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by chekosan

読書メーター 2018年10月のまとめ

なぜか10月が終わってました。10月、何してた? 10月、あった?という感じ。

18日に「あ、喉がマズいかも…」と自覚があったけど翌日頑張って授業したら、その翌日から悪化。週末休めば大丈夫だろうと思いきや、なぜか3日目に38.7℃まで上昇。結局、丸一週間、休む羽目に。寝たり起きたりしながら、オンラインで月末からの図書館総合展(横浜)の準備を進めて、無事、学生たちと3日間のスタディツアーを完遂した次第。

そんな10月は、ギュンター・グラスとダークツーリズム特集的なラインナップでした。

10月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2494
ナイス数:294

ダークツーリズム 悲しみの記憶を巡る旅 (幻冬舎新書)ダークツーリズム 悲しみの記憶を巡る旅 (幻冬舎新書)感想
悲しみの記憶を巡る旅=ダークツーリズムの考え方や意義、実際のまわり方、発見を紀行の形で紹介。『ダークツーリズム拡張』が海外版で、こちらは国内版。ダークツーリズムという視点でさまざまな場所を巡ることで近代の構造が見えること、考察の対象を理解するのに距離感や空間の大きさを知ることが重要だが日本ではそうした直観的な研究手法が顧みられてこなかったこと、土地の人(当事者)ではないからこそ見えるものもあり媒介となる可能性もあるという大枠には同意。しかし、細部の記述や個々の事例の説明の中には首をひねるものもあった。
読了日:10月05日 著者:井出 明


音楽名曲絵画館 ブルーアイランド氏のピアノ名曲の旅 絵と文 青島広志音楽名曲絵画館 ブルーアイランド氏のピアノ名曲の旅 絵と文 青島広志感想
ブルーアイランドこと青島広志さんのイラストたっぷりピアノ名曲図鑑です。ピアノやってる(やってた)人はもちろん、そうでない人にも。 青島さんの文章はユーモアがあるので肩肘張らずに名曲に親しめます。でも、やはりなんといっても生のステージはもっとおすすめ♪とにかく楽しいです! 詳しくは、月一回掲載していただいている書評コーナー@関西ウーマンに。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201411

読了日:10月06日 著者:青島 広志


未来をはじめる: 「人と一緒にいること」の政治学未来をはじめる: 「人と一緒にいること」の政治学感想
政治思想・政治哲学者による女子中高生に向けた講義。時事的な話もあるが、メインは、政治とは人が「人と一緒にいること」に伴うあれこれについてどう決めていくか、どう解決するかを考えることである、それをみんなで考えてみようという話。白黒つけられないこと、絶対的な正解はないことを常に考え続けることはしんどいことである。だからこそ若いうちから思考し他者と対話する訓練を重ねる必要がある。ということを感じさせてくれる本。
読了日:10月10日 著者:宇野 重規



ギュンター・グラス 「渦中」の文学者 (集英社新書)ギュンター・グラス 「渦中」の文学者 (集英社新書)感想
グラスのことは以前から社会的活動や政治的発言等を報道で目にして知った気になっていた。2006年に一時期SS隊員だったと告白したときはショックも受けた。15年に亡くなったときも。のわりには著作を読んでないし「ブリキの太鼓」の映画さえ観ていなかった。今回、本書の著者の講演会に行くことになったので予習。本書はグラスの経歴や生き方と作品解説をまとめた評伝。とても読みやすくて、ほぼ一気読み。また知った気になってしまった(笑) 行動する文学者。今度こそ作品を読む!明日の講演会までに一作読めるかな!?
読了日:10月12日 著者:依岡 隆児


玉ねぎの皮をむきながら玉ねぎの皮をむきながら感想
代表作『ブリキの太鼓』を書くまでの前半生をつづった自伝的作品。玉ねぎの皮を一枚一枚剥いていくように、少年時代から1959年ごろまでを想起していく。かつての自分を「彼」という三人称で語ったり、「私」という一人称で語ったり。浮遊霊のように昔の自分のまわりをふわふわとまわりながら思い出そうとしているような部分もあれば、若かりし自分と今の自分が一体化して生々しい感覚を思い出しているような部分もあり。印象的な部分をブログにメモ。https://chekosan.exblog.jp/28749013/
読了日:10月21日 著者:ギュンター グラス


ブリキの太鼓 1 (集英社文庫 ク 2-2)ブリキの太鼓 1 (集英社文庫 ク 2-2)感想
グラスの評伝(『ギュンター・グラス 「渦中」の文学者』)や、グラス自身が『ブリキの太鼓』を書くまでの前半生をつづった『玉ねぎの皮をむきながら』を先に読んでいたので、本作にグラスの実体験がかなり反映されていることを確認できた。それも影響してか、主人公の設定の特異さよりも、1920年代から38年「水晶の夜」を迎えるまでのダンツィヒの町が不穏さを増していく様子が背景的にうっすらと描かれているところの方が面白く感じた。第一部はまだ本格的に話が進んでいない感じか。二部、三部も読むべく発注中。
読了日:10月22日 著者:ギュンター・グラス


ロボット (岩波文庫)ロボット (岩波文庫)感想
読んだ気になってたシリーズ。大雑把に進んでいくなあ〜というのが一番の感想。ところどころ皮肉や風刺が入りかけるけど、あまり掘り下げずに流されて、あっという間に結末に至った感じ。実際に芝居にしたら、もっと迫ってくるものがあるのだろうか。私が詩や戯曲をじっくり味わえないタチなだけかもしれない。とりあえずチャペックは『園芸家十二ヶ月』みたいな方が好き。
読了日:10月24日 著者:カレル・チャペック


ダークツーリズム拡張 ─近代の再構築ダークツーリズム拡張 ─近代の再構築感想
本書は一般向け紀行書ということもあり、一ヶ所一ヶ所に関しては、まさに見てきた記的な、ざっとした記述になっている。それでも一人でこれだけ世界各地、日本各地を巡るということ自体に驚嘆する。こうして各地をまわることで、比較、参照の対象が増え、見えてくることも増えるのだろう。
読了日:10月27日 著者:井出明




「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)感想
今月の書評の本、何にしよう~と悶えてたら、夫氏が「これ明日の授業で話そうと思っててんけど」と勧めてくれた。これを授業でどのように?と聞いたら、プラトンの『国家』と被る論理が展開されているとのこと。ほぉ? 読み始めるとたしかに面白くて一気読み。アニメの悪者たちの世界征服って何を目的にしてるの?という素朴な疑問から始まり、征服の形態や支配者の類型の試み、征服後はどうするかなど思考実験が面白おかしく進む。パックスアメリカーナというならこうでなきゃと論駁する部分も興味深い。結論は情報化社会と自由主義経済への挑戦。
読了日:10月28日 著者:岡田 斗司夫


チョコレート工場の秘密 (ロアルド・ダールコレクション 2)チョコレート工場の秘密 (ロアルド・ダールコレクション 2)感想
読んだ気になってたシリーズ。少女時分、図書館の児童書コーナーで古い挿絵の版を目にしていて、てっきり搾取する資本家の工場に少年が忍び込んで悪を暴く話だと思っていたら、ぜんっぜん違った。まあどっか南方?から小人族を種族丸ごと連れてきて、主食と安全と引き換えに監禁のうえ労働させ、新製品の人体実験に供するなどという設定は搾取する資本家そのもので、ある意味外れてなくもないか。で、主人公一家、飢えをしのげるようになるのはよいが、工場敷地内で外界との接触を断って、創業者の意のまま甘いものにまみれて生きていくのだろうか。
読了日:10月29日 著者:ロアルド・ダール

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by chekosan | 2018-11-04 23:39 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)