中・東欧、ロシアのこと&大学教育のことを発信します


by chekosan

今年の美術展第2弾は、大阪中之島の国立国際美術館で開催されている「クラーナハ展」。

16世紀、ドイツの宮廷画家として活躍した画家です。
工房を構えて、たくさんの作品を生み出した経営者でもありました。

デューラーと同時期で、題材や画法によっては画風がそっくりです。
サインがないとわからないものも。

宗教改革のマルティン=ルターと親交が深く、何枚も肖像画を描いています。

でも代表作は、このあたりかと思います。↓
妙に体が薄くて均整とれていないのですが、それがなんとも独特な雰囲気です。


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大看板に、顔出しパネル。
最近の美術展は、こういう撮影ポイントを作ってくれているのが楽しいです。

平日に行ったからか、お客さんが少なく、じっくり絵を観ることができました。
顔出しパネルも誰ひとり顔を突っ込もうとしないので、
せっせと何枚もパネルだけ撮ったり、一枚だけ顔を突っ込んで友人に撮ってもらったりしました。
顔出し写真は、しかし、私の顔面はまったく面白みが出ないと判明したので永久お蔵入りにします。



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美術展のお楽しみ、グッズ売り場ですが、今回はテープを購入しました。
これは顔出しパネルの彼女、ユディト嬢がつけている首飾りをモチーフにしています。

なかなか凝ったテープなので、贈り物やカードに使ったら素敵かな。


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点数も多く、短い解説映画も流れていて、ていねいな展示だと思いました。
若干、解説と作品の配置がよくわからない箇所もありましたが、
じっくり見ることができたので、クラーナハとその工房の作風、生涯、
美術史における位置づけなどが理解できました。




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by chekosan | 2017-03-01 00:17 | 美術 | Trackback | Comments(0)

2017年第8弾。実話をもとにした映画です。
同志社の授業で受講生から教えてもらってディスクを買っていながら一年経ちました。

「黄金のアデーレ」は、19世紀末から20世紀初頭に活躍したグスタフ・クリムトの名画です。
絵のモデルであるアデーレはウィーンの裕福なユダヤ人一家の一員で、芸術家のパトロンでした。

アデーレ自身は若くして病気で亡くなるのですが、そのあとにナチスがオーストリアを併合し、
ウィーンのユダヤ人は過酷な迫害を受けます。
名誉を傷つけられ、財産を没収され、強制収容所に送られていくのです。

アデーレの夫や姪たちも命からがらウィーンを脱出します。
アデーレの姪であるマリア・アルトマンは年老いた両親を残し、
夫とともに決死の脱出を試み、着の身着のままでアメリカにたどり着き、一から生活を築きます。

1998年、オーストリアはナチスが没収した作品を元の所有者に返還する法律を制定します。
マリアは、オーストリア政府を相手取り、一族の思い出の品であるアデーレの肖像画を返還するよう、
友人の息子を弁護士として雇い、訴訟を起こします。

この若い弁護士は、やはりオーストリアからアメリカに逃れた著名な作曲家シェーンベルクの孫です。
青年の曾祖父母はトレブリンカ収容所で亡くなっています。

はじめは乗り気でなかった青年は、お金のためにこの件に着手しますが、
そのうちに出自を自覚し、自らの意思で絵の返還に奔走するようになります。

返還法が制定されたとはいえ、アデーレの肖像画はオーストリアのシンボル的絵画、
オーストリア政府はなかなか返還に応じません。
何年もの歳月をかけてマリアと弁護士は訴訟を続け、とうとう絵はマリアの元に還るのでした。

その後、マリアは他の相続人への遺産分配の必要から、一般公開を条件に絵を売却します。
入手したのは、化粧品会社エスティ・ローダーが開設した美術館ノイエ・ガレリエです。
いまはニューヨークのこの美術館に展示されているとのことです。


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◇◇◇

映画のなかで、オーストリアの人々が、街中にナチスの旗を掲げ、
ドイツ軍に敬礼をして歓迎するシーンが出てきます。

ナチスによるオーストリア併合によって、ユダヤの人々はさまざまな権利をはく奪され、
財産を没収され、出国しようにもできなくなっていきます。

街頭では、大勢の市民がユダヤ人の人々を取り囲んで笑いながら
帽子をとったり髭を剃ったりして、屈辱を味合わせる場面があります。

主人公はそこに居合わせながら、何もできず逃げ去らざるを得ない。
非常に胸の痛むシーンです。

しかし、ナチスドイツのオーストリア併合についてオーストリア国内で歴史を見直す機運、
つまり「オーストリアは一方的な犠牲者である」という認識を再検討する気運が高まってきたのは
比較的最近の話であったと思います。
美術品などを返還する法律ができたのもまさにその流れでしょう。

そうした経験から、主人公は、返還の手続きのためにウィーンに行くことになっても、
かたくなにドイツ語を話そうとしません。

いま穏やかに暮らしているから、過去のことだからという問題ではないのです。

普通の生活を暴力的に中断させられ、家族や友人の命や財産を奪われた人々にとって、
奪われたものを取り戻すことは、金銭だけの問題ではないことは理解したいものです。

私が何度もお世話になったチェコのホストマザーも、
ロシア語やドイツ語は、話せるが使いたくないと、はっきり言っていました。

支配被支配の関係から生じた名誉の毀損や屈辱的な扱いに関することは、
放置していれば溶解するというものではなく、
共感、和解、再評価というプロセスが必要であると思います。

◇◇◇

そうしたことを踏まえて、しかし、
アデーレの肖像画がニューヨークに行ってしまったというのは残念な気がします。

買い取ったローダー氏はナチスによる没収財産の返還にも尽力しているとのことですが、
クリムトは世紀転換期のウィーンを代表する芸術家で、
彼が率いた芸術家の一派「分離派」の作品はやはりウィーンにあってほしい。
1992年に、ウィーンでクリムトやシーレの作品を直接観たときの感動を思い出して、
この映画の結末に感動しつつも、悲しく寂しい気がしたのでした。

◇◇◇

映画で、主人公と弁護士青年が、最初にウィーンに行って空振りに終わったあと、
無駄な旅にしないためにとホロコースト犠牲者を追悼碑を訪ねるシーンがありました。

昔にウィーンに行ったとき、かなりいろいろまわったつもりだったのですが、
こんな建物はなかったのではないかなと思ったら、2000年にできたものでした。
次回、ウィーンに行くことがあったら訪ねてみたいと思います。

◇◇◇

この映画、テーマとしては考えさせられるものを含んでいるのですが、
ちょっと演出が軽めというか情緒的すぎるというかテレビドラマ的なシーンも多いです。

が、主人公(ヘレン・ミレン)はたいへん!!魅力的でした。
おしゃれで強くてチャーミングで自立した女性!
年齢を経てもこんなに素敵な老婦人でいられたらいいなあと惚れ惚れしました。


そして、主人公と弁護士を助けるオーストリア人ジャーナリストを演じた俳優さん!
なんと「グッバイ、レーニン!」の主演男優さんでした。

この映画、東ドイツの消滅(東西ドイツの統一)と家族愛をからめていて大好きなのですが、
あの頼りなげな青年が、こんな貫禄たっぷりに!とびっくりしました。






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by chekosan | 2017-02-24 12:26 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)


今年は行きたい展覧会が目白押し。一覧をまとめておきます。
あくまで私が行きたいものだけ。随時、足したり整えたりしていきます(多分)。
これも好きなんじゃない? というものがあれば教えてください♪

(2017/2/23追記)



ルーヴルNo.9展
http://manga-9art.com/ → 大阪会場に行ってきました (1/21に記録)


◇クラーナハ展  → 行ってきました http://chekosan.exblog.jp/26686960/

1月28日(土)ー4月16日(日)国立国際美術館@大阪中之島
10:00~17:00(金曜日のみ19:00まで) 

http://www.tbs.co.jp/vienna2016/
アクセス
http://www.nmao.go.jp/info/access.html



絵本はここから始まった ―ウォルター・クレインの本の仕事
2017年2月4日~3月26日 滋賀県立近代美術館

http://www.shiga-kinbi.jp/?p=19759
アクセス
http://www.shiga-kinbi.jp/?page_id=119



ピーターラビット展
2017年2月11日~4月2日 グランフロント大阪
http://www.peterrabbit2016-17.com/




◇ミュシャのスラヴ叙事詩

2017年3月8日(水)-6月5日(月) 国立新美術館@東京
毎週火曜日休館 ただし、5月2日(火)は開館
10:00-18:00 ※金曜日は20:00まで
※4月29日(土)-5月7日(日)は20:00まで

http://www.mucha2017.jp/
新国立美術館のミュシャ展ページ
http://www.nact.jp/exhibition_special/2016/alfons-mucha/
アクセス
http://www.nact.jp/information/access/


◇マティスとルオー

2017年 4月4日(火) ~ 5月28日(日) あべのハルカス美術館
火~金 / 10:00~20:00
月土日祝 / 10:00~18:00
[ただし5月3日(水・祝)~7日(日)は20:00まで開館時間を延長]

http://www.aham.jp/exhibition/future/rouaultmatisse/
アクセス
http://www.aham.jp/access/




いつだって猫展
2017年4月29日(土)〜6月11日(日) 京都文化博物館
http://www.bunpaku.or.jp/exhi_special_post/always-neko/
アクセス
http://www.bunpaku.or.jp/info/access/



◇ベルギー奇想の系譜展 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで

2017年5月20日(土)~7月9日(日) 兵庫県立美術館

アクセス
http://www.artm.pref.hyogo.jp/access_m/index.html


◇アンチンボルド展

2017年6月20日(火)-9月24日(日)国立西洋美術館@上野公園
9:30―17:30(金・土曜日は20:00まで)

http://arcimboldo2017.jp/
アクセス
http://www.nmwa.go.jp/jp/visit/map.html


◇ブリューゲル「バベルの塔」展

2017年7月18日(火)~ 10月15日(日) 国立国際美術館 @大阪中之島

http://babel2017.jp/


◇怖い絵展

2017年7月22日(土)~9月18日(月・祝) 兵庫県立美術館
http://www.kowaie.com/

アクセス
http://www.artm.pref.hyogo.jp/access_m/index.html



◇大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち

2017年10月3日(火)~2018年1月14日(日) 兵庫県立美術館 

http://hermitage2017.jp/
アクセス
http://www.artm.pref.hyogo.jp/access_m/index.html


◇ボストン美術館展

10月28日(土)~2月8日予定 神戸市立博物館

http://boston2017-18.jp/
アクセス
http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/museum/info/access.html




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by chekosan | 2017-01-31 14:53 | 美術 | Trackback | Comments(0)

今年4本目の映画は、「エゴン・シーレ 死と乙女」。

20世紀初頭、ウィーンで活躍し、28歳で没した画家、エゴン・シーレの生涯を描いています。
パンフレットによると、かなり史実に忠実に作られているそうです。

19世紀末から20世紀初頭にかけての世紀転換期の文化は、華やかさと不気味さが混ざり合った、
独特な魅力があって好きです。

本作にも登場するクリムトの金をふんだんに使った装飾的な絵画は、その代表でしょう。
クリムトの「ベートーヴェン・フリーズ」が壁に描かれた分離派会館の建物は
25年くらい前に行きました。そこを離れたくなくなる迫力のある作品でした。

この映画にも、クリムトが出てきます。どぼーんとしたガウンを着たおじさんで、シーレは美青年。
年齢も雰囲気も世間の評価も違うのですが、シーレはクリムトを尊敬し、
クリムトはシーレの才能を認めて支援します。その関係がいい感じで描かれていると思いました。



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シーレの作品は、エロティックだけど、生命力よりは病的なもの、死を感じさせます。

そして、裸体の絵が多いわりにはモデルが子どものようで、薄くて中性的だなあと思っていたら、
パンフレットの解説によると、やはりそういう体を好んで描いていたそうです。

考えてみれば、第一次世界大戦前後なのですね、創作の時期が。
しかも少年期に父親があまりまともでない亡くなり方をし、残された家族は生活にも困ったよう。
そういった経験が、あのねじれた不気味な画風に影響を与えたのでしょうね。

この頃は、いまなら抗生物質や特効薬で治るような病気で人がどんどん死んだ時期なんですね。
シーレと妻も、スペイン風邪で亡くなります。
スペイン風邪はインフルエンザの一種ですが、2千万とか4千万の人が亡くなったといいます。

シーレの妹が、なんとか熱を下げなくてはと闇市に「キニーネ」を買いに行くシーンがあります。
キニーネといえば、先日まで授業で読んでいた「兵士シュヴェイクの冒険」にも何度も出てきます。

シュヴェイクは第一次世界大戦の頃の話なので、まさしく同じ時代です。
召集される兵士たちは兵役を免れようと怪我や病気や障害があると申告するのですが、
そうした人たちは、それ拷問なんじゃないのというような「治療」を受けます。

その「治療」がつらくて、治りましたと申告して前線へ駆り出されてしまうという話のなかに
キニーネを処方するというのが出てくるのです。
つまり、キニーネって服用すると、相当つらい副作用が出るということですよね。
→追記あり(2017.1.31.)

シーレの妹がなんとか入手したキニーネは手のひらに収まるほどの小さな瓶に入っていました。
ほんのちょっと口にするものなのでしょうか。

*1月31日追記:

今朝あらためて電子辞書で「キニーネ」を確認。
あっさりとした説明のなかに知りたいことが整理されていてすっきり腑に落ちました。

『明鏡』が特にわかりやすかったです。

  「キナの樹皮から製する結晶性アルカロイド。味はきわめて苦い健胃剤・解熱剤にも用いるが、
   特にマラリアの特効薬とする。」

ということで、傷病兵への「治療」として使うのは至極まっとうなのだけど、
これを飲む(なめる?)くらいなら…というほど「きわめて苦い」のですね。

うっかりインターネットで検索したために、いろいろ盛り込みすぎな記事や解説が出てきて、
確かに太字にした部分も記述してはいるのですが、いまいち浮かび上がってこなかったです。
やっぱり辞書ですね。

(追記終わり)

などと、妙な細部に関心をもって見たのでありました。


と、死の雰囲気がつきまとうのですが、明るいシーンもあります。
特に、友人たちとウィーンを離れて、クルマウという町に絵を描きに行きます。
そこでの様子は青春~という感じです。

クルマウは、チェコのチェスキー・クルムロフという町です。
1993年にエゴン・シーレ・アートセンターがつくられ、
シーレゆかりの町としても打ち出しているようです。

この町にはブルタヴァ(モルダウ)川が円のような形で流れていて、
お城と旧市街がそっくり残っている、こじんまりとしたいいところです。
町ごと世界遺産になっています。

私がクルムロフに行った頃には、このセンターの情報がなくて、
残念ながらまだ行ったことがありません。

今度、クルムロフに行くことがあれば必ず行ってみたいと思います。





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by chekosan | 2017-01-30 23:10 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(2)
今年の映画第二弾は、ウィーンの美術史美術館の改装を追ったドキュメンタリー映画、
「グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状」。
お気に入りの映画館、京都シネマで観てきました。

音楽もナレーションも一切なし、ドラマチックな演出もなしの映画です。
でも、なにしろ舞台が美術史美術館なので、見どころはたくさんありました。

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表舞台である展示空間や収蔵品の豪華さもさることながら、
修復室や保管庫など、関係者しか入ることのできないところが面白いのです。

こんな風に保管するのか!
ハイテク!
細かい!
ていねい!
広い!
深い!!

などなど、知られざる美術館の裏側を覗くことができます。

空間だけでなく、

開館時間外にスタッフが何をしているのか、
改装のためにどれだけの人がどんなふうに関わっているのか、
収蔵品はどのように集めて、扱われているのかなど、

どんな人たちがどんな仕事をしているのかを知ることができます。

とはいえ、ドラマ仕立てではないので、絵とか美術館が好きな人でないと退屈かも?

◇◇◇

ウィーンには、大学の卒業旅行で友達と行きました。
2週間近く滞在したのかな? まったくの自由旅行で、
シュテファン大聖堂至近のペンションに連泊して、
美術館、博物館、オペラオペレッタ、音楽家たちの墓地、いろいろ回りました。

さすがハプスブルク帝国の都、もってるものがすごい。多い。気前いい。
美術館にしてもオペラにしても、かなり安かったように思います。

美術史美術館ももちろん入りましたが、あまりに他にもたくさん観たので、
映画を見て、建物内部などはすっかり忘れているなあと思いました。
当時はデジカメじゃないから、そう写真も撮っていないし(笑)

ブリューゲルとアンチンボルドがたっぷりあったような。
両画家、好きなので、贅沢な空間だなあと思ったのは覚えています。

そのときに先に行ったチェコやハンガリーがあまりに強烈に魅力的だったので、
ウィーンの印象が薄れてしまったのですが、思い出していくとやはりすごいんですよね。
そろそろまた行こうかなと思いました。

そのときはザッハトルテ食べようっと。
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by chekosan | 2017-01-23 17:31 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)

今年から美術鑑賞の記録もアップすることにします。

第1弾は「ルーヴル美術館特別展 ルーブルNo.9」。
グランフロント大阪ナレッジキャピタルイベントラボに行ってきました。

ルーヴル美術館を舞台・題材にしたオリジナル漫画をつくるプロジェクトを紹介する展覧会です。
16名の漫画家の原画やスケッチなどを見ることができました。

ルーヴル美術館が依頼しただけあって、一枚一枚がアート、
いや一コマ一コマがアートだなあと感嘆しました。原画はやはりスゴイ。
出品数も多くて見応えがある展覧会でした。

日本の漫画家も参加されているのですが、『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木飛呂彦氏の作品、
『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』が目立つ展示だったと思います。

そのなかの一番の決めポーズが、ルーヴルに所蔵されている、ある彫像作品を模していて印象的でした。
その場面のグッズがあれば買いたかったのですが、荒木氏のグッズはまったくありませんでした。残念。

撮影スポットも設けてありました。こちらは漫画のコマの一部に入ることができるパネルです。^^

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こちらは、入ってすぐのところ。サモトラケのニケのレプリカの周りに、漫画が飛んでいます。


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ミュージアムグッズも充実していました。
漫画はもともと印刷を想定して描かれているからか、グッズと相性がいいと思います。
どれもこれも欲しくなって困りましたが、ぐっと我慢してクリアファイルを3冊と図録にとどめました。

以下、1月22日追記。

◆追記1)

今回の展示作品で、本ブログのタイトルと関連するものを挙げておきます。

エンキ・ビラル『ルーヴルの亡霊たち』(日本語版 大西愛子訳 小学館集英社プロダクション発行 2014)
作者は1951年、旧ユーゴスラヴィア ベオグラード生まれ。
少年時代にパリに移住したということなので、ほぼパリ育ちですが、
ほかの作品とはかなり違う雰囲気を持っていて、彼のルーツが影響を与えているのかなと思いました。

展示作品も、コマ割りのない一枚ものの絵画に散文詩のような文章が付されているというスタイルです。
漫画というジャンルに入るのかなと思わされる独特な、不思議な作品でした。

◆追記2)

このルーヴルを漫画で表現するプロジェクトの作品群は、まったく架空のお話がほとんどなのですが、
かなり綿密に現地取材をして描かれています。

そのなかで、ルーヴル美術館に来ている人たちを描いたシーンもたくさんあって面白かったです。

ベンチに座って本を読んだり、スマホをいじったりしている人はしょっちゅう来ているのかな。
作品の前に座り込んで、先生か学芸員に説明を聞く生徒たち。いいなあ、そんな美術の授業。
実際、ベルギーでもそういう場面に出くわしたことがあります。

そして、お客さんが館内で写真を撮っている様子を描いているシーンが結構ありました。

欧州の美術館は、撮影OKのところが多いように思います。
昨年3月にフランクフルトでいくつか美術展を回ったときには、
「この企画展示のなかはダメ」と言われたものもありましたが、別の館の企画展示は大丈夫でした。
著作権その他の関係でしょうか。

最近、日本の展覧会も、ここは撮影OKとか、SNSなどでの公開もOKというのが増えてきました。
昨年行った展覧会では、森村泰昌さんの企画展は撮影全面OK、どんどん拡散してね、でした。

撮影に夢中になって、ほかの人の鑑賞の邪魔になってはいけませんが、
美術って、その作品だけでなく、展示している空間も含めて味わうものだと思いますし、
さらに言えば、同じ空間に足を運んでいても、どの作品に注目したか、
また、どんな角度や距離、切り取り方でその空間を残そうとしたかというのは人それぞれなので、
他の人が撮った展示の写真は、その人の見方が表れて面白いと思うのです。
だからもっと撮影可にしてほしいな。







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by chekosan | 2017-01-21 23:11 | 美術 | Trackback | Comments(0)

ロシア・東欧やその周辺に関係のある映画をピックアップ。

私の覚え書きなので、私が行きやすい劇場での上映予定のみ掲載しています。
間違いなどあるかもしれません。公式サイトでご確認を。



こころに剣士を」 ソ連時代のエストニアのお話。
 →  観ました。感想はこちらに。http://chekosan.exblog.jp/26603803/

 1月7日~13日 シネリーブル神戸  21:10~ 
 1月21日~   京都シネマ  12:40~ 

アイヒマンを追え!
 → 観ました。感想はこちらに。 http://chekosan.exblog.jp/26583987/

 1月7日~13日 シネリーブル神戸 10:00 12:10 16:35 19:00
1月16日~            09:50 14:20 16:30 21:05

グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状」 
  → 観ました。感想はこちらに。http://chekosan.exblog.jp/26578191/

 ウィーン美術史美術館のドキュメンタリー
 1月7日~13日 シネ・リーブル神戸 10:15
 1月21日~   京都シネマ  10:00 14:35


「とうもろこし」 ジョージア(グルジア)映画
 1月7日~13日 京都シネマ 10:20
  14日~20日 京都シネマ 17:10 

「みかんの丘」 ジョージア(グルジア)映画
  → 観ました。感想はこちらに。http://chekosan.exblog.jp/26602847/

 1月21日~27日  京都シネマ 16:50
 1月28日~2月3日 京都シネマ 10:00

「とうもろこし」「みかんの丘」公式サイト

帰ってきたヒトラー」 
→ 観ました。感想はこちらに。http://chekosan.exblog.jp/26560873/

 1月14日~20日 京都シネマ 10:10


ヒトラーの忘れもの」 
 1月21日~  シネリーブル神戸

エゴン・シーレ 死と乙女
 → 観ました。感想はこちらに。http://chekosan.exblog.jp/26596298/
 
 1月28日~ 京都シネマ 11:55


「灼熱」 クロアチアとセルビアのお話。
京都シネマで公開予定。時期未定。






            
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by chekosan | 2017-01-08 10:58 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
アルフォンス・ムハ(ミュシャ)はアール・ヌーヴォーを象徴するチェコ出身の画家です。
彼は晩年、チェコとスラヴの歴史を表現した「スラヴ叙事詩」全20作品を描きます。
1作品が、大きいもので約6×8m、小さいものでも一辺が4mほどある超大作です。

華やかできらびやかなアール・ヌーヴォーらしいポスター作品などとは
色調も人物の描き方もかなり異なり、重厚で写実的な作品です。

この20作品の解説や作品を収める建物に関する論稿を集めたのが本書です。

この本は2013年にチェコの研究者によって刊行されたものを、
日本の研究者が翻訳したもので、非売品です。一般の流通には乗っていません。

私は、関西チェコ/スロバキア協会の広報誌『ブルタバ』109号で知り、
配布元に申し込んでお送りいただきました。

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第1部は、ムハ自身による「スラヴ叙事詩」の解説を中心に、
第2部は「スラヴ叙事詩」の創作に関する研究者の論稿、
第3部は「スラヴ叙事詩」を収めるための館についての論稿となっています。
図版たっぷりで、それも多くがカラーです。タダでいただいたのが申し訳ない感じ…

*追記(10/2 am11:09):
好評につき残部僅少となってきたようです。
限定配布の本なので、今後入手は難しくなりますが、
10/2の時点では、国立国会図書館といくつかの大学が所蔵していますので、
そちらで閲覧することは可能かと思います。
大学図書館の所蔵は、Cinii Booksで「スラヴ叙事詩」通鑑と検索するとわかります。

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チェコ美術評論家連盟/国際美術評論家連盟チェコ支部編
日本語版:関西大学発行(2015年12月)
本文142ページ 挿図72点、巻末カラー図版20ページ、二言語併記(日本語/英語)
代価設定なし(限定200部配布)
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by chekosan | 2016-10-01 23:54 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
現代美術に関心がある学生さんが、中欧の美術の専門書から興味深い解説を探してくれました。

加須屋明子、宮崎淳史、ゾラ・ルスィノヴァー、井口壽乃
『中欧の現代美術: ポーランド・チェコ・スロヴァキア・ハンガリー』(彩流社 2014)

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◇◇◇
どんな本ですか? なぜこの本を選びましたか?
 中欧の政治・社会的な状況(冷戦とそれの終結に起因する状況)を背景に、
 この地域の現代美術を解説している。
 紹介された作品には、そこに込められた意味がわかるものもあれば、
 分からないものもあったが、どれも興味深く、
 「これはどういう意味だろう」と考えるのが楽しい。
 中欧諸国の現代美術とそれらが背負うものを合わせて知ることができる概説書

特に興味をもったところは?
  イェジ・ベレシ《預言者Ⅱ》(1968) p.31.
  1990年代のピンカヴァの作品pp.89-91.
  ヨゼフ・ボルフの子どもたちを扱った作品pp.103-108.

◇◇◇

チェコの画家ヨゼフ・ボルフ(Josef Bolf, 1971- )の作品には、
彼が幼少の頃すごした無機質で陰鬱なプレハブ団地や病院や学校が多いそうです。
子供が多く登場し、ときに血を流し、頭部が動物であることもあるそうです。

本書には図版も載っているのですが、なんとなく懐かしさを感じる不気味さ。

と思ったら、ボルフは、チェコでは過小評価されてきたコミックスや
B級ホラー映画や疑似SF小説の影響を受けているというのです。

そして、執筆者によれば、日本の漫画家・楳図かずおの代表作
『漂流教室』(1972-74の作品)の影響が大きいというのです!
懐かしさを感じる不気味さはそこから来るのか、と納得。

本書には、ボルフ以外の作品も多数紹介されています。
なんとなく陰がある作品が多いように思えます。
中欧の現代美術、とても惹かれます。

ほかにも、中欧の美術を扱ったものとして、
加須屋明子『ポーランドの前衛美術』(創元社 2014)
井口壽乃、加須屋明子『中欧のモダンアート』(彩流社 2013)

といった本が出版されています。

6月11日には上智大学で、シンポジウム「中欧美術の現在」が開かれます
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by chekosan | 2016-06-05 16:24 | ロシア・東欧地域研究@同志社 | Trackback | Comments(0)

同志社での授業のあと、ハリス理化学館のギャラリーで開催中のポスター展を見てきました。
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ゴアレーベンというドイツ北部の小さな集落に、
1977年、核廃棄物最終処分場を設置する計画が発表されました。

ゴアレーベンでは、「ドイツ反原発運動の母」と呼ばれるようになる
マリアンネ・フリッツェン氏を先頭に、住民による反対運動が始まりました。
40年近く続く彼らの反対運動は、ポスターという形で残りました。

今回の展覧会では、スタイリッシュなもの、ほのぼのとした絵柄、漫画風などなど、
さまざまなスタイルをとったポスターやグッズを展示しています。

ポスターの横には、日本語バージョンも掲示してあるのがとても良かったです
ドイツ語が分からなくても細部まで理解できます。

また、関連する映像も観ることができます。
「TBS報道特集 メルケル首相“脱原発”の裏側 」2012年3月24日放送
このうち、フリッツェンさんの登場する部分を抜粋した動画がこちらにアップされています。

この番組のなかで紹介されていた映画「みえない雲」も観たいです。
南ドイツで原発が爆発したという設定の小説が原作だそうですね。
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小さな展覧会ですが、興味深かったです。
これで、パンフレットのような資料集があればなぁ。
資料として手元に残したいなあと思う展示だったのでそこは残念。

付随して、いろいろなイベントが開かれるようです。
詳しくは実行委員会のHPへ。展示作品の一部も公開されています。


開催日:2016年5月31日(火)~6月25日(土)
閉館日:月曜日、日曜日
開館時間:10:00 ~ 17:00(最終入館16:30まで)
場所:同志社大学 今出川キャンパス内 
    ハリス理化学館同志社ギャラリー常設展示室『同志社の今』
主催:ゴアレーベン・ポスター展京都巡回実行委員会
共催:主婦連合会、一般財団法人主婦会館、TEGAMI-Perspektiven japanischer Künstler
協力:Gorleben Archiv e.V.
【入場無料、事前申込不要】
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by chekosan | 2016-06-04 18:53 | ドイツ | Trackback | Comments(0)