中・東欧、ロシアのこと&大学教育のことを発信します


by chekosan

広島スタディツアー(1)原爆ドームへ

本務校・流通科学大学では、初年次教育を担当してきました。いずれも一年生のみを対象とする半期科目なのですが、授業終了後も学びたい、活動したいという学生たちを募って、同僚の桑原桃音先生とともに課外活動を企画、指導してきました。テーマは読書推進。図書館や書店業界とコラボしてさまざまな体験を積んできました。

その活動が大学から高い評価を受け、昨年度末、課外活動経験者たちが中心となって図書館サークルを設立するに至りました。私たちの担当する授業で新入生にも案内したところ、たくさん加入。これで、読書推進活動については、彼らが独自に活動するベースと後ろ盾(図書館)を得ることができました。夏ごろには、新たな連携相手(地域連携を進めるゼミ)も得たようです。

そこで、今後は完全に彼らだけで活動を持続していけるよう、今年は我々が得た助成費で丸抱えでお世話するのではなく、あくまで助言や指導、一部支援にとどめることにしました。

また今年は4期目。私と同僚先生の最終年度でもあるので、より発展的なコンセプトの課外活動を展開しようということになりました。

書と人と社会をつなぐ文化活動を企画運営する学生リーダーの育成」プロジェクトと題し、「学生自らが企画を立て大学の外へ出て見聞を広げ学内に還元することを支援する」という企画で大学から助成をいただき、小さなものでは展覧会鑑賞など、大きなものでは広島スタディツアーと横浜スタディツアーを計画しています。



9月18-19日、大きな企画の第一弾、広島で平和を考えるスタディツアーを決行しました。



b0066960_10165460.jpg



広島は、もともと教員2人がともに関心を持ち、一緒に行って現地を見たいねと一致したところ。せっかく広島へ行くなら、私が最近勉強しているホロコーストについて学ぶことのできる福山にも行ってほしいと強く推し、1泊2日で計画を組みました。

参加者は、両教員の担当する複数の授業や、桑原先生の自主ゼミなどで募りました。条件としては、事前学習やツアー計画策定に参加することです。あくまで「学生自身が企画運営する」というところが今年のコンセプトです。

課外でも学びたいという熱心な学生たちが、桑原先生の自主ゼミに参加し、映像資料を見たり関連書籍を読んだりして事前学習を積みました。ツアー希望者は何人もいたのですが、残念ながら予算の都合上、全員に来てもらうことはできません。自主ゼミでの活動ぶりと、第二弾の横浜スタディツアーとの兼ね合いを考慮し、3人の学生を選抜しました。

彼らが広島での見学先やルート、宿泊先なども調べて、計画を立てて、宿や切符の手配をしました。私がどうしても連れていきたかった福山のホロコースト記念館には、言い出しっぺの私が連絡をとり、館長、副館長によるレクチャーや館内ガイドさんの手配を整えていただきました。


9月18日、快晴。 

広島駅に朝10時に集合し、コインロッカーに荷物を入れて身軽になって、一番に向かったのはやはり原爆ドームです。広島名物の路面電車に乗り込みました。


b0066960_09561141.jpg




「原爆ドーム前」駅で降りて道路を渡るとすぐそこにドームが…




b0066960_09564064.jpg



原爆ドームは、学校の平和教育や報道などで何度も目にする原爆遺構ですが、現地で実物を見ることであらためてわかることがあります。

サイズ感、突き出た鉄骨、崩壊を防ぐための補強の跡、瓦礫がそのまま置いてあること。


b0066960_10135523.jpg



b0066960_09575010.jpg




b0066960_09585259.jpg



b0066960_09591254.jpg




b0066960_09594774.jpg



ボランティアガイドさんが複数立たれていて、見学者に日本語や英語で説明されていること。熱心に聞き入る人たちがいること。




b0066960_10001483.jpg



何種類もの犠牲者の碑が建っていること。


b0066960_10010278.jpg



b0066960_10025204.jpg



ぐるっと回ると、報道ではあまり見たことのない角度からの姿が見れること。

b0066960_10050480.jpg



b0066960_10192646.jpg



私個人の感想としては、ドームは思ったより小さかったです。おそらく、下から見上げた写真を目にすることが多かったからではないかと思います。そう写すと威容を表現できるからではないかと。

平和公園側に目をやれば、すぐそばが川で、視界が開けていて広々した光景、でも反対側は現代的な高層ビルが建ち並ぶ都会。小さく感じたのは、それらとの対比もあるのかと思います。


というようなことは、ドームだけを切り取った写真などではわからなかったです。というか、反対側を見たらどうなのかということなど想像しませんでした。



b0066960_10063361.jpg


b0066960_10071375.jpg




また、ドームはもともとは今残っている部分を中心として、両翼があって、全体としては「ロの字型」の建物だったわけですが、それも今現存するドームの写真などではちょっとわかりにくい。でも、ぐるりを回ると一部の壁が残っていて、ああなるほど、本当はここまで建物があったのね、と実感できました。



b0066960_10100715.jpg






現地に行くことの意義の一つが、そうした周囲を含めた空間の感じ、サイズ感、距離感、位置関係などが体感できることかなと思います。

そういいながら、写真を撮る段になると、やはり「美しい」図を狙ってしまいます。瓦礫だって一種の「廃墟の美」みたいな撮り方になってしまう。

さらに、数枚を選んで人に見せるとなると、何枚も撮ったなかから、青空とドームだけを切り取った「絵になる」写真を選んでしまうのですが。


そう、青空といえば、今回の「負の遺産」巡りも晴天でした。リトアニアのときもだったのですが、真っ青な空のもとで見る悲劇の現場というのは、なにか不思議な感覚になります。


つづく



[PR]
トラックバックURL : https://chekosan.exblog.jp/tb/28685139
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by chekosan | 2018-09-26 10:20 | 大学教育 | Trackback | Comments(0)