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中・東欧、ロシア、大学教育、美術展、映画鑑賞などなど


by chekosan
1992年ごろから始まった内戦の被害が色濃く残るサラエボを舞台にした映画「サラエボの花」を観ました。

サラエボのシングルマザーと思春期12歳娘を中心とした話です。

父親は内戦で殉死したと母は言っていますが、詳細はわかりません。遺体も発見されていないし、どこでどう亡くなったのかもはっきりしません。でも、娘は父親を誇りに思っています。自分に父の面影があるかと尋ね、髪の色が同じだと聞くと嬉しそうにします。

母は、男性に密着されることに恐怖感を抱いてパニック発作が出ます。

となると、なにがあったのかは想像がつきます…


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多くの人が職を失い、社会主義期のような国の支えもなくなり、母子の生活もカツカツです。でもなんとか娘を修学旅行に行かせてやりたくて、母は夜にバーでウェイトレスをすることにします。

一方、思春期娘は、自分の出自やアイデンティティ、父への思慕、友達との関係、恋の芽生えといったような思春期の少女にとっては重大なことがらが一気に襲ってきて、不安定このうえない。

母の勤めの間、世話をしてくれる母の友人に「オールドミス」などと失礼なことを言ったりします。少女にとっては軽口なのでしょうが、おそらくこの友人も母と同様な目に遭っていると思われるので、実はたいへんむごい言葉です。

さらに娘は、母の苦境を理解せず、逆に苦労を踏みにじるような言動をします。とうとう母が押し殺していた苦悩と感情を爆発させる場面はとても辛いものでした。

それでも、その衝突があったからこそ、母子は決定的な断絶を乗り越えて未来に向けて歩いていこうとします。

女性たちの心情や協力関係がリアルでいい感じに描かれているなあと思ったら、監督は若手の女性でした。やはり。


ーーー

このような被害にあった女性たちは、長らく声をあげられないでいましたが、「戦争被害」として認めるよう国に働きかけ、加害者の責任や被害者への支援を求める動きが起こっています。

2018年4月8日毎日新聞の記事より。





レイプによって生まれた青年が親を探すドキュメンタリー映画も作られています。

2015年5月、AFPの記事。

The Guardian の方がやや詳しく、映画「サラエボの花」についても少し触れています。



こちらは動画。別の女性も出てきます。






映画でも出てきた生物学上の「父」である、「チェトニク兵士」とは、セルビア民族主義の民兵集団です。これについて説明している動画がありました。




被害に遭った女性たちにとっても過去のことではない苦しみであり続けていますが、次世代にとっても自らの根幹にかかわる問題です。



# by chekosan | 2019-07-20 23:28 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
癒し系科目、外国書研究@関西大学、今期もまったり穏やかに終了しました。

春学期は、こういう感じの教室が多いです。黒板に向かって座るタイプ。

PCと映写の用意は、授業をサポートしてくれるセンターのアルバイト学生さんが、授業開始前に設置してくださっています。回収もしていただけるので助かります。このサポートは本当にありがたいです。



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これまでもそうでしたが、英文記事を一緒に読んだあと、その記事の内容に関連のあることを各自の視点で調べてもらうと、見事に取り上げることがばらけます。

それらをうまく並べると、まるでみんなで相談して分担したかのように、大きなストーリーが現れます。同じ記事を読んで、こんなに多岐にわたる調べものができるのかと学生も面白がってくれます。

私も参考になる文献を新たに知ることが多く、たいへん勉強になっています。

今学期は、小レポート提出と発表をパワーポイントでするよう指定しました(これまではワードでもパワポでも好きな方で出してもらっていた)。これは大成功でした。調べてきたことを披露するには、やはり見やすい形で提示する方がよく伝わります。構成をより意識しますし、画像などを添えることで明らかに効果を上げていました。


今期のテーマは、チェルノブイリ原発の今ダークツーリズムホロコースト反ユダヤ主義でした。英文のニュースやEUの報告書など、8種類ほどの英文を読み、4回小レポートを出して発表してもらいました。

かつては、毎回毎回、小さな調べものを発表してもらっていたのですが、小ネタになりすぎたり、ネタが尽きたりするデメリットがあったので、最近では、英文記事の内容把握が一段落したら発表大会という流れにしています。

英語の文献を読むという科目ですが、「英語科目」ではなく、3~4回生対象の専門科目という位置づけなので、文献を探して読んで、それを共有することを重視しています。

お互いの発表を聞くのは好評なので、今後も、マイナーチェンジはしてもやめることなく続けるつもりです。

最終回のアンケートで、「ディスカッションなどがあっても良かったかも」という意見があって、ああ、確かに、それは今期はしなかったなあ!と反省。

わりと発表が充実していて、時間もだいぶ使ったので、直接学生同士が話す機会を設けることはしませんでした。でも、受講生からも望む声が出たことですし、秋学期には復活させようと思います。



# by chekosan | 2019-07-20 00:08 | 大学教育 | Trackback | Comments(0)
映画「東ベルリンから来た女」を3年半がかりで観ました(笑)

2016年3月にドイツに行ったときに機内で見始めたのですが、そのときはあまり面白みを感じず、すぐにやめてしまいました。その頃の私にとっては、映画は「がんばって観る」もので、すごく疲れることだったのです。

でも、1980年の東ドイツが舞台で、シュタージ(いわゆる秘密警察)がからむ話なので、見ておかないとなとずっと気になっていました。

なにしろ、わたくし、「「負の遺産」をどう伝えるか ー旧東独のシュタージ関連施設の事例」という論文を2017年に出していますし。

余談ですが、これ、なぜかいまだにコンスタントにアクセスしていただいています。外国からのアクセスも。日本語オンリーなのですが。ドイツ関連は層が厚いのでしょうね。ありがとうございます。

で、ようやく観たら、なんだ、面白いじゃないか! しかも、「アイヒマンを追え!」や「僕たちは希望という名の列車に乗った」にも出ていた、ロナルト・ツェアフェルトさん(好き♡)が準主役じゃあないか! さっさと見ておけばよかった!


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原題は「バルバラ」、主人公の名前です。今回も邦題が原題からかけ離れてますが、たしかに「バルバラ」では観る人少ないでしょうし、仕方ないのでしょうね。

彼女は有能な小児外科医ですが、恋人のいる西側に出国申請を出したために、ベルリンから田舎の病院に左遷されます。

四六時中、地元のシュタージが監視していて、ちょっと遠出をすると家宅捜索や身体検査を受けるような生活です。そのたびに家はぐちゃぐちゃになり、体の隅々まで検査されるような具合。

官舎の家主も、病院の同僚も彼女の行動を報告していて、気が休まる暇がありません。夜勤もあるため、常に疲れていて、ふらふらな毎日です。異動先の病院のスタッフとも交流せず、ピリピリした空気をまとっています。

そんなバルバラが唯一華やぎ、やわらかくなるのは、西側からそっと会いに来る恋人に会うときです。それも細心の注意を払って、ほんのひとときの逢瀬でしかないのですが。

恋人はバルバラを西側に脱出させようと手配し、彼女もそのつもりで準備を進めるのですが…


以下、ちょっとネタバレにつながる記述あります。


ーーー

バルバラは、素っ気なくて愛想も何もない、怖そうな人なのですが、患者には親身になって接します。

担当するティーンエイジャーの苦悩や苦境を見捨てることができず、疲労でふらふらでも本を読んであげたり、事情を探ったり、処置を検討したりします。

ひとりの少女は、「トルガウ作業所」という矯正施設から逃げ出した子です。保護施設、あるいは少年院のようなところなのでしょうか。鉄条網で仕切られていて、作業所とは名ばかりの「抹殺するため」の施設だとバルバラは糾弾しています。その子が妊娠しているということは、施設内で暴行にあったということかと思われます。

この少女に、バルバラは即座に的確な診断を下し、心から寄り添い、周囲のスタッフの信頼を得ます。

観ている方も、彼女は冷たい人なのではなくて、警戒しているために頑なな態度をとっているのだなということがわかってきます。


バルバラは勤務をこなしながら、自由と愛を求めて出国の準備を進めていくのですが、西側の恋人の一言が彼女に迷いを生じさせます。

彼は悪い人ではなく、バルバラを救い出そうと手を尽くしているのですが、西側に渡れば自分の稼ぎで十分食べていける、もうしんどい思いをして働かなくていいよ、と言ってしまうのです。

ああ、こりゃダメになりますよねえ。


彼が彼女とどういう経緯で知り合ったか、彼女の働きぶりを彼は知っているのかなどは語られないのですが、医者としてバリバリ働いてきた人にそれはないですよね。

たとえ自由の国に渡って、贅沢ができたとしても、彼だけを頼りに、何もせずに暮らしていくなんて。


対照的に、異動先の同僚は、ごっつい体にパツパツの白衣。スラっとスーツを着こなしたベンツに乗ってる西側の恋人とは何かと違うけど、使命感を持って医療にとりくんでいる。自宅の書棚には、医者の小説ばかりずらりと並んでいるし、職業人として、同業者として、尊敬できる。しかも、ちょっとした気配りができる温かい人。

自分を監視する役でもあるけれど、実は彼も監視され、利用される立場でもある…

閉塞的な国家や社会ではあっても、そこで目の前の患者たちに全力を尽くす形で職業人としての使命をまっとうすることを選んだ彼の生き方に、バルバラが影響を受けるのは至極納得でありました。



ということで、3年半目にはあっさり面白く鑑賞した本作品。

シュタージものの名作「善き人のためのソナタ」ほど劇的な話ではないですが、「東ベルリン」の方は、どう生きるかと考えさせられるという点で、学生に勧められる映画だなと思いました。









# by chekosan | 2019-07-17 09:53 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
ヒトラー暗殺を単独で企て(8人が死亡)、ダッハウ強制収容所で処刑されたドイツ人、ゲオルク・エルザーを描いた映画「ヒトラー暗殺、13分の誤算」を観ました。

これまた邦題が、、、嘘ではないけど、趣旨とちょっと違うような。

原題は、そのもの「Elser」。エルザーは実在の人物です。本作品は、彼に焦点を当てて、ほぼ史実に基づいてつくられた作品だそうです。



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ゲオルク・エルザーは、ドイツの片田舎の青年で、家具職人。酒場などでアコーディオンを弾いて歌ったりもしています。なにより自由を愛し、頑固な性格です。

共産党員ではないけれど、共産主義運動にシンパシーを抱いています。ナチが政権をとってからの抑圧・統制による政治には強い反発を感じ、危機感を抱いて、ヒトラーや幹部の暗殺を計画します。

生活のために工場に勤めたときに、起爆装置の設計技術を身に着け、方々から調達した(くすねた)材料でオリジナルの時限爆弾をつくり、ヒトラーが毎年、演説をするミュンヘンのビアホールにこっそり仕掛けます。

かなりの威力がある爆弾で、狙った時間に正確に爆発し、8人の死者を出したのですが、標的であったヒトラーは悪天候で予定を変更し、演説を早く切り上げて退出したため、難を逃れました。

捜査当局は、黒幕探しに必死になり、拷問で口を割らせようとするのですが、エルザーは自分がすべて計画したことを立証してみせます。

「転向」を口にしたため(?)、すぐに処刑されることはなく、5年もの間、強制収容所の特別囚として個室で過ごしました。

最後にはこっそりと処刑されてしまいます。


戦後、エルザーを、対ナチレジスタンスとして評価する動きが高まり、名を冠した賞もできているそうです。



ーーー

映画としては、ちょっと観るのがキツイ場面(拷問シーン)があり、胸が悪くなりました。田舎の場面も多いのですが、あまり絵面が美しくなく、登場人物たちにもあまり魅力を感じません。

エルザーはその場限りの関係の方があとくされがなくていいや、みたいな軽いあんちゃんで、そんなノリでDV夫に殴られている人妻にも接近していきます。

そのうち、その人妻に心底惚れていくのですが、いいかげんなヤツに見えてしまったあとなので、どうも共感できない。

人妻も、あんなDV夫がいるのに、警戒が足りなすぎじゃない?という軽率な行動をとる。うーん。

私生活部分にはフィクションが混じっているとエンドクレジットで出ていたので、それならもうちょいなんとかならなかったのかと思ってしまいました。

ーーー

むしろ、エルザーを尋問する、刑事警察局長のネーベの方が主役を食っていたような。

人の好いおっちゃんな風貌で、もう一人の捜査責任者である秘密警察(ゲシュタポ)のミュラー局長の冷徹さ、残忍さと好対照なキャラクター。

温厚でカツ丼を食べさせる刑事と、すぐカッとなって怒鳴りつける刑事がペアをなす刑事ものの典型みたいになっています。

そのネーベが、エルザーの信念に心動かされたか、ものすごく微妙に目の表情を変えるところが一番の見ものでした。

のちにネーベはヒトラー暗殺計画に関与して、処刑されます。

その下地をつくったのが、拷問にも屈しないエルザーの強い意志であったように、この作品では描いています。

ーーー

主人公にはあまり感情移入できなかったのですが、主人公が暗殺を企てるに至った経緯、つまり、ナチの勢力伸長に伴って、田舎でも共産党員やユダヤ人への弾圧、排斥が激化していく様子は、とても興味深かったです。

共産党支持者とナチ支持者が同等に対立している状況から、ナチが力を握り暴力的になっていくさま、共産党員が逮捕され、過酷な労働に従事されられるさま、子どもたちが早々と感化されていくさま、ユダヤ人とつきあっている女性を公衆が辱めるさま…

主人公一家は敬虔なカトリック信者なので、そのような動きには与さず、どんどん居心地が悪くなっていきます。

1934年のナチが主導した、プロパガンダに満ちた「収穫感謝祭」にも、主人公一家は抵抗感を抱きます。

祭りの目玉行事である映画上映会では村の運動会を撮影したものが見れるとあって、村の人は歓喜して押しかけます。

上映に先立つ挨拶では、ナチ党員が、ヒトラーがこうした技術を開発し、インフラ整備をしてくれるのだと宣伝します。3年以内には、道路が舗装され、みんながラジオを持てるようになるのだと。

こうした当時の風景が入っていたのが面白かったです。

参考:
民俗的な農村的な祭と政治宣伝を融合させた収穫感謝祭についての論文がありました。







# by chekosan | 2019-07-16 12:57 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
ちゃりら~~りらりら~~~ ちゃりら~~りらりら~~~♪

大昔、父の持っていた映画音楽大全集的なレコード数枚組のなかから気に入った曲をカセットテープに入れて、繰り返し聴いていました。

なかでもお気に入りだったのが、映画「第三の男」のテーマ曲です。

映画そのものは観ていなかったにもかかわらず、卒業旅行でウィーンに行ったときには、「第三の男ごっこ」などと言いながらロケ地になった墓地を歩いたり、プラーター遊園地の観覧車に興奮したりしていました。


まだフィルムで撮影していた時代。写真はきちんとアルバムに貼っていました。


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プラーター遊園地には、なんかよくわからない不気味でお茶目な作品がたくさんあり、一緒に記念撮影(笑)


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先日、本屋さんのワゴンセールでDVDを見つけて買っておいたのをようやく観ました。


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第二次世界大戦後のウィーンが舞台のサスペンスもの。

戦勝4か国が統治している時代で、まだまだ瓦礫だらけ。闇市で暗躍する人たち、偽造パスポートで密入国した人などが出てきます。

ウィーンの戦後というのは、あまり意識したことがなく、新鮮?な感覚で見ました。

白黒ですが、奥行き感のある画面が素敵。いまのぺったらこい安っぽいドラマの画面よりもずっといいです。

ストーリー自体は、会う予定だった親友が事故死していたのだけど、どうもおかしい気がするので探っていったら、親友の裏の顔がわかってきます。親友がしていたことが引き起こした悲劇に、主人公はショックを受けます。悩む主人公はいったいどうする!?というようなもの。

実際、戦中戦後は、欲のために悪事を働いた輩が多かったのでしょうね。そのために損をしたり、健康を害したり、命を失ったりする人がたくさんいたと思うと… いや、今も似たような悪事がありますね。(-_-;)



ところで、嬉しがって墓地で撮った写真ですが、これ、逆向きですね。手前に向かって歩いてこないといけなかったですね、多分(笑)

今度ウィーンに行くときには、正しい「第三の男ごっこ」、してこよう!

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なんだか内容と合っていないような曲ですが、かといって、ダダダダーン!みたいな劇的な曲だと、かえって名作としては残っていかなかったような気もします。思わず口ずさむ名曲ですね。






# by chekosan | 2019-07-14 18:29 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
ロシアのバレエ団、エイフマン・バレエの「アンナ・カレーニナ」を観ました。

会場はびわ湖ホールの大ホールです。

ホワイエには、こんな幕?が。格好の撮影スポットになっていました。(⌒∇⌒)



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音楽はチャイコフスキーの名曲を、トルストイの小説「アンナ・カレーニナ」の筋書きにあうよう編集したものです。

生演奏じゃないのは、ちょっと残念。やはり録音では少々物足りないですね。特にびわ湖ホールは本格的なオペラができるホールなので、生オーケストラが良かったな~。

ただ、終盤、アンナの精神が乱れていくところは、チャイコフスキーの曲ではなく、現代的な音で踊るので、仕方ないのかな?

踊り手さんたちは、少女漫画の登場人物が実体化したような人たちばかり。

かつて少女漫画を読んでいたころは、こんな人間おらんやろ!と突っ込みながらうっとりしていましたが、実在するのですね、ロシアには。

手足が長くて、顔が小さくて、9頭身か10頭身くらいある美しい人たちが舞台いっぱいに。

主役級の男性ダンサー2人は、特に長身だったのかな。とても迫力がありました!

途中までは、ダンサーの姿や動きが美しいなと観ていたのですが、終盤からラストは、踊りも演出も、心臓がドキドキするくらい盛り上がっていって、お話に入り込めました。

万雷の拍手で終わりました。

いや~、アンナさん役、出ずっぱり! たいへんな役ですね。

美しいものを見せていただいた午後でした。




上演時間は105分くらいでした。長すぎず良かった(笑)


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# by chekosan | 2019-07-13 21:33 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
ロシア人男性と結婚し、一年間サンクトペテルブルクに住んだシベリカ子さんによる、ロシア料理とロシアの魅力がふんだんに盛り込まれたコミックエッセイです。

ボルシチにビーフストロガノフ、ブリヌイ(パンケーキ)にペリメニ(餃子)、クワスにピロシキ…

カバーイラストにずらりと並んだおいしそうなロシア料理は、すべて本文中に出てくるもの。リカ子さん流レシピもあるので、お料理の再現も可能です。

大昔にソ連に語学研修に行ったとき、チェコで語学研修をしているときに知り合ったロシア人の友達のお家に招いてもらったときの思い出があふれてきました。

食は人生の基本、深いところに記憶を残してくれるように思います。



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# by chekosan | 2019-07-13 10:12 | 書いたもの | Trackback | Comments(0)
4日続けて映画です。

比較的新しい映画「Cold War あの歌、2つの心」。ポーランドものです。

またしても邦題がダサいし、恋愛ものらしいのでどうしようかな~と思ってました。恋愛もの見ても今さら足しにならないし(笑)

でも、先日観て印象的だった「イーダ」の監督作品だし、冷戦期のポーランドものだし、新聞の映画評にも何度も取り上げられているので、まあ観ておこうかと行ってまいりました。

今回は2回目の某シネコン。なんで地味な白黒ポーランド映画が、こんな大きなシネコンで上映されているんだろうと思ったら、アカデミー賞でいくつか賞を取っているんですね。

シネコンって、公開されるとチラシがもらえないんですよね。あれってなぜ? いつもの京都シネマだったら、公開してからでもチラシくれるのに。

それは仕方ないとしても、パンフレットが売り切れていたのはガーン。入荷見込みを聞いても「そういうことはわかりません」と言われ… 

でもまあ、予想どおりガラッガラ、傾斜や椅子の具合もよく、快適に鑑賞できました。あれで採算取れるのかしら。


さて、本題。

音楽が良かったです。音楽が主人公。劇場で観て正解でした。

以下、わりと独断と偏見に満ちた感想です。

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ダサいと酷評した邦題ですが、嘘はないです。冷戦時代に、歌を媒介にして巡り合った男女が、祖国と祖国の音楽と相手への愛に、没頭したり迷ったりしながら、でもやっぱりすべてを貫こうとして、くっついたり離れたりする話です。

ストーリーに関しては、なんかもっとさあ~、なんでそこでそうするかな~と、ぜんぜん感情移入できませんでした。でも、この2人、監督の両親がモデルだそう。そういう生き方の2人だったと言われれば仕方ないですね。


入り込めなかった細かいポイント。

男性のヴィクトルはポーランドの民族音楽を愛するピアニスト兼作曲・編曲家、女性のズーラは男性が指導する民族楽団のオーディションで見いだされた歌手の卵です。

このズーラがですね、ヴィクトルの仕事の相棒(女性の指導者)からはあまり評価されなかったのですが、ヴィクトルがやたら気に入って取り立てるんです。

なんかそこからもう、おじさん、ズーラの女性性に惹かれて引っ張ったの?って感じを抱いてしまいました。

だけどズーラってそこまで魅力的?なんて思いながら見ていたのですが、インターネットの感想を見て回っていると、「すごく美しくて魅惑的」という趣旨の男性の感想がありました。なら、単に好みの問題なのかもしれません、ごめんなさい。

昨日の「草原の実験」の少女や、おとといの「薔薇が死んだ」のカトゥちゃんが完璧に整った美形すぎたせいかもしれません。

入り込めなかったポイントその2.

ズーラは民族舞踊団の花形になるのですが、群舞のところで、一人、手や体の角度がズレていたりするんです。まわりの役者は本物の舞踊団の人たちらしいので差が出てしまうのでしょうが、ますますヴィクトルのお気に入りだから?みたいに見えてしまいました。

ただ、ソロで歌うシーンはモノクロ映像にぴったりなアンニュイさ。民族音楽よりもミュージカル映画で覚えた歌を口ずさむ方が合うけど、あえて抜擢したという筋書きには合っていました。



話が進むにつれて、時代も2年単位くらいで進んでいきます。そのたびに音楽も傾向が変わっていきます。

初めはポーランドの田舎で、本物の民謡を採取しているところから始まり、それを訓練を積んだ舞踊団が演奏し、50年代になるとスターリン賛歌を歌わされ、ヴィクトルがパリに歩いて亡命してからはジャズ、ロックが流れ… 

そのとき、そのときの情勢や状況が音楽によって表現されていきます。

粗野だけど本物の土着のものが「発掘」され、磨かれていき、神がかり的な域に達し、それがスレ(させられ)ていく。それとともに、パワーやレベルが落ち、気だるさをまとっていく感じが、映画の進行に合っていてうまいなあと思いました。

ジャンルとしてのジャズやロックが「落ちる」という話ではなく、あくまで、この映画の、この2人の関係性を示す音楽の使い方の話です。

そうそう、ズーラが、自分の十八番の歌のフランス語訳詞に文句をいう場面があるのですが、そこはすごくいいなと思いました。ヴィクトルに教わる立場だったズーラが、対等に、というかヴィクトルよりもずっと純粋に、音楽とことばを追求するプロ魂を見せる場面になっていました。


ーーー

ということで、主人公2人に感情移入できなかったので、あまり感動はなかったのですが、戦後すぐから60年代半ばくらいのポーランドやパリの雰囲気が凝縮されています。

廃墟となった教会や、なにもない平原の十字路にバスが停まるシーンなどは、「イーダ」を思い起こさせます。やはりポーランドとキリスト教は切り離せないですね。


# by chekosan | 2019-07-10 15:22 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
偶然見つけた映画「草原の実験」(2014年)、驚きの美しさでした。

こんな映画、そうはないんじゃないだろうか。

セリフ一切なし、説明一切なし。風の音、鳥のさえずり、雨といった自然の音や、音楽は入りますが、言葉がほぼ出てきません。

絵として、ソ連の新聞「イズベスチヤ」がちらっと映るくらい。それによって、ソ連の話であること、お父さんは新聞を読める(文字が読める)ことはわかります。

とにかく美しい。

ところが、これはカザフスタンで行われていた核実験をモチーフにした映画なのです。

まわりに何もない草原に父と住む娘が、近所(といっても見えないくらい離れている)の青年、バスのエンストでたまたま立ち寄った白人青年に思いを寄せられ、平穏な日々に変化が現れます。


以下、ネタバレ&推測。 


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冒頭、お父さんがトラックの荷台で羊を枕にお昼寝をしています。初めから謎な幕開けですが、家畜にするために買い取ってきたんでしょうか。

お父さんは元パイロット。ある日、やってきたプロペラ機の操縦士たちを歓迎し、ちょびっと操縦して、とても嬉しそう。

このとき、お父さんは、胸にソ連の赤星勲章(たぶん)をつけています。

パイロットたちがいきなり飛行機を操縦させてくれるわけはないでしょうから、既知の間柄で、お父さんを訪ねてきたのでしょうか。


お父さんはどう見てもアジア系、娘はアジア系が入っているけどお父さんとはだいぶ系統が違う感じ。壁に白人女性のスケッチが飾ってあるのは、亡きお母さんなのでしょうか。(でも2人の絵が並んでるっぽいので、どうなんだろう)


父と娘は、朝、娘の運転で草原をひた走ります。途中で娘が降りて、お父さんだけ仕事に向かいます。帰りに乗って帰るためでしょう。

娘は馬に乗った青年が乗せて家まで連れて帰ってくれます。

なぜ途中で娘が降りるのか、これはあとの方でわかってきます。


あるとき、お父さんがなかなか帰ってきません。やっと帰ってきたと思ったら、なにやら様子がおかしい。相当、具合が悪そうです。顔がどすぐろくやけて、息が荒い。

そうしていると、嵐の真夜中、銃をもった一団が押しかけ、ガイガーカウンターでどこもかも検査します。納屋に隠していた?金属のようなもの?は針が振り切れんばかり。(このあたり暗くてわかりづらい)

お父さんも嵐のなか、素っ裸にされて検査されます。お父さんからもけたたましい警告音。つまり、お父さんは被爆によって急激に体を悪くしていることがわかります。



そして、日が変わると、お父さんの具合はますます悪化。馬の少年が呼んでくれた軍医にジープで運ばれていきます。

お父さんが入院中に郵便屋さんがなにやら通知を持ってきますが、何が書いてあるのか、見ている方にはわかりません。

でも、こうなってくると、先になにが起こるかは予想がつきます…(´;ω;`) 

以下、ますますネタバレあり。

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この赤いスカーフもソ連らしいですね。


お父さんは結局、かえらぬ人に。少女はお父さんをひとりで弔います。正装をして静かに亡くなったお父さんの胸には、やはり勲章が。

少女はお父さんを埋めた場所に、毛糸で赤い星をつくって立てます。ソ連ですね。

さて、少女は文字が読めたのか、読めなかったのか。

郵便屋さんには受け取りのサインを書いているようだし、届いた電報かなにかを読んでいる感じでもあります。

お父さんに電報を渡そうとして、亡くなっていると気づいて、もう渡しても意味がないと、わざと風に飛ばした風に見えます。

字が読めるとしたら、おそらくこのあと起こりうることはわかりそうなもの。

読めたからこそ、大切なものだけを持って、ひとりで家を離れようとしたのかなと思ったのですが、どうでしょう。

というのは、小さなトランクにちょっとだけ荷物を詰めるとき、本を数冊、入れているんです。その一番上が、マヤコフスキーの本(たぶん詩集)なのです。

本は、お父さんの愛読書だったのかもしれませんが、お父さんの肖像画(スケッチ)は置いていくのに本は持っていくのだから、彼女は本に愛着があると思えます。


家を離れていく少女ですが、いつもお父さんを降ろしていたあたりでトラックがガス欠で止まってしまいます。徒歩で先に進むのですが、有刺鉄線で立ち往生します。

ここで、お父さんが仕事に行っていたのが核施設であろうこと、地平線まで見えるような一軒家に住んでいてガソリンが手に入っていたのはそのためだろうこと、娘を途中で降ろしていたのは施設に近寄らせないためではないかと推測するのです。


では、お父さんに、あの日、何があったのか。針が振り切れた物体はなんだったのか。被爆したとはっきりわかるようなことが起こって、その証拠を持って帰ったのか。

そういうわけではなく、お父さんの周りのものがすべて被爆していたことを示したシーンだったのか。

そのあたりはちょっとわからず。


先に進めなかった少女が仕方なく家に戻ると、馬の少年と親族が家で待っていてプロポーズをします。ちょっと怖い(笑)

しかし少女は白人青年を選びます。



まだ幼さの残る少女と白人青年が穏やかに仲睦まじく赤い糸であやとりをしていると、タイトルの意味が明確にわかるラストが…

ラストだけは書かないでおこう。

って、わかってしまうでしょうけど😅


というわけで、チラチラと映るものだけで判断していかなくてはいけない映画なのですが、主演の少女の美しさ、父娘の住む草原の雄大さ、そこに出て沈む太陽の美しさ、清貧な生活の様子を描くのには、言葉はいらない、言葉なしで正解だと感じました。


いいもの見せていただきました。









# by chekosan | 2019-07-09 19:17 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
ハンガリーの映画「薔薇は死んだ」も学生に教えてもらった映画です。

ただいま、Amazonプライムで無料。

どうも宣伝用の写真がイマイチです。映画本編では、3人の女性たちはもっとずっとキレイで魅力的で、おとろしい…

予告編は見どころが散りばめられていて、まだおすすめです。

舞台は第一次世界大戦直前のハンガリー。

中心的人物のエルザ様ーみんながそう呼ぶ女王様な存在-は金髪でタレ目で白い肌がまぶしくてエロい。男も女も思わず見とれてしまう、華のある女性、35歳。そろそろ皺が気になるお年頃。高級娼婦から名士の愛人になり、そろそろ妻、そして映画女優に!と焦っていたりします。

エルザ様の家政婦で、実はもとは逆の立場だったという敬虔なカトリック教徒のロージは、背が高くて、すっと背筋が伸びていて、肌が浅黒くて目が大きくて、意志が強そう。今は苦労と苦悩が顔に出てしまっていますが、整った理性的な顔立ち。

そこに雇われる新人家政婦カトゥは、ゆで卵を剥いたようなピカピカの超美少女。小柄なので、小さな子どものようにも見えます。世の中にはこんなキレイな顔面があるのだなあ~♡♡というくらい可愛い。

対照的なようで、実は似たところもある3人と、彼女らに関わる男性との愛憎がもつれあって悲劇が起こる…というお話。


4日間だけの出来事という設定です。もっと何日も経っているように感じました。えらい激動の4日間ですなあ。

映画としては、100分ほどと長くなく、女性たちの美しさや画面の美しさにうっとりしながら一気に観ました。


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この時代に、高貴な身分に生まれなかった女性が生きていくには、貧しい工場労働者か家政婦か。逆境をはねのけるために、裕福な男性をパトロンにしてのし上がっても、出自がついて回る。

しかも、年齢が上がれば「女」さえウリにならない。立ち直れないくらいヒドイ言葉を投げられたりしてしまう。

エルザのパトロンから、40代(?)のロージに投げつけられた、超~えげつない言葉には、くらくらめまいがしましたよ… 書くのもイヤだわ、ほんと…(-_-;)

なかなか面白い映画でしたが、オヤジの一言が話の筋よりも衝撃だったのでありました(笑)






# by chekosan | 2019-07-08 16:26 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)