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中・東欧、ロシア、大学教育、美術展、映画鑑賞などなど


by chekosan

カテゴリ:博物館、資料館( 10 )


京都文化博物館で開催されていた「「板東俘虜収容所」の世界展」と、記念演奏会に行ってきました。

板東俘虜収容所(徳島県鳴門市)には、第一世界大戦時、中国山東半島の青島の戦闘で捕虜となったドイツ兵約1000人が収容されていました。

徳島県と鳴門市は、板東俘虜収容所関係資料をユネスコの「世界の記憶」に登録すべく取り組んでいるそうで、この展覧会と演奏会もその一環のようです。


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所内には、印刷所や製パン所などがつくられ、さまざまなものが製造されました。文化活動やスポーツも盛んに行われました。地元住民との交流もはかられたようです。

製パン所の模型。カワ(・∀・)イイ!!

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リトグラフでたくさんの印刷物が出されたそうです。先日行ったウィーンのグラフィック展を思い出すデザインの絵はがきや音楽会のプログラムなどは人気で、買い求める人が絶えなかったそうです。


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手に取ってご覧くださいコーナーに、所内で発行された画集やカレンダーの復刻版がありました。この画集、欲しいなあと思ったら出版されているようです。が、新品は普通に流通してない? 徳島のドイツ館に行けば売ってるでしょうか。



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所内で発行された絵はがきの一つ。この犬、集合写真の一番前に写っているワンちゃんと思われます。遠吠えの音符がさかさまなのはなぜ? ほかにもさかさま音符があったので、犬だからというわけではなさそうです(笑) 息子曰く「裏声?」。たしかにかなりの高音ですね(笑)

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九柱戯(ボウリングのような遊び)の球が!


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驚いたのが、この画集の左ページの絵(この画集は復刻版で手に取って見れました)。所外でマラソン大会をしているようです!


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音楽団体も複数つくられ、毎週、演奏会や公開リハーサルが開かれたそうです。日本でベートーヴェンの第九交響曲全章を演奏したのは、この所内の楽団の演奏会だったそうです。

どうやって楽器を調達したのだろうと思ったら、もともと兵士が持っていたもの、寄付されたもの、購入したもの!などだそうです。

なんと週一回のペースで、演奏会や公開リハーサルが開かれていたとのこと。


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今回の演奏会は、そのうちの一つ、1919年3月26日に開かれた室内楽演奏会とまったく同じプログラムで、100年後のほぼ同じ日(2019年3月30日)に再現するという企画です。

演奏会の司会の方も言っておられましたが、100年の歴史をもつ建物(1906年建造の元日本銀行京都支店)で、100年前の演奏会を再現するというのは、実に雰囲気があっていいですね。


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会場をパネルで仕切って、半分をコンサート会場にしていました。展示もコンサートも入場無料で、特に整理券などもなかったので、開始20分前くらいに行ったら、ほぼ席が埋まっていて、辛うじて着席できました。

立ち見の方もたくさんおられたので、私たちは休憩後は席を立ち、展示を見ながら音楽を聴きました。展示コーナーの方が音がまとまって聴こえ、音量もかえって大きくて、贅沢な観覧となりました。( ´∀` )


入口でパンフレット類(クリアファイル付き!)もいただけて、展示は撮影可! 細かいところまで確認できるので、大変ありがたいです。

鳴門市の案内も入っていて、いいなあ行きたいなあ、今年は俘虜収容所の跡を訪ねる旅シリーズしようかなと思ってしまいました。→ 宣伝効果ありですね。(⌒∇⌒)

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by chekosan | 2019-04-01 12:11 | 博物館、資料館 | Trackback | Comments(0)
関西大学博物館で開催中の「博物館実習展」を見てきました。


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授業とランチの約束の間のほんの短い時間しかとれず、頑張って企画運営した学生さんたちには申し訳なかったのですが、でも、企画全体も、個別の展示も、面白かったですよ! アンケートも頑張って書き書きしました!

学芸員をめざす学生さんたちが運営されているとのことでしたが、ポスター、説明、年表など、とてもよくできていると思いました。そのまま通用する出来のものも多かったと思います。

それに、なにしろ展示物がですね、いいんですよ。関大図書館蔵の古い書物であるとか、どこかから借り受けたものだとか、ちゃんとした本物ばかりで。

さすが関大、学内でこれだけのものがあれば、いい展示できるよなあ、関大生、恵まれているよなあと思いました。


「HAKO―20世紀以降における文房具としてのハコ―」
 筆箱や文箱の変遷をたどる展示。懐かしのセルロイドとかデニム地のものとか、昭和以降のものは個人蔵が多くて、学生さんたちが親御さんとかに声をかけて集めたのかしらとか想像しながら見ました。このチームは年表がとても上手でした。


「食いだおれ―近世から現代へ―」
まず、ポスターがすごくいい! 目を引きますね。ほかのチームも上手だと思います。古い文書から、現在売っている食いだおれ太郎グッズまで、変化に富んだ展示物でした。


「畏れの姿―江戸時代の人々の視点」
展示されている妖怪たちが滑稽でかわいい。妖怪セレクトがナイスでした! お気に入り妖怪の総選挙コーナーもあって、愉快な展示になっていました。


「茨木の潜伏キリシタン~ザビエル像発見のエピソード~」
茨城にも潜伏キリシタンが! 他よりも硬派なテーマに取り組まれていました。大黒さんだったかの背中に斜め十字が彫ってある像もあって、おおおお!と静かに感動しました。



どのチームも、とても面白い着眼点で、よい展示をされているのに、時間がなくて、ゆっくり解説を読めなかったのが残念でした…
   

あとで関大Facebookを見たら、「足を運んだ際には、担当学生が丁寧な解説をしてくれますので、ぜひ彼らに声をかけてみてください。展示だけでは伝えきれない展示秘話なども聞けるかもしれません。」との案内がありました。ますます残念。


でも時間があっても、お客さんからはなかなか声をかけないと思いますよ。せっかくなので、担当者からお客さんに積極的に声をかけたらいいんじゃないかなあ。反応が聞けると思いますよ。

予想以上に良かったので、次回は時間をたっぷりとって拝見しますね~。がんばれ、未来の学芸員たち!
                             
開催期間は16日(金)まで。開館時間は10:00~16:00。入館料、事前申込ともに不要。



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by chekosan | 2018-11-13 22:28 | 博物館、資料館 | Trackback | Comments(0)
炎天下バスを待ってると間違いなく倒れる暑さ。(;´д`)

バスに間に合う時間まで、関西大学簡文館(博物館)で企画展示を見ました。


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無料で、涼めて、目を肥やせて、一石数鳥🦆🦅🦉

今は、「地図皿に見る世界と日本」展です。


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現在のような正確な地図ではなく、かなりデフォルメされています。

でも、常に近江の国、我らが滋賀県が中心です! ヤッター♪( ´▽`)

違いますね、山城=京都ですね、中心は(笑)

いやぁそれにしてもテキトーな地図をデザインしたものだなあ。天保年間だと、まだ正確な測量してないのか?

出展数もお客さんも少ないので、ゆったり見れました(^▽^)

by chekosan | 2018-07-13 17:43 | 博物館、資料館 | Trackback | Comments(0)
ホロコースト記念館での講演会のあと、館のスタッフの方と少しお話をして、また福塩線で福山駅に戻りました。

せっかくの遠出なので、お城のそばの福山市人権平和資料館を見学しました。


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資料館は1階が福山空襲、2階が人権(部落差別)の展示になっています。そんなに広くはないのですが、なじみのない土地ということもあり、初めて知ることも多く勉強になりました。

特に印象的だったのは、この写真にあるガスマスク。

社会主義圏だった国の懐古展的なものを見に行くと、かつては学校に子ども用ガスマスクが用意されていたという展示があります。

ガスマスクとはなんと冷戦時代の社会主義圏らしい一品、と思っていましたが、日本も戦時中、用意していたのですね。それにしても、これで何が防げるのかという素材・つくりです。


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もう一つ、食糧難、薬の不足にどう対処したかというコーナーで衝撃を受けたのがこちら。


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かたつむりって、解熱作用があるのですか!?
た、食べるのでしょうか?

建物の外には、広島の被爆アオギリ2世と、長崎の被爆クスノキ2世が植わっていました。

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福山城一帯は文化ゾーンになっていて、ほかにも歴史博物館や美術館や文学館があります。今回は入りませんでしたが、また機会があれば立ち寄りたいと思います。


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by chekosan | 2018-04-09 18:18 | 博物館、資料館
広島県福山市のホロコースト記念館に、オランダのアムステルダムにあるアンネ・フランク・ハウスのロナルド・レオポルド館長の講演会を聴きに行ってきました。

ホロコースト記念館には、昨年の夏、杉原千畝の足跡を辿るリトアニア旅行の直前に、杉原に関する講演会を聴きに行きました

館長さんが、アンネの父であるオットー・フランクさんと知己を得たことをきっかけに開設された教育施設で、ホロコーストの流れや、アンネの部屋の再現や、日記の精巧な複製品などが展示されています。

小さな施設なのですが、わかりやすく、とてもいい展示だったので、またイベントなどがあれば行きたいなと思っていましたが、思ったよりも早い再訪となりました。

今回は一人だったので、新幹線の福山駅から福塩線に乗り換えて、2駅目の横尾駅から徒歩で。本数が少ないので講演開始の1時間前、ちょうど開館時間に到着となりましたが、講演前にじっくり展示を見ることができて、いい感じでした。

写真なかほど、橋のそばの黒い建物が記念館です。



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◇◇◇

アンネ・フランク・ハウスは、『アンネの日記』のアンネ・フランクの一家が、1942年から45年まで2年1か月にわたって息をひそめて隠れていたアムステルダム市内の隠れ家を保存し、公開している建物です。

レオポルド館長さんのお話によれば、年間130万人が訪れ、入館まで4時間待ちという日もあるそうです。
ユダヤ教で一番重要な祝日以外は年中無休だそうで、その一日しかない休館日に、建物のメンテナンスをするそうです。

館長さんは、わかりやすい英語で話されたのですが、原稿を用意している節はなく、終始、聞いている人を見て、語りかけられました。ホロコースト記念館の方が通訳をされたのですが、館長さんの詩的な語りかけを損なわない、すばらしい訳でした。

◇◇◇

ところで今回、驚いたのは、日本語に訳される前にワッと笑いが出ることが何度もあったこと。それも一人や二人ではなかったことです。

決してアクセスが良いとはいえない場所にある施設に、急遽開催が決まったという英語での講演会に100名の定員いっぱいまで人が集まり、熱心に話に耳を傾けるだけでもすごいことだと思うのですが、そのうちのけっこうな割合の人々が英語の講演を通訳なしでも理解できるというのは、ちょっと予想外でした。

前回も思ったのですが、こういう場所があるというのは大事ですね。人が集まり、育つ場となっているのだろうと思います。今回も子どもさんたちが聞いておられましたが、こういう水準の場に参加することで、それがその子たちの標準になっていくというのはすばらしいことだと思います。

こちらには、またお邪魔することがありそうです。学生も連れて行きたいなあ。

杉原千畝に関するパネルや現物の貸し出しも始められたので、展示の企画も考えたいと思います。




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by chekosan | 2018-04-08 22:02 | 博物館、資料館 | Trackback | Comments(0)
すっかり気に入ったクラクフの民族博物館のつづきです。

こんな休憩スペースがあったり。ほんと居心地のいい博物館です。

奥の左手の壁は、引き戸を開けたり閉めたりできます。それによって見えるものが変わります。
お子ちゃまのみならず大人も思わず開けたり閉めたり。(^▽^)



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お祭りに使うかぶりもの。手作り感に親しみがわきます。


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泣く子はいねえが~って感じなんでしょうか。かなり怖いですよね、このヒトたちに近づいて来られたら(笑)


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影も含めて展示という感じ。計算してあるんでしょうね。お気に入りの一枚です。


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これ着るの、チクチク痛そうなんですけど…


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イースターの卵もずらりと並んでいました。センターを務めたのがこちら。


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動かせるおもちゃもありましたよ。


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切り絵の数々。素朴でカラフルです。

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最上階は、絵画や彫刻でした。こちらも素朴系。

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この博物館で、唯一(?)のホロコーストもの。


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これは、、、ペンギン?? 歯があるから別物?


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ほかにもたくさん魅力的な展示物がありました。民族衣装は多すぎて撮影しませんでしたが、とても華やかで素敵でした。

思いがけず楽しめた博物館、しっかり満喫しましたよ。

そうそう、子どもの見学が多いからでしょう、クロークルームもこんな感じ。小さい子でも自分でコートやリュックを掛けられます。ロッカーもありました。


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ここを目指したのは、ミュージアムショップにノートがあると知ったから。
本に載っていたのとは違いましたが、好みだったのでコンプリートしました!
おしゃれですよね。研究ノートに使いま~す☆


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執事のような職員さんに見送られ、外に出ると、あらクリスマスのお家を模したものが。


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外観は古いデザインを残しながら、内部は新しくスタイリッシュに。私たちが泊まったアパートメントホテルもそうでした。


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写真はありませんが、この博物館の前の広場には屋外スケートリンクがつくられていて、子どもたちが楽しんでいましたよ。





by chekosan | 2018-03-08 21:19 | 博物館、資料館 | Trackback | Comments(0)
クラクフの民族博物館、2階、3階は、民族衣装や風俗、お祭り、民芸品などの展示です。

この手の地域の民俗の展示って面白みに欠けることが多いように思うのですが、ここはとってもスタイリッシュ! まったく飽きませんでした。

子どもたちの見学用と思われるグッズも何セットか目にしました。見せ方にいろいろ工夫している印象でした。


クリスマスコーナーは華やか☆彡


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クリスマス飾りのなかでも、一番華やかだったのがこれ!
うわ~~♡でしょう。

手前には、お人形がぐさぐさ差してあります。
これでクリスマス人形劇をしたのかな~。




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つづく



by chekosan | 2018-03-07 14:20 | 博物館、資料館 | Trackback | Comments(0)
さて、標準的な見学コースでまず見るのは、ここが絶滅センターであったことを示す展示です。


アウシュビッツ強制収容所のメイン施設には、収容者から没収した大量の日用品などが展示されています。ほかにも収容者の写真や、当時の写真、記録の一部なども展示されていますが、なんといってもここの最大の特徴、象徴は、この遺留品に尽きるといえるでしょう。


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ここで亡くなった人たちの人骨(粉)の入った壺です。


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撤退時に破壊されて瓦礫しか残っていないアウシュビッツ第2収容所(ビルケナウ)のガス室模型。
地下の「シャワー室」に押し込められてガスで殺され、上の階で焼却されます。
あとで見たアウシュヴィッツ第1収容所に現存する小ぶりのガス室とは構造から違います。


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ガス殺につかった「チクロンB」の粒と空き缶。

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そして、収容者から没収した大量の日用品の数々…

メガネ。

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鍋釜食器類。

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クリームなど。


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ヘアブラシ類。取り上げる意味がわからない。

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靴、靴、靴… 小さな子どものものも… 


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こうして履きなれた靴を取り上げておいて、収容者には木靴を履かせていたのです。過酷な労働をするのに木靴。寒いときは氷点下20度以下にもなる湿地で木靴… パジャマみたいな薄い囚人服に木靴…


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カバンの山。出身地や名前が書かれているのに、引き取り手がないのは、本人や親類縁者がみんな亡くなっているからです。

遺品を展示している部屋は、窓にピンクのシートを貼っていました。劣化を防ぐためかなと思います。

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刈り取られた大量の髪の毛も展示されています。遺体の一部ということで、その部屋は撮影を控えるように言われました。三つ編みそのままのものもあります。髪の毛はカーペットなどに加工されたということです。今も残るものは、経年劣化で色が褪せ、灰色の羊毛フェルトのようになっていました。



もっとも胸に迫った展示は、大量の義足やコルセット、松葉杖などの類です。

靴やカバンや鍋釜は持ち主の手を離れることもあるでしょう。しかし、義足が持ち主から離れるということは、つまり持ち主がそれを使わない、使えない状況になった=亡くなったということをまぎれもなく示しています。これらが必要だった人は、労働できないとみなされ、即刻殺されてしまったのでしょう。


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つづく。



by chekosan | 2018-02-21 17:24 | 博物館、資料館 | Trackback | Comments(2)
広島県福山市にあるホロコースト記念館に行ってきました。杉原千畝コーナーが常設展示されることになり、外務省の外交史料館の白石仁章氏による杉原千畝に関する講演会が開かれるというので、その日に合わせて行きました。

建物の外観はホームページで見ていましたが、周辺の様子はわからなかったので、現地に行って軽く驚きました。普通の民家のある集落の中にいきなり建っているのです。なんとなく勝手に山の中にあるのかと思っていました。

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2時開始の講演会にちょうどいいくらいに着いたら、すでにたくさんの人が来られていました。便利とは言い難いところにあるにもかかわらず、駐車台数がかなり少ないこと、日傘を差して徒歩で来られた方をたくさん見かけたことなどから、近くにお住いの方が大半だったのではないかと推察しました。

受付を済ませたあと、記念館が発行している冊子を購入しました。この受付や会計や会場設営なども土地の方がボランティアでされているような雰囲気でした。地域の方に支えてられている施設と拝察しました。


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行った先のオリジナル資料は、その場で買っておくのが肝要。後ではなかなか手に入らなかったり手間だったりします。オリジナルでなくても、あまり出回ってなさそうなものはゲットすべし! ということで、帰りの荷物はずっしり重くなりました。


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◇◇◇

講演に先立って、3人の女性が紹介されました。杉原千畝の発給したビザで欧州を脱出できた女性のお子さんとお孫さん2人です。今は亡きおばあ様の足跡をたどる旅をされていて、おばあ様のことが紹介されているこの記念館をちょうど訪ねられていたのです。

ああ本当に杉原ビザで助かった人がいて、そのおかげで目の前のこの方たちは存在するのだなあ、一人の命を救うことはその人だけではなく何人何十人もの人を救うことになるというのは本当だなぁと実感しました。

◇◇◇

この記念館は学習施設という性格を前面に出しているので、講演会も小中高生にもわかるようにゆっくりゆっくり話されました。内容的には白石さんの著作のエッセンスを初学者にもわかるよう噛み砕いた感じでした。質疑応答も、館の方が子どもさんからと強調され、ホロコーストについて勉強してきたという中学生グループの生徒さんたちが指名され、がんばって感想や質問を言っていました。

最後に一人だけ一般の参加者からの質問を受け付られました。その質疑応答によって、白石さんの著作を読んでいて聞いてみたいと思った真意や本音が聞けたのは収穫でした。

◇◇◇

講演後、常設展示を見て回りました。ホロコーストの概要がわかる展示、アンネ・フランクのコーナー、杉原千畝のコーナーがあります。模型やジオラマでわかりやすく展示してありますし、当時の貴重な現物も見ることができました。規模は小さいですが、いい展示だと思いました。

特に、アンネのオランダの隠れ家の模型やアウシュヴィッツ強制収容所のジオラマは、こういう構造、こういう並びだったのか!と、たいへんよくわかりました。

撮影禁止だったのは残念ですが、公式HPやメディアの記事などで見ることができますし、館のオリジナルの冊子にも掲載されていますので、後日確認するときには、そちらを見ることにしましょう。

下の写真は千畝が発給したビザに押したカウナスの日本領事館の公印を模したスタンプです。こちらは自由に押すことができますよ!


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屋外には、「アンネのバラ園」がありました。普通のお家のお庭くらいの面積ですが、リトアニア共和国の外務大臣などの著名な方が植樹された(?)バラが植わっています。



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アンネが隠れ家から見ていたというマロニエの木も。


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規模としては少し大きめのお家くらいなのですが、明るく開放的なつくりで、展示もとても見やすいです。なにより地元の方々が気軽に足を運ばれている様子だったこと、みなさんで運営を支えておられる雰囲気だったのが良いなあと思いました。館内外とも、気を配り、手をかけている生きた施設だと思いました。遠方からはなかなか行きづらいかもしれませんが、広島と合わせて平和学習ツアーとして訪問されてはいかがでしょうか。入館無料です。







by chekosan | 2017-07-30 23:59 | 博物館、資料館 | Trackback | Comments(0)


晴天のゴールデンウイーク最終日、滋賀県東近江市にある滋賀県平和祈念館の企画展示、
『シベリア抑留 -ユネスコ世界記憶遺産 舞鶴引揚記念館所蔵品より-』を見てきました。



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こちら開館5年になるのですが、訪れるのは初めてです。
面白そうな講座や企画展示、映画上映をしているので、
ずっと気になっていたのですが、車でないと行きづらい場所なのです。
今回、訪問予定があった夫の車に便乗して、ようやく行くことができました。



まずは、滋賀にちなんだ展示。
戦時中、ありとあらゆる金属、それこそ鍋釜、釣鐘、戸車まで供出したころ、
手りゅう弾や地雷、フォークやナイフまで陶器で作ったそうです。

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地雷と言えば、つい先日、捕虜となったドイツ少年兵が、
北欧の海岸の地雷撤去にあたったという史実を基にした映画「ヒトラーの忘れもの」を観ました。
感想はこちら→ http://chekosan.exblog.jp/26806817/
地雷にもいくつか種類があるようですが、そのとき一番出てきた地雷が同じ形でした。


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シベリア抑留に関する企画展示をしていることは知らずに行ったのですが、
これもまたとても興味深いものでした。



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捕虜なので紙や書くものは持つことができないのですが、
セメント袋や落ちている紙、たばこの巻紙などをそっと集め、
短歌や料理の記録、日記などを綴ったものが展示されていました。
小さな小さな紙に、ていねいな字でぎっしり綴られています。

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抑留生活の様子を絵に描かれた方もおられました。
なかには、ソ連から描くようにと画材を渡された方もいらしたそうです。


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当時、実際に着用していた防寒着や、
唯一持って帰ることのできた飯盒や食器なども展示してありました。

証言の聞き書きも語られた言葉そのままでパネル展示してありました。
この証言が実に生々しくて、一つ一つじっくり読んでしまいました。

アウシュヴィッツ強制収容所関連の本を何冊か読みましたが、
食料や物資がまったく足りない状況で、なんとか工夫して物を作り出したり、
没収、懲罰の危険があっても記録をとろうとしたりしたことは共通していると思いました。


今回の展示物は、舞鶴の引揚記念館の所蔵品から、
滋賀県出身者のものを集めて展示したようでした。
図録のようなものはなかったのですが、舞鶴には詳しい資料があるのでしょうか。
一度、舞鶴にも行ってみたいと思いました。






by chekosan | 2017-05-07 17:52 | 博物館、資料館 | Trackback | Comments(0)