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by chekosan

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岐阜千畝紀行最終回。

計画では1日目に八百津ー中津川ー馬籠、2日目は高山の予定だったのですが、八百津で一日過ごしてしまい、2日目朝一番から馬籠、午後に中津川に行きました。

高山は昔行って、とてもいい印象だったので、子らも連れて行きたかったのですが、今回はやめておきました。

もともと高山は、杉原とは関係がありません。

しかし、外国人観光客、特に八百津に来たユダヤ系のお客さんに人気のため、八百津や敦賀、名古屋などと連携して、「千畝ルート」として売り出しています。

杉原にゆかりのない高山が「千畝ルート」がどれだけ前面に出ているのかをちょっと見たかったのです。またの機会に出直すとします。



中津川は、杉原が小学校1年生のときに、1年ほど住んでいたところです。最近、地元の郷土史家の方々により、正確な住所が特定され、千畝の学籍簿が発見されました。

この夏、中津川市中山道歴史資料館で、企画展「杉原千畝の見た中津川」を開催されていると報道で知り、見に行きました。



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杉原に直接関係する資料は数点でしたが、当時の中津川のまちの様子や学校の教科書などが展示してあり、勉強になりました。

千畝が住んでいた家はもう残っていませんが、現在そこに家を持っておられる方が洋画家さんで、当時の建物の様子を思い出して描かれた絵も見ることができました。

中津川の千畝マップもいただきました。


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中津川は中山道の宿場町だったので、その資料もいろいろとありました。お祭りが近いそうで、鉄道ジオラマなども準備されていたりして、職員さんといろいろお話させていただきました。




だいぶ長い間、資料館にいて冷気(霊気ではない)を蓄え、意を決して、強烈な日差しを浴びながら、中山道の宿場町の雰囲気が残る一画を歩きました。

資料館に隣接する脇本陣を再現した建物。


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再現した建物なので、上って撮影してもらえますよ~と言っていただいていたので、遠慮なく。

この日のワンピース、背後のふすまとコーディネートしたみたいでお気に入りの一枚です。Facebookに写真を載せたら、名物の栗きんとんに合わせたみたいとウケました(笑)



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資料館すぐそばから、宿場町の雰囲気を残す一画が始まります。


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「うだつの上がった」建物です。

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こちら、新しい建物ですが、宿場町の雰囲気に合わせてあるのがいいなと思った本屋さん。

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トイレの表示がかわいいですね。


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ものすごく暑い日だったので、酒屋さんの軒先のベンチで、このあたりの名物の栗のジェラートを食べました。岐阜は町の規模のわりに酒屋さんが多く、置いている種類も多いように感じました。実際はどうなのかな? (^▽^)




最後に市立図書館を覗いて帰途につきました。中津川の図書館は、過去に杉原関連の特集コーナーを設けておられることがあったのですが、この夏は違う観点からの戦争に関するコーナーでした。

大きくはないですが、手をかけて育てている図書館という印象を受けました。


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1泊2日でしたが、岐阜千畝紀行、いろいろ確認、発見、収集できました。

2日とも恐ろしい暑さでしたが、空気がよいのか、京阪神のまちなかや駅で感じるような不快さ、しんどさは感じませんでした。

数メートル歩くたびにアイスやらラムネやらなんやら食していたからかもしれません ( ´∀` )


日を開けずに、千畝ルートの重要ポイントである福井県敦賀市にも行く予定だったのですが、事情により延期。でも、敦賀には遠くないうちに絶対行きます!


敦賀編につづく(いつか多分)








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by chekosan | 2018-08-20 09:54 | 杉原千畝 | Trackback | Comments(0)
八百津小学校を見学したあと、丸山ダムカレーを食べて、人道の丘公園のモニュメントや杉原千畝記念館を見学しました。


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モニュメントからは八百津の町が一望できます。


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20年前は記念館はまだなくて、この噴水のモニュメントが山の中にポツンとあるだけでした。20年前には存在していなかった子らを連れてこれて、なんだか感慨深かったです。


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杉原千畝記念館は、地元の材を使った建物。内部は撮影禁止でしたが、木がふんだんに使われていて、いい感じでした。


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常設展示はホロコーストや、杉原のとった行動を説明するパネル、杉原を顕彰するメダル(イスラエルやブラジルなどユダヤ人が多く住む国や都市から贈られたもの)などがありました。

ホロコーストの説明パネルは、私も二度訪問したことのある広島県福山市のホロコースト記念館協力という但し書きの入ったものが多かったです。記念館どうしで協力し合っていることがわかって興味深かったです。

ブルガリアにおけるホロコーストの企画展示もありました。こちらはパネルというかポスターのみでしたが、このテーマの展示はかなり珍しいのではないかと思います。とても興味深くて、じっくり読みました。チラシ程度でいいから欲しかった… がんばってメモをとりましたが…


別棟は学習室になっていました。こちらにも「ぎふ清流の国文庫」が設置されていました。木の本棚に、杉原やホロコーストに関する本が並んでいました。下の息子が2冊ほど読んで、あとで内容を聞かせてくれました。やはり関連書籍を置いておくのは効果があるのだなと感じました。


子が本を読んでいるあいだに、私は受付で冊子やパンフレットを入手。こちらでは日本語、英語、ヘブライ語が用意されています。


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こちらは有料のパンフレットです。もちろん3冊とも購入です。


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関連本も販売していました。杉原を取り上げた英語の副読本も! 存在は知っていましたが、ここで手に入るとは思っていなかったので嬉しい!



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チケット売り場にはお土産も少し売っていますが、いずれも派手さのない、落ち着いた感じのものでした。リトアニアの杉原記念館の方がお土産コーナーっぽいラインナップでした。

下の写真の真ん中が、購入した物品を入れてもらった袋です。日本っぽさが出ていますね。

左、PASSPORTとあるのは、記念館の入場チケットです。大人と子どもで色が違います。開けると、記念館1階奥の杉原の執務室を再現した部屋に置いてあるスタンプを押せるようになっています。

右は、地元の木材で作ったハガキと、金属製のしおりです。ハガキは同じものを2枚買って、1枚は下の息子の宿題である、担任の先生への暑中見舞いに使いました。(^_-)-☆


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20年前は、杉原の知名度はそんなに高くなく、ファミリーセンターでのビザ公開展示も手作り感があり、好感をもちました。その後、八百津町の杉原プロモーションがどんどん増え、すっかりまちおこしの素材的な扱いになったように感じていましたが、久しぶりに訪れた現地は、報道で受ける印象よりも落ち着いた感じで、なんだかちょっとほっとしたのでした。



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つづく



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by chekosan | 2018-08-18 22:32 | 杉原千畝 | Trackback | Comments(0)
お盆真っ盛りの京都で映画を観てきました。

邦題はなんだかもったりしていますが、面白い映画でした。

1941年から45年にかけて、ドイツの本国からユダヤ人は東へ「移送」され、まったくいなくなったと宣言されました。ところが、実は移送をすり抜けて潜伏していたユダヤ人が7000人ほどいました。そのうち戦後まで生き残ったのは1500人ほどだったそうです。

そのなかから4人をクローズアップし、本人へのインタビューや当時の記録映像も交えて作られた半ドキュメンタリー映画です。

4人の登場人物はみな生き延びていることがわかっているので安心して観ていていいはずなのですが、それでも非常にスリリングです。

4人は当時16~20歳の若者でした。家族も潜伏して生きのびた人もいますが、孤児となって一人で途方にくれる人もいます。

4人は直接交わることはないのですが、ゲシュタポ(秘密警察)の手先となっていたユダヤ人女性や、抵抗運動家の男性が、4人のうちの2人と接点をもちます。大都市とはいえ、ベルリンというひとつの街で生きていれば、どこでどうつながるか、知り合いに見とがめられるかわからないのです。いないはずの人間が2年も3年も生きていくのは至難の業です。

びくびくしていても怪しまれる、目立ってもいけない。原題 DIE UNSICHTBAREN(見えない者)のとおり、完全に外に出ずに息をひそめているか、逆に街に溶け込んでいなくてはいけないのです。

彼らを救ったのはドイツ人です。反ナチの市民や、共産主義者、あるいはごくごく普通の市民もいました。なんとドイツの大佐(!)の邸宅でメイドとして雇われたという人も。ユダヤ人を匿っていることが発覚すれば、ドイツ人であろうと逮捕され、極刑になる恐れがあったにもかかわらずです。

恐怖、空腹、孤独にさいなまれながら、知人友人、あるいは見ず知らずの人々の助けで、彼らはなんとか終戦を迎えました。

4人のみなさんは長生きされ、インタビューにも明晰に穏やかに、微笑みさえたたえて答えています。そのお顔つきや表情が魅力的です。

生きることを諦めてはいけない、他者が生きることを諦めさせてはいけないと感じたのでした。


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by chekosan | 2018-08-16 18:37 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
2018年8月2日から3日かけて、杉原千畝の足跡をたどる旅・岐阜編に行ってきました。

八百津町ファミリーセンターで、「杉原ウィーク」の展示や図書室を見学したあと、1階の教育委員会で杉原関連の資料の入手についてお聞きし、さらに、新聞報道で見ていた八百津小学校の「人道の部屋」を見学できないか尋ねました。

その場ですぐに電話してくださり、教育委員会の職員さんご案内のもと、内部を見学させていただけることになりました。

玄関で校長先生が迎えてくださって、掲示物などをていねいにご説明くださいました。

杉原とホロコーストに関する資料や調べ学習の成果物を中心に、マザー・テレサやマララ・ユスフザイさんなど人道、人権にかかわる活動で著名な人々についても展示してあります。

図書室につづく教室を一室丸ごと使っています。予想以上にぎっしりと密度が濃くて驚きました。


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杉原やマララさんなどに関する本が並びます。


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児童による学習成果物も展示してあります。地球儀には、ユダヤの人々が逃れてきたルートを示してあります。地理感覚も育ちそうですね。


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八百津小学校では、毎年、児童による演劇が公開されています。その衣装や舞台の写真も飾ってありました。演劇のプロの方に脚本を依頼し、指導を受けている(演出してもらっている?)とのことで、ずいぶん本格的な舞台のようです。ファミリーセンターで一般に公開されるそうなので、なんとか見に行けないものかと思っています。



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杉原が通過ビザを大量発給した背景を説明するパネルもあります。


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このほかにも、校長先生による見事な書(杉原の言葉など)や、杉原関連のものなど、所狭しと、しかし、見やすく展示してありました。

この部屋を訪問してスタンプを集めると、校長先生からオリジナルグッズをいただけます。子どもって、スタンプやグッズ、好きですもんね。私も大好きです(笑) 

ということで、私も押させていただきました。それも、家族分とか言いながら4つも(笑) 

そして欄は埋まっていないのですが、校長先生から下敷きやしおりをたくさんいただきました! 嬉しい!


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玄関にも、児童たちの舞台写真などが飾ってありました。


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前庭には、杉原をイメージした新種のバラと、アンネのバラが植わっています。

杉原のバラは「クラージュ」という名前がつけられていました。フランス語で「勇気」の意味だそうです。いまはまだ、小学校と花フェスタ記念公園に3株ずつ(だったと思います)しかないそうです。


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いい景色ですね。山を見て育つのは絶対に子どもたちにいい影響を及ぼすと思います。




と、写真を撮っていたら、


校長先生から千畝バラの苗を譲っていただいてしまいました!!


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バラは、猛暑のなか、自動車のなかで旅を共にし、我が家に来てくれました。


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2日後くらいには、早くも白いきれいな花が咲きました。


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8月12日のバラの様子です。大きく育てて増やしたいな!




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つづく



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by chekosan | 2018-08-13 15:33 | 杉原千畝 | Trackback | Comments(0)

この夏は(も)、杉原千畝の足跡をたどる旅に出ました。


杉原千畝は、第二次世界大戦中、欧州に赴任した外交官です。リトアニアの領事代理であったときに、シベリア鉄道と航路で日本を通過してアメリカなど第3国に逃れようとした難民の人々(ほとんどはポーランド系ユダヤ人)に、2000通を超す「通過ビザ」を発給しました。これは日本の外務省の方針に沿わない行為でしたが、これによって約6千人(実数は不明)とも言われる人々が命を救われたといいます。



今回訪ねたのは、岐阜県の八百津町と中津川市です。

まずは八百津町へ。八百津町は、杉原にゆかりの深い町として、町を挙げて杉原を顕彰しています。

ここには、ちょうど20年前、杉原が発給した「命のビザ」初公開の展覧会を見に来ています。このときはまだ独立した記念館はなく、「人道の丘公園」(別途投稿予定)があるだけでした。

そのときの展示は八百津町のファミリーセンターで開催されました。まだデジカメを使っていない頃で、ネガで撮った写真です。アルバムに貼った写真を接写したものなので粗いですね。(;^ω^) 




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ファミリーセンターも周囲も、20年前と変わっていなくて(多分…)、なんだか嬉しかったです。


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そこここに、「人道のまち」「杉原千畝」のポスターやのぼりがありますが、はしゃいだ感じではなく、むしろ意外と控えめに感じました。


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八百津町では、中学生を数名、リトアニアとポーランドに派遣して、ホロコーストや杉原について学び、現地の人々と交流する研修を実施しているそうです。その報告のポスター展示がありました。いいですね、素晴らしい取り組みだと思います。羨ましい… ついて行きたいです!

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八百津町では、杉原の命日(7月31日)前後を「杉原ウィーク」として、さまざまな行事を開催しています。今年は台風の影響でいくつか行事が中止されたようですが、ファミリーセンターで短歌大会の展示を見ることができました。



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ファミリーセンター2階には八百津町図書室があります。ここには、岐阜県の「ぎふ清流の国文庫」があります。これは、岐阜県のOKB大垣共立銀行の寄付金をもとに県内各地に設置されたもので、八百津町図書室には、杉原関連の書籍が集められています。



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短歌大会の句集を入手できないかとファミリーセンター1階の教育委員会で訊ねたところ、お隣の八百津町役場地域振興課で販売してもらえるとのこと、連絡もしてくださいました。



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名産の八百津せんべいで杉原の顔をモザイク画をつくって、ギネス記録も達成されたそうで…



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お昼休みの消灯中で暗いですが、職員さんに親切に対応していただきました。


つづく




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by chekosan | 2018-08-12 17:05 | 杉原千畝 | Trackback | Comments(0)
今月の「関西ウーマン 信子先生のおすすめの一冊」は、『まわしよみ新聞をつくろう!』です。

みんなで新聞を回し読み、気に入った記事を3本ずつ切り抜いて、その記事をネタにして順におしゃべり。
最後に切り抜きを1枚の紙に貼り付けて壁新聞をつくるという「新聞遊び」です。

子らが小6、小1のときに「親子まわしよみ新聞」に参加して、これは面白い!と教員仲間にも紹介しました。自分の授業でもアレンジしたり、ベーシック版で取り入れたりしています。

でもやっぱりやる側の方が楽しいです☆ 定期的に小さな集まりでやれたら理想! 

詳しくは「関西ウーマン」をご覧ください☆

https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201378


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by chekosan | 2018-08-11 11:43 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
流通科学大学の初年次科目「文章表現Ⅱ」の授業がすべて終わりました。

今年も新聞投稿や書評コンテストへの応募、おすすめの一冊のPOPで、「読み、考え、表現する」一連の学びを作品の形にすることができました。

とくに、今年はグループワークやプレゼンテーションの機会を増やしました。

やはり反復は大事ですね。プレゼンテーションに苦手意識があった学生も、段階を追って準備し、少人数に向けてであればできるという自信をつけてくれました。

クラスメイトが集中して、真剣に聴いてくれたので発表しやすかった、反応があって嬉しかったという感想が多数あったことも喜ばしいことです。

「プレゼンテーションは、発表者だけで行うものではない、発表者と聴衆双方で作り上げるものだ」と説いたことをきちんと体現してくれました。


一番大きな課題だった書評は、POPを提示しながらグループに紹介しました。今年も良い作品がたくさん生まれました。


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POPは秋の「図書館総合展」(パシフィコ横浜)や、流通科学大学学園祭などでお披露目します。

授業は終わりましたが、このあとは、この4年の受講生有志と、「文章表現Ⅱ」から生まれた図書館サークルLibroとの課外活動を予定しています。

これまで多くの成果を出してきた「文章表現Ⅱ」の最終年度、楽しく、華やかにしめくくります。




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by chekosan | 2018-08-10 11:30 | 大学教育 | Trackback | Comments(0)
どしゃぶりに猛暑。しょっちゅう止まる電車。問題なく家に帰れたら万々歳な日々でした。授業も大詰めで、学生の課題を読んだり直したりが続き、整骨院通いの月でした。(^-^; 読書も授業や指導を意識したものが多かったような?


7月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2538
ナイス数:257

こころ (新潮文庫)こころ (新潮文庫)感想
学生のおすすめ。高校の国語で習うせいか、書評の課題に選ぶ学生が多い。私も読んでいたつもりだったが、どうも衝撃のシーン以外が思い出せず、あらためて読んだ。途中、えっ、ここでそうくる!?と思ったので、やはり読んでいなかったのか? 漱石の文章はリズムが良くて好きだが、なぜコレを未だ教科書に載せているのかイマイチわからない。それもネタバレシーンを抜粋して。そこはバラしたらあかんやろ〜。
読了日:07月30日 著者:夏目 漱石


アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)感想
学生のおすすめ。お話として面白かった。知的障害があるが向学心に富む主人公チャーリーは、脳外科手術を受けて知能が急速に向上する。その経過を本人が記録したという体裁も凝っている。頭脳が明晰になるにつれ、ぼんやりとした過去の記憶が何を意味していたかを理解していくという話のつくりが面白い。ただ、この小説はフィクション。想像の産物である。これをもって、知能が高い=幸福ではないという一般化は単純かと。蔑まれ、虐められているにもかかわらず、それを理解できない本人が友情と思っているなら良いということではないだろう。
読了日:07月28日 著者:ダニエル・キイス


太陽の子 (角川文庫)太陽の子 (角川文庫)感想
子どもの頃、理論社の大長編シリーズで灰谷さんや今江祥智さんの作品に出逢った。特別な、原点のような作品群だった。当然『太陽の子』も読んでいたつもりだったが未読とわかり、あらためて読んだ。何十年ぶりかの灰谷作品は子どもの頃以上に衝撃的だった。70年代の沖縄の人々が抱えていた苦しみを同時代に知っておくべきだった。その苦しみがいまだ続いていることに向き合いたい。「知らなくてはならないことを、知らないで過ごしてしまうような勇気のない人間に、わたしはなりたくありません」主人公の少女ふうちゃんの言葉に尽きる。
読了日:07月22日 著者:灰谷 健次郎


国のない男 (中公文庫)国のない男 (中公文庫)感想
学生のおすすめの一冊。ドイツ系アメリカ人のヴォネガットは、第二次大戦でドイツに出兵し、そこで捕虜になる。そして連合軍によるドレスデン爆撃を体験する。その錯綜した経験が彼の思想や主張を形作っている。戦争を体験して初めて一人前になるというような考えを憎み、木陰でレモネードを飲みながら語らう平穏な夏のひとときを幸せと感じる感性を尊ぶ。アイロニーとユーモアをもって社会を批判するエッセイ集。こういう本を「先生、これほんとに読んでください!」と強く勧めてくれる学生を受けもてたことが嬉しい。
読了日:07月21日 著者:カート・ヴォネガット


0円で生きる: 小さくても豊かな経済の作り方0円で生きる: 小さくても豊かな経済の作り方感想
タダでもらい受ける方法なども記載されているが、どちらかというと経済の起こり(贈与と応酬など)や仕組みについてまとめたコラム部分が印象に残った。シェアや協同の意義ばかりでなく、それに伴う人間関係の重さやマイナス面(村八分など)にも言及している。実践部分だけ読めば、すぐにでも不用品を人に譲りたくなったり、もっと節制できるよなあとか生活を省みたりする機会になる。
読了日:07月20日 著者:鶴見 済


ホロコーストの現場を行く (ベウジェツ・ヘウムノ)ホロコーストの現場を行く (ベウジェツ・ヘウムノ)感想
著者はホロコーストをライフワークにするジャーナリスト。50万人がガス室で殺されたべウジェッツ絶滅収容所、35万人がガストラックで殺され森に埋められたヘウムノを訪ねた記録。そこでは選別も強制労働もなく、人々は到着次第ガスで殺された。今でも埋葬場所では遺灰や遺骨を見てとれるという。小学校の教科書くらい字が大きく、写真も多数載っているが、別の絶滅収容所ソビボルやマイダネクの話が挟まれるので、事実関係がわかりづらいところがある。ある程度ホロコーストのことを知っている人でも整理しながらでないと混乱しそうかも。
読了日:07月15日 著者:大内田 わこ


綾瀬はるか 「戦争」を聞く II (岩波ジュニア新書)綾瀬はるか 「戦争」を聞く II (岩波ジュニア新書)感想
戦争終結から70余年が経ち、戦争を経験した人びとが高齢化するなかで、いま伝えておかなくては、あの惨禍が忘れられてしまうという切迫感から、つらい記憶を出して語られました。証言者の方々の「これが最後」「いま残しておかねば」という覚悟と思いが胸に迫る証言集です。「関西ウーマン」信子先生のおすすめの一冊コーナーで1巻と共に取り上げました。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201374
読了日:07月09日

綾瀬はるか 「戦争」を聞く (岩波ジュニア新書)綾瀬はるか 「戦争」を聞く (岩波ジュニア新書)感想
毎月「関西ウーマン」に連載させていただいている書評コーナーで2巻同時に取り上げました。夏だけ思い出せばよいということではありませんが、やはり夏は振り返り語り継ぎたい。綾瀬はるかさんの傾聴と寄り添いが貴重な証言を引き出しています。今年は学生たちと広島を訪ねたいと思っています。
読了日:07月08日



勉強法 教養講座「情報分析とは何か」 (角川新書)勉強法 教養講座「情報分析とは何か」 (角川新書)感想
朝日カルチャーセンターだかの一般向け文化講座4回シリーズを本にしたもの。高価な受講料を払って佐藤氏の話を聞きに行くファン向けに、インテリジェンス(情報収集および分析)とは何か、教養はいかにして身に着けるかを話したもの。国際情勢の読み解き方や、何を使って何を学ぶと良いかという話を具体的に提示しているので、講座を聞いた気、わかった気にはなれる。ただし、書物としては、やや散漫か。月90本(!)の〆切を抱えるだけあって、氏の著作はその類が多いのが残念。氏の知識、教養、主張には、感嘆、共感するのだが。
読了日:07月01日 著者:佐藤 優

読書メーター

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by chekosan | 2018-08-01 23:05 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)