三浦しをん 『神去なあなあ日常』(徳間文庫 2012年)、『神去なあなあ夜話』(徳間書店 2012年)
2015年 01月 08日
2014年に「WOOD JOB!」のタイトルで映画化されています。
実写向きな話なので、きっといいだろうな。ぜひ観たいです。
写真左: 映画のシーンを使った文庫カバー、
中央: もともとの文庫のカバー裏面にもイラストがあります。これがまたいいのです。
右: 『夜話』の単行本。内部にもイラストあり。イメージどおりです。^^
『神去なあなあ日常』(徳間文庫 2012年)
高校卒業後はフリーターのつもりだった主人公が山奥の村に林業の見習いに出される。
携帯もネットも使えず、脱走もできない山奥で自然と格闘するうち村になじんでいく。
ゆったりと無理のない展開、詳細だがわかりやすい説明で山の仕事の魅力を描いている。
恋愛要素もやはりゆったりとからむ程度でいい感じ。
映画の題名「WOOD JOB」の方が手を取る人が多そうだけど。
同じく三浦しをん氏の『舟を編む』といい、
仕事に誇りと愛情を持って向き合う人たちの話は前向きになれていいですね。
『神去なあなあ夜話』(徳間書店 2012年)
前作は少子・高齢化が進む中山間地域に突然放り込まれた若者が
林業や村の日常の魅力に気づいていく話だったが、
今作はちょっと「あだるとな話」が加わって、まさに「夜話」。
とは言っても、濃すぎず、どぎつくなく、やっぱり「なあなあ」に(ゆったりと)、ユーモラスに、
村の伝説や信仰、登場人物たちの過去や生活が描かれていく。
若くして一帯の山を管理する「おやかた」になった清一さんが魅力的。
その一人息子も素直でかわいい。
そして彼の成長を見守って支える主人公や村の人たちがあったかい。
続編出るかな。余韻を残しておしまいかな?