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by chekosan

読書メーター 2017年10月のまとめ

新しい科目、増えた学生数、なのに、隔週で風邪をひいてしまい、どうして乗り切ろうと不安が募った10月前半。11月の2つの大きな行事の準備が佳境に入って、もう突っ走るしかなかった後半。でもその分、刺激も多く、次々読みたいという気持ちは強かったためか、過去2年の10月よりも案外読めていました。しかし戦争物が多く、嫌な夢をいっぱい見たひと月でもありました。


10月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2937
ナイス数:334

ユダヤ人を救った動物園――ヤンとアントニーナの物語 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)ユダヤ人を救った動物園――ヤンとアントニーナの物語 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)感想
先に飛行機で映画を観たあと原作を読んだ。映画は独占領下のワルシャワの動物園長の妻と彼女に思いを寄せるナチ将校との絡みや、園長夫妻のユダヤ人救出に焦点をしぼったドラマチックな感動もの。ゲットーの様子や救出については映画の方がわかりやすいかも。原作では、園長夫妻の専門性や人となり、ナチの優生思想による動物の血統保存への執着についての記述がていねいで印象に残った。日記や資料の出典を細かく示していて信頼性が高いが、文章は読みやすい。映画と原作併せると補完できるのでおすすめ。どちらも動物たちの様子が愛おしい。
読了日:10月01日 著者:ダイアン・アッカーマン


戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫)戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫)感想
今年の輪読ゼミ1冊目。第二次世界大戦でソ連軍に従軍したり、パルチザンとして対独闘争に加わったり、そうした人たちを支援した女性たちの証言集。16やそこらで前線で生死の境目を見た女性は何を語るのか。彼女たちは戦争のあと、どう生きてきたのか。人それぞれさまざまな戦争との関わりや思いがあって、“男たちの正史”のようにひとくくりにはできない。証言の重さ、ドラマ以上の劇的な経験、衝撃の事実にめまいを覚え、胃が痛くなる。学生の反応などはブログに。http://chekosan.exblog.jp/27316312/
読了日:10月03日 著者:スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ


コミュ障は治らなくても大丈夫 コミックエッセイでわかるマイナスからの会話力 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)コミュ障は治らなくても大丈夫 コミックエッセイでわかるマイナスからの会話力 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)感想
著者のようなタイプの若者を理解する参考になるかと手に取った。なぜアナウンサーになろうと思ったのか、なれたのかというくらい会話の能力が低かった著者は、観察と努力で会話のスキルをつけ、人に伝授するまでに至る。ただ、アナウンサーという職業柄許されているだけではないかと思う技やノリもあるので、自分をコミュ障と思う人がそのまま本書を真似をするのは危険かもしれない。参考にしつつも、著者のように自分で観察や分析を重ねることが大事ではないだろうか。コミュニケーションとはそれこそ相手あってのもの、TPOで変わるものだから。
読了日:10月06日 著者:水谷緑,吉田 尚記


中世の街と小さな村めぐりポーランドへ (旅のヒントBOOK)中世の街と小さな村めぐりポーランドへ (旅のヒントBOOK)感想
ポーランド行っちゃうよ╰(*´︶`*)╯ ということでガイドブックとして購入。付箋がたくさん立ちました。ポンチキ食べて、果実酒飲んで、ハンドクラフト模様のA5ノート買って、木彫りの鳥買って、ユダヤ人街でお茶して、共産主義時代のレトロツアーして、アウシュヴィッツ行って、シンドラーのリストの舞台めぐりして、岩塩坑行って、、、って日数が足んないわ、どうしましょ。
読了日:10月08日 著者:藤田 泉


ボタン穴から見た戦争――白ロシアの子供たちの証言 (岩波現代文庫)ボタン穴から見た戦争――白ロシアの子供たちの証言 (岩波現代文庫)感想
輪読ゼミの2冊目。女性兵士たちの証言を集めた前作『戦争は女の顔をしていない』よりも淡々としているように思ったと受講生たち。しかし語られる内容はとんでもなく残虐で残酷な体験。報告をした受講生も、同じく白ロシアの子どもから見た戦争を題材にした映画「炎628」を思い出して辛くなったそう。ちなみにアレクシェーヴィチは、その「炎628」の原作に感銘を受けたと言っている。その他詳しくはブログに記録。ペチカのこととか。http://chekosan.exblog.jp/27447085/
読了日:10月17日 著者:スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ


想起する帝国: ナチス・ドイツ「記憶」の文化史想起する帝国: ナチス・ドイツ「記憶」の文化史感想
ナチスドイツが大衆に「想起」させて作り上げた「集合的記憶」とは。戦後、ナチスドイツやヒトラーの「記憶」はどのように「想起」されてきたか(いるか)というテーマを時系列で展開。数名の学者による論文集だが、要となるキーワードをそれぞれの章に必ず盛り込み、各章間で内容を確認、調整して編まれたことがよくわかる、流れのよい本。文章も平易にしてあり、図版も多いので、一般、初学者でもするすると読むことができる。勉強になったので詳しくはブログに記録。http://chekosan.exblog.jp/27474968/
読了日:10月22日 著者:


ある日うっかりPTAある日うっかりPTA感想
PTA会長に推されたフリーライター氏の記録。ちょっとまとまりがなく、タイムスパンがわかりにくいのが難だが、「がんばらないをがんばる」というモットーで、PTA活動を見なおしていく過程は参考になるのではないか。成功例だけでなく、もめごとにも言及しているところが正直。だが、もう少し整理してじっくり書いて欲しかったかな。本格的なPTA改革については、山本浩資『PTA、やらなきゃダメですか?』が参考になる。
読了日:10月23日 著者:杉江 松恋


劇画ヒットラー (ちくま文庫)劇画ヒットラー (ちくま文庫)感想
ヒトラーの若い頃から自決するまでを描いた作品。かなり細かい字の説明がたくさん入っているので、手に入るものなら文庫より大きな版型で読むことをおすすめ。背景は有名な写真を元に描かれているものが多く、かなり精密でリアル。対して人物は水木しげるらしく、アゴの長い、丸みのある造形。ちょこちょこギャグが入り、話の深刻さを緩和してくれる。この頃の欧州の状況を知る助けとなる本。
読了日:10月24日 著者:水木 しげる


映画でめぐるドイツ―ゲーテから21世紀まで映画でめぐるドイツ―ゲーテから21世紀まで感想
参考資料として部分的に。7章「映画の中のシュタージ」では「トンネル」「グッバイ、レーニン!」「善き人のためのソナタ」「東ベルリンから来た女」におけるシュタージの描かれ方をさらっと書いている。「グッバイ、レーニン!」にシュタージが出てきていたのか。すっかり忘れていた。見直さなくては。一応シュタージ関連で一本論文と称するものを書いた身としては、未視聴の「トンネル」「東ベルリン」も制覇しなくては! ところでこの本、映画がテーマなのに映画の写真が一枚もなく、素人さんの(?)イラストなのがかなり残念。
読了日:10月24日 著者:青地 伯水


マーシャの日記―ホロコーストを生きのびた少女マーシャの日記―ホロコーストを生きのびた少女感想
本書の訳者、清水陽子氏の著書『ユダヤ人虐殺の森』の内容があまりに強烈だったので、この夏はリトアニアのホロコースト現場を訪ねる旅を敢行した。同書はマーシャの日記に多くを依っていたので、もとの日記を読みたいと思っていたところ、新たに翻訳書が刊行された。ソリー・ガノール『日本人に救われたユダヤ人』とともに、リトアニアのホロコーストの生々しく、詳細で貴重な証言。ソリーはカウナス、マーシャはビリニュス出身。両ゲットーの運営の仕方やかなり違っていて興味深い。それにしてもよく生き抜いて証言を残されたものだと思う。
読了日:10月29日 著者:マーシャ・ロリニカイテ

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by chekosan | 2017-11-01 14:33 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)