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by chekosan

映画・小説「サラの鍵」

フランスで1942年にフランス警察によって行われたユダヤ人一斉検挙「ヴェル・ディヴ事件」を扱った「サラの鍵」。映画を観たあと、原作を読みました。


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映画は予想以上に衝撃的な場面が続き、途中で抜け出そうかと思いました。

1942年7月のある日の早朝、フランス警察がパリのユダヤ人を一斉にパリのど真ん中の屋内競輪場に強制的に集めます。

水や食料、トイレがまったく足りない状況で、一万数千人が、数日間、閉じ込められます。

10歳の少女サラは、弟だけでも検挙されずに済むようにと、彼を納戸に隠して鍵をかけていきます。

ところが拘禁状態はなかなか解けず、さらにユダヤの人々は収容所へと連れていかれてしまいます。

収容所では親子が引き離され、子供たちだけが取り残されてしまいます。

少女は弟を救い出すべく、収容所を脱出し、匿ってくれた農家の老夫婦とパリに向かうのですが…


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もう1人の主人公、現代のパリを生きるアメリカ出身のジャーナリストのジュリアは、夫の実家が所有するアパートに引っ越すことになります。

仕事でヴェル・ディヴ事件を調査するうちに、ジュリアはそのアパートが、検挙されたユダヤ人一家のものであったことを知ります。

ヴェル・ディヴ事件とサラの足取りを探るうち、夫や夫の家族とのズレが露わになっていきます。

サラとジュリアの話が交互に進み、2人の人生が交差する瞬間が訪れます。そこがクライマックスです。

そのあとはどちらかというと、ジュリアがサラの人生を知ったあと、どう生きていこうとするかという話になるので若干勢いが減じるかな。

はいえ面白くないわけではないです。

なんといっても、ヴェル・ディヴ事件自体の酷さ、そのあとのサラの負った傷があまりにも衝撃です。

それ以上に、ヴェル・ディヴ事件に象徴される、フランスの対独協力、ホロコーストへの積極的関与の事実、それが長くタブーになっていたこと、フランスの人たちにもあまり知られていないということにショックを受けます。

ユダヤの人々が連れていかれたドランシー収容所に至っては、いまも集合住宅として使われているということ。

フィクションですが、歴史的事実と現在を繋げてくれる作品です。









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by chekosan | 2018-06-18 20:35 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)