もう3週間ほどになりますが、11月21日(土)、特殊講義「「負の遺産」と政治」の希望者と、滋賀県平和祈念館が主催するフィールドワークに参加してきました。
この科目は、今年度初めて開講したのですが、たいへん意欲的な学生さんたちが集まってくれて、1時間目とは思えない白熱教室となっています。
戦争、災害、大量死、疾病等、負の記憶、負の歴史に深く関わる現場に場所やモノの残しかた、伝え方について、論文をていねいに読みながら、やっぱり場所やものが残っているって大きいよね、行ってみることで得られる感覚ってあるよね、などと話し合っています。
ということで、現場行きたいね、行こう!と盛り上がり、フィールドワーク(愛称“遠足”)第一弾として、滋賀県米原市に残る蒸気機関車避難壕※の現場見学会に行ってきました!
※空襲のときに機関車を避難させるために岩山に掘られた2本のトンネル、1本は未完成
京都からJR東海道線(琵琶湖線)で米原駅までは1本。直通です。米原駅からは車で5~6分程度の場所なのですが、バスが極端に少ないので、バスの便に合わせて電車に乗りました。
問題なく、集合場所である岩脇(いをぎ)公民館に到着。だいぶ早くに到着しましたが、すでに、平和祈念館の職員さんや、案内をしてくださる岩脇のみなさんがスタンバイして迎えてくださいました。
まずは、出欠を確認し、非接触の体温計で発熱チェックしました。保険代(1人20円)をお渡しして、開始までしばし待ちます。
景色にマッチした、立派な公民館 青空に映えます
開始まで20分ほどあったので、公民館の周囲を散策しました。
稲荷神社
水路も整備されていますね
案内の方のお話を聞いて、ヘルメット装着!
自撮りするヘルメット女子を撮ってくれていた( ´∀` )
↑ めちゃお気に入り♡
避難壕は、岩脇山に並行して2本掘られましたが、1本は貫通する前に終戦となりました。
こちらは貫通していない方で、かなり低いです。
貫通している方に入っていきましょう。
このような岩肌がそのまま出ているので、ヘルメットなしで頭をぶつけたら、ちょっと痛そう。(^▽^;)
戦争も終わりごろに造られ始めたそうで、とうてい機関車なんて入らないサイズです。
戦後、ここはゴミ捨て場のようになっていたそうですが、地元の方たちがゴミを処分し、整備して、見学できるようにされました。
通り抜けできるようになるまで、5年かけたということです。
一年でももっとも乾いている時期だったそうで、問題なく通り抜けられました。雨が多いと、どうしてもぬかるんだり、水がたまったりすることもあるそうです。
出てきたところの上部には、横穴が2つ、開けられています。煙を逃がすためだったのか、はっきりしたことはわからないそうです。
横穴は、外からも確認できます。
こうした戦争のための大掛かりな工事の例にもれず、地元の方の証言によれば、ここでもやはり朝鮮系の方たちが工事に従事されていたそうです。が、やはりこうした施設の例にもれず、関連書類は残されておらず、詳細はわからないとのこと。
貫通していない側のトンネルの逆側です。だるまさんのような形になっているのは、まず低めの穴を掘ってから、上部を掘っていったからだそう。
落ち葉の処理をされているのがわかります↑
進んでいくと低くなっていきます
ダイナマイトを埋める穴が残っています
引き返して出口へ。
すぐそばに、小さな資料館が建っています。
避難壕を掃除し、整備した記録写真がびっしり。なぜか剥製の熊ちゃんも。( ´∀` )
岩脇山の中腹には、善光寺岩屋善光堂があります。清水寺みたいに張り出しています。
これが入ったらもう、うわあ~~~!と一同感動。
岩(山)そのものがご神体というんでしょうか、信仰の対象となっていたんです。私の写真ではちょっと迫力とか雰囲気が伝わらないですが、思わずお賽銭を入れて拝んでしまう空気でした。
お堂を出て、さらに山を登ると、琵琶湖が見えました。いいお天気! 暑いくらいです。
公民館まで戻ってきたら、予定時刻ぴったり。予約していたタクシーが来てくれていたので、県の職員さんにお願いして、急いで記念写真。
女子たちはヘルメットを抱えているポーズをしているのかな?
一名、顔が隠れていたので、もう一回。
実は、私たちのグループではない方が混ざっておられたのですが… (^▽^;) みんなわかってたけど、追い出すのもヤな感じだし、そのまま入ってもらっていました(笑) ちょっと愉快な思い出となりました。
土曜日ということで、数日前に電話したにもかかわらず、タクシーが一台しか取れず、ごめんね、半分の人は歩いてください~と言っていたら、歩きたい~~という人の方が多くて、じゃんけんで勝った人が歩きになりました。
案内してくださった方が、半分くらいまで道案内してくださったそうです。ありがとうございました!
ということで、快晴のなか、第一回フィールドワークを無事終えることができました。
後日、今回は行けなかった人もいたので、お一人あらかじめ指名して、授業で見学の報告をしてもらいました。
午後から用事がある人は帰途につき、空いているメンバーで、遠足午後の部、隣の駅の古い宿場町に繰り出しました。
つづく。