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by chekosan

西川伸一『オーウェル『動物農場』の政治学』(ロゴス 2010)

J・オーウェルの『動物農場』は、寓話の形をとって、
ロシア革命からスターリン時代のソ連を批判した小説ですが、
それにとどまらず時代や国を超えて政治や社会を考えることのできる名作です。

予備知識なく読んでも面白いのですが、
オーウェルが作品に込めた批判や隠喩がわかるともっと面白くなります。
この本はそれを手助けしてくれます。

さらに、オーウェルは(時代的に)そう意図したわけではないけれど、
こんな事件、こんな歴史も想起できる、とか、
政治学ではこうした事象をこのように一般化している、というように、
古代から現代に至るまでのさまざまな政治的、歴史的現象を引き出して
わかりやすく解説しています。

ですます体で書かれていて、ユーモアがあって、
しかも批判すべき政策や風潮は明確に批判されています。
「政治学」とは付いていますが、気負うことなく読むことができます。

一つのテキスト(原典)をただ読むだけでなく、
そこに込められたものを読み解き、
そこから連想できる事象を発展的に考察するとはこういうことですよ、
とお手本にしたい本です。



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by chekosan | 2015-11-10 19:06 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)