ポーランド旅行記2018 (2)シンドラーの工場跡を訪ねる
2018年 02月 17日
現地で中4日しかない旅程の3日目に風邪で寝込んでしまい、4日目以降はそろりと動けたものの、
帰国してからまたぶり返して3日ほど寝込んでしまいました。
そのあと、成績提出(大量のレポートの採点)に丸々3日ほど費やし、
昨日今日はフィギュアスケートも観なくちゃだしw
そんなこんなでようやく旅を振り返ることができるようになりました。
さて、ポーランドに到着して次の日。
まずは「シンドラーのリスト」のオスカー・シンドラーが経営していたホーロー工場に行きました。
いまは、クラクフ市の歴史博物館になっています。
私たちが行ったのは月曜日。ここは年中無休ですが、月曜日は14時までなので注意が必要です。
「英雄広場」という、ユダヤの人々が移送されるときに集合させられた広場(別途投稿予定)から歩いて10分ほど。道に案内板がちょこちょこあります。
開館に合わせて10時ごろに着くと、すでにたくさんの人が。
月曜に博物館が開いているだけでも珍しいと思うのですが、なんと入場無料でした!! ラッキー!
荷物はロッカーに入れるか、クロークに預けます。ロッカーは無料ですが、混んでいると足りません。
身軽になったら、いざ入場。
博物館のガイドさんによるツアーもあるようです。
この博物館、体感型にしてありまして、当時のクラクフの街や建物、乗り物の雰囲気を再現した空間を進んでいきます。そのため、けっこう狭いところにひしめき合う感じになります。
進んでいくだけで、クラクフの占領期の歴史を感じとれるようにしてある、工夫のある展示です。ただ、演出のために証明を暗くしてあって、大勢のお客さんと押し合いへし合いするので、小さな字で書かれたポーランド語か英語の説明板を読み進めるのはかなり困難でした。というか、読めません。。。
そうそう、ここ、シンドラーの工場跡ではありますが、シンドラーのことばかりを取り上げているわけではありません。「ナチによるクラクフ占領期 1939-1945」をテーマにしているんです。
これは復元だったか。ポーランド軍のちっちゃな戦車。
この博物館の特徴のひとつが、壁に当時の布告や新聞などを貼り付けたように展示していることです。
パネルでガラス越しじゃないので、街角風に感じられます。
床とか天井もそれぞれデザインが凝らしてあります。
この部屋は床が一面、ハーケンクロイツ。
ユダヤ人の人々の生活空間の再現もありました。
オスカー・シンドラーの執務室だけは明るいです。デスクの背後の地図は、トマス・キニーリー『シンドラーのリスト』のなかでも言及されています。若者の団体が神妙にガイドさんの話を聴いています。
スピルバーグ監督の映画「シンドラーのリスト」のなかに出てくる印象的なシーンで使われた階段です。両親を雇ってほしいユダヤ人女性がオスカー・シンドラーを訪ねてくるシーンです。
壁面には、クラクフの通りの看板(標識)がずらりと掛かっています。暗くてブレブレで残念。
クラクフのユダヤ人は、もう何百年もクラクフ旧市街の南に位置するカジミエシュ地区にたくさん住んでいたのですが、ナチの侵攻後、そこよりも南のポドグジェ地区に移動させられます。さらにそのあと、さらに南のプワシュフ強制収容所に入れられます。
プワシュフ強制収容所を再現した部屋には、砂利が敷き詰められていました。採掘現場があったのです。映画「シンドラーのリスト」に出てくる収容所がそれです。プワシュフにも行く気満々だったのですが、風邪をひいて行けませんでした…
見るものいっぱいですが、私が色めきだったのはプロパガンダ・ポスター。
ナチは、共産主義とユダヤ人を「敵」として設定していました。それがよく表されています。
これとか特にわかりやすいかなと思います。ボルシェビキ(赤い星がマーク)に背後から耳打ちするユダヤ人。。。
展示を見終えて元の入り口に。シンドラーのリストで助かった人々の写真とシンドラー。
チケット売り場に、本と絵葉書、ノートなどが売っていました。そんなこともあろうかとリュックで来ていたので、本やノートなどをたくさん買いました。
そのうちの一冊に、来る前に別の英語文献で見て気になっていた場所がクラクフにあると紹介されていて嬉しい発見。後日見学に行くことができました。旅程の早い目にこういう資料を手に入れるのは正解ですね。
左上の漫画は、大事をとった4日目の午後に読みました。感想は2月9日にアップしています。
下の写真の上の真ん中はイレーナ・センドラーといって、ユダヤ人の子どもたち2500人をゲットーから救出したポーランド人女性に関するDVD。やった! センドラーを扱った資料、あまりないんです。日本語では、児童書が出ています。
これはA5サイズのノート2種類。私はA5ノートが大好きで、いいデザインのものがあれば必ず買うようにしています。
左のは、イディッシュ語のアルファベットがデザインされているのですが、この色違いをリトアニアのユダヤ博物館で買いました。各地のユダヤ関連の博物館に卸されているのかな。
リトアニアで買ったマグカップと同じものと色違いも売っていて、ご当地マグも大好きなので迷いましたが、食器棚がパンパンなので、こちらはぐっと我慢しました(笑)
開館直後に入って、ざっと見るだけで約2時間くらい経ちました。パネルをていねいに読んでいったり、ガイドツアーで回ったり、もっと混んでいたりしたら、もう少し時間が必要かと思います。
私たちはここを見た後、近くのカフェで食事をして、元ゲットー地区をざっと見て回りました。
つづく。