「関西ウーマン」に毎月連載しているブックレビュー「信子先生のおすすめの一冊」、今月は、いとうせいこう著『「国境なき医師団」になろう!』です。
紛争地や災害地にいち早く駆け付けて医療支援をおこなう「国境なき医師団」(MSF)は、1999年にノーベル平和賞を受賞している国際NGOです。
活動の三大原則は、「独立、中立、公平」。活動資金の95%を民間の寄付でまかなっています。そのうち、個人の寄付が88%を占めているとのこと。国家など公的資金からの拠出は1%強しかありません。
本書は、現地の様子と、そこで働く人たち、とりわけ非医療分野で働く人びとの語りから構成されます。
専門性と活動理念とによって高く評価されるNGOやNPOは、その活動に共鳴する人々にとって理想の職場であり、憧れの的となっています。MSFでは、定年後あるいは子育てが終わってから活動する人も多いそうですよ!
優しい語り口ながらも、心を揺さぶられ、自分も何かしたいと思わせる一冊です。