中・東欧、ロシアのこと&大学教育のことを発信します


by chekosan

カテゴリ:本、書評、映画( 69 )

ただいまポーランドに来ています。
アウシュヴィッツを訪ねる旅です。

行きの飛行機では邦題「やさしい本泥棒」を観ました。

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舞台は第2次大戦中のドイツの小さな町。ですが、20世紀フォックスの映画なので、ちょっとヨーロッパの雰囲気は下がってる感じはしました。

どうやらプロローグとエピローグがカットされていたらしく、へ⁉️ どゆこと⁉️ と終わってしまいましたがσ^_^; 全体的にはあたたかい話で、涙腺の弱い私はだらだら泣けて良かったです。

主人公は里親の家に来たときは文字が読み書きできなくていじめられたんですが、優しい養父のおかげで本好きになります。

それを応援してくれる町長夫人と過ごす町長宅の書斎での読書タイムがとても素敵でした。

自分たちも貧しいのに、ユダヤ人青年を2年も匿う里親夫婦。

ユダヤ人たちが追い立てられ、どこかへ歩かされるシーンもあります。

一番印象的だったのは、ヒトラーの誕生日に、町の広場で焚書するところ。

うず高く積まれた本を燃やし、炎の中に町民が本を投げ入れていくのです。

こういう小さな町でもだったのかと改めて確認できました。

全体的に、言葉のもつ力に焦点を当てた成長もので、おどろおどろしさはありません。

少女の成長と少年の幼いまっすぐさと里親夫婦の実直さが良かったです。

でもやっぱり吹き替えで見るんじゃなかったな😅





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by chekosan | 2018-02-05 12:34 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
2018年映画鑑賞第1弾、「プラハのモーツァルト」を観てきました。

三男をなくして失意のどん底だったモーツァルトは、彼を熱狂的に受け入れてくれるプラハで「フィガロの結婚」の上演と、新作オペラ「ドン・ジョヴァンニ」の作曲に取り組みます。

そこで、若く才能あるソプラノ歌手に出会い、2人は惹かれ合うのですが、彼女は土地の名士である男爵に目をつけられていました。

さらに過去に対立した人物が復讐の罠を仕掛けてきて…危うし、モーツァルト! というお話。




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「フィガロの結婚」や「ドン・ジョヴァンニ」のアリアがたっぷり流れて、音楽劇としても楽しめました。「ドン・ジョヴァンニ」を生で観たくなりますよ🌟

映画の題材としてのモーツァルトといえばミロシュ・フォアマン監督の「アマデウス」の強烈なキャラが思い出されますが、こちらはかなり二枚目で紳士的。

繊細で心優しい、良き夫、良き父親、常識人として描かれています。
でもまあ寂しさと歌手の魅力に負けて浮気しちゃうんですけどね😅

ところで、邦題が示すように、この映画はプラハが舞台。画面にもプラハの街がたっぷり出てきます。

プラハは二度の大戦でも大きな破壊を免れてきたので、モーツァルトが活躍した時代くらいなら難なく再現できるんですね。

プラハのモーツァルトゆかりの劇場といえばこちら。
スタヴォフスケー劇場。

街の通りと通りの間にちょこんとある小さな劇場です。
昔、内部を見たくてバレエを観ましたが、
現代的な演目でよくわかりませんでした😅

この写真は2016年8月の朝に撮ったもの。
この時も「ドン・ジョヴァンニ」の幕が掛かってますね。


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モーツァルトはウィーンでひっそりと亡くなりますが、プラハでは盛大な追悼ミサが行われたとか。
それがこの聖ミクラーシュ教会。ここは大きくて荘厳で、一見の価値ありです。

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by chekosan | 2018-01-06 16:07 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
メリル・ストリープ主演の「ソフィーの選択」を観ました。
1982年ということは、35年前の映画なんですね! 

名前は知っていても中身を知らない名画のひとつでしたが、
町山智浩さんの『映画と本の意外な関係!』で、
ホロコーストを題材にしたものと知り、ディスクを入手していました。

町山さんの同書で思いっきり設定やストーリーがネタバレってたので、
ソフィーが何を選択したのかという核心部分や結末に対する衝撃はなかったのですが(笑)、
それでも151分、作品の世界に入り込みながら観ました。

なにしろ主演メリル・ストリープの演技が素晴らしいし、
端々に出てくる、重要なメタファーとなっている詩の一節や音楽が効いていて、
とてもていねいに、密度濃くつくられた映画だと思いました。




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ソフィーが初めて登場するのは、恋人と「別れる」「行かないで」なケンカを繰り広げるシーンで、
言葉もたどたどしく、DVな恋人に依存する、あまり賢くない女性なのかと思わせます。

ところが、実際は、ポーランドの名門大学教授の娘で、
5か国語を話す教養のあるインテリ女性だということがわかっていきます。

ソフィーの恋人のユダヤ人男性ネイサンも教養がありピアノを弾く才人に見えます。
ただし、かなりいっちゃってるところのある、危ない人物でもあります。

この2人は、南部の農場出身で作家を志して都会に出てきた青年スティンゴを魅了します。

ネイサンは陽気で才気あふれるところを見せるかと思えば、
異常な嫉妬でソフィーやスティンゴを責めたて、差別的な発言をぶつけます。

ソフィーに対しては、なぜお前だけ助かったのか、淫売め的な言葉を吐きますし、
スティンゴには、黒人をリンチする南部野郎といった暴言を吐きます。

参考資料を探して読んでいたところ、
2人への暴言には原作者の問題意識がからんでいることがわかりました。

原作者スタイロンは、『ソフィーの選択』以前に奴隷制を扱った作品も書いていて、
そうした「閉ざされた社会」の問題をえぐり出すことを大きなテーマにしていたのですね。

(参考:河合寿雄「アウシュヴィッツ理解の試み-ウィリアム・スタイロンの『ソフィの選択』論
 『アメリカ研究』 1982(16)) 

◇◇◇

とはいえ、ご機嫌なときのネイサンは、スティンゴの可能性を買い、
大きな期待を寄せる、庇護者のような役割を果たします。

ところが、インターネット上の感想をいくつか見ていると、
ある印象的なシーンを取り上げて、まったく違う解釈をされているサイトがありました。

それはちょっと穿ち過ぎ、思い込みなのではと思う文章なのですが、
学生が見つけたら、うっかり「深い見方をしている!」と参考にしてしまいそう。

◇◇◇

さて、ソフィーの過去が少しずつわかっていくところで、
ソフィーの出身地クラクフの大学では、ナチス侵攻以前にユダヤ人差別があり、
ユダヤ人とポーランド人の座席を分けたという話が出てきます。

このことは、つい先日に読んだ
『イレーナ・センドラー』(平井美帆 汐文社 2008年)にも出てきました。

ただし、イレーナ・センドラーは、そうした差別に反発して、
ポーランド人にもかかわらず、わざとユダヤ人席に座って、停学処分を受けるのですが。
(なおセンドラーはその後も抵抗地下組織の一員として多くのユダヤの子どもたちを救出します。)

「ソフィーの選択」はフィクションではありますが、
こうしたエピソードが盛り込まれていることで現実味を感じられました。

◇◇◇

それにしても、メリル・ストリープの言葉の操り方はすごいですね。
まだ流暢でない移民ポーランド人としての英語、
ポーランド語、ドイツ語を話すシーンが出てくるのですが、とても自然に聞こえました。

◇◇◇

いろいろと気になる(興味を惹かれる)ところの多い映画でしたので、
ちょっと他にも参考資料を読んでみようと思います!

続く(かも)。







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by chekosan | 2017-12-28 18:53 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
先週、年内最後の同志社の輪読ゼミで、
アゴタ・クリストフの『悪童日記』を読みました。

かなり強烈な場面満載なので、授業ではどうかなと思ったのですが、
すでに読んだことのある学生もいたこと、
受講生のこれまでの読書や映画鑑賞の経験が非常に豊富なことから、
まあトラウマになることもなかろうと判断しました。😅

DVDも買ってあったのですが、機器や時間の問題で見れず。
冬休みに入ったことだし、居ずまいを正して、いざ視聴。

以下、原作と映画のネタバレあります。


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まず、映像ならではの利点としては、
自然環境、農家の敷地の広がり、当時のお風呂など、
現代日本の我々には想像し難いところが補えたこと。
原作と若干設定が違うように思いますが、雰囲気はよくわかりました。

残念なのは、、、
なによりも、原作を世界的に有名にならしめたと思われる、
えげつないシーンが根こそぎなかったこと。

あの作品のエログロさは時代と戦争が生んだ産物なので、
さらっとスルーしてしまうわけにはいかないと思うのです。

また、双子とおばあちゃんが、
虐げられた人々に共感を抱いたエピソードは
もっとも大事な場面の一つなので、
そこは抜かずに入れて欲しかった!

そのあたりを省いてダイジェストにしてあるため、
第2作を読まずにいられなくなる謎の要素や、
双子が日々を書き留めたノートの重要性も
感じ取れなくなってしまっていました。

と、原作におおいなる衝撃を受けた者としては、
ちょっと不満が残りましたが、
暗くて(暗すぎて何やってるか全然わからないシーンも多いけど)
重くて、陰鬱で、風景や情景が魅力的で、
好きなタイプの映画ではありました。











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by chekosan | 2017-12-26 18:59 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
ユーゴスラヴィアはサラエヴォ出身のエミール・クストリツァ監督が、
脚本と主演も務めた映画を観てきました。

内戦が続くセルビアらしき国の山奥の村が舞台です。
豚やガチョウ、ヤギを飼い、羊を追って生活しているような村が
戦争の最前線なのです。

主人公はその前線から少し離れた家に
ミルクを調達しに通う仕事をしています。

ロバにまたがり、肩にハヤブサを乗せ、
銃弾が飛び交う中を飄々と進む主人公は、
事情を知らない人からは「頭がイカレている」と思われていますが、
実は意外な経歴の持ち主で、過酷な経験をしています。

パッと見、風采の上がらない中年男性なのですが、
なぜか絶世の美女たちにモテます。

で、主人公とその内の一人の美女が恋に落ちるわけです。
ある事情で命を狙われている美女と主人公は
追っ手から逃げる、、という筋書き。

「3つの実話とたくさんの寓話にもとづくお話」とあるように、
えええ〜⁉︎ なぶっ飛びシーンや、
コミカルだけどとんでもなくブラックなシーン、
かわいくて賢い動物たちの活躍もあれば、
音楽で戦争を風刺するシーンもあり、
シリアスに直截的に戦争の惨さを表すシーンもあります。
いろんな要素が詰まりに詰まっている映画です。

イチオシは動物たち。すべて本物を使っているとか。
すごいです。役者です。

そして、美女2人。2人とも黒い髪で肉感的な美女。
ヒロインはそこそこ年齢いってるかなと思って見てましたが、
1964年生まれとわかり、びっくり‼️
いつもながら外国の俳優の年齢はまったく読めない(笑)

そのヒロインが、イタリアの女性で、
セルビア語は一年習っただけという設定なので、
セリフが短くてシンプル。
おかげで他のスラブ語から類推できて嬉しかったです。

楽しくて、ちょっと泣けて、印象に残る映画でした。
パンフレットが品切れで入手できなかったのが残念です!


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by chekosan | 2017-12-22 23:02 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
久しぶりに映画を観に行くことができました。
歴史、政治、司法について考える素材になる映画です。

ホロコースト否定論をめぐる裁判を題材にした実話に基づく映画「否定と肯定」です。

アメリカのホロコースト研究者リップシュタットに著書で名誉を毀損されたと、
イギリスの歴史学者アーヴィングがイギリスで裁判を起こします。

アーヴィングはヒトラー崇拝者の男性(初老に見えるが愛娘はまだ少女)で、
かつ女性差別発言を頻発する人物です。
リップシュタットはまだ若いユダヤ人の女性。彼の格好の標的なのです。

イギリスでは、名誉棄損で訴えられた被告の側に立証責任が生じます。
そのため、リップシュタット側は裁判のなかで、
彼女の著述は名誉毀損ではなく、
アーヴィングの著書の記述や発言こそが虚偽であり、
歴史の改竄であると証明していきます。

◇◇◇

ホロコースト否定論者の論法は、映画では、次の言葉に象徴されます。
'No holes, No Holocaust'
アウシュヴィッツ強制収容所で多くの人々を殺害したガス室の屋根の残骸に、
毒ガスの元となる殺虫剤を入れるための投入口(holes)が見つからない、
よって、毒ガスで殺害したという事実はない、というものです。

つまり、ごく一部の点に関しての物証が見当たらなければ、
問題となっている事案のすべてを否定する、という論法です。

※この件は裁判で反証されます。リップシュタットのHPに簡潔な論証があります。





事実と意見を分けて読みとりなさい(書き分けなさい)、
ただし、事実は正しく収集されたものか、
意見は正当な事実を根拠にしているか、
意見は真っ当かをよく見極めなくてはいけない、
そのうえで意見を構築しなさい、

と、ここ何回かの授業で話したところです。
この映画は、それを考えるうえで絶好の素材だと思いました。
授業でも紹介したいと思います。

◇◇◇

ところで、パンフレットのなかで、憲法学者の木村草太さんは、
荒唐無稽な議論を吹っ掛けたり吹聴したりする人たちによる
「非生産的な活動」への情熱の背景には差別感情があると分析されています。

では、そのような差別への熱意はどこから湧いてくるのでしょうか。
何に起因するのでしょう。
そうした主張には妬みや脅威が絡んでいることからすると、
満たされないものを満たそうとしているのでしょうか。
歪んだ承認欲求なのでしょうか。

他者を排除したり攻撃したりする暇とエネルギーを、
もっと生産的、建設的、創造的なことに向けようと思える状況をつくり、
そのような発想ができるような人を育てなくてはと思います。


映画は、細部の論証部分には深く立ち入らないので、
ぜひとも原作をていねいに読もうと思います。



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by chekosan | 2017-12-19 23:34 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
グードルン・パウゼヴァングの小説『みえない雲』(小学館文庫 2006年)を原作とする映画を観ました。

私は同志社でやっていたドイツの反原発運動のポスター展で、この小説と映画のことを知りました。
小説を読んで衝撃を受け、パウゼヴァングの他の作品も読みました。

映画はDVDを買ってはいたものの、一年越しとなりました。

舞台はドイツ。原子力発電所の事故で被曝してしまう少女と同級生のラブストーリーになっています。

原作の主人公は14歳、恋愛要素はなく、もっとストレートに原発事故の恐怖を描いています。

映画の方も主演女優の決然とした表情や演技はいいのですが、ここはやはり原作に忠実に作ってほしかったです。
ちょっと無理がある場面が多く、嘘くさくなっているように思います。

ざっと評判を見たところ、映画だけを観た人にはけっこう評判が良いようですし、この映画からだけでも、原発や原発事故の問題について考えさせられるだけのインパクトはあるようです。

が、私としては、やはりパウゼヴァングの原作を強く押します。アレクシェーヴィッチ『チェルノブイリの祈り』と合わせて、広く読み継がれていかれるべき作品だと思います。




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by chekosan | 2017-10-21 17:27 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
新聞2紙の映画評を頼りに、東欧に関係のある映画をチェックしているのですが、新聞が積ん読になっちゃってて、ゲゲもう終わっちゃったかな!と焦ることがあります。

が、私が観たいと思うようなのは、東京や大阪の後、順次公開というものばかりなので、京都はまだまだこれからということが多いです。

大阪、神戸、京都でズレてやってくれていると、一番都合の良いときに都合の良い場所で観ることが可能なときも。

今回メモしたのはいずれも京都ではこれからのもの。╰(*´︶`*)╯ うまく時間が取れるといいな。


オン・ザ・ミルキー・ロード

君はひとりじゃない


甘き人生



ブルーム・オブ・イエスタデイ



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by chekosan | 2017-10-16 13:22 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
タルコフスキー監督の長編デビュー作「僕の村は戦場だった」を買ってあったDVDで観ました。

前々から名前は知っていたものの、モノクロの戦争映画にはなかなか食指が動かず、ようやくです。

が、戦争は戦争なのですが、グロテスクな場面や戦闘シーンは最小限で、意外とのんびりした映画な感じでした。

いや、ホロコーストものなどを続けて観ているせいでショックを受けなくなってきているだけかもしれませんが。

第2次世界大戦のソ連で、ドイツ軍の攻撃によって両親と妹をなくしたイワン少年は、ドイツへの復讐を果たすため、斥候として敵陣を偵察に行くという危険な任務を自ら望んで果たしています。

周りの大人の兵士や将校たちは、さすがに年端のいかない少年が最前線にいるのは良くないと、幼年学校にいかせようとするのですが、イワンは断固として拒否、結局、大人たちは折れて、再度イワンを偵察にやらせます。

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という話の中に、気丈で頑固だけど、やはりまだまだ幼いところも残るイワンが見る夢が挟まれていきます。

大好きなお母さんとの夏の日。お母さんは、ピカピカしていて、がっしりしていて、いかにも「最愛の母」という感じ。

ものすごい美少女の妹と遊ぶ光景。(私は、鑑賞後、他の人の解説や感想を読んでやっと妹だとわかりました…近所の幼なじみかと思った。そういえばセリフで妹がいたと出てきていましたね。映画の登場人物の読みとり能力の低い私…)

戦場の様子とは対照的な夢の部分が美しいです。

◇◇◇

絶賛の声が多いなか、妹が妹とわからない者が言うのもなんですが(笑)、やはり昔の映画だなあ、第一作だなあと思うようなところも多々あるように思いました。

主要登場人物は美男美女揃いで、目の保養になるのですが、すごく演技演技しているとか。なんかちょっと学芸会っぽい、わかりやすい「照れる演技」「悔しがる演技」だったり。

作品全体の流れも少々ぎこちないような、、、

でも、ピンとこない大戦中の戦場の様子が少しわかって参考になりました。

先週、輪読ゼミで読んだアレクシェーヴィッチのデビュー作『戦争は女の顔をしていない』では、たくさんの女性たちも前線に行っていたということがわかったのですが、この作品にも主要キャラとして若いものすごい美人の軍医(中尉)が出てきます。彼女は階級が高いので、スカートを履いて、髪の毛もゆるくカールして、余裕が見られますが(それとも映画だから?)。

塹壕とはどういうものなのかもわかりました。アレクシェーヴィッチの作品を読んだときに写真では確認したのですが(その影響で夢にまで塹壕が出てきました)、映像の方がわかりやすいですね。

ラストで、ソ連軍がベルリンを制圧し、ドイツ軍の書類を押収するのですが、そのときに処刑者の書類がたくさん出てきます。なるほど、そういうものによって死亡が確認できたり行方を辿ったりしたのだなあと思ったり。

多少の脚色はあるかもしれませんが、字で読むだけではわかりづらい一世代前の様子を知るには映画はいいですね。











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by chekosan | 2017-10-15 10:29 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
チェコスロヴァキアで実際に起った史実を基にした映画「ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦」を観に行きました。

ハイドリヒはナチのナンバー3と言われた人物です。ドイツが占領したチェコスロヴァキアの抵抗組織を壊滅状態に追い込み、ユダヤ人絶滅政策を推し進めた人物でもあります。イギリスと在ロンドン亡命チェコスロヴァキア政府は、チェコスロヴァキア軍の兵士7人を、ハイドリヒ暗殺に送り込みます。その7人のうち2人を主人公に据えた話です。

前半は作戦の計画段階や作戦を実行すべきか否か惑う人々の葛藤を淡々と描いていて、演技や演出や音楽も控えめです。全体をセピアっぽい色調にすることで当時のプラハっぽさをうまく表現しています。

舞台がプラハで、主要登場人物はチェコの俳優が多いのに、言語が英語なのは残念。ここはやはりチェコ語でやってほしかった。興行的に仕方ないのでしょうけど。ドイツ人はドイツ語でした。

外国の俳優さんって年齢や美醜がよくわからないことがあるのですが、本作でもそうでした。そのため登場人物がそれぞれどういう位置づけなのか、しばらくわからなかったです。(^^;

以下ネタバレあり。


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実行部隊は、イギリスからパラシュートでひそかにやってきた軍人たちで若者中心。軍人ゆえに亡命政府の命令は絶対です。

チェコスロヴァキアにとどまって抵抗活動をしているレジスタンスは、ナチによって壊滅状態に追いやられてきたため、この作戦には慎重です。ナチの幹部を暗殺などすれば報復としてどれだけの市民が殺されるかわからない、チェコが地図から消えてしまうかもしれないと言います。パラシュート部隊の若者たちにも恐怖心や迷いが生じます。

しかし、結局パラシュート部隊7人は計画を実行します。このとき、たまたま居合わせた市民が何人も銃撃戦の犠牲になります。

彼らの潜伏を助けた協力者の親子も残酷な仕打ちを受けます。ここのシーンはとにかく酷い。作品中もっとも観るのがつらい場面が続きます。

さらにレジスタンスが恐れていたように、5千人ともいわれる市民がナチの報復で殺されます。

実行部隊を匿ったという疑いをもたれたリディツェ村は、男性全員が処刑され、女性や子どもは収容所送りになり、そのうちほとんどの人は生きて帰ってくることができませんでした。見せしめのため、村の建物はすべて破壊され、更地にされてしまいます。

このような報復の残虐さと悲劇については、チェコのレジスタンスの口から暗殺の実行部隊に伝えられます。映画の最後には観客に向けて字幕でも再度示されます。暗殺の代償はやはりたいへんなものとなったのです。

が、この映画は、実行部隊のなかの2人に焦点を当てたドラマとなっています。そのため、暗殺者らの思いや迷い、恐怖心と愛国心とのせめぎあい、協力者のチェコ女性との恋と別れ、暗殺の緊迫感、暗殺実行後に匿われた教会でのドイツ軍との銃撃戦をかっこよく、ロマンチックに描き過ぎている感がありました。特に最期の最期の幻想シーンはちょっと…と思いました。

邦題からイメージするほどヒーロー万歳な戦争物ではないですが、もう少し深みが欲しいかなという感じです。

というか、この邦題… たしかに内容とは一致していますが、B級戦争映画感満載過ぎませんか。
これではお客さん呼べないと思うのですが…





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by chekosan | 2017-09-30 17:50 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)