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by chekosan

市原芳夫『スタディ・ツアーのすすめ』(岩波ジュニア新書 2004)

大学生協で岩波書店15%オフセールをしていて、ひょいとワゴンで見つけた一冊。最近の私の関心にぴったりなタイトルで即買いです。

岩波ジュニア新書はわかりやすくて優れた本が多いので、図書館や本屋さんで結構チェックしていたつもりでしたが漏れていました。やはりアンテナが立っているかどうかで見えるものが違ってきますね。

ということで、ちょっと前に出版された本なので、情報源の探し方などは古くなっていますが、参考になる事例や引用がたくさん紹介されていました。

はじめの章で紹介されている、大学生のベトナムツアーの部分は、おおいに刺激を受けました。ベトナムには一度は行きたいと思います。

ルソーの『エミール』からの旅に関する考察の引用もたいへん示唆に富むものでした。

◇◇◇

いまはテレビやネットでいくらでも鮮明な映像を見ることができます。

でも現地だからこそわかることもやはりたくさんあります。

私は、空間の感覚(広さ狭さ、立体感など)、史跡と普通の生活空間との位置関係、どれくらいの人が出入りしているか、どういう人が案内しているかなどに目がいきます。

たとえば、ベルリンの旧東独秘密警察拘置所跡を見学したときは、かつては地図上には記されていないくらい秘密だった地区が、いまは普通の住宅街になっていて、スーパーマーケットのチェーン店が建っているとか。

リトアニアで数万人が虐殺された現場が、行ってみると市街からそう遠くはなくて、今はぜんぜん恐ろしげでなくて、むしろ美しい緑の空間だったりして、鎮魂と記念と啓発と伝承の場のありかたを考えさせられたり。

目的をもって行く旅には下調べが大事ですが、現地に行ってから存在を知る場所や施設、事実もあります。

リトアニアへはホロコーストの記憶をどう残しているかを見に行ったのですが、現地のインフォメーションセンターにそうした史跡をピックアップしたわかりやすい地図があって、行ってからずいぶん見るところが増えて充実した旅になりました。

◇◇◇

本書にも書かれているのですが、頭や心の準備をし、研ぎ澄まされた感性で旅に臨むと、長く広く感動が響きわたり、事後の学習の動機づけにもなります。学習意欲が高まって、本を読む量や時間の長さが増えたり、ニュースや人の話を聞いたときにも吸収力が高まったりします。

これはホントそうですね。もう全然違う。あまり準備をせずに行っても行く前とはぜんぜん感度が違ってきます。

ですので、若いうちから、あるいは年をとっても、関心を持って違う土地に行くのはとても意味のあることだと思います。

私も長いインターバルはありましたが、2年前から海外への調査旅行を復活し、そこでの見聞や、そこから調べたこと、考察したことを授業などで折に触れ、紹介しています。学生さんの反応も非常に良いです。

ベルリンやリトアニアへの調査旅行に連れて行った下の息子も、行く前はまったくまっさらの状態でしたが、旅のテーマを理解して、そのあたりの歴史へのアンテナが立つようになりました。

昨年夏には、引率の補佐で香港研修に行きましたが、いつかそう遠くないうちに、家族以外の人や学生さんとのスタディ・ツアーができればなあ、なんて思っています。

その予行演習になるかもしれない(?)ポーランド行きもとうとう出発が明日に迫りました。

今回は、国際理解を研究テーマに大学院で学ぶ現役高校教諭の親友との20数年ぶりの二人旅です!
一人旅とも、子連れ旅とも違う発見や体験ができると思います☆ どきどき…

 

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by chekosan | 2018-02-03 15:32 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)