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by chekosan

映画「クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代」(2018年)

成績付けも終わったので、久しぶりに映画館で映画を観てきました。

クリムトとシーレの没後100年記念ドキュメンタリー映画、「クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代」です。

邦題だとクリムトが主役っぽいですが、むしろシーレの方がていねいに紹介されていたかも。

いや、ウィーンの世紀転換期の文化そのものが主役という感じかも。

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19~20世紀への転換期に活躍した2人の画家、クリムトとシーレを中心に、当時のウィーンの社会の変化を読み解きます。

フロイトの精神分析学、シュニッツラーの『夢小説』(キューブリックの「アイズ・ワイド・シャット」の原作となった小説)、シュテファン・ツヴァイクの『昨日の世界』などが引用されています。

ウィーンの博物館や建築物、関連のある音楽、専門家の解説など盛りだくさんで濃いのですが、ちょっと消化不良になってしまう感がありました。(;^ω^)

なによりも、吹き替えだったのが、あああ…でした。

もともとの進行役の役者の表情とか撮り方が大仰というか、安っぽいテレビのドキュメンタリーみたいで、それに合わせてか日本語ナレーションもいかにもな感じだったり、何度か出てくるイギリスの女優の小説からの引用部分もやたらと慌ただしくて雰囲気を損ねたりしていたのが少々興ざめでした。

ーーー

とはいえ、次々に情報がなだれ込む感じで、勉強になる部分が多いので、メモをとりたかったのですが、映画館なのでそれもできず。メモを取れる状況(自宅とか教室とか)で観る方がいい映画かもと思いました。

へええ~~~!と思ったのは、美術史家ジェーン・カリア氏(女性)が、シーレの作品を現代の男性キュレーターたちがどのように見ているかで、シーレの先駆性を確認したと解説したところです。

シーレの女性の裸体画は、女性の体が垂直になるようにサインが入っているのが多いのだそうです。

ところが、男性の異性愛のキュレーターたちは、これを水平、つまり女性が寝ている状態になるように展示したがるというのです。画家の意図した構図と90度違う向きにしたがるということです(そんなことしていいのか!?という点でも驚き)。

正確な言葉は忘れましたが、シーレの方が女性の主体性を表現し、現代の男性異性愛キュレーターの方が女性を受け身な存在として捉えているということが浮かび上がってきたというわけです。

シーレの絵は、美しいというには不気味すぎるし、あまりにもあからさますぎるので、家に飾りたいとは思いませんが、新しい知見が得られました。

まもなく、大阪中之島の国立国際美術館では、「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」展が始まります。そういった観点からも見てみようと思いました。


シーレといえば、こちらの映画、面白かったです。主演がめちゃくちゃ美男子でした。



【関連記事】

今年は、日本とオーストリアの友好150周年ということで、オーストリア関連の行事、イベントが開催されています。
2月には、京都でこんな展覧会も楽しんできました。




クリムトの絵画をめぐる実話をもとにした映画「黄金のアデーレ」の鑑賞記録。







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by chekosan | 2019-08-22 17:34 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)