中・東欧、ロシアのこと&大学教育のことを発信します


by chekosan

映画「パレードへようこそ」(原題 PRIDE)を観ました

昨年度の同志社の「ロシア・東欧地域研究」の授業で、
「1989年以降のロシア・東欧で表面化した新たな「壁」について調べなさい」
という小レポートを出したところ、大反響を読んだ発表がありました。

「ロシアにおけるLGBT差別」と題した発表だったのですが、
「壁」というお題から、このテーマを着想できたこと、
調べた内容、発表の仕方に、ほかの受講生がいたく感銘を受けて、
その日の感想カードは絶賛の嵐でした。

その後のレポートでも、この発表に感化され、別の観点から調べてみた、
という学生も複数現れるなど、たいへん良いスパイラルが生まれたのでした。

いまの学生にとっては、性的マイノリティの話題はタブーではなく、
社会的に注目・認知されていることで、調査研究対象にもなるのだ、
という認識があることがわかり、私自身もおおいに刺激を受けました。

◇◇◇

そんなわけで、ちょっと勉強してみようと、
LGBT関連の映画「パレードへようこそ」を観ました。

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こちらはサッチャー政権下のイギリスでの実話をもとにしています。
炭鉱閉鎖に抵抗して炭鉱ストを起こす労働者を警官がめった打ちにする映像を見て、
ロンドンのゲイ活動家たちが、労働者支援活動を始めます。
大きな力に虐げられる弱者どうし、連帯するのだと。

当時は同性愛というだけで逮捕、有罪になるような時代、
炭鉱組合に支援を申し出るのですが、同性愛者からの支援はいらないと次々断られ、
ウェールズの小さな町の組合だけが支援を受け入れます。

両者の出会いは最初はぎこちないのですが、パワフルな役員たちの尽力もあって、
町の人たちと活動家たちは仲間になっていきます。

炭鉱ストは一年を経て終結、活動は実を結ばなかったか、、、
と思われるのですが!!

途中からもうボロ泣き。感動のラストです。

(後の方に少しネタバレあり)


◇◇◇

LGBTのメンバーの葛藤や活躍や成長もみどころですが、
それ以上に、炭鉱町の女性たちが魅力的です。
明るくて、偏見がなくて、意思が強く、行動的。
中心メンバーの一人は、その後、大学で学び、地方議員になります。

コメディなので、笑いどころもたくさん。
80年代に流行った曲も使われていて、ちょっとミュージカル的なところも。

ロンドンでの資金集めコンサートの手伝いに来た女性軍のはっちゃけ具合、
羽伸ばし具合は大いに笑えます。

◇◇◇

炭鉱ストが敗北し、中心人物たちもいったん散り散りになるのですが、
1985年のロンドンでのLGBTパレード(=PRIDE)でまた結集します。

政治的スローガンは禁止だと後方へ押しやられそうになる活動家たちですが、
そこに大型バスが大量に乗りつけます。
今度は全国から炭鉱労働者たちが彼らの支援に駆けつけてくれたのです。

炭鉱労働者たちとLGBTの人たちが先頭に立ったパレードは
歴史的な出来事となりました。

このあと炭鉱労働組合の強力な後押しによって、
英労働党は、同性愛者の権利保護を認める方向へと転換します。

◇◇◇

DVDには、「プライドの真実」と題した特別映像が入っています。
ここでは、当時の映像を交えて、本人たち、俳優たちが語っています。
これを見ると、映画はかなりご本人たちに似せて作っていると思います。

ただ、活動家たちを迎えた町の人たちは、はじめから歓待したそう。
そこは現実の方がスムーズだったのですね。

◇◇◇

いや~、面白い映画でした。

偶然にも、今年の夏、プラハ訪問予定期間に、プラハ・プライドが開催されます。
チェコは旧社会主義圏としては同性愛者の権利保護に積極的なようです。
様子を見てきたいと思います。
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by chekosan | 2016-07-06 17:26 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)