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by chekosan

読書メーター 2018年5月のまとめ

あっというまの5月。

坂口尚『石の花』や清水潔『「南京事件」を調査せよ』が特に印象に残りました。『ガス室に消えた画家 ヌスバウムへの旅』で紹介されている画家ヌスバウムの作品を集めた美術館には、数年内にはぜひとも行きたいと思います。


5月の読書メーター
読んだ本の数:17
読んだページ数:3715
ナイス数:349

「南京事件」を調査せよ (文春文庫)「南京事件」を調査せよ (文春文庫)感想
一気に読了。テレビ局記者による「南京事件」の調査の発端から過程、結果、後日談まで。福島で元兵士から戦争体験の聞き取りを続けてきた人物から提供された兵士の手による生の日記やインタビュー記録と、軍の資料や外国紙の報道、船舶の輸送の記録等々を突き合わせ、現場を確認、確定していく。確実に立証できた揚子江河岸での捕虜の大量処刑に話を絞ることで、調査の信憑性を揺るぎないものにしている。最終章では、著者自身に潜む偏見を自覚し、父や祖父の戦争体験を明らかにし、人ごとではない、知ろうとしないことは罪であることを再確認する。
読了日:05月28日 著者:清水 潔


ホロコーストの跡を訪ねる (母と子でみる)ホロコーストの跡を訪ねる (母と子でみる)感想
読みやすいが密度が濃い。数字や出典もていねいに提示されている。ヒトラーが活動を始めたミュンヘンから始まり、ドイツ国内に初期に造られたダッハウ強制収容所、ポーランドにつくられたアウシュヴィッツ強制収容所、そこに近い都市クラクフを訪ね、ホロコーストの経緯、抵抗活動を紹介する。戦後、これらの場所にまつわるホロコーストの記憶がどのように残し伝えられているかも記述。そこが特に興味深かった。/1989年以降、戦中戦後にポーランド住民が起こしたユダヤ人迫害・虐殺の事実が掘り起こされたが、揺り戻しが起こらないか懸念する。
読了日:05月27日 著者:荒井 信一,山本 耕二


アウシュヴィッツと「アウシュヴィッツの嘘」アウシュヴィッツと「アウシュヴィッツの嘘」感想
3部構成。第1部はアウシュヴィッツ絶滅収容所の成り立ちや運用の経緯、第2部はナチスによるユダヤ人の組織的大量虐殺はなかったとする「修正主義」への反論をコンパクトに読みやすくまとめている。第3部は、日本人研究者による、日本における「ガス室はなかった説」(マルコポーロ事件)への反論や、ホロコーストを否定する言説を罰する法律制定の経緯や問題点、修正点などの解説。この第3部を付したのはとても良いと思う。
読了日:05月25日 著者:ティル バスティアン,星乃 治彦,石田 勇治,芝野 由和



母と子でみるアウシュビッツ (母と子でみるシリーズ)母と子でみるアウシュビッツ (母と子でみるシリーズ)感想
早乙女勝元氏の戦争を記録し伝える活動は小さい頃からうっすら知っていたが、最近あらためて、この「母と子で見る」シリーズを何冊か読んで、そのラインナップの幅広さや一冊一冊の内容の濃さに圧倒されている。本書など35年前のものなので画像が不鮮明だったりするのだが、「母」はともかく「子」が見て大丈夫だろうかと思うような強烈な写真が多数掲載されている。衝撃度はかなり高い。アウシュヴィッツ=ビルケナウでの死亡者数などは、その後、研究が進んで修正されているので、細かい数字の引用には注意が必要。
読了日:05月20日 著者:早乙女勝元


石の花(4)激戦編 (講談社漫画文庫)石の花(4)激戦編 (講談社漫画文庫)
読了日:05月20日 著者:坂口 尚
石の花(3)内乱編 (講談社漫画文庫)石の花(3)内乱編 (講談社漫画文庫)
読了日:05月20日 著者:坂口 尚
石の花(2)抵抗編 (講談社漫画文庫)石の花(2)抵抗編 (講談社漫画文庫)
読了日:05月20日 著者:坂口 尚
石の花(1)侵攻編 (講談社漫画文庫)石の花(1)侵攻編 (講談社漫画文庫)
読了日:05月20日 著者:坂口 尚
石の花(5)解放編 (講談社漫画文庫)石の花(5)解放編 (講談社漫画文庫)感想
うぉ~~っと一気に。何年も前にある先生に教えていただいて購入したものの、戦争戦争した話なので読み進められなかった作品。機が熟したのだろう、今回は一気に読めました。第二次世界大戦中のユーゴの話。ていねいに描かれていて面白かった。こういう緻密につくられた漫画を子らも読めるようになってほしいなぁ。まぁこの作品自体は関心を抱く人は少ないテーマと思うが。感想はまとめてブログに。
読了日:05月19日 著者:坂口 尚





旅するリトアニア旅するリトアニア感想
リトアニアの自然、食べもの、ハンドクラフトなど綺麗なものばかり集めた本。お店の紹介もあるが、ガイドブック的には作られていない。素朴系路線。ベリー系の飲み物がおいしそう。今度行ったら探してみよう。
読了日:05月16日 著者:口尾麻美





バルト三国 愛しきエストニア、ラトビア、リトアニアへ (KanKanTrip13)バルト三国 愛しきエストニア、ラトビア、リトアニアへ (KanKanTrip13)感想
オールカラーの写真がたくさん!オシャレなカフェや雑貨屋さん、市場の紹介はガイドブックとして、野外民俗博物館やお祭りルポはバルト三国を知るとっかかりとして◯🙆 布もの食べ物クラフト系が好きな人には情報量大。この前リトアニア🇱🇹行ったときはダークな史跡とスーパーといかにもなお土産屋さんしか行かなかったけど、今度は勇気を出してオシャレなお店や市場にも入ってみようっと!この本はフォークロアなもの中心だけど、リトアニアは現代的な夏のワンピースもすっごく可愛かった。今度は1着くらい欲しいかも。
読了日:05月16日 著者:Sanna



文房具と旅をしよう文房具と旅をしよう感想
小さな可愛らしい本。ざっと眺めて楽しんだ。ヨーロッパに文房具を訪ねる旅。スーパーや郵便局にある、その土地ならではの便箋や封筒やシールなどが写真で紹介される。著者お2人は業務用のような簡素なものがお好きな模様。私は著者たちほど事務事務した文具に執着はないが、A5ノートが大好きなので、書店や美術館をチェックしまくって探している。外国の郵便局から本を送るときに買った箱も愛おしくて捨てられなくて、本を入れたまま収納容器のように使っている。書店や美術館で買い物した時の袋もなかなか捨てられないなぁ!(๑˃̵ᴗ˂̵)
読了日:05月14日 著者:寺村 栄次,浅井 良子,スコスステーショナリーズカフェ



ガス室に消えた画家 ヌスバウムへの旅 母と子でみる A 40ガス室に消えた画家 ヌスバウムへの旅 母と子でみる A 40感想
同じ著者の『ホロコースト 女性6人の語り部』で、本書の表紙にもなっている自画像を見て強烈に惹かれた。ナチスのユダヤ人迫害で外国を転々とし、密告によって捕らえられて収容所で殺された画家。友人たちに預けた作品が戦後ずいぶん経って親戚の手に移り、故郷オスナブリュックで展覧会が開かれた。それをきっかけに残りの作品の所在も判明し、オスナブリュックに集結。市民が寄付を集めて常設の美術館もできた。ぜひ行って、作品を生で見たい。詳しくはブログに。https://chekosan.exblog.jp/28304919/
読了日:05月10日 著者:大内田 わこ


トラウマ映画館 (集英社文庫)トラウマ映画館 (集英社文庫)感想
町山さんのことは『映画と本の意外な関係!』を読んで、教養に裏打ちされた文章にすっかりファンになった。本書はタイトルどおりトラウマ必至の恐怖系残酷映画ばかりだが、やはり社会的背景や映画史を踏まえた濃い紹介。クスッと笑える表現も散りばめられていて、胸の悪くなるようなエロやらグロやらバイオレンスな映画なのに観たくなる。と読み進めていくと、著者自身のトラウマが少しずつ語られていく。そこが一番衝撃だったかも。どこからでも読めるが、前から順にあとがきまで逃さず読むことをおすすめ。各章の並びの意図を理解できるだろう。
読了日:05月07日 著者:町山 智浩


ダークツーリズム入門 日本と世界の「負の遺産」を巡礼する旅ダークツーリズム入門 日本と世界の「負の遺産」を巡礼する旅感想
沖縄、学会で行ったけど戦跡は見れていない。広島には一度も行っていない。上息子はどちらも修学旅行で行ったのに…広島行ってないの家族で私だけになりそう。近いうちに行こう。サラエボやチェルノブイリにも遠くないうちに行く。ルワンダ強烈すぎる…などと読み進めていて、執筆者に知ったお名前を発見。そうと知らずに手に取った本で、学生時代の友人と「再会」し、ご活躍を知ることができて嬉しく思ったのでした。詳しい感想はブログに。https://chekosan.exblog.jp/28296566/
読了日:05月05日 著者:


以下の2冊は、月一回の書評連載「信子先生のおすすめの一冊」@関西ウーマンで紹介。




続・僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう (文春新書)続・僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう (文春新書)
読了日:05月04日 著者:池田 理代子,平田 オリザ,彬子女王,大隅 良典,永田 和宏
僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう (文春新書)僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう (文春新書)
読了日:05月03日 著者:山中 伸弥,羽生 善治,是枝 裕和,山極 壽一,永田 和宏

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by chekosan | 2018-06-02 11:40 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)