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by chekosan
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都市と自然とロマ一家との共生のあり方を考えさせるルーマニア映画 Acasă, My Home

EUフィルムデーズ、4本目は、ルーマニアの首都ブカレストに残された貴重な湿地帯に住むロマの一家を追ったドキュメンタリー映画 Acasă, My Home を観ました。

こちらはオンライン限定公開で、英語字幕のみですが、気になるテーマなので、いざ鑑賞。

セリフは少ないですし、ーーその少ない字幕は罵倒語が多い(;・∀・)ーー もし字幕を追えなくても、見ていればわかる映画なので、日本語字幕がないからとあきらめずに見てほしい一作です。


都市と自然とロマ一家との共生のあり方を考えさせるルーマニア映画 Acasă, My Home_b0066960_20232052.jpg



首都に残された湿地帯の島に住むロマの一家は、両親と子ども9人の大家族。お父さんは、高校(だったかな?)を出て、頭脳労働(?)をしていたようなのですが、文明社会に見切りをつけて、湿地帯の島に住み着きました。

テントのような布やビニールシートを重ねて作った家で雑魚寝し、池の魚を釣って町の人に売って歩き、白鳥と戯れ、ハトや豚や犬たちと暮らす毎日です。

しかし、一帯を自然保護公園として整備しようということになり、一家は家を引き払うように言われます。

都会の集合住宅に落ち着いた子どもたちは学校に通い出します。

次第に町の子らしい風貌になり、恋をしたり、都会の遊びを知ったりもしますが、公園のハトや魚を捕まえて補導されたりもします。

窮屈な生活はイヤだ、島に戻りたいと嘆く次男。

将来を恐れながらも、新しい生き方に順応しようとする長男。


前半の生き生きとした子どもたちの様子を見たあとでは、無理に都会の生活に押し込めることが、彼らにとって「福祉」なのだろうか…と悩んでしまいます。

なぜあのまま住んでいてはダメなのだろう、彼らの暮らしの方こそ、本当は自然なのではないのだろうか… と思えて仕方ないのでありました。

ぜひ、広く鑑賞されてほしい作品でした。



ルーマニアの映画も、ほとんど見たことがありません。なけなしの2本を貼っておきます。今回の作品とは、また全然違うテーマです。









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by chekosan | 2021-06-17 21:00 | 本、書評、映画、映像 | Trackback | Comments(0)