、人間の脂肪から作った石鹸の話についての調査結果(2006年)も紹介されている。

それによれば、たしかに同解剖学研究所では、石鹸作りを含め人体を使ったさまざまな実験を行なってはいたが、そのために人を殺したり、そこで作られた石鹸が製品として市中に流通したりといった事実はないとのこと。

しかしインターネット上では、いまだ、当時ドイツでは人間の脂肪から作られた石鹸が大量生産品として出回っていたという言説が見つかるという。







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# by chekosan | 2018-01-15 10:38 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
関西ウーマンに毎月第2土曜に連載している「信子先生のおすすめの一冊」、
今月は、家族で楽しめるイラスト図鑑『ざんねんないきもの事典』です。

電車で読むと、へえええええ~!!と声に出せないので、
ぜひお家でゆっくりくつろぎながら♪

「ざんねんな」というタイトルですが、むしろ、スゴイ!の連続です。
進化って、いきものって、多様やわ~~! 世の中知らないことだらけ~!と興奮しますよ~。


関西ウーマン信子先生のおすすめの一冊『ざんねんないきもの事典』



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# by chekosan | 2018-01-13 11:34 | 書いたもの | Trackback | Comments(0)