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by chekosan
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時代を映す絵はがきの世界 ~「絵葉書でたどる近代旅行記」@愛荘町立歴史文化博物館

お友達と美術や工芸、鮮魚に和菓子を楽しんでいたはずの週末…😢

家にこもっているのはあまりに悲しいので、県内で、空いていて、旅恋しさを慰めてくれそうな展覧会に行ってきました。

最近マイブームな絵葉書をテーマとした展覧会「絵葉書でたどる近代旅行記」@愛荘町立歴史文化博物館です。

自家用車でブーンとひとっ走り。予想通り、ほぼ貸し切り!

あっ、空いてそうとか、がら空きとか言ってごめんなさい💦 でも、職員さんも「ここ初めてでしょう? 地元の方でも知らない人が多いんですよ」とおっしゃってたくらいなので。まあ、実際、初めてなんですが。

でも存在はうっすら知っていましたよ! アクセス悪いから行けてなかっただけで。ああ、フォローになっていない! (;´∀`)

でも行ってみたら、とてもいいところ! 湖東三山と呼ばれる名刹の一つ、金剛輪寺の境内にあって、お寺ととてもマッチしているんです。

お寺の宝物殿を譲り受けたのかなと思う外観。でも、そういうわけではなくて、はじめから町立の博物館として建てられたそうです。

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城…!?

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立派な日本庭園には能舞台まで! 子ども能楽教室もあるようです
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2棟をつなぐ渡り廊下からの眺め 春夏秋冬楽しめそう

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さて、お目当ての企画展は、渡り廊下の先の棟で開催されています。広めの一部屋です。撮影&SNSでの拡散OKです! やった!




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図録はなかったので、遠慮なく撮らせていただきました。助かります~。<○>


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事前にインターネットでレビューなどを当たって、こちらは常設はダメだけど企画展は撮影できたというのを見ていたので、ちゃんとデジカメを持っていっていました。大正解。

展示は、1928年の大阪から始まります。

20世紀初頭くらいの大阪の写真絵葉書には、お気に入りの「ルナパーク」(今の天王寺公園で開催された博覧会会場跡の遊園地)のものも。当時の大阪弁のキャプションも愉快で、見れて嬉しい!

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ルナパークといえば、大阪くらしの今昔館にあるジオラマが大好きです。↓




大阪や神戸などは、近代化というか洋風化していく様子がよくわかる絵葉書が展示されていましたが、京都や滋賀のは、なんかその前も後も変わってないなぁ的な感じがしました。

正確には、京都の絵はがきにも洋風化を示すものもあるにはあるし、実際、京都の町もかなり変わっているはずですが、今回の展示物に限っていえば、ダイナミックな変化と勢いを感じさせる大阪の絵葉書に、より目をひかれました。


建築とか美術とか生活様式に関しては、私は19~20世紀の転換期あたりが大好きなのですが、ちょうどそのころ絵葉書が大流行しているんですね。

ということを、先日、細馬宏通さんの『増補新版 絵はがきの時代』(青土社 2020年)で楽しく読みまして。

そして、そのなかで、災害を知らせる絵はがきがたくさん発行されたという章があったんです。当時の新聞は写真を鮮明に印刷できなかったので、解析度の高いコロタイプ印刷を使っていた絵はがきが、一種のメディアとして活用されたというのです。

ただ、本に掲載された写真では、その鮮明さは正直なところあまりわからないなあと思っていたら、今回の展示のなかに「コロタイプ印刷」と明記されたものがあって、その鮮明さをこの目で見ることができました。↓


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それが、これか! というツッコミが聞こえてきそうですが、仕方ない、ウチの安物のデジカメでは再現できません! 肉眼だと、ものすっごく細かくて、キレイなんです! ( ̄▽ ̄;) 

上の写真では説得力ないですが、やっぱり実物見ないとなということを実感しました。


ところで、滋賀県のはあまり面白みがない的なことを先に書きましたが、これ↓は時代を表していて面白いです。1910年に東宮(のちの大正天皇)が滋賀を訪れた記念の絵葉書ですが、アールヌーヴォーっぽいデザインなんです。


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デザインの様式という点では、満州の諸都市のパンフレットも、また違った特徴がありました。右の4つ、いずれも1935年のものなのですが、なかなか良いデザインだなと。しかも状態も良くて、よく綺麗なまま残っていたなあと感心しました。


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満州に関する地図やパンフレットは、ほかにも展示してありました。いずれもわりときれいな状態です。

そう、地図とかガイドブックとかパンフレットとかの類って、用が済んだらいらない消耗品のように感じてしまいますが、もっとぐっと年月が経過すると、貴重な記録になっていくんですよね。とりわけ、消滅した国や都市などを扱ったものは。

ということを、今尾恵介さんの『地図帳の深読み』『地図帳の深読み 100年の変遷』で感じました。(関西ウーマンのブックレビューはこちら↓)



と、いろんなことが思い出され、繋がって、そんなにたくさんの点数なかったにもかかわらず、収穫ある、楽しい鑑賞ができました。

企画展示「絵葉書でたどる近代旅行記」は、2022年3月21日まで。まだまだ間に合います。

国宝の本堂に何体もの重要文化財の仏像が並ぶ金剛輪寺と併せてどうぞ!


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by chekosan | 2022-01-30 16:30 | 博物館、資料館 | Trackback | Comments(0)