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by chekosan
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溝上慎一『アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換』(東信堂 2014)

いまや大学、そして高校にも導入せよと要請される「アクティブラーニング」。

定義や目的、効果などをきちんと把握・理解されないまま、
抵抗されたり形だけのものになっていたりすることも多いという状況を受けて、
アクティブラーニングとは、いつごろから、どのような背景で、
何を目的として提唱されるようになったのか、
そもそも「アクティブラーニング」とは何かを理論的に再検討する。

溝上氏のアクティブラーニングの定義は次のとおり。

一方的な知識伝達型講義を聴くという(受動的)学習を乗り越える意味での、あらゆる能動的な学習のこと。能動的な学習には、書く・話す・発表するなどの活動への関与と、そこで生じる認知プロセスの外化を伴う。

後半はアクティブラーニング型授業の実践例とその理論的検証を通して、
アクティブラーニングの必要性を説いている。

実践例とはいっても、ハウトゥーを指南するためではないので、
とりあえず何かアクティブラーニングを取り入れた授業をせねば、
という人は、別の指南書をあわせて読むとよい。

背景と経緯、定義と目的が書かれた第1章、第2章が最重要パートではあるが、
第5章で著者が数々のシンポジウムなどの質疑応答で寄せられた質問に対して
答えている部分が本音満載、筆が乗っているというのだろうか、面白い。

溝上慎一『アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換』(東信堂 2014)_b0066960_140714.jpg


本書のなかでも紹介されている安永悟先生が推進されている
LTD話し合い学習法のワークショップは2度ほど出ましたが、
非常に知的な興奮を覚えました。関連書籍、たくさん出ています。
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by chekosan | 2015-09-23 14:05 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)