中・東欧、ロシアのこと&大学教育のことを発信します


by chekosan

ベルンハルト・シュリンク『逃げてゆく愛』(新潮クレストブックス 2001)



大ヒットした『朗読者』の著者の短編集。

7つの短編の主人公の年齢や経験や置かれている状況はそれぞれ違うのだが、
作者自身を反映しているのか、中流家庭で良い教育を受けて、
職業的にも活躍している/いきそうな現代の男性というところは共通している。

そんな彼らも、ナチス、アウシュビッツ、秘密警察といった
ドイツが抱える過去の問題に無関係ではいられない。

そうしたドイツの過去と、彼らの恋人や妻、子ども、友人との関係を絡み合わせ、
リアルに真摯に人の内面を描き出すのは、この著者の得意とするところである。

なかには、なんて身勝手な、、、と思う男性も登場するのだが、
彼らも悩んで迷って自問自答する。
その姿にはなんとなく情けないところもあって憎めない。

『朗読者』ほど重くなく、人生と社会と歴史とを考えさせる作品。

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by chekosan | 2015-11-19 16:26 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)