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by chekosan

D・カーネギー『人を動かす』(創元社 1999)

学生のおすすめの一冊。

職場や家庭で、どう接すれば人は動いてくれるかを説く本。
デール・カーネギーは鉄鋼王アンドルー・カーネギーとは別人だが、
本書には鉄鋼王の逸話もいろいろと出てくる。

セオドア・ルーズベルトや著名な企業人や軍人、歴史上の人物の例や、
著名人の著作からの引用も多数出てくるが、それよりも、
D・カーネギーの講習会に出て「人を動かす原則」を実践した普通の人たち、
ガソリンスタンドの経営者とか、工場の責任者や、親たちの事例が面白い。

カーネギーの「人を動かす」原則に通底しているのは、
「人は自己が重要と思いたいもの」だということを意識すること。

相手のプライドを傷つけるような言動は、まず良い効果は生まないという。

そこでカーネギーは、人に動いてもらいたいなら、
お世辞ではなく心からほめる、相手の言うことを認める、
先に誤りを指摘しない、相手が求めていることをくみとること。
笑顔で接すること、といったことを勧める。
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確かに納得できる心得が多いのだが、
これらの「人を動かす」原則が効果を発揮するには、
リーダーや上の立場にある人自身もちゃんと動いていて、
何かを生み出せていて、人のために尽くしていることが前提だろう。

否定や批判や議論を避け、人を持ち上げはするが、
結局、自身はなにもしない、人のために動かない、クリエイティブでない、
そして、動いた人に対して正当な評価をしないような人が、
表面だけ感じ良くふるまっても、効果は低いだろう。
動かされる人も表面的にしか働かないし、組織は緩慢に衰退する。

あくまで「人を動かしたい人」自身の実働や実力、
本心からの相手への敬意があってこそだろう。


なお、付録として「幸福な家庭をつくる七原則」が載っているが、
この部分は原著の改訂版には収録されていないという。
原著改訂版のとおり、なくていいように思う。
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by chekosan | 2015-08-11 22:58 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)