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by chekosan

読書メーター 2018年のまとめ 

2018年、攻めの姿勢で猛進しました。ちょっとお出かけ系インプットを詰め込み過ぎて、アウトプットが追い付かなかったことが反省点です。

大きなものでは、2月に大学からの親友とポーランドへ。アウシュヴィッツ博物館を見てきました。アウシュヴィッツ関連は膨大な先行研究があるので、オリジナルな何かを書く予定はしていなかったのですが、同志社、関大、滋賀大、流科大の授業でたくさんの学生たちに話して考えてもらっています。

8月には上の息子とバルト3国へ。たくさん歩いて、たくさん見て、たくさん学んできたのですが、こちらはいまだブログへの記録すらまとめられていません…。しかしバルト3国は今後も勉強したいと思っています。

杉原千畝にゆかりのある土地を訪ねる旅も断続的に続けています。岐阜や横浜(氷川丸)、訪問先では貴重な出会いが得られました。細くても長いおつきあいをさせていただければと思います。

今年は、春休みに名古屋に行く予定です。天候不良や体調不良で何度も行き損ねている敦賀も絶対に行きます。

大学関係でも、手を緩めず、学生たちを外へ連れ出すプロジェクトを進めました。近隣の展覧会、広島、横浜。学生たちの真剣な目、見たもの聞いたことを素直に吸収してくれている様子に非常に心打たれました。やはり若いうちにたくさん経験を積んでほしいと強く思いました。






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2018年の読書メーター
読んだ本の数:124
読んだページ数:30063
ナイス数:3671

2018年の読書記録から、特に印象に残ったものをピックアップします。


みんなの道徳解体新書 (ちくまプリマー新書)みんなの道徳解体新書 (ちくまプリマー新書)感想
中高生向け新書のせいか、マッツァリーノ節はやや抑え気味な気もするが、なかなか刺激的で面白い。モラルが崩壊しているとか日本人に道徳心がなくなったとか若者が凶悪化したとか、巷に溢れる言説がいかに根拠なく発せられているかを資料や論理にもとづき、痛快に、辛辣に批判する。道徳の副読本の「名作」解説の章は吹き出す箇所多数。最終章、道徳教育はどうあるべきかという結論は簡潔で明快。おすすめ。ブログにもう少し詳しく記録。http://chekosan.exblog.jp/27965509/
読了日:01月03日 著者:パオロ マッツァリーノ


否定と肯定 ホロコーストの真実をめぐる闘い (ハーパーBOOKS)否定と肯定 ホロコーストの真実をめぐる闘い (ハーパーBOOKS)感想
映画を観てからの原作。本文543ページとたっぷりだが非常に面白い。イギリスの裁判の進め方、被告側の徹底したリサーチなど勉強になった。ホロコーストをめぐる実際にあった裁判の回想録だが、まるで小説のよう。原作の方が裁判での争点をよく理解できるが、映画は映画でイギリスの法廷の様子が絵でわかるので、併せて見ると良いかも。別の人によるあとがきに要確認事項あり。詳しくはブログに記録。http://chekosan.exblog.jp/28024809/
読了日:01月21日 著者:デボラ・E リップシュタット


ええ、政治ですが、それが何か?――自分のアタマで考える政治学入門ええ、政治ですが、それが何か?――自分のアタマで考える政治学入門感想
とても面白かった。政治学の授業では、言葉を尽くして他者と対話せよと学生に言っているので、おおいに賛同。詳細はブログに記録。http://chekosan.exblog.jp/28046989/ ところで「政治学やってますというと、政治家になるんですかと訊かれる」というのは聞く話だけど、私は言われたためしがない。ジェンダーよね。あ、親戚から一回だけ言われたか。あと初対面の人に日本の政治についてどう思いますか!?と聞かれて困惑したことがある。そんな大問題を大雑把に繰り出して返答を迫るのも乱暴な気がする。
読了日:01月27日 著者:岡田憲治


シンドラーズ・リスト―1200人のユダヤ人を救ったドイツ人 (新潮文庫)シンドラーズ・リスト―1200人のユダヤ人を救ったドイツ人 (新潮文庫)感想
アウシュヴィッツ&シンドラーの足跡を訪ねる旅の途中から読んで、ポーランド風邪に伏せっている間にちょっとずつ読んだ。原作には映画には盛り込めなかったエピソードがたっぷり書かれていて、とても面白い。例の「赤い服の少女」、実在の人物だったんだ! 映画の方がわかりやすいところもあり、原作を読んでああそういうことかとわかるところもあり。ということで、映画も原作もおすすめ。詳しくはブログに記録。http://chekosan.exblog.jp/28148158/
読了日:02月13日 著者:トマス・キニーリー


HHhH (プラハ、1942年) (海外文学セレクション)HHhH (プラハ、1942年) (海外文学セレクション)感想
クンデラのように、というかクンデラ以上に、作者が作品中に顔を出し口を出す小説。むしろほぼドキュメンタリー。プラハを治めるSS幹部の暗殺事件について、作者が知ったきっかけから、調べを進めていく過程が盛り込まれている。そこがとても面白い。我々の業界では研究対象への愛をあからさまに文字で示すことは通常できない。小説ならでは。羨ましく思いながら読んだ。映画との比較など詳しくはブログに記録。https://chekosan.exblog.jp/28205007/ 今年の夏はハイドリヒ暗殺関連現場めぐりをしよう。
読了日:03月21日 著者:ローラン・ビネ


ホロコースト 女性6人の語り部ホロコースト 女性6人の語り部感想
ホロコーストの生存者、博物館の責任者、歴史家など、さまざまな形でホロコーストの伝承や研究に関わっている人など、女性6人を取材した本。A5判よりも縦が短く、字も大きくて読みやすい小さな本だけど、ここにも行きたい、こんな本もあるのか読みたい、とたくさんの刺激をもらった。特にドイツのオスナブリュックという街にある、ユダヤ人画家フェリックス・ヌスバウムの絵を集めた美術館に行きたい! 詳しい記録はブログに。https://chekosan.exblog.jp/28277479/

読了日:04月30日 著者:大内田わこ


ガス室に消えた画家 ヌスバウムへの旅 母と子でみる A 40ガス室に消えた画家 ヌスバウムへの旅 母と子でみる A 40感想
同じ著者の『ホロコースト 女性6人の語り部』で、本書の表紙にもなっている自画像を見て強烈に惹かれた。ナチスのユダヤ人迫害で外国を転々とし、密告によって捕らえられて収容所で殺された画家。友人たちに預けた作品が戦後ずいぶん経って親戚の手に移り、故郷オスナブリュックで展覧会が開かれた。それをきっかけに残りの作品の所在も判明し、オスナブリュックに集結。市民が寄付を集めて常設の美術館もできた。ぜひ行って、作品を生で見たい。詳しくはブログに。https://chekosan.exblog.jp/28304919/
読了日:05月10日 著者:大内田 わこ


石の花(5)解放編 (講談社漫画文庫)石の花(5)解放編 (講談社漫画文庫)感想
うぉ~~っと一気に。何年も前にある先生に教えていただいて購入したものの、戦争戦争した話なので読み進められなかった作品。機が熟したのだろう、今回は一気に読めました。第二次世界大戦中のユーゴの話。ていねいに描かれていて面白かった。こういう緻密につくられた漫画を子らも読めるようになってほしいなぁ。まぁこの作品自体は関心を抱く人は少ないテーマと思うが。感想はまとめてブログに。https://chekosan.exblog.jp/28323051/

読了日:05月19日 著者:坂口 尚

サラの鍵 (新潮クレスト・ブックス)サラの鍵 (新潮クレスト・ブックス)感想
映画を観て原作を読んだ。キツいシーンが続く。小さな子どもが苦しむのを観るのは辛い。この作品がクローズアップするヴェル・ディヴ事件に象徴されるフランスの対独協力、ホロコーストへの積極的関与の事実、それが長くタブーになっていたことにショックを受ける。ドランシー収容所に至っては、いまも集合住宅として使われている。フィクションだが歴史的事実と現在を繋げてくれる作品。詳しくはブログに。https://chekosan.exblog.jp/28393898/
読了日:06月18日 著者:タチアナ・ド ロネ


綾瀬はるか 「戦争」を聞く (岩波ジュニア新書)綾瀬はるか 「戦争」を聞く (岩波ジュニア新書)感想
毎月「関西ウーマン」に連載させていただいている書評コーナーで2巻同時に取り上げました。夏だけ思い出せばよいということではありませんが、やはり夏は振り返り語り継ぎたい。綾瀬はるかさんの傾聴と寄り添いが貴重な証言を引き出しています。今年は学生たちと広島を訪ねたいと思っています。https://www.kansai-woman.net/Review_s.php?id=201374
読了日:07月08日 著者:
綾瀬はるか 「戦争」を聞く II (岩波ジュニア新書)綾瀬はるか 「戦争」を聞く II (岩波ジュニア新書)感想
戦争終結から70余年が経ち、戦争を経験した人びとが高齢化するなかで、いま伝えておかなくては、あの惨禍が忘れられてしまうという切迫感から、つらい記憶を出して語られました。証言者の方々の「これが最後」「いま残しておかねば」という覚悟と思いが胸に迫る証言集です。「関西ウーマン」信子先生のおすすめの一冊コーナーで1巻と共に取り上げました。https://www.kansai-woman.net/Review_s.php?id=201374
読了日:07月09日 著者:


広島の木に会いにいく広島の木に会いにいく感想
原爆の爆心地から半径2キロ圏内で生き残った被爆樹木と、樹木を調査し、守り、伝える人々をドキュメンタリー映画監督が訪ねる。その場を動けないにもかかわらず熱線や爆風に耐えて生きのびた植物の強さに感銘を受ける。生きているだけに、挿し木をして子孫を残すにも非常に繊細に扱わなくてはいけない。また、木の内部を研究するのは現在の科学ではなかなか難しいとのこと。学生と広島スタディツアーに行くので、ぜひとも一緒に何本か見てきたい。小学高学年から読めるようルビつき。イラストもいい。年齢を問わずおすすめ。
読了日:08月10日 著者:石田 優子


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)感想
文学やノンフィクション作品を通してロシアソ連東欧を知る輪読の授業で読むので再読。もしかして読んでなかったか? NHKのドキュメンタリーで見ただけだったか? 1本目読みだして、あれ? おませな少女の下ネタ満載で、授業で使って大丈夫だったかと苦笑。でももちろんそれで終わりではなくて、社会主義期のプラハの学校に集った4人の少女たちの学校生活を通して、社会情勢、国際情勢を鮮やかに描き出す。授業終えたら学生の反応や感想交えて、詳しく記録しようと思う。とりあえず選んで間違いではなかった。
読了日:09月13日 著者:米原 万里

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)感想
『嘘つきアーニャ』に続いて輪読ゼミで読む本。事実と体験を巧みに盛り込んだフィクション。1960年代にプラハのソビエト学校で出会った女性教師オリガ・モリソヴナたちの謎を、主人公が旧友と共に90年代初頭に解いていくなかで明らかになるスターリン時代の人権抑圧の実態。限られた日数で資料を探し関係者を訪ね歩く過程も非常にリアル。いくつかのどんでん返しもうまい。謎解き小説として読むだけでもスリリングで面白いが、革命からのソ連東欧の激動と悲劇と人々の生き様を感じとれる作品としておすすめ。
読了日:09月28日 著者:米原 万里


暴政:20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン暴政:20世紀の歴史に学ぶ20のレッスン感想
中・東欧史、ホロコースト史家で、『ブラック・アース』『ブラッド・ランド』の著者、ティモシー・スナイダー氏が緊急出版した小さな本。強権的、独裁的な政治を支え、助長するのは普通の人々の日常のふるまいや言動であることを歴史の事例からわかりやすい言葉で解説。第一条が「忖度による服従はするな」。いろんなところで紹介していこう。力強くおすすめ。まずは書評連載で取りあげました。https://www.kansai-woman.net/Review_s.php?id=201450
読了日:12月01日 著者:ティモシー・スナイダー,Timothy Snyder


なぜ戦争は伝わりやすく平和は伝わりにくいのか ピース・コミュニケーションという試み (光文社新書)なぜ戦争は伝わりやすく平和は伝わりにくいのか ピース・コミュニケーションという試み (光文社新書)感想
大変興味深かった。著者はメディアやコミュニケーションのプロ。戦争や平和に関する情報の伝わりかた、受け止めかた、伝え方について知り、考えるのに良い一冊。事例と理論の割合もよく、読みやすい。平和教育のあり方を考えるのにも参考になる。先日読んだティモシー・スナイダー『暴政』と併せておすすめしたい。
読了日:12月12日 著者:伊藤 剛


【改訂完全版】アウシュヴィッツは終わらない これが人間か (朝日選書)【改訂完全版】アウシュヴィッツは終わらない これが人間か (朝日選書)感想
輪読ゼミで改訂版を再読。二回目なので衝撃は減ったが、別のところで発見などあり。読んできた学生たちもそれぞれ深く受け止めて、言葉を絞り出して、過去を知ることを今に結びつけて考えようとしてくれていた。アウシュヴィッツの体験ものは他にもあるが、そのなかでも良いと思う。特に若い人たちに向けた質疑応答の部分は強くおすすめ。
読了日:12月20日 著者:プリーモ・レーヴィ



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by chekosan | 2019-01-02 13:52 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)