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by chekosan

田村和子『ワルシャワの春 わたしが出会ったポーランドの女たち』(草の根出版会 2003)

続いて、田村和子さんの著書を読みました。
『母と子でみる ワルシャワの春 わたしが出会ったポーランドの女たち』です。

この本は、田村さん自身の友人や、友人の紹介で出会ったポーランドの女性たちを紹介するものです。
田村さんはポーランド語の翻訳家なので、作家やものを書く人が多めですが、そうではない人も登場します。

戦争や社会主義体制で苦労しながらも、それぞれの道を切り拓いてきた女性たちばかりで、派手ではないけれど、たくましくて堅実で誠実な生き方をされてきたことが伝わります。

ただ紹介して終わりではなく、最終章でポーランドにおける女性の地位や現況などについてもまとめてあります。

カトリックの強いポーランドでは、聖母マリアが尊ばれ、女性や母性を崇拝する社会なのですが、それは裏返すと女性に妻、母としての義務やふるまいを求め、拘束することにもつながりました。

社会主義期には女性も労働者としての働きを期待され要請されますが、それによって家事育児の責任が減ることはなく、ポーランドの女性たちはたいへんな負担をこなしてきました。

ところが民主化後の新しい社会経済体制は男性中心で、多くの女性たちが失職の憂き目にあいます。
さらに中絶禁止法が採択されるなど、女性の自己決定権も後退します。
(*2016年、さらにこれを厳格にして、中絶をほぼ全面禁止する法案が提出されましたが反対多数で否決されました)

そうした仕組みや風潮に異議を唱える女性たちも最後に紹介されています。



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by chekosan | 2018-03-27 21:01 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)