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中・東欧、ロシア、大学教育、美術展、映画鑑賞などなど


by chekosan

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たくさんの言語を研究されている黒田龍之助さんの『チェコ語の隙間』を読みました。言葉や文化にまつわる楽しいエッセー集です。

「東欧のいろんなことばの話」というサブタイトルどおり、ポーランド語、チェコ語、スロヴァキア語、スロヴェニア語、クロアチア語、セルビア語、ブルガリア語、マケドニア語、ソルブ語などの習得にまつわる話や、それらを使う国を訪問したときのエピソードなどが短く紹介されます。

スラブ系の言葉同士は似ているけど、それだけにこんがらがったりすることもあるので要注意というのは、そのとおりだなあと思います。

いえ全然レベルは違うのですが、ワタクシもかつて、ロシア語、チェコ語、ポーランド語の順に習ったことがあり、スロヴァキア語の文章も辞書を引き引き、強引に読んだりしたこともありました。が、諸事情からそのあたりの研究から離れていた時期があって、すっかりサビサビになってしまいました。

先日映画を観ていたときも、あるセリフを聞き取れたのに、ロシア語なのかポーランド語なのかがわからないという瞬間がありました。どこまで錆びついているんだか…(~_~;)

と、そんな酷いことになっているのに、こういう楽しい本を読むと、うっかり新しいことばを学びたくなってきて困るんですよね(笑)

ブルガリア語はロシア語をやったことがある人には親しみやすい、しかもブルガリアはなんでもおいしいなんてことを読んだりしたら、じゃあブルガリア語を!とか思ってしまいました。


でも、この本でも書かれているのですが、現地のことばを発すると、やはり現地の方が喜ばれるんですよね。バルト諸国に行ったときは一語も使わずに済ませてしまいましたが、そういう態度はやはりよろしくないですよね。

そこで、リトアニア語はちょびっとくらいわかるようになりたいな、とテキストを買ってあるのですが、全然勉強していません… リトアニア語はスラブ系の言語でもないし、一から独学で勉強するのはやはりきつい。いっそ、日本におられるリトアニアの方に習おうかなあ。 




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by chekosan | 2019-01-31 21:28 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
1943年に実際に起った、ソビボル絶滅収容所での反乱を描いたロシア映画「ヒトラーと戦った22日間」を観ました。

ヒトラーそのものはカケラも出てきません。原題「ソビボル」のままの方が内容に合っているのですが、それでは日本でお客が呼べないとの判断でしょうか。まあ「ヒトラー」とつければ、時代やテーマがすぐわかって、多少なりともお客さんが増えるというのはわかるのは確かですが… この邦題では、ちょっとB級っぽく思わせてしまうような…


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ソビボルはナチスドイツによって造られた「絶滅収容所」のひとつで、ポーランド東部にありました。列車で連れてこられた人々(多くはユダヤ人)は、ほぼ全員が到着後、すぐさま収容所奥のガス室で殺されました。

ごく一部の人たちだけが残され、技工(死体の金歯を溶かして加工するとか…)、没収品の仕分け(めぼしいものは将校たちが着服するシーンあり)、肉体労働(収容所の拡張のためか。湿地帯を開墾しているシーンあり)などに従事します。

ところが、戦況が思わしくなくなってきたため、ドイツは各収容所を順に解体していき、収容者たちの「処分」を急ぎ始めます。それを悟った収容者たちの一部が脱走を計画し、全員脱出を実行します。

600人ほどが収容所を脱出しようとするのですが、最終的に戦後まで生き残ったのは47人とか50人といった数でした(47人というのは、映画パンフレット中の芝健介氏の解説文による)。

◇◇◇

本作では、脱出を計画したグループのリーダーとなったサーシャにスポットを当てています。サーシャはロシア系のユダヤ人で軍人です。サーシャ役の俳優が、監督・脚本も手がけた作品です。

ちょっと音楽や映像が美しすぎるような気もしました。ドラマティックすぎるというか。グロテスクなシーンも、汚いシーンも、長すぎるんじゃないかと思う虐待シーンもあるのですが、それでも全体として妙に美的な感じがしました。

出てくる俳優さんたちも、美男美女揃いだし。←これは好みの問題もあるのかもしれませんが。私としては、収容者を演じる俳優は男女とも好みなお顔揃いだったので、少々リアルさが欠ける感じがしました。(^-^;

良かったのは、その人物が使っている言語そのままでしゃべらせているところです。こういうテーマの映画で、全部英語だったりするとすごくがっかりするのですが、この映画はいろんな言葉が飛び交っています。

言葉が違うために同じ収容者という立場であってもお互いに意思疎通ができないとか、いくつかの言葉、特に支配者の言語であるドイツ語をしゃべれる人は重宝されたり窮地をしのげたりする場面があります。出身も言葉も習慣も職業もふるまいもまったく違う人々がユダヤ人とひとくくりにされていたことをうまく表していました。

細部は演出や創作も入っているようですが、収容所の建物などはかなり実際に忠実に造ってあるそうです。反乱後、この収容所は解体、消滅され、いま現地を訪ねても当時の様子はわかりませんから、こういう映像は想像の助けになるかと思います。

◇◇◇

脱出計画・実行グループで最年少(?)のトマス・ブラット氏(愛称トイヴィ、映画では靴磨き少年)による脱出計画のリーダー、サーシャ・ペチェルスキー氏のインタビュー記事があります。1980年のものだそう。ペチェルスキー氏の回想録の記述とトマス少年の記憶とが食い違っている点や、脱出後のペチェルスキー氏の行動に対する説明を求める場面などもあります。

そうした緊迫した場面もさることながら、ペチェルスキー氏がもともとは音楽や舞台を学び、教えていたという経歴に驚きました。映画では、軍人としての経験から脱出作戦のリーダーになったタフガイという描き方なので、その前歴には触れられてないのです(見落とし、聞き落としていなければ)。

戦後、ペチェルスキー氏はソ連に帰還するのですが、捕虜になったことからスパイと疑われて投獄されます。西側に渡った彼を知る人々からの抗議で釈放されるのですが、その後も暮らし向きはよくなかったようです。このインタビューの時点でも、狭い共同住宅で質素に暮らしている様子が記されています。



同サイトには、このほかにもソビボルや他の収容所についての証言や情報が掲載されています。

ソビボルといえば、「SHOAH」のランズマン監督が、生存者にインタビューした記録映画があります。こちらも観ようと思います。







by chekosan | 2019-01-30 13:11 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
映画「スターリンの葬送狂騒曲」を観ました。

これは面白かった!見逃さないで良かった!と心のなかで思わず自分の判断を讃えてしまいました。

ソ連の独裁者スターリンが亡くなり、側近たちが後継争い・権力争いを繰り広げる話です。拷問や処刑、殺害シーン満載なので、笑うのは不謹慎な気もするのですが、テンポのよいブラックコメディとして作られているので、ついつい笑ってしまいます。

時系列的には必ずしも史実に忠実ではないそうですが、実際に起ったことや情景をふんだんに盛り込んであるそうです。

ブラックコメディなので、話の展開が極端にスピーディではありますが、しかし、スターリン時代に粛清された人々の数(数百万ともいわれる)から考えると、実際にもあれくらいのスピードで、あれくらい軽々しく殺していかないと、そんな数にはならなかったかも…と思えてきます。



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今年度の輪読ゼミで読んだ米原万里の小説『オリガ・モリソヴナの反語法』はスターリン時代の粛清がテーマになっていて、この映画にも出てくるベリヤ(秘密警察の親玉)も出てきます。そこでは、ベリヤも、スターリン死後の権力争いで失脚したために、悪の張本人、卑劣漢として実際以上に誇張して伝えられたという見方も紹介されていました。

この映画でも、ベリヤは残忍で変態で狡猾で強引なやり手として描かれていますが、同時にフルシチョフたちライバルたちも、そんなベリヤを追い落として処刑してしまうくらいに残酷で狡猾な人物として描き出しています。誰もヒーローではなく、どいつもこいつも揃いも揃って…と思わせる映画になっています。

ロシアでは封切り直前に上映中止になったそうですが、まあさもありなん。

しかし、もしロシアや旧ソ連の構成国で上映されたら、普通の市民からは、どういう反応が出るのでしょう。笑えるのでしょうか。ブラックコメディとして受け止められるほどに「昔のこと」になっているのでしょうか。あるいは、コメディなんかにするな、まだ生々しい過去なのだと反発が出るのでしょうか。

ホロコーストやヒトラーはかなりセンシティブなテーマとして慎重に扱われていると思うのですが、スターリンやスターリン時代はどうなのでしょう。

思わず笑ったり、ああ面白かった!と思ったりしておきながらなんですが、スターリンなら、ソ連なら、コメディにして笑って楽しんでもよいのだろうか、違いはどこにあるのだろうとも思えてきました。あるいは、笑いながらも「…笑いごとじゃないよね」と思えてくるのであればよいのか…

◇◇◇

映画が面白かったので、すぐに原作のコミックと、劇場では手に入らなかった映画パンフレットも取り寄せました。

原作はファビアン・ニュリ作 ティエリ・ロバン画で、小学館集英社プロダクションから発行されています。こちらはシリアスです。う~ん、いかにもバンド・デシネ♪(フランスやベルギーの漫画)という感じで、画面は暗く、字が小さくてたくさん、劇画タッチです。

原作もていねいにつくられた作品ですが、映画の方がいろいろなエピソードを足してあって、登場人物のキャラも立っていて、見応えがあるかなと思いました。

なお、原作もやはり時系列などは多少いじってあるとのことです。





ヒトラーを題材にしたコメディタッチの映画はありますね。原作、まだ読めていません。読もうっと。





by chekosan | 2019-01-28 21:25 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
流通科学大学初年次ゼミ、後期の後半の課題は、スタディツアーの企画でした。

今年度は、有志学生と、横浜や広島で歴史や文化芸術、まちづくりを学ぶスタディツアーを行ってきました。参加した先輩学生には、学園祭で展示発表をしたり、一年生のゼミのなかで報告をしてもらったりして、還元してもらいました。

それを参考に、私の一年ゼミでは、課題としてスタディツアーを企画してもらいました。

残念ながら、全員の企画を実行するほどの予算や日にちがありませんので、内容や文書、プレゼンの充実度を鑑みて選抜された企画しか実現できないのですが、選ばれたい、実際に行きたいと、楽しそうに取り組んでくれました。

だいたいの総予算と、一人にかけてもよい最高額(ただし一人にお金がかかると行ける人数は減る)、決行は2月を想定し、歴史、文化、芸術、科学を学べるところであること、前期に商業施設でのフィールドワークをしているので、今度は商業施設のみを見るという企画にはしないこと、といった条件を提示して、あとは実行可能であればどこでもよいとしました。

ビジュアル重視の参加者募集チラシ(フライヤー)的なものと、詳細なスケジュールや経費その他を記した企画書を作り、映写してプレゼンしてもらいました。

◇◇◇

なぜこのような課題にしたのか。

前期のフィールドワークは、決められた行先に、大学の借り上げバスで大学から出発、大学に帰着なので、自分で「何を学ぶのか」というところから行先を探して、それが実行可能かを検討するという段階がありませんでした。そこを今回は一人ずつ、自分で考えて作り出してほしいと思ったのです。

そこで、スケジュールは電車やバスのダイヤも調べること、かかるお金も詳細に調べて文書内に盛り込むこと、と厳命しました。

すると、やはりというか、そうしたことをどうやったら調べられるのか知らない学生も、ごく少数ながらいることがわかりました(ほんとにわずかですが)。Google先生だとか、路線情報だとか、行先候補地の公式HPのアクセスページであるとかの存在や、見方、使い方を知らなかったのです。

デジタルネイティブ世代=情報収集に長けているわけではありません。いまどきは小学校でもパソコンに触る機会がありますが、情報通信機器を使って、情報を得られるか、得た情報を使いこなせるかは別なのです。

ITだけではありません。学習したことは、一回ではなかなか身につきません。複数の場や機会を設けて反復することが大事なのですが、まだまだ大学では、科目間でそうしたことを繋げて発展させていく必要があるという意識が弱いように思います。

ですので、私のゼミでは、前期の一斉プログラムでお膳立てされて体験したことを、もっと実践的に、今度は自分の力で行えるようになることを意識して授業をつくろうと考えました。今回の課題もその一環だったのです。

◇◇◇

発表はスライドを映写しながら、一人ずつ。最終的にはていねいに考えてくれていたので、わりと時間がかかってしまい、3回くらいにわたりました。

この課題、発表を聞くと私も面白くて、どれも実現させてあげたい!と思いました。




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            写真の箱は、学園祭展示コンテストでいただいた賞金でふるまったお菓子☆彡



一番人気は京都でした。圧倒的に多かったです。

滋賀県人の私の感覚では、京都はすぐソコなのですが、神戸(兵庫)出身者が圧倒的に多い流通科学大学の学生にとっては、京都はちょっと足を延ばさないといけない場所なのですね。

「小学校の修学旅行では、ただ行っただけという感じだったので、年齢を経て違う見方ができるようになっていると思ったので」と理由を説明してくれた学生もいました。そのとおりだと思います。

◇◇◇

私のもともとの狙いは、小さい範囲で安住していてほしくない、行ったことがないところに行ってみるという意欲を持ってほしい、もしかしたら本当に行けるかもとなればちょっと冒険心が出てくるかも、というものだったのですが、地元の歴史的建造物や庭園を紹介したいという学生も何人かいました。

課題の最初の狙いとは若干ズレてはいるのですが、しかし、それもありなのかもと思いました。そういうパターンの場合、普段よりずっと能弁に、自信をもって生き生き発表していたからです。

◇◇◇

のんびりさんが多く、みんなちゃんと発表できるだろうかと心配していたのですが、人数も内容も、最後にはよしよし!というところまで達することができました。

毎年、試行錯誤することの多かった流通科学大学での後期の初年次ゼミでしたが、いろいろなチャレンジを重ねて、私の「持ちネタ」もずいぶん増えたように思います。

今後、彼らが学んだことやスキルを活かして活躍してくれることを祈って、2018年度の授業をすべて終えました。





 



by chekosan | 2019-01-26 13:42 | 大学教育 | Trackback | Comments(0)
アンナ・ゼーガースの小説「トランジット」を基に、舞台を現代に移した映画「未来を乗り換えた男」が公開されています。

「トランジット」は、第二次大戦でドイツに侵攻された国々の人々が、フランスのマルセイユから第三国に船で脱出しようとする話です。

作者のゼーガース自身が、マルセイユで煩雑な手続きを重ねて書類を集め、メキシコに渡った体験が反映されているとのこと。

映画を観る前に原作を読んでおきたいなと探したら、これがなかなかありません😓 図書館で他館から取り寄せてもらって読みました。


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左:原作 中央公論社『新集世界の文学42』(1971年)
右:映画パンフレット

古い本なので、翻訳も読みにくいのかなと思ったら、そんなことはない、とても読みやすかったです。特に、ヒロインの言葉遣いが上品なのが雰囲気を高めています。

小説は全篇、主人公が、ピッツェリアで知りあった人に自分の体験を語るという独白の形を取っているのですが、こんな長時間かかる独白、丸一日かかるんじゃないの? 聞いてられんだろうと思う長さなんです。

でも面白い! 読むのを止められないのです。

もう滑稽なほどの手続き地獄。滞在するため、出国するため、乗船するため、通過するため、入国するために、何枚も何枚も証明書が必要で、ある書類を発行するためには、別のところで別の書類をもらわないといけない。

ところが、難民が殺到しているので、一枚の書類を得るためには延々待たないといけない。

主人公は、行きがかり上、他人の出国の一件書類を預かります。領事の勘違いによって、その書類の持ち主と間違われた主人公は、なんとなくそのまま手続きの列に加わることになります。

領事館や役所や旅行社で顔を合わせるうちに難民同士、知り合いになっていきます。そしていろんな悲喜劇を見聞きすることになります。

ある書類の発行を待っている間に先に取った書類の期限が切れる、乗るはずの船🚢の乗船券が無駄になる、あるいは書類は親族全員分、全部揃っているのに、体の弱った老親を置いていけない、などという事態が発生します。

ここ数年、この時代を勉強するようになって、戦禍や迫害を逃れて欧州を脱出するということは、ある時期まで、そして限られた人たちにのみ可能だったということはわかってきたのですが、それにしてもここまで煩雑だとは、、、

こういうカオスを伝えられるのは、小説ならではだと思いました。

◇◇◇

映画は、これを現代の物語にしています。ドイツがフランスを占領して、やはり人々がマルセイユからアメリカや南米に脱出しようとするという設定です。

時代を変えるのは一つの試みとしてアリなのかもしれませんが、それよりなにより、原作の核であり魅力である、混乱の中の杓子定規な官僚主義が生むカオスと、その中から主人公が見出す人生の進路が全然描かれていませんでした。

原作を読まずに映画を見たら、話がさっぱりわからないのではないかとも思いました。映画だけ観た人はどう感じたのだろう。

ということで、入手しにくい作品ではありますが、ゼーガースの原作の「トランジット」を、おおいにおすすめします^_^




by chekosan | 2019-01-25 10:48 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
少し前ですが、関西大学での2018年度の授業が終わりました。

今学期は、こんなお部屋でした。

この写真は、最終授業が終わったあとに、「あ~、授業風景を撮りそこねた~」と言ったら、残っていた受講生や、そのお友達が「サクラになりますよ~」とそれらしく座ってくれて撮ったものです。実際は、ちょうど椅子が埋まるくらいの人数でした。



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授業は、例年通り、最近の英文記事をていねいに読んで、関連する事柄を書籍や論文で調べて発表というサイクルでした。

今学期は、初回の小レポートを事前に見て、修正をしてもらったうえで発表してもらいました。その効果でしょうか、調べ物の水準がぐぐっと上がったように思いました。

取り上げたテーマは、欧州のポピュリズムの動向ノーベル平和賞欧州の移民・難民についてでした。関連する事柄の発表では、欧州に限らず、日本の事例なども紹介してくれました。

ノーベル平和賞は、今年の受賞者に関する記事をみんなで読み、過去の受賞者について、各自選んで発表してもらいました。意外とばらけて面白かったので、これは秋学期の恒例にしようかと思っています。


この科目は私の「癒されタイム」なのですが、今学期は、なんと受講生からもそのように言ってもらいました。もともと関大生とは良好な関係を築けてきましたが、あらためて言ってもらうと嬉しいものですね。( ´∀` )

ということで、今年度も終わりが見えてきました。ほかの授業も最後までていねいにしたいと思います。





by chekosan | 2019-01-23 17:14 | 大学教育 | Trackback | Comments(0)
ロシア(ソ連)や東欧の文献を読む授業で、各自が読んだり観たりした作品を持ち寄る企画をしたときに、受講生が紹介してくれた本です。

佐藤優氏の著作は何冊か読んでいますし、この本も買っていて、積読本の山の中にありました。人に紹介してもらうと俄然、読みたくなりますね。で、読み始めると止まらず。ほかのことを置いて、一気に読んでしまいました。

佐藤氏が外務省の研修生として、イギリスの陸軍語学学校でロシア語研修を受けている一年余りの間の話です。

ロンドンで古書店を営む亡命チェコ人や、語学学校のクラスメイトとその恋人とのやりとりから、小国の人々や先住民族のアイデンティティ、思想、行動を浮かび上がらせる構成になっていて面白いです。

佐藤氏のライフワークであるチェコの現代神学者フロマートカの思想も引用、紹介されていて、こちらも長すぎず難しすぎずで興味深く読みました。

サブタイトルに「イギリス物語」とありますが、舞台はイギリスですが、内容的にはチェコの話が中心です。ドイツやロシア(ソ連)といった大国に挟まれた小国チェコのとった(とらざるを得なかった)道や、それを背負ってイギリスに亡命した(せざるを得なかった)知識人の悲哀と葛藤が迫ってきます。

佐藤氏が師と仰いだ亡命チェコ人古書店主は、イギリスにおいて、共産圏では残すことができないような書籍を西側に救出するという使命(キリスト教の言葉では召命)=ミッションを見出します。さらには佐藤氏という「弟子」に自分の知識や思考を伝えることで生きた証を残せたと佐藤氏に伝えています。

その影響を受けて、佐藤氏も、若者たちを育てることに尽力されているとのこと。他の著作で、ちょっと驚くくらい丁寧というか突っ込んで受験指導や学術面での指導をされているのは読んでいましたが、なるほどと思いました。

クラスメイトの恋人の話(アメリカの先住民族ナバホ族の苦難の歴史)は初めて知りましたが、その部分も面白かったので、チェコの歴史を知らない、興味がない人にもきっと面白く読めるのではないかと思います。






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by chekosan | 2019-01-16 18:37 | ロシア・東欧に関する授業@同志社 | Trackback | Comments(0)
ホロコーストの犠牲になった13歳の少女の遺品のスーツケースを、2000年、アウシュヴィッツ博物館から教育用展示品として貸借した日本人女性が、持ち主を特定し、カナダにいた兄を見つけ出したという実話です。

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ホロコースト教育資料センターの代表である石岡史子さん(本書では「ふみ子」)は、遺品を貸し出してくれたアウシュヴィッツ博物館はもとより、イスラエルやアメリカの博物館にも問い合わせて、遺品のかばんの持ち主を探します。

当時は連絡は手紙なので、返事も数週間単位でかかります。やっと届いた手紙には、手がかりなしとの返事が続きました。

ようやくチェコのテレジン収容所からアウシュヴィッツに移送された女の子であることがわかり、石岡さんは出張の寸暇を縫って、テレジン収容所を訪問します。

そうして調査を重ねて、かばんの持ち主ハンナの兄のジョージさんが、やはりテレジン収容所からアウシュヴィッツ収容所へと移送され、生き抜いてカナダに暮らしていることを突き止めます。

ジョージさんは、50年を経て妹の遺品と対面するため日本を訪問し、同センターのボランティアグループの子どもたちと交流します。

のちに、このかばんは、1984年にイギリスでの展示に貸し出した際に火事で焼失し、作り直された複製だったということが判明しますが、ハンナとジョージのきょうだいの体験と、ジョージさんと子どもたちとの交流は児童書となり、映画化されて世界中に知られることとなりました。


かばんが実物であればより良かったのでしょうが、しかし、複製がつくられたことでジョージさんと子どもたちの交流が生まれたともいえるでしょう。

かばんは、2015年にアウシュヴィッツ博物館からホロコースト教育資料センターに寄贈され、各地を巡回しています。

ジョージさんは、2019年1月12日、トロントで90歳で亡くなられました。








by chekosan | 2019-01-13 16:08 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
今月の書評は「ジョジョの奇妙な冒険」の作者、荒木飛呂彦さんの本にしました。

私は2年前まで、「ジョジョ」については書名を知っている程度でした。学生や子どもたちが絶賛しているのを聞いても、「ふ~ん」でした。

ところが2017年に大阪で開催された美術展「ルーブルNo.9」展に出品されていた荒木さんの絵を見てから、にわかに興味をもつようになりました。先日、代表作「ジョジョ」連載30周年(2017年)を記念した原画展にも行ってきました。




原画展も面白かったので、荒木さんが書かれている新書を数冊買ってさっそく読んでみたところ、本書には、ご本人が書かれているとおり、「漫画に限らず、もっと普遍的なハウツー」がちりばめられていて、ガシッとハートを掴まれてしまいました。

ジョジョをほとんど読んでいない私でも、仕事に取り組む姿勢など、たいへん参考になりました。荒木さんのファンでなくとも得るものが多い一冊です。

「関西ウーマン」Facebookページで引用していただいている文章の「ドオオオオン」は、もちろんジョジョ風です(笑) 
https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201492



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by chekosan | 2019-01-12 17:17 | 書いたもの | Trackback | Comments(0)
2018年は月一回くらいはプロのコンサートに行きたいなあと年頭に書いていました。

その数値目標は達成できませんでしたが、お友達に誘っていただいたことがきっかけで、親子でミュージカルも観るようになったのが大きな収穫でした。

1/14 中野翔太&金子三勇士ピアノ・デュオ @びわ湖ホール中ホール
3/15 ミュージカル「ブロードウェイと銃弾」 @梅田芸術劇場
3/25 オペラ「セヴィリアの理髪師」 @いたみホール
3/28 Shiga U Arte 狂言と音楽の夕べ W.B.イェイツとの邂逅 @びわ湖ホール小ホール
5/5 びわ湖ホール四大テノール 近江の春びわ湖クラシック音楽祭2018 @びわ湖ホール中ホール
5/13 若林かをり(フルート)&若林千春(ピアノ) @ルシオールアートキッズフェスティバル
6/30 オペラ「イル・トロヴァトーレ」イタリア・バーリ歌劇場 @びわ湖ホール大ホール
8/13 日本とウクライナの若きアーティスト達2018 京都・キエフ友情の一夜 @京都府立文化芸術会館
9/15 オペラ「ドン・ジョヴァンニ」 @びわ湖ホール中ホール
9/24 宝塚歌劇「エリザベート」 @宝塚大劇場

ファイルは私の2018年の鑑賞ファイル。音楽、美術、映画のチラシやチケットや薄いプログラムを時系列で収めています。


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by chekosan | 2019-01-02 17:49 | 音楽 | Trackback | Comments(0)