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by chekosan

読書メーター 2016年9月のまとめ

旅行の余韻さめやらず。9月もドイツ関連中心でした。
その間に挟まっている本たちも、なかなかバラエティ豊かだったと思います。

2016年9月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:2348ページ
ナイス数:482ナイス

不採用語辞典不採用語辞典感想
飯間さんの本は、『辞書を編む』『辞書に載る言葉はどこから探してくるのか?』も読んだが、ユーモアがあって面白い。するする読めてワクワクする。本書は辞書に採用されなかった言葉たちの紹介と解説。いつ頃から使われだしたか、どれくらい浸透しているか、どこから出てきたのか考察してあって日本語の勉強にもなる。言葉ってどんどん生まれたり消えたり変化したりしているなあ。これらの不採用語ものちに掲載されるかもしれない。前述の他の本と合わせて読むのをおすすめ。『辞書に載る~』と本書は他サイトの月イチ書評連載で取り上げました。
読了日:9月5日 著者:飯間浩明


図書館の主 13 (芳文社コミックス)図書館の主 13 (芳文社コミックス)感想
今回取り上げられた作品は『ハイジ』。言わずと知れた、と言ってしまいがちだが、「タイトルを知っている」のは「読んだことがある」の中には入らんからな、と主人公。釘を刺された。ゴメンなさい。(^_^;) (司書が)「本を読むのは知識を増やすためだけじゃない、本を読む人間の気持ちを理解するためでもある」も名セリフ。そういえば、私が学生のおすすめ本を読み進めていると言ったときに否定的な反応をしたセンセイたちがいたなあ。この二つのフレーズをお贈りしよう。でも私も最近学生のおすすめはお休み気味。また読もうっと。
読了日:9月8日 著者:篠原ウミハル


私は東ドイツに生まれた―壁の向こうの日常生活私は東ドイツに生まれた―壁の向こうの日常生活感想
東独といえば監視、統制、物不足といった像ばかりが流されがちだが、みんなが「毎日泣き暮らしていたわけでは」ない。幸せに暮らしていた人々もいたのだというスタンスで書かれている。日常生活から教育、進路、仕事、兵役、政治の話まで幅広い。東ドイツに生まれて青年期まで幸せに暮らし、愛する故郷として肯定する立場からの記述は面白い。特に子育て支援策はとても興味深い。ただ、1953年の東ドイツ、1968年のチェコスロヴァキアへのソ連軍侵攻を単なる「暴動」のように記述しているくだりは違和感がある。注が欲しいところ。
読了日:9月10日 著者:フランクリースナー


ホロコーストを次世代に伝える―アウシュヴィッツ・ミュージアムのガイドとして (岩波ブックレット)ホロコーストを次世代に伝える―アウシュヴィッツ・ミュージアムのガイドとして (岩波ブックレット)感想
著者はアウシュヴィッツ・ミュージアムの公式ガイド。アウシュヴィッツの収容所跡そのものの説明もあるが、むしろ戦後生まれの日本人が距離的にも関係性においても離れた地で戦争遺産の案内をする意味と意義について語る部分が印象深く、共感する。中谷氏による、より詳細な案内書もあるので、そちらも続いて読みたい。そして、そう遠くないうちに中谷氏に現地を案内していただきたいと思っている。
読了日:9月14日 著者:中谷剛


本棚にもルールがある---ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか本棚にもルールがある---ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか感想
前半は文字通り本棚のつくり方。たくさん本を置いておけないビジネスマン向け。後半は本の読み方や書評の書き方。読むときは「驚いた新しい事実」「人に紹介するとしたらこのフレーズ」に付箋をつけるという。スッキリした上手い指針。付箋の色を変えるといいかも。オマケの書評の書き方指南が具体的で参考になるだろう。ただ、書き手の個性はいらない、誰が書いても同じといわれるような文章こそいい書評、というのは誤解を生むかも。面白い本の面白いところの紹介にも書き手の個性や思想が反映されている。そして異論や批判も私は読みたい。
読了日:9月15日 著者:成毛眞


アウシュヴィッツは終わらない―あるイタリア人生存者の考察 (朝日選書)アウシュヴィッツは終わらない―あるイタリア人生存者の考察 (朝日選書)感想
フランクル『夜と霧』と同様、収容所の劣悪な居住環境、慢性的な飢え、 過酷な労働、暴力、怪我や病気、迫る死の恐怖を記録している。労働者として収容された人たちは、名前を奪われ、囚人番号で管理され、「ぼろきれ」扱い「奴隷」扱いされるのだが、それでも、それぞれ知恵を絞ってなんとか生きのびようとする。危険を冒して配給物を盗んだり、物々交換が行われたり、なんとか手に入れたものから何かを作ったりする様子はユーモアを交えた表現で描かれている。本書の巻末「若い読者にこたえる」という質疑応答部分も必読。→ブログに詳細
読了日:9月17日 著者:プリーモ・レーヴィ


アンペルマン 東ドイツ生まれの人気キャラクターアンペルマン 東ドイツ生まれの人気キャラクター感想
ベルリンに行ったら絶対見たかったのが、東ドイツ生まれの信号機の中の人、「アンペルマン」の実物。今年8月にベルリンに到着した日、さっそく信号機を発見して大興奮! 実は旧東ドイツだけでなく、今や西側だった地区でも使われているとのこと。ベルリンにいる間、たくさんのアンペルマンが働いているのを見ることができて幸せだった。本書はアンペルマン誕生から撤去、復活のお話とベルリン案内、さらには世界の信号機の紹介。エアフルトにはいろんなバージョンのアンペルマンがいるとか。これは行かねば。
読了日:9月17日 著者:高橋徹


フードバンクという挑戦――貧困と飽食のあいだで (岩波現代文庫)フードバンクという挑戦――貧困と飽食のあいだで (岩波現代文庫)感想
十分食べられるにもかかわらず包装のへこみなどの理由で廃棄される食品を困窮する人々に食べてもらう活動。2008年版では、日本でのフードバンクの活動はまだまだ始まったばかりという段階だったが、2016年版によれば、リーマンショック後、日本でもフードバングの活動が広がり、団体数や活動の多様性も増しているという。しかし、いずこも活動資金には事欠いており継続が危ぶまれている。食品ロスや貧困を減らす努力も大事だが、どうしても出てしまう余剰食品を活用して現に困っている人を救済する活動もまだまだ必要。支援が望まれる。
読了日:9月19日 著者:大原悦子


そこに僕らは居合わせた―― 語り伝える、ナチス・ドイツ下の記憶そこに僕らは居合わせた―― 語り伝える、ナチス・ドイツ下の記憶感想
短編小説集。多くは作家自身が見聞きしたことを基にしている。共通するのは、若者から見たナチスドイツ時代という視点。今にして思えばという記述になっているが、それがかえって、無名の人々が背負ってきた重い過去が無数にあることを実感させる。戦争や迫害の責任は普通の人々にもある、そうした過去をなかったことにしてきた人々がいることを現代の若者が祖父母世代に問い直すというスタイルは、長く教師をしてきた作家ならではだと思う。さらさらと読めて、それでいて胸や脳裏に残る作品集。彼女の作品がもっと翻訳されることを期待。
読了日:9月22日 著者:グードルン・パウゼヴァング


ドイツの見えない壁―女が問い直す統一 (岩波新書 新赤版 (314))ドイツの見えない壁―女が問い直す統一 (岩波新書 新赤版 (314))感想
3人の女性学研究者による著作。統一後(1992年2月頃)のドイツ、特に旧東独の女性の状況を現地調査を中心にまとめている。社会主義時代、労働力確保のために整備された母性保護、社会保障の制度は統一後に失われる。東独の女性たちはそのような状況下で次々失業の憂き目にあう。そうした事態を少しでも打開するために奮闘する女性活動家たちの苦闘が浮かび上がる。3人の著者の執筆分担が錯綜しているからか、若干ひっかかりながら読み終えたが、興味深い事例や事実が紹介されていたので、気になる事項のその後を調べてみたい。
読了日:9月29日 著者:上野千鶴子


SAPEURS  - Gentlemen of BacongoSAPEURS - Gentlemen of Bacongo感想
いや、これはお洒落だ! 目の覚めるような華やかな配色、手入れの行き届いた洋服や小物や靴、堂々たる着こなし。コンゴにこんなファッショナブルな紳士集団が! 友人に教えてもらって手に取った本だが、予想以上に強烈な魅力を放っていて見惚れてしまった。コンゴという国で、これだけの服を、これだけの状態を保って着こなすというのは並大抵なことではないのでは。単に派手さや豪華さを競うのではない、あくまでエレガントさを追究する誇り高き紳士道。
読了日:9月30日 著者:DanieleTamagni



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by chekosan | 2016-10-01 20:08 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)