みなさん、こんにちは。
今日は前回の「お題」で2度までも話題になった、あの場所を見下ろす丘からお届けします。
いつやねん!
ちょうどみなさんくらいの時です(笑)
さて、第4回授業のお題は、「第3回授業の教材をちゃんと読んでましたか、知らないことが出てきたら調べる習慣をつけましょうね」という趣旨でした。
9画像のうち6画像だけにしておいたのは、調べにくい、説明しにくいものを避けられるようにです。
ほとんどの方は、ばっちり正解でしたね。とても丁寧に説明してくれている人、出典も示してくれた人もいました。
では、順不同で振り返っていきましょう。答え合わせや解説というよりは、こうした小さなところから、連想が広がったり、記憶がよみがえったり、他の人がどのようなことを発想するのかを知ったりすることをねらいとしています。
以下、著作権の問題があるので、画像は、私物を私自身が撮影したものに差し替えます。
チェコのページにあった、モグラくん。クルテクというチェコの絵本・アニメの主人公ですね。
画像は、2019年11月チェコのスーパーで購入したチョコ。おいしかったです♡
こんなコメントをいただきました。
前回(第三回)の資料で16ページにでてきたもぐらの絵に既視感を感じて、実家の本棚を探してみました。すると、そこに『もぐらとじどうしゃ』という、まったく同じ絵柄の絵本があり、背表紙を見てみるとエドアルド・ペチシカ作、ズデネック・ミレル絵とかいてあります。幼いころ見ていた絵本は、実はチェコの絵本が翻訳されていたものだと、その時初めて知りました。思い返せば、もぐらの子が自分も人間の乗るような自動車がほしいとガラクタを集めていくユニークな物語で、小さなもぐらが小さなくるまに載る姿が愛らしく、何度も母に読んで読んでとせがんだものです。
小さな頃は知らなかったことを、20歳になって大学に通う中で知れたことに、心が温かくなりました。大きな海を渡って伝えられた物語に、よりいっそう愛着が湧きました。
わあ、いいお話。
ほかにも、小さい頃に読んだ(読んでもらった)記憶がある、と書いてくれている人がいました。
私も大きくなってから、初めて自分で買ったミュージアムグッズがチェコ出身の画家ミュシャのものだったと気がついて、やはり小さなころから惹かれていたのだなあと思いました。
この方の持っていた絵本は、おなじモグラ君の『もぐらとじどうしゃ』でしたが、Krtek a potopa は、同じもぐらくんシリーズの『もぐらくんと大洪水』。けっこうな人が、動画を探して見てくれたようです。チェコ語の響き、感じ取ってもらえたことでしょう!
もう一つの本は、チェコを代表する作家、カレル・チャペックの『R.U.R.』ですね。教材に載せていたのは、栗栖継訳、十月社のものでしたが、ここには岩波文庫版を載せておきます。
兄で画家・作家のヨゼフ・チャペックについても言及してくれた人がいました。
彼のお兄さんはナチス・ドイツの強制収容所で亡くなったそうですね。きっかけはナチズムやヒトラーに対する風刺漫画だったとか・・・
そうなのです。チャペック兄弟の作品はたくさんあります。ぜひ読んでください。
さて、十月社版についてですが、
左下に載っていたのは、「ロボット」の造語でカレル・チャペックという彼の名を高らしめた傑作戯曲「R.U.R.」とファシズムへの警鐘を鳴らす後期作品中の秀作「白疫病」の二編を収めた戯曲集です。
と、ていねいに書いてくれた人もいました。
この「白疫病」、いまのコロナ禍を思い起こさせるようなお話。この戯曲が収められている版は現在いずれも品切れのようですが、阿部賢一先生が、毎週末更新で、翻訳を出しておられます。
チェコのページ、もう一つは、民族衣装ですね。これ、みんな避けるかなと思ったのですが、意外にもほとんどの人が調べて書いてくれていました。
うちの旅の思い出棚にいるチェコの女の子たち。
地方によって、衣装はさまざまです。ほかにも、男の子とセットのもあったのですが、どこかに紛れ込んでしまいました…
体験談を書き添えてくれた人がいました。
興味深いと思ったのは、外国の人が「日本 民族衣装」と調べると「Kimono」としてだいたい全て同じような外観の衣装を見つけると思うが、どうも「チェコ・民族衣装」と調べても、地方により「バラバラ」な印象を受けた。
アメリカの小学校に通っていた頃、自分のethnicityのルーツをたどり「民族衣装」を人形に着せよう、というプロジェクトがあったことを思い出した。やはりクラスではヨーロッパの同じ国にルーツを持つ子たちでも、人形の衣装はそれぞれ異なっていたように思う。(私のクラスには日本人の子がもう1人おり、彼女が着物を着せたので、私の人形には「剣道着・面・竹刀」を着せました)
お人形に着せられる剣道着一式があるの!? 見たい!
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ポーランドとハンガリーには、人気作曲家2人を配していました。一人は、前々回にも出てきた、ポーランドが生んだピアノの詩人、ショパンですね。
これはみなさんくらいの年にソ連で買った、ブダペストで出版されたショパンのピアノ曲集です。年季入ってるでしょう。よく弾くのは、どなたかも好きだと書いてくれていた、ノクターン Op.9-2です。「革命のエチュード」も好きです。
もう一人は、ハンガリーを代表する作曲家、フランツ・リスト(リスト・フェレンツ)です。※ハンガリー語は、姓名の順で表します。
あまりいいものが見つからなかったので、多くの方が記述されていた、「ラ・カンパネラ」の楽譜にしてみました。
こんな感想がありました。
設問1を見た時に意味ありげに作曲家が二人登場しているなーと思い調べてみるとこのようなページを見つけました。私は音楽には詳しくないので、名前を知るこの二人の音楽家が1歳しか年齢も違わず、親交もあったという事実だけで驚きでした。
今回の課題を行う中でショパンやリストが出てきて、東欧出身の音楽家が多いことに気づきました。ドボルザークやスメタナは「新世界」や「わが祖国」というように民族的な曲のイメージがあり、いかにも私の中で”東欧”というイメージを持っていました。一方で、ショパンやリストはドイツやオーストリア、パリで活躍したイメージがあったので、「そういえばポーランド(チェコ)出身だったな」と東欧イメージが薄いなと思いました。
はい、ショパンとリストは、1810年、1811年生まれの同年代。スメタナとドヴォルザークは、1824年、1848年生まれで、彼らよりも時代が少し後で、より「民族」を意識した表現が追求されていく頃の作曲家ですね。
ショパンやリストを愛聴しているという人も多かったですね。
私も、この科目の準備をするときは、そのときのテーマに合った曲を流したりしています。ソ連がテーマのときはショスタコーヴィチとか、ポーランドにおけるホロコーストのときはショパンのバラードとか。
そういえば、こんなことを書いてくれた人も。
(国名埋めが)あまり埋まらなかったのが悔しかったので、東欧地図の空欄埋めを完璧にできようになるまでやりました。首都も一緒に覚えたのですが想像以上に時間がかかりました。東欧諸国を調べるとクラシック音楽がよく出てきます。色々と聞いているのですがヤナーチェックのシンフォニッタという曲が気に入っています。
ヤナーチェクもチェコですね。シンフォニエッタは、村上春樹『1Q84』に出てきて、大人気になりましたね。
村上春樹氏の作品には、ロシアや東欧の音楽や作家に関する記述が散りばめられていますよね。私、春樹氏の作品は、読んだらさっぱり忘れてしまうのですが、そのあふれる教養はすごいなあと思います。小澤征爾さんとの対談本なんて、もう舌ぐるぐる巻いちゃいましたよ。
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話を戻して。
ちょっと難しいかなと思った、おじさまの写真。あっさりみんな当てていましたね。そうです、ポーランドの、いや世界のアンジェイ・ワイダ監督と、彼の作品、「カティンの森」のポスターでした。映画評はこちらに。
カティンの森については、例年、何人かの人が関心をもってレポートに取り上げてくれます。事実とされていたことが覆る経緯に興味を引かれるようですね。
こんなことを教えてくれる人も。
設問3 カティンの森事件が気になり、調べました。画像などがとても痛ましく見ていられませんでした。ゴルゴ13のモデルにもなっている事に驚きました。
ゴルゴ13の!? 知らなかった! すぐさま、検索して電子書籍買いましたよ! 「みなごろしの森」ですね。1972年発表の短編なので、その後の真相解明についてはもちろん触れられていません。
ついでに、スーパーでゴルゴサーディンも買ってきましたよ! ← すでにポーランド関係ないし! ⇦あったし!! 原産国やったし!(5/20追記)
さあ、カティンの森のことが気になってきた人、調べてみてね!
こちらもどうぞ。昨夏ワルシャワでいくつもいくつも見学したなかで、もっとも衝撃を受けた博物館でした。ワルシャワに行くことがあったら、ぜひここを訪れてください。
あとなんでしたっけ。
あ、キュリー夫人ですね。
こちらもワルシャワに博物館があります。ちょっと見ごたえは…でしたが。
あとは、ルービックキューブでしたかね(笑) 私が子どもの頃に大流行して、10面体とかも出ていました。
あれを考案したのは、ハンガリーの建築家のルビックさんなのでした。ハンガリーといえば数学でも優れていますよね。
私は、昭和の流行の頃は、2面までできましたが、今はすっかりやり方を忘れたので、子に、やってもらいました。
これ、何を表そうとしたと思いますか? 今日のお楽しみクイズです。わかった人は、この記事のコメント欄に書いてね! (何も出ないよ!)
さて、面白おかしく「解答」してきましたが、ここで、第5回授業のお題の発表です。
これは、お遊び度高め、提出期限やや長め(5/26深夜まで)。クラスで共有します(相互閲覧可能にします)。提出場所は、e-class の所定の場所です。
題して、
こんなとこにもロシア・東欧。
もぐらくんや、ゴルゴ13のエピソード(サーディンじゃないよ⇦ゴルゴサーディンもポーランド原産国やった!5/20追記)や、ルービックキューブなどのように、意外と身近なところにある、東欧やロシア(旧ソ連諸国もOK)に関係のあるものを見つけて、写真と一文を添えて、e-class で、みんなに紹介してください。
今回は、インターネットで「答え」を検索するのではなく、なんかないかな~~という目で周りを観察し、ごそごそ探すのがねらいです。
わざわざ買う必要はありません。
本、DVD、CD、マンガなどに潜んでいるかもしれませんよ、ゴルゴのように。
缶詰や、お菓子や、お酒をひっくり返して原産国を見てみては? いまどき、結構、輸入されていますよ。
意外な素材の原産国だったりします。品質表示とかも見てみて。
スポーツが好きな人、写真雑誌に選手の特集とかないですか? 世界で活躍している人、たくさんいますよ。
買ってきたお土産、もらったお土産、もちろんOK。
でも、どうしても見つからなければ、一冊くらい本を買ってもいいんじゃないでしょうか。読めば勉強になるのだし。
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そうそう、ヒントになると思います。ハンガリーの言葉に着目して、こんな風に自主的に調べて学んでくれている人もいましたよ。
第3回の教材にロシア語・チェコ語・ポーランド語・ハンガリー語などの発音を聞けるサイトを紹介していただき、聞いて見たが、自分がかつて勉強してきた「フランス語・スペイン語」のラテン語系とかけ離れていることに驚いた。
つい最近、イタリア語の「Godfather」を見たが、大部分はフランス語との親和性で理解ができた。それに対してスラブ系の言葉は全くわからず、唯一わかりやすい(発音しやすい)と思った「ハンガリー語」について検索すると、こんな文集を発見した。(「ハンガリー語:日本語と似ているところ、違うところ」大島 一著)
私の知見が狭いことも理由だと思うが、アジアの日本とヨーロッパのハンガリーの対照研究は珍しいと感じ、読んでいて面白かった。
この大島先生の文章には、「ハンガリー産」のあれこれがたくさん出てきますよ!
ほかにも、
さっそく紹介した映画を観たり、すでに観てましたと報告してくれたり、
気になることに関連する論文を探して読んだり、
ニュースを集めたりと、多くの人が、どんどん自主的、能動的、発展的に学んでくれています。
大学、それも3年次以上ともなれば、そうでなくちゃね。
ということで、こんなとこにも!という情報、楽しみにしていますよ。
以上、数十年前のハンガリーの首都ブダペストを流れるドナウ川からお届けしました。
では、このあとは、こちらの記事へ↓ 第4回のクイズの答えから、第5回の授業後半のトピックに続きます。