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by chekosan
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坂口尚『石の花』(講談社漫画文庫)

第二次世界大戦のユーゴスラヴィアを舞台とした漫画『石の花』は、1983年から1986年に連載されたものです。

これを読めば、このころのユーゴの歴史がスッキリわかる!とはいきませんが(なにしろ複雑)、関心がある人にはとても面白い作品だと思います。

農家の兄弟と幼なじみを中心に、ドイツに抵抗するパルチザン部隊、ユーゴ侵攻を進めるナチスSSのエリート将校、闇の商売に暗躍する人物などの戦い、駆け引き、苦悩をていねいに描いています。

それぞれの立場や主義をうまく盛り込み、単純な勧善懲悪にしていません。

主人公のクリロ少年、クリロとともにパルチザンに入るユダヤ少年、クリロの幼なじみの少女フィーたち、少年少女の純粋さと葛藤がとりわけ読みどころです。


最終巻には、ユーゴ史の専門家、柴宜弘氏の解説も掲載されています。歴史考証に協力されたそうです。なるほど納得です。

話が複雑で、文字も多く、絵もていねいなので、大きな版で読む方が良いかと思います。文庫版で一気読みすると、眼球がとても疲れました! (^-^;


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by chekosan | 2018-05-20 21:31 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)