中・東欧、ロシアのこと&大学教育のことを発信します


by chekosan

8月の読書記録(読書メーター記録分)

7日まで授業や成績付け、そのあとは原稿で、旅行も行けずじまいな8月でしたが、
学生のおすすめの一冊を中心に本はたくさん読めました。^^

2015年8月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:5032ページ
ナイス数:515ナイス



悪童日記 (ハヤカワepi文庫)
悪童日記 (ハヤカワepi文庫)感想
学生の「おすすめの一冊」。文中には時代も人名も地名も一切出てこないが、第二次大戦中のハンガリーが舞台なのはまちがいない。今の常識や感覚からすれば異常とされるような生と性と死に関わる残酷で生々しいシーンが満載だが、戦後しばらくまでは日本でもどこでも同じようなことは起こっていただろう。この作品の主人公である双子のように、子どもだって生きるためにはなんでもしていた。続編があるようなので読みたい。映画も見たい。浦沢直樹『MONSTER』が好きな人、中・東欧の歴史が好きな人、美少年ものが好きな人におすすめ。
読了日:8月1日 著者:アゴタクリストフ


ぼくは明日、昨日のきみとデートする (宝島社文庫)ぼくは明日、昨日のきみとデートする (宝島社文庫)感想
学生の「おすすめの一冊」。タイトルで予想がつくうえに、学生の書評の草稿が思いっきりネタバレで、すっかり話がわかってしまっていました。^^; だから泣くまでには至らなかったけど、「2度目もキュンキュンするんですよ、先生!」というのは、うん、わかるわかる。舞台が京都なので、よく知った地名や大学名が出てくるのが楽しい。主人公が通う「木野美術大学」はもちろん京都精華大ですよね。私、教えに行っていました。造形大もです。京産も聴講に行ってました。懐かしい。読み終えて、いま、宝ヶ池に無性に行きたくなってます。^ー^ 
読了日:8月2日 著者:七月隆文


植物図鑑 (幻冬舎文庫)植物図鑑 (幻冬舎文庫)感想
学生の「おすすめの一冊」。有川さんの本はこれまで何冊か読んで、どれも面白かったのだが、本作はなんとなく避けていた。「甘く」て、「キュンキュンする」という評をちらちら見聞きして、甘いだけならいらないかなあと。でも読んでみるとさほどではなく、むしろ、「雑草」と呼ばれるような草花の魅力を通じて日々の生活を大切にしたいと思わせてくれる爽やか小説だった。出てくるお料理、美味しそうだし! 買ってきたお弁当やパンやお惣菜で済ませることが続いたここ数か月。家ごはんって有難くて美味しいもんなあ。ああ、ていねいに生活しよ。
読了日:8月3日 著者:有川浩


虚像の道化師 ガリレオ 7虚像の道化師 ガリレオ 7感想
短編集。原稿で頭を使って疲れたので、気分転換に一話、二話ずつ、さらさらっと読んだ。これはちょっと気の毒かもという事件では人情味を感じさせるおちだったのは良かった。
読了日:8月10日 著者:東野圭吾


ギャラリーフェイク (4) (ビッグコミックス)ギャラリーフェイク (4) (ビッグコミックス)感想
ムソルグスキー「展覧会の絵」にインスピレーションを与えた画家ガルトマンの話を収録。好きなピアニストさんが「展覧会の絵」を十八番にされていて、ガルトマンの作品も含めて研究されているので面白く読んだ。個人が苦労して守っているお城の話も良かった。鏡の話はラストシーンがちょっとなあ… フジタさん、ちょっと知り合っただけでそういうことしちゃうんだ… 青年誌に連載していたから読者サービス? そこだけ違和感ありの4巻でした。
読了日:8月10日 著者:細野不二彦


人を動かす 新装版人を動かす 新装版感想
学生のおすすめの一冊。どう接すれば人は動いてくれるかを説く本。著名人らの言葉も多数出てくるが、それよりもカーネギーの講習会に出て「人を動かす原則」を実践した普通の人たちの事例が面白い。通底しているのは、「人は自己が重要と思いたいもの」を意識するということ。その上で、心からほめる、相手の言うことを認める、先に誤りを指摘しない、相手が求めていることをくみとることを勧める。ただし、この原則が効果を発揮するには、リーダーや上の立場にある人自身もちゃんと動き、生み出し、人に尽くしていることが前提だと思う。
読了日:8月11日 著者:デールカーネギー,DaleCarnegie,山口博


DIVE!!〈上〉 (角川文庫)DIVE!!〈上〉 (角川文庫)感想
学生のおすすめの一冊。あさのあつこ『バッテリー』佐藤多佳子『一瞬の風になれ』とともに学生に人気のスポーツものだが、なんとなく後回しにしていた。はじめのうちは主人公と思われる中2少年のキャラが立っていなくて、なんとなく甘ったるい感じ。野生児として強烈な個性をもって出現したはずの高校生も途中からちょっと半端になるし… 飛び込みの説明部分が妙に説明くさい文体なのも若干興ざめな。でも下巻からは俄然話が動き出して登場人物たちも生き生きしてくるので、これから読む方、上巻でやめずに下巻までいっちゃってください。
読了日:8月16日 著者:森絵都


DIVE!!〈下〉 (角川文庫)DIVE!!〈下〉 (角川文庫)感想
学生のおすすめの一冊。下巻は勢いがある。文章もこなれて、登場人物もいい感じにとんがっていく。サラブレッド君の努力と気高さと苦悩と脱皮が良かった。話が出来過ぎな気もするが、実際のスポーツの世界も競技によっては中高生くらいのときに大化けしたり開花したりするもんなあ。で、そういう選手たちは小説以上の、血を吐くような練習を積んでいるんですよね。個人競技は自分との闘いとはいえ、ライバルや超えたいと思う選手がいる方が踏ん張れたり目標が高くなったりするんですよね。クライマックスの試合、爽やかでスカッとしました。
読了日:8月16日 著者:森絵都


読書イベントアイデア集―中・高校生編 (はじめよう学校図書館)読書イベントアイデア集―中・高校生編 (はじめよう学校図書館)感想
岡山の県立高校で図書館を担当されたきた国語の先生の実践。朝の一斉読書から始まり、年間~3年計画で、本や新聞を読み、感想や意見を学内外に発信し、共有するための指導方法。薄いが内容は濃い。読書ノートや展示の例も写真で掲載。これだけの読書指導を中学・高校でみっちり受けてきてくれたら、大学の初年次ではさらに深い、次元の高い演習ができるのだけど… でもこれを実践するには教員の努力や力量がものをいうなぁ。一学期だけで教員が38冊のブックレビューというのは一人であっても、複数の教員に呼びかけてのことだとしてもすごい。
読了日:8月17日 著者:高見京子


夏の庭―The Friends (新潮文庫)夏の庭―The Friends (新潮文庫)感想
学生のおすすめの一冊。「新潮文庫の100冊」に値すると思う。まだまだ子どもだけどいろいろなことがわかりだす小6男児3人組と近所のおじいさんとのひと夏の交流。登場人物が抱える過去と現在の問題が少しずつほぐれていく。何がしたいかわからなかった主人公がラストで父親に将来について話す場面がいい。ストーリーはすぐに見えるが細部の描写がいい。ノスタルジックな日本の夏の情景がやわらかく描かれる。梨木香歩『西の魔女が死んだ』と通じるものがある。作者は音大の作曲科出身。天はニ物も三物も与えるなぁ。
読了日:8月18日 著者:湯本香樹実


公開処刑人 森のくまさん (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)公開処刑人 森のくまさん (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
学生のおすすめの一冊。うーむ。学生の書評の草稿で、明確なネタバレではなかったが登場人物のラインナップを見ればそれしかないなと犯人に見当がついてしまっていたので、意外性はなかった。ほかの方のレビューを拝見しても、やはり早い段階で犯人はわかったという方が多数。^^; クライマックスのはずの場面は暴力シーンがくどくて冗長かな。脇役だった女子高生2人たちの変化はちょっとコワイかも。とりあえずやたらと残忍なんだけど軽い文体で場面転換が速いのでサラッと読み終わる。
読了日:8月19日 著者:堀内公太郎


いじめられっ子のチャンピオンベルトいじめられっ子のチャンピオンベルト感想
学生のおすすめの一冊。内藤氏が世界チャンピオンになって注目されだしたころ、プロボクサーにもこういう常識的な人のよさそうな人が現れたかという印象をもった。彼は業界のイメージアップに貢献したと思う。関係者に配慮してか、中学時代のいじめや、ボクシングを続けるなかでの苦労についてはさらっとした記述。自分に自信のない子、いじめをうけて苦しんでいる子が読めば勇気をもらえるかも。努力はその分野では必ずしも報われないかもしれないが、どこかで必ずなにかの力になるという趣旨のあとがきがいい。
読了日:8月19日 著者:内藤大助


ひゃくはちひゃくはち感想
学生のおすすめの一冊。「ひゃくはち」とは煩悩の数と野球のボールの縫い目の数を掛けている。タイトル通り煩悩の塊な高校球児の青春物語。激戦区神奈川の強豪校で進学校の球児たちが毎週合コン、飲酒喫煙、女の子とすぐにどうこうなんてあるのかな? 恋人一筋という主人公の親友も二度も「失敗」しているし。と突っ込みどころは満載だが、テンポがいいので一気に読めた。読みながら、学生たちが高校の頃の話を目をキラキラさせて話してくれるときの様子が浮かんできた。またそんな話、聞かせてもらおう。飲酒喫煙不純異性交遊話は抜きで。^^
読了日:8月21日 著者:早見和真


図書館からの贈り物図書館からの贈り物感想
滋賀県を全国一の図書館先進県に押し上げた立役者のお一人。成功の要因は、図書館長と職員が専門職であることにこだわり質の高い図書館運営を続けたこと。今では珍しくないが、図書館で音楽会や展覧会、講演会を催すなど、広い意味での資料提供、文化交流の場を創られた。最近、図書館のビジネス支援が話題になっているが、甲西町立図書館では開館当初から役所内で滞留しがちな情報を広く公開し、その効果を知った役所の各課から協力要請の相談が相次いだという。その他、図書館をめぐる様々な経験や主張や提言、利用者との交流などを多数紹介。
読了日:8月24日 著者:梅澤幸平


キャッチャー・イン・ザ・トイレット!  (双葉文庫)キャッチャー・イン・ザ・トイレット! (双葉文庫)感想
学生のおすすめの一冊。でなければ手に取ることはまずなかった本(笑)。この本を選んだ学生がとても読ませる書評を書いたので、彼が薦めるならと読んでみたら、原稿の締め切り目前にも関わらず一気読みしてしまった。^^; はじめは中3男子の妄想爆発に笑えるけど、そのうち胸が苦しくなる青春もの。文章はけっこう好きかも。でもまあ、、、女性のなかには本気で嫌悪感持つ人もいると思うのでおすすめはしません。^^;
読了日:8月24日 著者:伊瀬勝良


そうだ、葉っぱを売ろう!  過疎の町、どん底からの再生そうだ、葉っぱを売ろう! 過疎の町、どん底からの再生感想
高齢化が進み、すっかりジリ貧だった町に農協の営農指導員として赴任した著者は、女性や高齢者でも現金収入が得られるものを探すうちに「つまもの」(葉っぱ)を売ることを思いつく。成功の秘訣は現場を大事にすること、女性と高齢者が主役にすること、やる気を育てること、そのための仕組みをつくること。何もない山間部の町だからこそできることに着目したことで、上勝町は今や農業以外でも注目される町となっている。過疎の町、村の農業活性化の成功例としてだけでなく、いろいろな組織運営、ビジネス手法の参考になる。おすすめ。
読了日:8月25日 著者:横石知二


黒猫の遊歩あるいは美学講義 (ハヤカワ文庫JA)黒猫の遊歩あるいは美学講義 (ハヤカワ文庫JA)感想
学生のおすすめの一冊。ポオの作品をモチーフにした、美学を用いた謎解き短編連作小説。雰囲気はあるが、24歳で大学教授の美青年が探偵役というのはありえなさすぎかな。ほかの登場人物の造形もやや定まっていない印象。ポオは子どもの頃に2,3編読んだきりなので、この作品の売りである美学的な解釈が果たして適切なのか、オリジナリティがあるのかまったくわからないのだけど、高3のとき担任の国語の先生にあなたは文学部は合わないと言われたのは当たっていたなあと実感した。テキスト解釈の部分は気持ちが入っていかなかったです。^^;
読了日:8月28日 著者:森晶麿



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by chekosan | 2015-09-01 07:04 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)