中・東欧、ロシアのこと&大学教育のことを発信します


by chekosan
行ってきましたポーランド。夏のリトアニア旅行記が半分も書けていないのに(^^;)

でもまあリトアニアでの収穫は、まもなく発刊される紀要にまとめたので(追記:オンライン公開されました)、記憶が薄れないうちにポーランド行きについて記録しておくとします。


今回は、子連れではなく、学生時代の友人と一週間。
一番の目的地は、アウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所跡です。


(1)航空券

夏に気に入ったフィンエアーにしました。
一応ほかも見たのですが、関空=クラクフ往復の乗り継ぎのタイムスケジュールも一番良かったので。

ただ、冬だからか便数が少なくて、前後の用事などとの兼ね合いもあり、
2/4-10の1週間、つまり現地では4日しか取れませんでした。
この日程はちょっときつかったです。

出発直前まで授業、成績、原稿などが山積みで(成績は一校まだ残っている…)、
旅行3日目は丸々ダウンしてしまいました… 
一度元気になったのですが、帰宅後、再度ダウン。

やはり旅の前にはちょっと心身を整える余裕が必要だと痛感しました…

さて、飛行機のチケットはメッセンジャーで連絡し合いながら、同時に公式サイトから取りました。
関空=ヘルシンキ便は往復とも非常口のところにしました。
フィンエアーは座席指定が数千円くらいでできるので、やらない手はないと思います。

非常口のところはやっぱり楽!!
私は、「プレミアムエコノミー」よりもよほどいいと思います。

非常口の席に座るには、12歳以上であること、英語ができること、非常時に緊急脱出の手伝いをすることが条件となります。昔は身長も条件にあったような気もしますが、それは不問なので、堂々と申し込みました(笑)

非常口の次におすすめな席は、その隣の最前列。ただ、ここはトイレのために前を横切ろうとするお客さんが多い時には落ち着きません。なかにはテーブルを出しているときでも無理から通ろうとする人もいるんです…(-_-;) でもこの列には年齢制限はないので、家族で行くならここかなと思っています。

※オンラインチェックインのときに、ヘルシンキ=クラクフ便は、私だけなぜか非常口のところに無料で指定されました。フリークエントトラベラーと認定されたからでしょうか。でも2時間ほどのことだし、一人で非常口のところというのも心細いので、友人の隣の席に変えました。


(2)宿

Booking.com でアパートメントタイプの宿を取りました。

中心地から近いこと、公共交通機関からも近いこと、2ベッドルーム、バスタブ、キッチン付きなどにこだわって検索しまくりました。バスタブ有り物件がなかなか見つからなかったのですが、ここはバッチリ、巨大なバスルームと、サブのシャワールームまでありました。つまりトイレと洗面も2か所あったということです。

それで5泊で4万3千円ほど。一人2万円少し。大ヒットでした。宿の詳細はまた別途(多分)。


(3)お金

一応、日本円をある程度持っていきました。クレジットカードはときどき使い方わからないだの反応しないわだのと言われるのです。結果的には、今回はカードがうまくいったので、現地で両替したのは、なんと1万5千円だけでした。


(4)下調べとスケジュール

全体の日程がタイトなので、クラクフだけに絞りました。
アウシュヴィッツに行くのが最大の目的、あとはシンドラーのリストの舞台を見れればいいなくらいにしておきました。

風邪をひいて丸一日寝込んだので、本当にそれくらいしか回れず…

シンドラーの工場跡の博物館は初日に行きましたが、クラクフのユダヤ人たちが連れて行かれたプワシュフ強制収容所跡に行けなかったのは痛恨でした…

でも、授業でも使った英語の文献に載っていた気になる場所がクラクフにあると現地で気がつき、そこには行けました。これはたいへん嬉しい収獲でした。(別途アップ予定)


(5)撮影グッズ、通信グッズなど

またデジカメ、iPhone、iPad mini の3台持ち。これくらい持っていて良かったです。というのは、バッテリーが十分残っていても、寒さのあまり機械が動かなくなることが2回もあったのです。宿に帰ったら一瞬で直りましたが。

アウシュヴィッツでご一緒した皆さんは、ずいぶん立派なカメラをお持ちの方が多かったです。

Wi-Fiルーターは今回も時間切れで申し込みできず。でもちょっとあるといいかもと思いました。


(6)荷物

子連れでも一人でも、あまり荷物が変わらないなあと思いました。もちろん着替えは人が増えただけ増えるのですが、あとは一緒なんですよね。

行きはスーツケースが12.9キロ。

体力が落ちていたからなのか、最終日、宿(4階エレベーターなし)から地上に下ろすのがものすごくきつくて、一体何キロになったのかと不安に思いましたが、17.7キロ(?)でした。これ以上は御せないなあという感じです。(-_-;)



b0066960_17385240.jpg



街歩きには、キプリングの小さいショルダーとリュック。
リュックは楽ですね。普段使わないのでびっくりしました。
シンドラーの博物館で、目についた本をがーっと買って全部詰めましたが、ぜんぜん平気でした。

ただ、お店や乗り物で場所をとるし、担いだり外したり出し入れしたりが面倒ではありました。



b0066960_17400399.jpg




(7)防寒

上の写真のダウンはもう20年くらい前に買ったもの。関西では暑すぎるくらいで、自転車に乗るときくらいしか使わなくなっていたものです。ポーランドは寒いので、寒がりの私は、このなかにさらにいっぱい着こみました。

そうすると屋外ではちょうどいいけど、屋内では暑すぎて汗びちょに… 風邪を引いたのもそのせいか…? 
帰ってきたら自宅が寒くて寒くて… いったん元気になったのに、また寝込んでしまいました… 

足元は、雪道仕様のブーツを2足。京都大阪神戸でも真冬ならOKかなくらいのを新調しました。

ブーツとカバン類には防水をしておきました。お天気悪かったですが問題なかったです。


b0066960_17562418.jpg

それに、登山やさん(モンベル)のタウン用やトレッキング用のソックスを。


b0066960_18012287.jpg

カイロは貼るタイプや靴タイプを持っていきましたが、1つも使いませんでした。

帽子やマフラーは昔から持っているものを持っていきました。
頭を覆うものは絶対必要です。現地の人も、老若男女みんななにかで覆っています。

若いポーランド人女性がボリュームたっぷりの毛がついたフード付きコートを着ると小さなお顔によく合って、とてもキュートでした。ベレー帽とか毛糸の帽子なんかもバリエーションが多くて、いいなあ~とウォッチングしました。

お土産屋さんに毛皮の帽子も売っていましたが、帰ったら帽子なんてまったくいらないし、私は帽子が似合わないし、かぶったあと髪の毛がぺしょんこになってカッコ悪いし。かわいいなあと思いながら見るだけにしました。

手袋はスキー用も持っていきましたが、そこまでではなかったです。ふつうの布ので十分でした。


ということで、防寒を気にしていろいろ用意はしたものの、うまく順応できず、飛行機だかどっかで風邪をもらってしまい、貴重な現地での4日のうち、丸一日を寝て過ごすという失敗の旅でした。


教訓:
①やはり寒い国への旅は夏がいい
②日程はゆったりと。現地ではもちろん、旅立つ前に心身を整える時間も必要(泣)


つづく





[PR]
# by chekosan | 2018-02-12 18:34 | ポーランド | Trackback | Comments(0)
ポーランド行きの前日に仕上げ晴れ晴れと出発した今月の書評です。

道徳やモラルって適当な思い込みや偏見で語られがちです。
マッツァリーノ氏の本はクリティカルに考える視点を与えてくれます。





b0066960_10395123.jpeg

[PR]
# by chekosan | 2018-02-11 10:43 | 書いたもの | Trackback | Comments(0)
ポーランド旅行記がちっとも書けていませんが、先に現地で買ったマンガの記録を。
6人のユダヤ人の少年少女たちがホロコーストを辛くも逃れた実話集です。

b0066960_02532627.jpeg


ニュルンベルクのハインツ少年は家族とイギリスに逃れますが、英独の開戦によって今度はスパイの疑いをかけられ、逮捕拘留されます。

チェコスロヴァキアの少女トゥルードは、一人でイギリスに疎開、15〜20箇所も預けられ先を転々としました。両親とはその後、再会することはありませんでした。

ドイツからチェコスロヴァキアへ逃げた少女ルースは、母の奔走が奇跡的に実を結び、イギリスに脱出します。リバプールの駅に降り立ったまさにその瞬間、駅の放送で、英独開戦の宣言を聞きます。彼女の一家は幸運なことにのちに皆、合流することができました。

ドイツのマルティン少年は、妹ともに「キンダートランスポート」でイギリスのコベントリーに疎開しましたが、そこでも激しい空爆を経験します。

フランスの少女スザンヌは、パリで文化的な生活を送っていましたが、ユダヤ人狩りにあい、両親は連行されます。スザンヌは隣人がとっさに自分の子だと連れて行って助かります。その後、水道も電気もない田舎に疎開し、農作業に従事します。戦争が終わったことを2年も知らずに過ごします。

ポーランドのアレク少年はアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所に連れていかれ、ガス室行きの列から抜け出し、なんとか生き残りますが、シラミや飢餓に苦しみます。

読みやすい英語で、一気に読んでしまいました。

ここに出てきた人々はみな生還者なので、その点は救いがあるのですが、家族や親戚や町の人とは二度と会えなかったという人が多いです。


今回の旅では、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所跡にいってきましたが、建物や物だけ見てもなかなかその悲惨さはわかりません。

証言を残すこと、耳を傾けることが大事だと思います。

b0066960_02595432.jpeg








[PR]
# by chekosan | 2018-02-09 03:02 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
ただいまポーランドに来ています。
アウシュヴィッツを訪ねる旅です。

行きの飛行機では邦題「やさしい本泥棒」を観ました。

b0066960_13012540.jpg


舞台は第2次大戦中のドイツの小さな町。ですが、20世紀フォックスの映画なので、ちょっとヨーロッパの雰囲気は下がってる感じはしました。

どうやらプロローグとエピローグがカットされていたらしく、へ⁉️ どゆこと⁉️ と終わってしまいましたがσ^_^; 全体的にはあたたかい話で、涙腺の弱い私はだらだら泣けて良かったです。

主人公は里親の家に来たときは文字が読み書きできなくていじめられたんですが、優しい養父のおかげで本好きになります。

それを応援してくれる町長夫人と過ごす町長宅の書斎での読書タイムがとても素敵でした。

自分たちも貧しいのに、ユダヤ人青年を2年も匿う里親夫婦。

ユダヤ人たちが追い立てられ、どこかへ歩かされるシーンもあります。

一番印象的だったのは、ヒトラーの誕生日に、町の広場で焚書するところ。

うず高く積まれた本を燃やし、炎の中に町民が本を投げ入れていくのです。

こういう小さな町でもだったのかと改めて確認できました。

全体的に、言葉のもつ力に焦点を当てた成長もので、おどろおどろしさはありません。

少女の成長と少年の幼いまっすぐさと里親夫婦の実直さが良かったです。

でもやっぱり吹き替えで見るんじゃなかったな😅





[PR]
# by chekosan | 2018-02-05 12:34 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
大学生協で岩波書店15%オフセールをしていて、ひょいとワゴンで見つけた一冊。最近の私の関心にぴったりなタイトルで即買いです。

岩波ジュニア新書はわかりやすくて優れた本が多いので、図書館や本屋さんで結構チェックしていたつもりでしたが漏れていました。やはりアンテナが立っているかどうかで見えるものが違ってきますね。

ということで、ちょっと前に出版された本なので、情報源の探し方などは古くなっていますが、参考になる事例や引用がたくさん紹介されていました。

はじめの章で紹介されている、大学生のベトナムツアーの部分は、おおいに刺激を受けました。ベトナムには一度は行きたいと思います。

ルソーの『エミール』からの旅に関する考察の引用もたいへん示唆に富むものでした。

◇◇◇

いまはテレビやネットでいくらでも鮮明な映像を見ることができます。

でも現地だからこそわかることもやはりたくさんあります。

私は、空間の感覚(広さ狭さ、立体感など)、史跡と普通の生活空間との位置関係、どれくらいの人が出入りしているか、どういう人が案内しているかなどに目がいきます。

たとえば、ベルリンの旧東独秘密警察拘置所跡を見学したときは、かつては地図上には記されていないくらい秘密だった地区が、いまは普通の住宅街になっていて、スーパーマーケットのチェーン店が建っているとか。

リトアニアで数万人が虐殺された現場が、行ってみると市街からそう遠くはなくて、今はぜんぜん恐ろしげでなくて、むしろ美しい緑の空間だったりして、鎮魂と記念と啓発と伝承の場のありかたを考えさせられたり。

目的をもって行く旅には下調べが大事ですが、現地に行ってから存在を知る場所や施設、事実もあります。

リトアニアへはホロコーストの記憶をどう残しているかを見に行ったのですが、現地のインフォメーションセンターにそうした史跡をピックアップしたわかりやすい地図があって、行ってからずいぶん見るところが増えて充実した旅になりました。

◇◇◇

本書にも書かれているのですが、頭や心の準備をし、研ぎ澄まされた感性で旅に臨むと、長く広く感動が響きわたり、事後の学習の動機づけにもなります。学習意欲が高まって、本を読む量や時間の長さが増えたり、ニュースや人の話を聞いたときにも吸収力が高まったりします。

これはホントそうですね。もう全然違う。あまり準備をせずに行っても行く前とはぜんぜん感度が違ってきます。

ですので、若いうちから、あるいは年をとっても、関心を持って違う土地に行くのはとても意味のあることだと思います。

私も長いインターバルはありましたが、2年前から海外への調査旅行を復活し、そこでの見聞や、そこから調べたこと、考察したことを授業などで折に触れ、紹介しています。学生さんの反応も非常に良いです。

ベルリンやリトアニアへの調査旅行に連れて行った下の息子も、行く前はまったくまっさらの状態でしたが、旅のテーマを理解して、そのあたりの歴史へのアンテナが立つようになりました。

昨年夏には、引率の補佐で香港研修に行きましたが、いつかそう遠くないうちに、家族以外の人や学生さんとのスタディ・ツアーができればなあ、なんて思っています。

その予行演習になるかもしれない(?)ポーランド行きもとうとう出発が明日に迫りました。

今回は、国際理解を研究テーマに大学院で学ぶ現役高校教諭の親友との20数年ぶりの二人旅です!
一人旅とも、子連れ旅とも違う発見や体験ができると思います☆ どきどき…

 

b0066960_15202897.jpg







[PR]
# by chekosan | 2018-02-03 15:32 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
気楽に読める本から始まった2018年。
授業終盤&原稿などこなしつつ、いい感じで途切れず読めました。
2月は1週間ポーランドに行きますが、それ以外はひたすらインプットな日々を送りたいです!

1月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:3862
ナイス数:363

Soliste[ソリスト]おとな女子ヨーロッパひとり歩きSoliste[ソリスト]おとな女子ヨーロッパひとり歩き感想
前作は大人の女性ひとり旅を後押ししてくれる準備中心の本。実用的かつお洒落で、月イチの書評連載にも取り上げた。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=200932 本作はワイナリー巡りやオペラ鑑賞、地方の小さなまち訪問、プチホテルに泊まる旅など、テーマのある旅の体験談中心。ユーモアがあって粋な文章なので、関心がない分野、あまり興味のない行先でも楽しく読める。前作を書くきっかけとなった女性との出会いや、著者自身の写真を撮影された方との思い出などジンとする話も。
読了日:01月01日 著者:寺田 和代


おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典感想
なぜこんな体をしているのだろう、どうしてこんな生態なのだろうと思うような「いきもの」たちを楽しい文章とイラストで紹介する本。このお正月、小学5年生の息子が祖父母からお年玉にもらい、2人で争うように一気読み。1つの項目を読むたびに、「へえええええ~!!」と騒ぎ、家族に向かって「○○ってこうなんやって!」と内容を解説し、「読んだら!? 面白いで!!」と押しつけている。「関西ウーマン」の書評連載でも取り上げた。読了日:01月01日


みんなの道徳解体新書 (ちくまプリマー新書)みんなの道徳解体新書 (ちくまプリマー新書)感想
中高生向け新書のせいか、マッツァリーノ節はやや抑え気味な気もするが、なかなか刺激的で面白い。モラルが崩壊しているとか日本人に道徳心がなくなったとか若者が凶悪化したとか、巷に溢れる言説がいかに根拠なく発せられているかを資料や論理にもとづき、痛快に、辛辣に批判する。道徳の副読本の「名作」解説の章は吹き出す箇所多数。最終章、道徳教育はどうあるべきかという結論は簡潔で明快。おすすめ。1月4日のブログにもう少し詳しく記録
読了日:01月03日 著者:パオロ マッツァリーノ


おもしろい! 進化のふしぎ 続ざんねんないきもの事典おもしろい! 進化のふしぎ 続ざんねんないきもの事典感想
まずイラストがかわいい。姿そのものは擬人化しているわけではないが、いきものたちがひとことつぶやいていて、それがマンガチックでユーモラス。そして解説文がこれまた面白い。タイトルどおり「あああ、ざんねん」というような特性もあれば、「すっごーーーい!」と感心するような特性もあるが、いずれも「いきもの」たちへの愛が根底にある。そして最後の一文は、いかにも子どもが喜びそうな「オチ」。詳しくは月イチ連載の書評で!
読了日:01月03日



なつかしさの心理学: 思い出と感情 (心理学叢書)なつかしさの心理学: 思い出と感情 (心理学叢書)感想
どれくらい時間が経つと人や社会は、前の時代を懐かしんだり美化したりするのだろう。ノスタルジーには法則があるのだろうかなど、歴史的、政治的な面からの関心があって、心理学系の入門書である本書も手に取ってみた。とても平易にわかりやすく書かれているので、個人への実験、消費者行動との関連、臨床への応用などをこれから学びたい人には良いのでは。読了日:01月09日



生は彼方に (ハヤカワepi文庫)生は彼方に (ハヤカワepi文庫)感想
演習で学生と読んだ。「1ページで、うわぁダメかもと思った」という感想が女子たちから。それもわかる。若くして詩人として頭角を現しながらも、女性との関係をうまく築けないで思い悩む「自尊心は高いが自信がない」少年の生々しくて痛々しい「恥辱にまみれた」話だから。私は主人公の母の妻として女性として母として悩み揺れる、そのリアルさに感心。チェコスロヴァキアの歴史に関心のある人にはそちらと絡めて読める分、より面白いかと思う。詳細は1月11日のブログに記録。読了日:01月11日 著者:ミラン クンデラ



正しいコピペのすすめ――模倣、創造、著作権と私たち (岩波ジュニア新書)正しいコピペのすすめ――模倣、創造、著作権と私たち (岩波ジュニア新書)感想
とてもわかりやすい。非常に勉強になった。身近で具体的な事例を挙げて著作権について解説。教員も授業や研究以外の場面ではもっと厳密、敏感にならねば。ところで、著者が新人記者時代に、お手本になる記事をスクラップしたサンプル帳を持って歩いたというエピソードがものすごく面白い。文章修行のはじめは、やはりまずは型を真似ることなのだなと。記者に採用されるような人でもそうなのだから、文章作成の経験が少ない学生にいきなり書け!は無理。お手本を分析し、真似てみる。それをたくさん反復するのがいいな、うん。読了日:01月11日 著者:宮武 久佳


メダリオン (東欧の想像力)メダリオン (東欧の想像力)感想
ナチス犯罪調査委員会の一員として市民の声を聴き集めた、最初期のホロコースト文学、ナチス犯罪文学。所収の8編はいずれも短いが事実は小説よりの言葉どおり。特に一編目、解剖学研究所の実態は強烈。以下、家畜用車両での移送、列車から脱出し負傷して線路脇で弱っていく女性、収容所でのサディスティックな行為など。訳者解説には、その後の研究成果なども紙幅を割いて記述。一編目で言及される人間の脂肪から作った石鹸の真偽についても言及。詳しくは1月15日のブログに記録。読了日:01月14日 著者:ゾフィア ナウコフスカ


否定と肯定 ホロコーストの真実をめぐる闘い (ハーパーBOOKS)否定と肯定 ホロコーストの真実をめぐる闘い (ハーパーBOOKS)感想
映画を観てからの原作。本文543ページとたっぷりだが非常に面白い。イギリスの裁判の進め方、被告側の徹底したリサーチなど勉強になった。ホロコーストをめぐる実際にあった裁判の回想録だが、まるで小説のよう。原作の方が裁判での争点をよく理解できるが、映画は映画でイギリスの法廷の様子が絵でわかるので、併せて見ると良いかも。別の人によるあとがきに要確認事項あり。詳しくは1月21日のブログに記録。読了日:01月21日 著者:デボラ・E リップシュタット


夫婦の中のよそもの夫婦の中のよそもの感想
学生に教えてもらった本。彼はクストリッツァが映画監督ということは知らずに読んだらしい。私は逆に、映画を観ていなければ、好きな題材ではなかったかも。でもクストリッツァの監督した「オン・ザ・ミルキー・ロード」を観たあとなので、映像が見えるようで、楽しく読めた。「オン・ザ・ミルキー・ロード」の原案となった短編も入っている。独立した短編2編と、連作短編4編からなるが、全体として少年が成長していく話という感じか。社会主義期のボスニア・ヘルツェゴビナの普通の人々のごちゃごちゃした暮らしぶりに触れられて面白かった。読了日:01月24日 著者:エミール・クストリッツァ



ふたりの証拠 (ハヤカワepi文庫)ふたりの証拠 (ハヤカワepi文庫)
読了日:01月24日 著者:アゴタ クリストフ
輪読ゼミでみんなで読むのに再読。

第三の嘘 (ハヤカワepi文庫)第三の嘘 (ハヤカワepi文庫)
読了日:01月24日 著者:アゴタ・クリストフ







ええ、政治ですが、それが何か?――自分のアタマで考える政治学入門ええ、政治ですが、それが何か?――自分のアタマで考える政治学入門感想
とても面白かった。政治学の授業では、言葉を尽くして他者と対話せよと学生に言っているので、おおいに賛同。詳細は1月27日のブログに記録。ところで「政治学やってますというと、政治家になるんですかと訊かれる」というのは聞く話だけど、私は言われたためしがない。ジェンダーよね。あ、親戚から一回だけ言われたか。あと初対面の人に日本の政治についてどう思いますか!?と聞かれて困惑したことがある。そんな大問題を大雑把に繰り出して返答を迫るのも乱暴な気がする。読了日:01月27日 著者:岡田憲治



社会をちょっと変えてみた――ふつうの人が政治を動かした七つの物語社会をちょっと変えてみた――ふつうの人が政治を動かした七つの物語感想
議員や官僚や大金持ちなどではない、市井の人、当事者が地道な活動を続けて、制度改革、法律改正を達成した事例の紹介。「ふつうの人」「政治を動かす」という文句には、政治とは政治家が行うものという前提が見えて引っかかる。しかも「ふつう」という範疇は超えているように思うが、彼らのように、明確に解決したい切実な課題がある人ならばテキストのように使えるかも。議員や自治体や官僚組織はどのように政策、法律、予算を決めるのかを知ることもできる。ただ文章が妙に軽く個人ブログのよう。活動家の見た目についての言及も違和感あり。読了日:01月28日 著者:駒崎 弘樹,秋山 訓子


ぼくはこうして生き残った!7 ナチスとの戦い (ぼくはこうして生き残った! 7)ぼくはこうして生き残った!7 ナチスとの戦い (ぼくはこうして生き残った! 7)感想
小5息子が図書室にこんなんあったで!と借りてきてくれた。優秀なアシスタント君だこと。このシリーズは小学校でも人気らしい。この巻はポーランドのユダヤ人の兄妹がパルチザンと生き延びる話。30分くらいで読める。巻末に解説と年表あり。小5男児はなぜか年表を音読して、イスラエルとパレスチナのことを訊いてきたので、こういう児童書は歴史に関心を持つきっかけになるのだなあと感心した次第。
読了日:01月31日 著者:ローレン,ターシス


読書メーター

[PR]
# by chekosan | 2018-02-01 14:29 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
先週のことですが、同志社大学の全学共通科目の「政治学」が終わりました。

8学部から計152名が登録。毎回の出席者数は30名クラスが平均で22人、出席率は72.3%、122名クラスが平均97人、79.6%でした。

この数には出席0回の人も含んでいますので、実際には出席率はもう少し高くなります。一度でも出席して「履修中止」の手続きをした人はいませんでした。

100人超す授業で、全学年対象で、広い教室で、グループワークや発表を取り入れられるかなあ、法学部生が主体じゃない授業って初めてだわ、どんな感じだろう…と若干心配していましたが、まったくの杞憂でした。

講義のときの私語はないし、指示にはすぐ動くし、話し合いもちゃんとするし、発表もちゃんとするし。2分で4人グループをつくってくださいと言ったら、ちゃんとできたのには驚きました。なかなかああはいきません。

おかげで100人のクラスでも、思っていたような、いやそれ以上の試みができました。

最後の授業は、講義と書くお題で終わりましたが、「最後の授業が少しさみしい。民主主義的に進めるこの授業のスタイルがとても好きでした」と書いてくれた人がいて、ああ最後までグループワークや発表をしたら良かったなあと後悔しています。私も最終回の終わり方はちょっとさみしかったです。(^^;)

受講生のみなさん、これからもいろんな本を読んで、たくさん人と話して、こうも考えられるかも、ああも考えられるかもと、いっぱいモヤモヤしてください☆

先生もたくさん読んで考えて発信していきます。とりあえず来週はポーランド行ってきまーす!



b0066960_20341878.jpg

[PR]
# by chekosan | 2018-01-31 20:46 | 大学教育 | Trackback | Comments(2)
帯の文句は、

「身近に転がる不都合(バグ)を自分で解決していく、それが草の根ロビイング。
 選挙でもデモでもない、社会の変え方おしえます!」

著者名は駒崎弘樹さんが先に来ていますが、執筆の量からすれば秋山訓子さん(朝日新聞編集委員)が、7人の「ふつうの人」への取材をまとめたⅠ部が大半を占めます。

最終章では、駒崎さんがロビイングのノウハウを書いています。

サブタイトルの「ふつうの人」が「政治を動かす」という文句には、そもそも政治とは政治家が行うものという前提が見えて、その点は引っかかりますが、議員や官僚や大金持ちなどではない、市井の人、当事者が地道な活動を続けて、制度改革、法律改正を達成した事例の紹介です。

保育園の待機児童問題に取りくむ曽山恵理子さん、性的マイノリティをめぐる問題を政策課題に押し上げた明智カイトさん、災害時の外国人支援や小児がんの患者とその家族のための病院をつくり、東日本の震災後に復興庁参与となった田村太郎さん、障害者の介助支援やバリアフリーの活動を展開する中西正司さん、風営法改正を実現した和田礼さん、病児保育・小規模認可保育所を公的な施策で実現した駒崎弘樹さん、NPO法をつくった松原明さん。

どの人も「ふつう」という範疇は遥かに超えた能力、実行力、行動力、熱意を持つ人びとに思えます。
情報収集、コミュニケーション、行動、発信、粘り強さ、緻密さを併せ持つ人びとです。

そんなに難しいことではないでしょう? これでみなさんもできるでしょう! …というには、ここに出ている事例はハードルが高いと思いますが、明確に解決したい切実な課題がある人ならば、実際に「テキスト」のように使えるかもしれません。

国会対策委員会に出入りして法律制定までもってくなんて無理!という人でも、ここくらいなら私にもできるかもというヒントを得られるでしょう。

あるいは議員や自治体や官僚組織はどのように政策を決めて、法律をつくって、予算を決めるのかということを知ることができます。

政局とかスキャンダルばかりが報道されて、議員や役人が何をしているのか、実際のところはなかなか伝わってきません。そうした代表者の本来の仕事ぶりを垣間見ることのできる本でもあります。


ただ、親しみやすくするためか文章が妙に軽く、一文ごとに改行する個人ブログ的な体裁だったり、女性と性的マイノリティの活動家に関して見た目の雰囲気について言及していたりするのはちょっと違和感がありました。

b0066960_17315640.jpg

[PR]
# by chekosan | 2018-01-28 17:38 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
大変面白く読みました。興味深い、という意味でもありますし、ブフッと吹き出すような例えや表現満載という意味でもです。

感覚が薄れないうちに書き留めておきます。きちんとまとめていません。とりあえず推敲せずに書き連ねておきます。

◇◇◇

サブタイトルが示すとおり、自分のアタマで考え、あくまで「言葉」で人にそれを伝えることがなにより大事なのだということを繰り返し説く、政治学の入門書です。

「政治学って難しそう」「堅苦しそう」「政治って何かよくわからない」「政治は政治家がするもの」「私たちには関係ない」「関わりがない」というような、漠然としたイメージや、忌避感、拒否感、嫌悪感、他人事的な感覚を本書は覆し、払拭してくれます。

著者は「政治」を次のように定義しています。

「こう決めた」と心の中ではなく、他者に向かって言う、表現することを「政治」と呼ぶ。

もうすこし固めに言うと、

「この世の解釈をめぐる選択を、あくまで言葉を通じて不特定複数の他者に示すこと」

もちろん、その濃淡や方法は多様であり得ます。

行動に移す人(移せる人)、支援する人、寄り添う人など、それぞれの状況に応じて可能な範囲でできることをすれば良いのです。

「何もしないこと」「選択をしない」ことも実は「しないという選択をしている」=最悪を避けるための行動を選択できたのにしていないことになるのだという指摘はそのとおりだと思います。

「現実」は実体があるものではなく、解釈である、という説明には強くうなずきました。

「現実的でない」「現実を見なくちゃ」という説得や諦念は、実は、たくさんある事実や、ほかの解釈を見ずに、あるいは無視しているだけかもしれないのです。

誰かが「現実はこうなのだ」ということにしたいイメージが「現実」とされてしまうことに大きな危惧を抱きます。


本書では、わかりやすい事例をたくさん挙げていますが、なかでも福島の原発事故に関する説明が多いです。これに関しては、はじめのうちの、ちょっとおふざけっぽい例示とは違い、切実で、真に迫っていて迫力があります。

中間部には、ソクラテス、プラトンから始まる政治学史もあります。この部分もとてもわかりやすい記述で、かつ、本書全体の意図に沿った切り口で書かれています。

◇◇◇

今年度、「政治学」の授業を久々に担当しました。特にテキストは指定せずに、具体的事例を題材として、自分で考えたあとに他者と対話をする形の授業をしてきました。

そのような形態をとることで学生に伝えたかったことと本書の主張や説明は相当重なっていました。

今年度の受講生にはもう授業の場では直接紹介できませんが、政治とはなにか、私たちには何ができるかを考えるうえでのおすすめの一冊です。





b0066960_23203820.jpg


[PR]
# by chekosan | 2018-01-27 23:21 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
同志社大学法学部の特殊講義「文学作品で知るロシア・東欧」の授業がすべて終わりました。

昨年度は初開講のうえ、あまりにハードなシラバスにしすぎて、登録者が2名という事態に陥りましたが、今年は2.5倍(笑)。そしてアシスタント院生君と私で7名。いい感じでした。

過去に講義科目「ロシア・東欧地域研究」を受講した学生が2名。リピーターがいてくれるのはとても嬉しくて心強いです。

今年度は留学生も参加。シラバスに、昨年度読んだ本を記載しておいたのですが、それらはほぼ読んだことがあったので登録したとの言に一同びっくり。他の人同様に発表も担当してもらいました。

文学の授業のように緻密な批評や分析はしませんが、15週、毎回、暗くて重い作品を一冊丸ごと読み続けるというのはハードすぎます。

ときどき各自のおすすめを紹介してもらったり、映像や画像を見たりしてインターバルを設けました。これはかなり楽しかったです。

結果、今回全員で、テキストとして読んだのは以下の作品たち。

スヴェトラーナ・アレクシェーヴィッチ(ベラルーシ) 『戦争は女の顔をしていない』『ボタン穴から見た戦争』『チェルノブイリの祈り

グードルン・パウゼヴァング(ドイツ)『みえない雲

アゴタ・クリストフ(ハンガリー出身で亡命して仏語圏で仏語で創作)『文盲』『悪童日記』『ふたりの証拠』(『第三の嘘』も多少解説)

アンドレイ・クルコフ(ウクライナ)『ペンギンの憂鬱

ミラン・クンデラ(チェコスロヴァキアのちにフランスへ亡命)『生は彼方に

ということで、今年も9作品でした。 
ハッ! ロシアがない! 看板に偽りあり!(^▽^;)

はじめのアレクシェーヴィッチ3冊は、戦争や原発事故の証言集で、内容も重くて暗くて痛くて怖いので、みんなかなり大変そうでした。

そのせいか、あとは比較的読みやすく感じたようです。

クリストフ『文盲』『悪童日記』あたりが好評だったのかなという感じでした。


昨年度も全員で和やかに仲良くランチに行ったりカフェでお茶したりしましたが、今回は受講生同士の交流が深まったのが大きな特徴でした。

授業外でも会ったり話したりしているようなので、てっきりもともと友達だったり先輩・後輩だったりしたのかと思ったら、この授業で知り合ったとのこと。

下回生が「先輩たちにとても知的な刺激を受けています! こんな場はなかなかないです!」と言ってくれたり。

進度は速いが空気はゆるゆるというのは正解かなと思いました。

来年度もこんな知的交流がはかれるといいなあ~♡

2018年度は、「特殊講義(文学で学ぶ東欧・ドイツ・ロシアの政治と社会)」。米原万里『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』『オリガ・モリソヴナの反語法』からスタートします。今度こそロシア登場です!




b0066960_16335209.jpg




[PR]
# by chekosan | 2018-01-26 17:10 | ロシア・東欧に関する授業@同志社 | Trackback | Comments(0)