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by chekosan

読書メーター 2018年7月のまとめ

どしゃぶりに猛暑。しょっちゅう止まる電車。問題なく家に帰れたら万々歳な日々でした。授業も大詰めで、学生の課題を読んだり直したりが続き、整骨院通いの月でした。(^-^; 読書も授業や指導を意識したものが多かったような?


7月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2538
ナイス数:257

こころ (新潮文庫)こころ (新潮文庫)感想
学生のおすすめ。高校の国語で習うせいか、書評の課題に選ぶ学生が多い。私も読んでいたつもりだったが、どうも衝撃のシーン以外が思い出せず、あらためて読んだ。途中、えっ、ここでそうくる!?と思ったので、やはり読んでいなかったのか? 漱石の文章はリズムが良くて好きだが、なぜコレを未だ教科書に載せているのかイマイチわからない。それもネタバレシーンを抜粋して。そこはバラしたらあかんやろ〜。
読了日:07月30日 著者:夏目 漱石


アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)感想
学生のおすすめ。お話として面白かった。知的障害があるが向学心に富む主人公チャーリーは、脳外科手術を受けて知能が急速に向上する。その経過を本人が記録したという体裁も凝っている。頭脳が明晰になるにつれ、ぼんやりとした過去の記憶が何を意味していたかを理解していくという話のつくりが面白い。ただ、この小説はフィクション。想像の産物である。これをもって、知能が高い=幸福ではないという一般化は単純かと。蔑まれ、虐められているにもかかわらず、それを理解できない本人が友情と思っているなら良いということではないだろう。
読了日:07月28日 著者:ダニエル・キイス


太陽の子 (角川文庫)太陽の子 (角川文庫)感想
子どもの頃、理論社の大長編シリーズで灰谷さんや今江祥智さんの作品に出逢った。特別な、原点のような作品群だった。当然『太陽の子』も読んでいたつもりだったが未読とわかり、あらためて読んだ。何十年ぶりかの灰谷作品は子どもの頃以上に衝撃的だった。70年代の沖縄の人々が抱えていた苦しみを同時代に知っておくべきだった。その苦しみがいまだ続いていることに向き合いたい。「知らなくてはならないことを、知らないで過ごしてしまうような勇気のない人間に、わたしはなりたくありません」主人公の少女ふうちゃんの言葉に尽きる。
読了日:07月22日 著者:灰谷 健次郎


国のない男 (中公文庫)国のない男 (中公文庫)感想
学生のおすすめの一冊。ドイツ系アメリカ人のヴォネガットは、第二次大戦でドイツに出兵し、そこで捕虜になる。そして連合軍によるドレスデン爆撃を体験する。その錯綜した経験が彼の思想や主張を形作っている。戦争を体験して初めて一人前になるというような考えを憎み、木陰でレモネードを飲みながら語らう平穏な夏のひとときを幸せと感じる感性を尊ぶ。アイロニーとユーモアをもって社会を批判するエッセイ集。こういう本を「先生、これほんとに読んでください!」と強く勧めてくれる学生を受けもてたことが嬉しい。
読了日:07月21日 著者:カート・ヴォネガット


0円で生きる: 小さくても豊かな経済の作り方0円で生きる: 小さくても豊かな経済の作り方感想
タダでもらい受ける方法なども記載されているが、どちらかというと経済の起こり(贈与と応酬など)や仕組みについてまとめたコラム部分が印象に残った。シェアや協同の意義ばかりでなく、それに伴う人間関係の重さやマイナス面(村八分など)にも言及している。実践部分だけ読めば、すぐにでも不用品を人に譲りたくなったり、もっと節制できるよなあとか生活を省みたりする機会になる。
読了日:07月20日 著者:鶴見 済


ホロコーストの現場を行く (ベウジェツ・ヘウムノ)ホロコーストの現場を行く (ベウジェツ・ヘウムノ)感想
著者はホロコーストをライフワークにするジャーナリスト。50万人がガス室で殺されたべウジェッツ絶滅収容所、35万人がガストラックで殺され森に埋められたヘウムノを訪ねた記録。そこでは選別も強制労働もなく、人々は到着次第ガスで殺された。今でも埋葬場所では遺灰や遺骨を見てとれるという。小学校の教科書くらい字が大きく、写真も多数載っているが、別の絶滅収容所ソビボルやマイダネクの話が挟まれるので、事実関係がわかりづらいところがある。ある程度ホロコーストのことを知っている人でも整理しながらでないと混乱しそうかも。
読了日:07月15日 著者:大内田 わこ


綾瀬はるか 「戦争」を聞く II (岩波ジュニア新書)綾瀬はるか 「戦争」を聞く II (岩波ジュニア新書)感想
戦争終結から70余年が経ち、戦争を経験した人びとが高齢化するなかで、いま伝えておかなくては、あの惨禍が忘れられてしまうという切迫感から、つらい記憶を出して語られました。証言者の方々の「これが最後」「いま残しておかねば」という覚悟と思いが胸に迫る証言集です。「関西ウーマン」信子先生のおすすめの一冊コーナーで1巻と共に取り上げました。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201374
読了日:07月09日

綾瀬はるか 「戦争」を聞く (岩波ジュニア新書)綾瀬はるか 「戦争」を聞く (岩波ジュニア新書)感想
毎月「関西ウーマン」に連載させていただいている書評コーナーで2巻同時に取り上げました。夏だけ思い出せばよいということではありませんが、やはり夏は振り返り語り継ぎたい。綾瀬はるかさんの傾聴と寄り添いが貴重な証言を引き出しています。今年は学生たちと広島を訪ねたいと思っています。
読了日:07月08日



勉強法 教養講座「情報分析とは何か」 (角川新書)勉強法 教養講座「情報分析とは何か」 (角川新書)感想
朝日カルチャーセンターだかの一般向け文化講座4回シリーズを本にしたもの。高価な受講料を払って佐藤氏の話を聞きに行くファン向けに、インテリジェンス(情報収集および分析)とは何か、教養はいかにして身に着けるかを話したもの。国際情勢の読み解き方や、何を使って何を学ぶと良いかという話を具体的に提示しているので、講座を聞いた気、わかった気にはなれる。ただし、書物としては、やや散漫か。月90本(!)の〆切を抱えるだけあって、氏の著作はその類が多いのが残念。氏の知識、教養、主張には、感嘆、共感するのだが。
読了日:07月01日 著者:佐藤 優

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by chekosan | 2018-08-01 23:05 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)