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by chekosan

映画「ヒトラーへの285枚の葉書」(2016年)を観てきました

ドイツで戦後すぐに書かれたハンス・ファラダの小説『ベルリンに一人死す』を映画化したものです。独・仏・英合作の映画です。

舞台は1940年のベルリン、棺桶を作る木工所の職工長の夫とその妻の一人息子が戦死するところから始まります。夫婦は、息子を奪われた悲しみと憤りから、絵葉書に体制批判、ヒトラー批判を書き、街角に置いて回ります。ささやかな、しかし見つかれば死刑は確実という危険な行為です。そうして2-3年もかけて、ゲリラ的に置いて回った葉書計285枚のほとんどは、見つけた市民によってすぐさま警察に届けられ、夫婦の命を賭した運動は広がりを見せることはありませんでした。


原作はかなり大部の著作で、主人公夫婦以外の人物もていねいに描き出しているそうですが、この映画では、周囲の人々については描き切れていません。主人公たちの夫婦愛とゆるがない意思の尊さに焦点が当てられています。全体的にさらっと話が進んでいって、若干盛り上がりや余韻には欠けます。ドイツが舞台なのに、英語なのもちょっと残念… が、主演俳優二人の演技がとても良いし、映像として全体的にきれいで雰囲気があるので、これはこれでいいかという感じです。

ただ、実話をもとにした話ということなので、体制賛美一色と思われがちなナチスドイツ時代にも、命がけで体制を批判する名もなき市民がいたということを語り継ぐという点で、意義深い映画であると思います。



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by chekosan | 2017-07-12 22:16 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)