読書メーター 2017年11月のまとめ
2017年 12月 02日
11月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1322
ナイス数:262
ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)の感想
ソ連が崩壊し、秩序が乱れるウクライナのざわざわする空気をうっすら伝えてくれるミステリアスな物語。存命中の人物の追悼文を書く仕事を始めたことでじわじわと危険が迫ってくるが、決定的な何かが起こるわけでもない。なりゆきで預かることになった幼女やそのベビーシッターの少女との愛があるようなないような疑似家族生活。主人公の2DKのアパートで飼われているペンギンが一番確かな存在感。ペンギン可愛い。ペンギンと生活してみたい…。するするすると読めて、哲学も衝撃もないのに、続いてこの作家を読みたいと思わせる不思議な魅力。
読了日:11月22日 著者:アンドレイ・クルコフ
大人に質問! 「大人ってどのくらい大変なんの感想
先日観覧したビブリオバトルで紹介されていて。子どもたちの質問に対する答え。こんなふうにウィットに富んだ答えができたらなあ! 一番おおお〜なのは、「戦争っていつ始まるんですか?」という質問に対する答え。「「正義のために」というセリフを口にした時から戦争は始まります。この世の揉めごとは全て、この口実から始まるといっていいでしょう。国民も「正義のためなら仕方ないな」と単純に思い、やり合う国のことをいつの間にか〝敵〟と呼ぶようになります。(以下略)」
読了日:11月17日 著者:みうらじゅん,児童館の子どもたち
みえない雲 (小学館文庫)の感想
輪読ゼミで、アレクシエービッチ『チェルノブイリの祈り』の次に読むのに再読。初読のときほどの衝撃はないが、ラストシーンにはあらためて胸を打たれた。映画も観たが、原作の設定で作って欲しかった。が、群衆のパニックシーンなどは映像ならではの迫力があった。
読了日:11月14日 著者:グードルン パウゼヴァング
チェルノブイリの祈り――未来の物語 (岩波現代文庫)の感想
真っ向勝負でおすすめ。チェルノブイリ原発事故から10年後に書かれた人々の証言。見えない敵の恐怖と終末観。なのに、いやだからこそか、不思議な美しさを感じる作品。月イチ書評連載であらためてとりあげました。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201243
読了日:11月14日 著者:スベトラーナ・アレクシエービッチ
約束のネバーランド 6 (ジャンプコミックス)の感想
だんだん怖さやハラハラ感はなくなってきたなあ。でも食べられるために生かされている運命から逃げようとする自分たちも、命をいただいていたんだと気づくシーンはなかなかよかった。次巻はまた場面が変わるので期待。
読了日:11月12日 著者:出水 ぽすか
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