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by chekosan
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それはハンガリーの誇りだ! ~「ロシア・東欧地域研究」第5回クイズの答えと第6回クイズ

みなさん、おはようございます。楽しいクイズの時間です。

授業の流れともリンクさせつつ、楽しみながら学べる素材を探す日々です。けっこう頭ひねってます。楽しいです(笑)

さて、前回のクイズは、多くの方が回答してくれましたね。正解も多かったですよ!





答えは、この映像に登場します。 1分43秒くらいから15秒ほど見てください。





見れました?







「三色旗だ!」

「やめろ! それはハンガリーの誇りだ!」

「誇りは…  皇后の手に落ちた!」

この場面、我が家の坊たちに大人気です(笑) 2年前くらいに宝塚を観に行って以来、youtube で公式映像をあさって、繰り返し繰り返し見ています(そこまで気に入ったのなら、いいかげんディスクを買ってもいいかも)。

何人かに解説していただきましょう。改行はブログ向けに変えさせていただきました。全員載せられなくてごめんね。



今日のお楽しみクイズ、ルービックキューブが表しているのはハンガリーの国旗でしょうか。「赤は愛国者の血を、白は平和と純潔を、緑は希望を表す」とあります「国旗の由来・歴史の資料室」から。面白いことにこのサイトは、東京の「トスパ」という製旗会社が運営されています)。国旗の「赤」は共産主義を連想する場合も多いと思いますが、武力紛争を勉強している身としては、アフリカの国旗の「赤」=流された「血」を連想します。戦争、民族自決などにより国境の移動が多かった地域ならではなのかと思います。(日本の赤は「太陽」なので。)


ハンガリーの国旗は18世紀ごろに作られたもので、赤色は愛国の血、白は国民の清潔な心、緑は将来への希望を表しているとのこと。当初は中央にハンマーと麦と赤い星の入った紋章があったようですが、1956年のハンガリー動乱後の憲法改正で取り除かれたそうです。紋章がくりぬかれた理由が書かれたページもありました。「ハンガリー動乱はソ連の支配に反抗した民衆の蜂起で、共産主義を表すハンマーと麦と赤い星の紋章を取り除くことで反ソを示した。」とあります。(講演「国旗で世界を知ろう」及び「国旗についてのお話」参照)



すごいわ。ちゃんと出典も示してくれています。しかも授業開始前から見ていただいて回答してもらっていた模様。(*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ

紋章といえば、真ん中のマークに意味があるのではと着目してくれた人も何人かいましたね。


真ん中にマークが置かれているのは、ルービックキューブのデザイン以上の意味があるのかと思い調べてみたところ、(中略) 以前、NHKの番組でルーマニアのチャウセスク政権が倒れる過程の番組を見たときも、ルーマニア国旗の真ん中のマークが切り抜かれたものがルーマニア革命のシンボルとして使われていたので、ハンガリー動乱から、行動のヒントを得たのかと思いました。


メーカーのマークがちょうど真ん中にきちゃって、はがせなかったのでそのまま写しました。深読みしてくれたみなさん、すばらしい! 観察眼、発想力、考察力がありますね。d(゚-^*) ナイス♪


冒頭のミュージカルの場面の解説になるであろう回答もありました。


赤、白、緑の旗は1848年に採用され、対オーストリア民族独立運動の象徴となりました。現在の旗は1956年から使われたようです。1949年から1956まで使われた国旗は中央に共産主義の国章がありましたが、ハンガリー革命の時にハンガリー革命軍は中央を取り除いた旗を使いました。その後設計された国章は国旗についていませんでした。国旗からも国の歴史、政治が見られ、とても面白いと思いました。


そういうことなんです。

エリザベート(エリーザベト)はハプスブルク帝国の皇后で、ハプスブルク=ハンガリー二重帝国となったときにハンガリー王妃にもなります。エリザベートはヨーロッパ一と言われた、たいへん美しい女性で、庶民にも人気がありました。

その彼女がハンガリーの三色旗を表したドレスを身につけるというのは、ハンガリーの人びとを尊重しているということを示す行為なわけですね。

ならば、なぜハンガリーの旗を持っている青年たちが屈辱に震えているのか… 気になりますね。

この場面は、この作品の解釈による人物造形や演出が入っているので、気になる人はぜひ通して見てみてください。そして、エリザベートやこの時代を扱った本はたくさんあるので、読んでみてください。


どうでしょう、こうして小さなところに着目して、背景を確認してみると、いろんなことがわかって面白いですね。

「作品をきっかけに歴史や世界を知る」のはもちろんおすすめですが、「歴史を知ると作品がより面白くなる」という発想もアリですよ。


ということで、

「旗」は、シンボル、象徴であり、旗を掲げるということは示威行動の一種です。なにかを表現、表明しているわけです。

それは、国家に限りません。さまざまな政治的立場や結束、団結の表明であり、喜びや称賛や抵抗の表現です。


それでは、今回のクイズです。この旗は何を表しているでしょう。今回はちょっと難しめかな。回答はブログのコメント欄に!



それはハンガリーの誇りだ! ~「ロシア・東欧地域研究」第5回クイズの答えと第6回クイズ_b0066960_12073871.jpg



ルービックキューブクイズでは、みんな「旗だろう」とは思ったようですが、似ている国旗を直感的に答えてくれた人もいましたね。

このクイズが授業の一環で出されているということを意識する=文脈を読むメタな視点を持てるといいですね。

ちなみに、今回の引用部分の字の色も、回答と関連づけていました。( ̄▽ ̄)♪

クイズの回答は任意ですが、調べると得るものが多いでしょう? 意図を探り、頭をめぐらし、楽しんで調べて答えてください♪

小さなことから連想を繋げていって、楽しみながら知識や視点を広げていきましょう~♪  

ちなみに、このクイズから第6回お題(授業資料に潜んでいます)も思いついたんですよ(笑)

それでは、この科目では初の動画へどうぞ!( e-class から限定公開URLへ)



Commented at 2020-05-23 13:59
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by chekosan | 2020-05-21 10:31 | ロシア・東欧に関する授業@同志社 | Trackback | Comments(1)