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by chekosan

横石知二『そうだ、葉っぱを売ろう! 過疎の町、どん底からの再生』(ソフトバンククリエイティブ 2007)

料亭やお寿司やさんなどで使われる、
「つまもの」と呼ばれる料理に添える葉や花を出荷し、
一大ブランドにした徳島の小さな山間部の町、上勝町。

高齢化が進み、すっかりジリ貧だった町に、
農業大学校を出たばかりの著者が農協の営農指導員として赴任する。

ある年、寒害でみかんの木がことごとく枯死したことをきっかけに、
著者はほかの農産物の栽培と販路開拓に乗り出す。

女性や高齢者でも現金収入が得られるものを探すうちに
「つまもの」(葉っぱ)を売ることを思いつく。

その後は、どんなものが必要とされているのかを調べるため、
給料をすべて費やして、自腹で高級料亭のはしごをし、通風を発症。
農協の就業時間以外にも早朝から深夜まで働き詰めに働いたという。

その甲斐あって、上勝の葉っぱや農産物は今やブランド化している。

成功の秘訣は、

現場をしっかり見ること、現場の人を大事にすること、

とりわけ女性と高齢者が主役にすること。
著者いわく「実際には女の人が世の中のいろんなことの
7割から8割をやっているのだから、
女性が表に出てこないと絶対にダメだ」とのこと。

そして「気」を育てる=やる気を育てる、その気にさせること。
「仕事をもうちょっと頑張ろうと思うか、疲れたからもうやめようと思うかで、
結果は全然違ってくる。1年も経てばその差は歴然」だという。

そのために著者はFAX通信やパソコンによる情報システムなどの仕組みをつくり、
マメに情報を送信し、農家同士の良い競争意識を高めてきた。

そうしていくうちに、農家の女性たちの「ソフト力」
=感覚やセンス、社会動向への意識もどんどん高まったという。

一番大きく変化したのは、住民が町のことを
自分の問題として考えるようになったことだという。

山間部の何もない不利な町、ではなく、
だからこそこういうことができる、と逆手にとった発想で、
上勝町は今や農業以外でも注目される町となっている。

過疎の町、村の農業活性化の成功例としてだけでなく、
いろいろな組織運営、ビジネス手法の参考になる。おすすめ。

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by chekosan | 2015-08-25 10:44 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)