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by chekosan

映画「グローリー 明日への行進」(原題 SELMA)

学生のころ、英語の時間に、
1960年代にアメリカで黒人の公民権運動を率いた
マルティン・ルーサー・キング Jr.牧師の有名な演説、
“I Have a Dream” (1963年)を聞く機会がありました。

言葉はこんなにも人の心を動かすものなのかと深く感動し、
大きな衝撃を受けました。


「グローリー」は、そのキング牧師を描いた物語です。
意外にもキング牧師を取り上げた映画はこれが初めてだとか?
映画評を見て、即座に上映情報をチェック、速攻で予約して観てきました。


映画は、“I Have a Dream” の演説から一年後、
1964年のノーベル平和賞受賞のシーンから始まります。

牧師たちの活動が功を奏して公民権法はできたものの、
黒人の有権者登録には高いハードルが課され、
登録に行くだけでも新聞に名前住所が載り、
あたかも悪事をはたらいたかのような扱いを受けていた時期です。

キング牧師も、世界的に有名な活動家として名をはせ、
ジョンソン米大統領とも面談や電話会談をするまでになっていますが、
黒人差別の激しい地域に行くと、土地の白人から手荒い「挨拶」を受けます。
自宅の電話はFBIに盗聴され、家族への脅迫電話もしょっちゅうです。

全米でもっとも黒人差別が激しい地域に行けば、
平和で秩序立った示威行為(役所に登録に行くだけ)に対しても、
保安隊は容赦なく暴力をふるい、キング牧師たちは逮捕されます。

しかし牧師たちは、あくまで非暴力で立ち向かいます。
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この映画はキング牧師を、聖人君子ではない、
動揺し、不安を抱き、疲れたとつぶやき、もうやめたいと思い悩む、
人間くさい、若い指導者として描いています。

決してスラリとした美男子ではないし、
妻がマルコムxと会談したと聞けばやきもちもやくし、
それでいて妻に他に女性がいることを問われれば即答できないし。
そんな弱いところもたくさん描かれます。

でも、犠牲者やけが人が出れば心から怒り、涙し、
圧倒的なカリスマ性をもって人々を力強く鼓舞し、
世界一の大国アメリカの大統領にさえも食ってかかっていく。
そんな両面性を描くことで、牧師の人間的な魅力を引き出しています。

キング牧師の仲間や、権利を求めて活動に参加する住民たちも
とても魅力的に描かれています。

とりわけ運動に関わる黒人女性たちの強さと気高さは印象的でした。
これは監督が女性ということもあるのでしょうか。

128分の映画ですが、長さを感じさせない勢いがあります。
感動しやすい人は涙ボタボタなシーンがたくさんありますので、ご注意を。

おすすめです。
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by chekosan | 2015-06-28 03:18 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)