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by chekosan

映画「ヒトラーに屈しなかった国王」(2016年)を観てきました

少々前ですが、「ヒトラーに屈しなかった国王」を観てきました。

1940年、中立国であるノルウェーにドイツ軍が侵攻します。表向き、ドイツはノルウェーに協力関係を構築しようと言うのですが、実質的には不意打ちの侵攻です。

すんでのところで国王一家、閣僚、議員たちは北部へ避難します。

首都ではクーデタが起こり、国民の信任を得ていない議員が首相を名乗り、ドイツへの協力を呼び掛けます。ドイツも彼を承認します。

ドイツの申し出を断れば多くの犠牲者が出ることが予想されますが、民主主義を標榜するノルウェーの誇りは傷つきます。

駐ノルウェー・ドイツ公使は、外交努力でなんとか戦争を起こさずに事態を収めようと奔走します。

極秘で公使と会談した国王の決断はいかに!?


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史実に基づいたフィクションということで、ドキュメンタリー風に撮られています。そのため、カメラがカックンとぶれることが多々あり、落ち着きません。いまひとつ安っぽくも感じられ、普通に撮った方が良かったのではと思いました。

とはいえ、日時を厳密に示しながら、国王やドイツ公使の動きをスリリングに映し出していて、かなりの臨場感があります。

すでに老齢に達した国王は腰痛を抱えての逃避行で、一人になると油汗を出して痛みに耐えるのですが、人前ではきちんと衣服を整え、決して辛そうな姿は見せません。

比べて、皇太子はボタンを外した状態で人前に出たり、思わず感情を露わにするなど、まだ青いな若造、という感じ。実際の皇太子も気さくな人柄だったようです。

そんな皇太子に国王が、国王としての振る舞いを教える場面などもあります。王室といえど親子、衝突もしますが、極限の状態ではやはり愛情が溢れ出ます。親子の物語としても見ることができます。



この王室、実は新しいのですね。

1905年に、ノルウェーはスウェーデンとの同君連合を解消して独立します。このとき、新たに王室を創設することになり、デンマーク国王の次男が即位します。それが本作品の主人公であるホーコン7世です。つまり、独立国家ノルウェーの初代国王ということになります。

ホーコン7世は、あくまで国民の意思により創設された王室にするため、国民投票を行い、賛成多数を得たのちに即位しました。

ドイツの侵攻に際しても、国民と、国民が選んだ議会、内閣こそに決定権はあり、自分が裏で交渉してドイツの要求を呑むようなことはできないとつっぱねます。

国王の毅然とした態度は一貫しました。ノルウェーは結局、ドイツに攻撃され、数年間占領されるのですが、イギリスに避難した国王はラジオから国民を励まし続けたそうです。

戦後、国王も皇太子一家も無事、ノルウェーに帰還することができました。今は、このときにアメリカに避難した孫のハーラル5世が国王になられています。



この作品で、ノルウェーの歴史や王室のあり方、王室と国民の関係といったことに関心を抱くようになりました。難しすぎず、感動シーンもあり、鑑賞しやすい作品だと思います。





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by chekosan | 2018-07-24 20:13 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)