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by chekosan

『コミュニティとマイクロ・ライブラリー』を読んで思うこと

先日、北浜・天満橋まちライブラリーツアーに参加しました。

もりのみやキューズモールのまちライブラリーに集合して、
大阪城を散策し、周辺のまちライブラリーを訪ねて、
最後は、まちライブラリー第1号のISまちライブラリーで、
本の紹介と屋上パーティを楽しむ企画です。
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まちライブラリーというのは、私設の小さな図書館です。
特に設置に決まりや要件があるわけではありません。
オフィスやお店の一角の本棚から、本格的な専門図書館まで、いろいろです。

提唱者の礒井さんが天満橋に開かれてから数年で全国に広がっています。

その経緯やコンセプト&私の個人的決意(?)はこちらにまとめました

    ISまちライブラリーの入り口。巣箱型本棚がかわいい!
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さて、まちライブラリーのような小規模な本のある空間は、
マイクロ・ライブラリーと呼ばれています。

そのマイクロ・ライブラリーが結集するサミットも3年連続で開催されています。
本書は、そのサミットの3年目の記録です。
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第1章はサミットのオープニングセッションの記録、
第2章は全国のまちライブラリーの活動発表、
第3章は全国950にのぼるマイクロ・ライブラリーの一覧です。

セッション登壇メンバーは、礒井氏、
神戸の井戸書店の森忠延氏、
岐阜の公立図書館長である吉成信夫氏、
大阪府立大学前学長の奥野武俊氏と、
「マイクロ」「民間」「図書館」という範疇を越えた顔ぶれです。

が、各人の活動や思い(懸念含む)や目指すものには共通点があり、
上の三要素をすべて満たすかどうかは重要ではありません。

実は、まちライブラリーがGW前後に催しているブックフェスタin 関西にも、
非常に多くの公立図書館が参加されています。

これはたいへん興味深い現象であると思います。

本を楽しみたい、本を介して人の交流を促したいという人や団体は、
官か民とか、規模の大小といったことにかかわらず
緩やかに繋がることができること、
そこには対立構造はもちろん上下関係もなく、
一緒に何かをしたり刺激を与えあったりできることを証明しているからです。

本書のタイトルにある「コミュニティ」は、
各マイクロ・ライブラリーのある地域コミュニティの意でしょうが、
本のある空間どうしのつながりというコミュニティも
どんどんと広がり強まっていると言えるでしょう。


ところが、こうした流れに乗り遅れているところがあるようです。

大阪府立大のまちライブラリー設立に尽力された奥野氏によると、
大学関係者のサミットやライブラリーへの関心はかなり薄いようなのです。

やっぱりそうなんだという感想を持ちました。
実際、2回目のサミットに行ったときも、
大学関係者が思いのほか少なそうな印象を受けたのです。

大学教員が本を読まなくなったわけではないはずですが、
最近ではオンラインで専門的な本や資料が入手できるようになっていますし、
仕事量がどんどん増えていることもあって、
図書館に頻繁に、そして長く滞在する教員があまりいないように思います。

それが大学教員の関心の低さに繋がっているのではないかと睨んでいます。

でも、大学関係者以外の方との本を通じた交流は、
学生や研究者仲間とのそれとはまた違う新鮮な刺激や発見があります。
また、おそらく学外の方にも刺激を得ていただけるのではないかと思います。
そうしたことも大学人には求められているのではないかと思います。
なにより本を通してのおしゃべりは楽しいです。

大学外での本の催しで大学関係者ともお会いできることを期待して。

☆☆☆

本書刊行を記念したトークイベントが開かれます
お話は、礒井さんと森さん。
神戸・板宿の井戸書店で、5月4日の10:30~12:00です。

☆☆☆

まちライブラリー マイクロ・ライブラリーサミット実行委員会2015編
礒井純充、奥野武俊、森忠延、吉成信夫 他 著
『コミュニティとマイクロ・ライブラリー』
(一般社団法人まちライブラリー 2016)
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by chekosan | 2016-04-21 02:42 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)