人気ブログランキング | 話題のタグを見る

中・東欧、ロシア、大学教育、美術展、映画鑑賞などなど


by chekosan
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
梅雨明けの日曜日。

5月、6月と緊急事態宣言が発令されたため、2回延期となった講演会「チェコのマッチラベルデザインと旅のお話し会」に行ってきました。

会場は、京都府立京都学・歴彩館です。行くのは初めて…のような気がします。

お話は、中川可奈子さん。京都工芸繊維大学美術工芸資料館で開催されていたポスター展↓を企画された方でした。行きました。本も持っています。^^




中川さんがチェコに初めて行ったときのお話から、マッチラベルデザインとの出会い、大学院での研究、研究の成果、最近の語学研修の思い出などを、1時間にわたってお話されました。

「旅のお話会」というタイトルが示すように、スタッフの方たちも、やわらかい雰囲気にしようとされていて、ほんわかと楽しい時間でした。

会場の後ろの方には、中川さんのコレクションから一部を展示されていて、撮影してもよいとのことでしたので、写真に収めさせていただきました。

マッチ箱に貼られた絵なので、小さな小さなものですが、デザインが優れていて、たしかにこれは集めたくなるわ!と思いました。

次にプラハに行ったら、うっかり探してしまいそう!

そろそろ海外行きたい、プラハ行きたい熱が高まっているさなかのお話会、ますます行きたい病が深刻になってきました!

以下、展示されていたものから一部をご紹介。


「チェコのマッチラベルデザインと旅のお話し会」@京都府立京都学・歴彩館_b0066960_22030147.jpg


いかにも社会主義期なデザインのシート

「チェコのマッチラベルデザインと旅のお話し会」@京都府立京都学・歴彩館_b0066960_22032362.jpg



「チェコのマッチラベルデザインと旅のお話し会」@京都府立京都学・歴彩館_b0066960_22034680.jpg


一番心惹かれた、作家シリーズ ↓

「チェコのマッチラベルデザインと旅のお話し会」@京都府立京都学・歴彩館_b0066960_22040631.jpg


チケットもおしゃれ! こういうの嬉しい!

「チェコのマッチラベルデザインと旅のお話し会」@京都府立京都学・歴彩館_b0066960_22053709.jpg




「チェコのマッチラベルデザインと旅のお話し会」@京都府立京都学・歴彩館_b0066960_22063201.jpg

# by chekosan | 2021-07-18 22:08 | 美術 | Trackback | Comments(0)
月イチ連載書評、今月は一週間遅らせていただいて、本日公開となりました。m(__)m

今月で72回目。ということは、丸6年休まず続けてきたわけですが、フィクションの小説を取り上げるのは、たしか4回目くらいです。

授業で学生たちと差別を含む様々な問題について議論していると、まず関心をもつことが大事だけど、その導入は、どの時点で、どういう形が望ましいのだろう、という話になります。

彼らのように関心があって授業を受けに来ている人たちは、来る前に既に「話ができる」素地があるように思います。

その素地が何でできているかと考えると、知識や論理的思考力も大事ですが、共感力とか想像力、連想や発想する力があるかどうかが、もっと重要なのではないかと、最近とみに感じています。

そうした力は、感情、情感を揺さぶるような体験によって培われるのではないか、その一つの材料としてフィクションの作品も有効なのではないかなと、あらためて思うようになっています。

そんなわけで、今月は、ドリアン助川さんの小説『あん』です。

映画も、樹木希林さんと永瀬正敏さんが原作のイメージを壊さずにていねいに演じられていて良かったです。





書評『あん』@関西ウーマン信子先生のおすすめの一冊_b0066960_12541752.png






# by chekosan | 2021-07-17 12:55 | 書いたもの | Trackback | Comments(0)
昨年の日本公開時、ずいぶん迷って、結局、観に行くのを控えた映画「群衆」3部作のひとつ、「アウステルリッツ」にインスピレーションを与えたという、ゼーバルトの小説『アウステルリッツ』。

今度、学生さんがこれらを授業で発表してくれるというので、私も読んでおきました。(白水社、改訳版 2012年)

アウステルリッツといえば、戦場となった土地の名前を思い浮かべますが、この小説の主人公の名前です。人の名前にも、アウステルリッツなんてあるんだ、と思ったら、やはり珍しい部類ということ。

端的に言えば、主人公の建築史家アウステルリッツが、小説の語り手に、何年にもわたって、明らかになってきた自分の過去を語る、という話です。

映画「アウステルリッツ」も、舞台はアウステルリッツではなく、ドイツの旧強制収容所を訪れる人々の様子をえんえんと撮ったドキュメンタリー映画。

ゼーバルトの『アウステルリッツ』を読んだいま、この小説から着想を得て撮られたドキュメンタリー映画が、いったいどのような作品になっているのか、ますます観たくなりました。

不思議な雰囲気をもつ、クセになる文体と、本文に関連があるにはあるけど、どこか浮遊しているようなキャプションのない写真群、歴史的事実とフィクションが融合した物語。

主人公の過去が次々思い出されてくる核心の部分では、グーグルマップを開いて、地図を確認しながら夢中で読みました。


この作品を分析した論文も何本か読みましたが、文学文学していて(当たり前ですが)、ちと畑違いという感じなので、発表者さんには、私たちの授業の意図に合った形で紹介してもらうよう打ち合わせしています。


以下、自分用メモ。ちゃんと整えてはいません。今回、思いきりネタバレもあるので、未読の方はご注意を。



ゼーバルト『アウステルリッツ』を読んだ_b0066960_09363146.jpg



・主人公アウステルリッツは、ウェールズの説教師夫妻にひきとられた。それ以前の記憶はほとんどない。進学に際して、本名が判明する。それがアウステルリッツ。

・アウステルリッツは、1939年夏、チェコスロヴァキアからイギリスへと避難したユダヤ人の子どもたちの一人だった。小説では、その当時の住民の記録は「完璧に残っている」ことになっていて、公文書館で、主人公の母と見られる女性の旧住所が判明する。

・書類はプラハのマラー・ストラナ、カルメリツカ街にある国立公文書保管所にあったとされている ← この建物の構造がちょっと不思議な感じ。エッシャーのだまし絵みたい。

・主人公の母が住んでいたのは、シュポルコヴァ小路12番地という設定 ← この小路は実在。このすぐ向かいになかなか素敵なお宿がある。泊まりたいなあ。

・「ペチェク宮殿の地下室やパンクラーツ監獄や市外のコビリスィ処刑場でドイツ人がふるっていた暴力」←次プラハ行ったら行く! …でも、ペチェク宮殿地下は、5-20人のグループで予約しないと見れない? ツアー組んで行かんと見れんのだろうか!
 ペチェク宮殿 Petschek Palace (Petschkův palác (Pečkárna))
 コビリスィ処刑場 Kobyliská střelnice – Národní kulturní památka

・テレジン収容所で収録されたコンサートで初演された、パヴェル・ハースの「弦楽オーケストラのための練習曲」





テレジンがユダヤ人に与えられた楽園であるというプロパガンダ映画を制作するために撮られたコンサートの映像はこちらに↓





 




# by chekosan | 2021-07-11 10:59 | 負の遺産/記憶と継承 | Trackback | Comments(0)
7月初頭に登壇した講演では、世紀転換期(19世紀末から20世紀初頭)のオーストリア=ハンガリー帝国のことをお話しました。※このときの講演とシンポジウムの記録は、後日、冊子になり、インターネットでも公開されます。

講演の共通テーマが、「<性の管理>の近現代史」で、ゼロから取り組むお題だったので、研究書や論文を読むと同時に、取り上げる時代の社会状況がわかるような小説などもいろいろと読みました。

それらについては、講演のなかでは触れる時間的余裕はなかったのですが、時代の空気を感じるにはたいへん良かったです。

で、前々から読まなきゃなあと思っていた、ヨーゼフ・ロート『ラデツキー行進曲』(岩波文庫で上下巻本)も、この機に読みました。




ヨーゼフ・ロート『ラデツキー行進曲』を読んだ_b0066960_17154067.jpg



オーストリア=ハンガリー帝国、またはハプスブルク帝国の末期に、皇帝の命を救ったことで貴族に取り立てられたトロッタ一族3代の没落を描いた物語、という紹介のされ方をしている長編小説です。

3代の物語ではありますが、話の舞台は主に3代目の時代です。

皇帝フランツ=ヨーゼフを戦場で救った初代、初代から絶対に職業軍人になるなと言われ、郡長となる2代目、幼少期から軍人になるべく教育を受けた3代目。たしかに、だんだんと小粒な人物になっていく?という感じはあります。

3代目が入隊したオーストリア帝国軍は、酒と博打にうつつを抜かす将校たちばかりですし、3代目自身も、自分のうかつな行動のせいで、大切な女性や友人を死に追いやってしまい、それが響いて、酒浸りになります。


このトロッタ父子3代の話も面白く読めるのですが、時代を感じさせるエピソードが参考になりました。

軍の将校と人妻とのおつきあい、娼館に繰り出す軍人たち、侮辱を受けたら決闘する習慣、将校と従卒との関係、ガリツィア地方の様子、帝位後継者暗殺事件に際するハンガリー人たちの態度などなど。

この作品は、ハプスブルク帝国を懐かしむ物語だと言われがちですが、ナチ党が台頭してきた1932年のベルリンで書かれたということを考えると、単なる郷愁ものとして紹介されるのは違うかなと思いました。


作者ヨーゼフ・ロートの経歴や、執筆時の状況、他の作品にも興味を惹かれました。いくらか翻訳があるようなので、またおいおい読んでいきたいと思います。







# by chekosan | 2021-07-10 17:37 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
6月は、原稿と、講演の準備に必死な一ヶ月でした。

原稿は、3千字ほどのちょっとした楽しい読み物。同志社の政法会という法学部の同窓会の会誌への寄稿文です。

怪談話の謎解き的なもので、母校の創設期の歴史を調べました。日曜研究者という感じで、週末にちょっとずつ調べたり書いたり。

とても楽しかったです。

講演は、やはり同志社の人文科学研究所主催の連続講座「<性の管理>の近現代史 日本・ヨーロッパ・アメリカ」の最終回(7月2日に無事終了)。

私が単独でお話するのは30分だけなのですが、他の先生方と何か月も前から準備を進めていきました。

この分野はゼロからでしたが、たいへん知的関心をそそられるテーマでした。

盛り込めなかったこと、もっと調べたいことがたくさんあるので、講演は終了しましたが、引き続き研究したいと思っています。

6月は、近場に「遠足」にも行けましたし、充実した一ヶ月でした。

7月は、たくさん本を読み、映画を観て、授業のラストスパートをかけたいと思います。

写真は「遠足」で最後に立ち寄った琵琶湖畔。


2021年6月のまとめと読書記録_b0066960_14514725.jpg


6月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1976
ナイス数:219

太平洋を渡った杉原ビザ―カウナスからバンクーバーまで太平洋を渡った杉原ビザ―カウナスからバンクーバーまで感想
もうだいぶ前に読んだのに、余力がなくて記録できていなかった本。杉原千畝が発給したビザに救われた人々のエピソードやインタビュー、豊富な写真で構成された、重量のある本→文字通りグラム数的に重い! 見た目も地味だし、あまり話題になっていないようだが、たくさんの関係者の情報が満載で、本当に救われた人たちがいたんだなあ~と、あらためて感じさせてくれる。千畝ファンは必読。関連事項をブログに記録。
読了日:06月01日 著者:バンクーバー新報 企画・編,高橋 文 編著




バイエルの刊行台帳バイエルの刊行台帳感想
ピアノ教則本の代名詞のように親しまれてきた大ベストセラー『バイエル』と、その作曲者にまつわる謎を解き明かした前著『バイエルの謎』刊行後、あらたに公開された資料と駆使して、バイエルの時代における音楽のありようを明らかにし、バイエルらのような作曲家の功績を再評価した本。ピアノのお稽古の経験のある方、音楽や歴史が好きな方はもちろん、飽くなき探求ものや謎解き系がお好きな方におすすめ。月イチ書評連載で取り上げました。
読了日:06月03日 著者:小野亮祐,安田寛





極限メシ!: あの人が生き抜くために食べたもの (ポプラ新書)極限メシ!: あの人が生き抜くために食べたもの (ポプラ新書)感想
本屋さんでヒョイと見つけて(でも図書館で借りて)。北極探検家、紛争地帯の看護師、海で27日間漂流したヨットマン、シベリア抑留のような究極の状況での食事の体験を聞き取ったもの。一人は「アーバンサバイバル」といって、日常生活や登山で自給自足に挑戦している人。いずれも貴重な体験ではあるが、あっさり語られ、するっとまとめられている感じで、そこまで極限に感じないのがちょっと惜しいような。
読了日:06月04日 著者:西牟田 靖


レストラン「ドイツ亭」レストラン「ドイツ亭」感想
かなり太い本だがほぼ一気読み。1963年、ドイツのフランクフルトで開かれた、アウシュヴィッツ強制収容所での虐殺、虐待行為に関する裁判を題材にした小説。主人公やその周囲の人々は架空だが、実際にあった裁判の証言を素材に使っている。フランクフルト・アウシュヴィッツ裁判といえば、フリッツ・バウアー検事長の活躍が何本も映画になっている。それらを全部見返したくなった。ブログに詳しく記録。
読了日:06月09日 著者:アネッテ・ヘス





広島平和記念資料館は問いかける (岩波新書 新赤版 1861)広島平和記念資料館は問いかける (岩波新書 新赤版 1861)感想
前館長による資料館案内。2019年に完成した三度目の大規模な展示更新の方針と、館内の詳細な説明につづき、資料館の起こりと歩み、展示の移り変わり、世界に向けての発信、世界との協力について、ていねいに解説。語り口は柔らかく、若干遠慮気味な部分もあるが、その分、誰にも受け入れやすい案内書となっている。図版も多い。18年に学生と訪問したときは改装中だったので、遠くないうちに行きたい。
読了日:06月12日 著者:志賀 賢治



なぜ戦争をえがくのか: 戦争を知らない表現者たちの歴史実践なぜ戦争をえがくのか: 戦争を知らない表現者たちの歴史実践感想
写真、絵画、映像、彫刻などの創作を通じて戦争を「えがく」表現者たちのインタビュー集。聞き手(著者)もドキュメンタリー映画の監督。あえて対談相手やその人の作品の写真は載せず、言葉だけにしたそうだが、聞き手の活動に関連があると思われる写真は多数掲載されているので、インタビューの印象が薄れてしまっている。字の部分も、書き手が複数いるかのような体裁になっていて少々混乱。個々の作家の活動が印象に残るように編まれていれば、さらに良かったように思う。
読了日:06月24日 著者:大川 史織,小泉 明郎,諏訪 敦,武田 一義,高村 亮,遠藤 薫,寺尾 紗穂,土門 蘭,柳下 恭平,後藤 悠樹,小田原 のどか,畑澤 聖悟,庭田 杏珠,渡邉 英徳


ラデツキー行進曲(上) (岩波文庫)ラデツキー行進曲(上) (岩波文庫)感想
ハプスブルク帝国末期をノスタルジックに描いていると言及されることが多く、読まなくてはと思いつつ後回しにしていた作品。世紀転換期の同帝国の社会について話す機会があって、とうとう読み始めたところ、予想よりもコミカルさのある簡潔な文章で面白い。当時の男女関係や軍隊生活、ガリツィア地方の様子、ナショナリズムの盛り上がりといった、知りたかったこともすべて盛り込まれていて参考になった。同時代の作品は研究書にない臨場感があるなあ。下巻も楽しみ。
読了日:06月30日 著者:ヨーゼフ・ロート

読書メーター



# by chekosan | 2021-07-03 14:54 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)