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by chekosan
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映画「愛を読むひと」(2009年)

ベルンハルト・シュリンクの小説『朗読者』を原作とする映画「愛を読むひと」を観ました。

原作は以前に読んでいました。


全編を読み通すといろいろと考えさせられる小説なのですが、前半は官能小説みたいな印象が強かったので、映画になったらますますそういう方面が強調されるんじゃないかなあと勝手に想像して後回しにしていました。(^-^;

Amazonプライムで無料なので、それならと視聴したところ、映画は映画でよく出来ていると思いました。原作をぎゅっと凝縮させて、少し改変もありますが、エッセンスは逃さず、わかりやすくまとめているように思います。





感心したのが、主演女優の老けっぷりです。ピチピチ少年の主人公とは21歳差の36歳から話がスタートするんですが、少年からすればきれいな女性に見えるけれど、客観的に見れば年齢相応(かそれよりも全体的に疲れて下垂した感じ…)にしてあるのが現実味を出しています。

この女性は訳ありで、若干クセのある人物なのですが、それをとても上手に演出していると思いました。

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で、設定の変更部分も含めて、映画は映画として、あまり違和感なく、異議なく観ることができたのですが、鑑賞後、他の方の感想をあれこれ読んでいると、気になる記述が散見されました。

問題の女性の出自を特定している感想が少なからず見つかるのです。そのほとんどは映画だけを観た人です。どうやら著名な人物がこうではないかと推測したのをそのまま引いているようでした。

そんな表現や記述が映画や原作にあっただろうかと思い、原作を読み直してみましたが、うーん、、、そう、、かなあ、、、

その著名な人物の推理も一つの解釈としてあってもよいかもしれません。ただし、その方は細かいところで覚え違いもされています。きちんと検証して活字にした論稿ではなく、ワーッとお話されているなかでのことなので、仕方ないかと思います。

が、その発言が、孫引きのそのまた孫引きみたいに広がっていくうち、「実はこうなのだそうだ」というように断じられてしまっているのはいかがなものかと思います。

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上記の著名人物以外にも、実にたくさんの方が、さまざまな解釈を書かれています。この作品って、女性の行動に謎の部分や理解できない部分が多いので、「謎解き」したくなるんですね。

でも、原作にしろ映画にしろ、あくまでフィクションであるということは押さえておくべきかなと思います。


ということで、解釈どころか、解説もなしの単なる絵面の感想でした。( ´∀` )







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by chekosan | 2019-03-04 19:11 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)