中・東欧、ロシアのこと&大学教育のことを発信します


by chekosan
美術館「えき」KYOTOで開催中の「エリック・カール展」に行ってきました。

旅行から帰って3日間、片付けやら掃除やら急ぎの連絡やら書評連載の執筆やらなんやらで家にひきこもっていたので、久しぶりのお出かけです。お友達親子とお会いするのが目的だったのですが、帰りがてらこの展覧会にも行かれるというので便乗しました。

エリック・カールといえば、『はらぺこあおむし』。上の息子がまだ寝転がっているだけだった赤ちゃん時代、並んで寝転がって読み聞かせしたところ、最後にあおむしくんがきれいなちょうちょになるところで、目をキラキラ輝かせて、わああ~~という顔をして興奮しました。おお、乳児でも絵がわかるんだ、あざやかなきれいな色合いにこんなに反応するんだ!と感心しました。

以来、あおむしくんは、そらで言えるほど何度も読み聞かせしました。あおむしくんが次々いろんなものを食べるページを息継ぎなしで一気にたたみかけるように読むのが私流です。

『パパ、お月さまとって!』や『たんじょうびのふしぎなてがみ』なんかも愛読書でした。

◇◇◇

展覧会の内部は撮影禁止ですが、撮影ポイントがいくつかありました。こういうのを見ると素通りできないわたくし。


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展覧会には、赤ちゃん連れのお母さんがたくさん来られていました。入り口にベビーカーが何台も停まっている展覧会って、そうはないですよね。赤ちゃんたちが絵を観ているかは(角度や高さ的にも)微妙でしたが、お母さんたちが幸せそうに語りかけるので、赤ちゃんも満面の笑顔になっていました。お母さんが満たされて、ほわっとなれる時間が持てることは大事だよなあと思いました。

面白かったのは、習作が展示されていたこと。絵本を作る前に、まず普通の紙をノート状に束ねて、そこにサササッと簡単なスケッチを描いていくのですね。その一番最初の段階のものが何点かあったのです。

これがなんというか、子どもの絵みたいな感じで、鉛筆でさらさらっと動物の輪郭だけを描いたものだったのですが、うちのチビッコ画伯にも描けそうなどという不遜な考えがよぎってしまう感じなのです。

もちろん、そこから絵が整っていき、あの絶妙な組み合わせの色や模様が入ると、まったく違うものになるわけですが。わかっていても、なんだか味があって、素朴な感じで、微笑ましく感じたのでした。

◇◇◇

美術展のグッズ売り場、伊勢丹百貨店の子ども服売り場にはカールさんのデザインのグッズがいっぱい。飛ぶように売れていました。私は、動物柄くつしたが好きな下の息子に、あおむしくんくつしたを買いました。帰宅して実物を見せたら、ピンクのボーダーのがいいと意外な選択。では、残りは私が履くことにしましょう。(⌒∇⌒)

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by chekosan | 2017-08-15 21:51 | 美術 | Trackback | Comments(0)
京都は松ヶ崎の京都工芸繊維大学美術工芸資料館で開催中のチェコ ポーランド ハンガリーのポスター展に行ってきました。


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大学の施設なので入場料は一般200円! 大学生は150円、高校生以下無料。ただし日・祝はお休みです。初めてお邪魔しましたが、緑が多いキャンパスだと思いました。

入ってすぐのホールから、たくさんのポスターが! ロートレック系のもあれば、ソ連のプロパガンダポスターも。これは壁画並みの大きさでした!

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さて、お目当てのポスター展。写真撮影不可なので、メモを取りながら鑑賞しました。が、書籍を発行されていることがわかりました。すぐ取り寄せようと思います。

チェコ🇨🇿ポーランド🇵🇱ハンガリー🇭🇺では、社会主義時代、自由な表現活動が許されなかったため、芸術家たちはグラフィックデザインの分野で活躍しました。

今回の展覧会では、映画、イベント、サーカスなどの告知ポスターが展示されています。全然古びない、素晴らしく洒落たデザインばかり。全部欲しくなりました。

映画のポスターでも、俳優の顔やタイトルをバーーンと載せるのではなく、作家が独自の解釈で、独自の手法でデザインしていて、完全に独立した作品です。

どれもこれも良かったのですが、特に惹かれたのはチェコのフレイシャーの作品。オシャレ!カワイイ! グッズなんかにはなっていないのかしら。今度チェコに行ったら探してみようと思います。

同展は8/11まで開催されています。

なお、同大学には詩人の谷川俊太郎さんが寄贈されたレトロラジオコレクションがあります。資料館二階の廊下に大型のものが数台と、図書館に小さなものがたくさん。こちらも見てきました。開館していれば一般来学者も入館できます。




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by chekosan | 2017-06-24 17:25 | 美術 | Trackback | Comments(0)
同志社大学の「ロシア・東欧地域研究」では、各自好きなテーマを選んで小レポートや期末レポートを書いてもらっています。そうすると毎年必ず登場するのが、この小さな可愛らしい謎の生き物です。

クマ? タヌキ? サル? そのいずれでもありません。オレンジの箱の中で寝てしまって、ロシアにやってきた南の方の正体不明の動物です。

1966年に発表されたウスペンスキー作の児童文学『ワニのゲーナとおともだち』に登場するキャラクター、チェブラーシカです。

当時のソ連では、スターリン時代ほどではないものの、表現活動に厳しい制約がありました。そのなかで比較的、創作の自由の可能性があったのが児童向けの絵本やアニメーションなどでした。チェブラーシカも実は社会風刺や隠喩を含む物語です。

先日、このお話の具体的な作品分析を、学生さんが発表してくれました。わかりやすく興味深い内容で、あの可愛らしいアニメにそんな含意がと他の学生たちも感心していました。

写真は、2012年の滋賀県立近代美術館を皮切りに5カ所で開かれた展覧会「チェブラーシカとロシア・アニメーションの作家たち」の図録です。ウスペンスキーの原作に付けられた何パターンかの挿絵や、アニメ版チェブラーシカのキャラクターデザイン画などが載っています。結構、画家によってチェブラーシカの造形が違うのが面白いです。

この展覧会が開催されていたのは知っていましたが、仕事に忙殺されていた時期で、逃してしまいました。当時はあまり関心がなかったというのも正直なところ。行っておいたら良かったな!

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by chekosan | 2017-06-18 21:59 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)

月イチ書評連載@関西ウーマン、アップされました。今月は美術館の本にしました。先月も展覧会を楽しんできた兵庫県立美術館の実践がたっぷり。世界のおすすめ美術館紹介も。

兵庫県立に限らず、最近の美術館博物館は、ずいぶん気軽に楽しく学べる場になっています。学芸員に対する残念発言がありましたが、いやいや逆、学芸員や司書やアーキビストといった職の専門性をもっと尊重すべき。存分に腕をふるって活躍していただかねば。


本文はこちら↓
https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201102



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by chekosan | 2017-06-10 22:04 | 書いたもの | Trackback | Comments(0)

「ベルギー奇想の系譜展」@兵庫県立美術館、行ってきました。楽しかった!
もう私のために開かれたのかというくらいジャストミートな企画でした。

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「吹き出しにセリフを書いて貼って写真をSNSで拡散してね」コーナーもあったのですが、
一人だったので、ウロウロもじもじして、結局できませんでした。。。
係の方が近くで促して、写真撮ってくれたらなあ…とか思った小心者です。

帰りに誰もいない中庭で看板と自撮りしたのですが、つまらない写真になってしまいました。
やっぱりここで撮ってもらえば良かった。。。。


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安藤忠雄氏設計の建物。企画展示室に向かう階段室が雰囲気あります。
化け物さんたちがお出迎え~~。かわいい~~☆☆


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ヒエロニムス・ボス、ブリューゲル、マグリット、デルヴォーなどなど。
ちょっと不気味で不思議な作品ばかりです。

ベルギーという土地はそういうものを受け継ぎ、発展させる素地があるのでしょうか。
ボスという優れた先人がいたからなのでしょうか。

不気味だけどユーモラスで、でもやっぱりちょっと陰鬱な色合いだったりするんですよね。
気候風土が関係しているのでしょうか。
ブリュッセルやブルージュに行ったときには、そういう雰囲気は感じませんでしたが、
それは発達した都市だからでしょうか?

◇◇◇

今回は一人だったこともあり、音声ガイド(600円)を使ってみました。
私は解説板をそこそこ読む方ではありますが、やはり耳からの方が楽で、わかりやすいですね。
印象にも残りますし、いいですね。次からも借りてみようかな。

◇◇◇

展覧会といえば、グッズ売り場も楽しみの一つです。
昔は複製画、絵葉書くらいでしたが、今はもう衣食住なんでもありという感じ。

直輸入物はちょっと高くて手が出なかったです。
マグリットのお盆、研究室に欲しかったのですが。

この企画展オリジナルのものは、ほどほどのお値段でした。

非クリアファイルは溜まり過ぎて使ってないのでやめて、
今回は展覧会の図録&トートバッグセット(バラで買うよりちょとお得)と一筆箋に。
トートバッグや一筆箋ももう使い切れないくらいありますが、まあいいや。

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今回のお気に入りは、やはり看板にもなっている、この2点かな。
首ぐにゃり彫像は、かなり大きな立体作品です。
ぐるっと360度、見て回れますよ。

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いや~~、兵庫県立美術館の企画展は外れがないかも。面白かった。
というか、これはもう好きな人は好き、気持ち悪いと思う人はそもそも行かない企画ですよね。
こういうのが好物の人はぜひどうぞ。流れがわかる、いい展示ですよ☆






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by chekosan | 2017-06-01 14:53 | 美術 | Trackback | Comments(0)
もうずいぶん経ってしまいましたが、お友達とイギリスの絵本関連の展覧会をハシゴしました。

ひとつめはグランフロント大阪のナレッジキャピタルで開催されていた「ピーターラビット」展。
かなり出展数が多くて見応えがありました。

作者ビアトリクス・ポターの絵はイラスト的に慣れ親しんできましたが、
そういえば物語としてはきちんと読んでいなかったなあと、展覧会を見ながら思いました。

 ↓ 最近は写真撮影スポットを設けている展覧会が多いですね。私は必ず撮ってしまいます。

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2本目は滋賀県立近代美術館「絵本はここから始まった ウォルター・クレインの仕事」展。

よく似た企画を続けて観ると、時代背景などがよく理解できていいですね。
美術館業界で相乗効果を狙っているのでしょうか。そうならばありがたいタイアップです。

面白かったのは、両展ともで、「暦手帳」(?)みたいなのが展示してあったことです。
かわいらしい小ぶりな手帳で、カレンダーになっているのだと思います。

その「暦手帳」(?)で当時人気だったのがケイト・グリーナウェイという紹介がしてあった…かな。
だいぶ昔ですが、グリーナウェイ展も行ったことがあり、女性が好きそうだなあと思ったので納得。

が、鑑賞から少し日が経ってしまい、かつ今回は図録なども買わなかったため、ちょっと記憶が怪しい。
やはり手元にいろいろ残すとか、すぐに記録に残さないとダメですね。(-_-;)


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このあたりの時代の絵本のイラストを見ていると、とても懐かしい感じを覚えます。
もちろん私がこの時代にイギリスで少女期を過ごしたわけではないのですが。

母の今は亡き親友が、その方はご自身には子どもがおられなかったこともあり、
私たち姉妹にいつも素敵なプレゼントをくださいました。

その贈り物でおそらくピーターラビットも知ったように思いますし、
グリーナウェイそのものではなくとも、それ風な絵の可愛い小物をいただいていました。
そのおかげかなと思います。

そうした知らず知らずのうちに触れていることやものの影響や蓄積は、
じわじわとなじんで、のちに吸収・許容できる範囲を広げたり、柔軟にしたりするような気がします。

たとえ、そのときははまらなくても好きにならなくても、
先達が生み出した良いものにいろいろ触れておくことはやはり大事かなとつらつら思いました。

というわけで、ブリューゲルやヒエロニムス・ボスや
ルネ・マグリットやアンリ・ルソーやなんかのグッズを普段使いにして、
子らに見せつけて気味悪がらせています。逆効果? ( ̄▽ ̄)


◇◇◇

ところで、滋賀県立近代美術館の企画展示ですが、
少し前に別の友人と「ピアズリー」展に行ったときもさんざん言ったのですが、実に濃密です。

わたくし地元なので、小さいころからちょこちょこ行ってますが、
駅から遠くて不便ゆえ、常にガラガラなのですが、展示の内容自体はたいへん充実しています。

「アンリ・ルソーの夜会展」とか「マン・レイ展」とか、最近では「ピアズリー展」とか、
観ても観ても終わらない、、、足腰やられる、、、というくらい出展数が多いです。

改装で長期休館するそうですが、ぜひこのレベルを維持してほしいです。切に願います。







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by chekosan | 2017-04-29 14:49 | 美術 | Trackback | Comments(0)
関大「外国書研究」や、一般教養の「政治学」の講義では、
政治と文化、文化によるまちおこし、文化政策、
ソフトパワーとしての文化、サブカル外交といった話題をちょいちょい取り上げています。

日本人学生の関心が高く、身近に感じられるので、とても食いつきが良いです。
かつて芸術系大学・学部で教えていたときは、実際に自治体の主催する催しに関わっている学生も多く、
私の方が教えてもらうことが多いくらいでした。

いまの本務校は留学生がとても多いのですが、
日本のサブカルを通じて日本が好きになったという学生が多いです。

というわけで、この本も読んだのですが、このところ忙しくてなかなか記録できず。(-_-;)
以下は備忘のための軽めのメモです。まとまってません。


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著者は文化庁長官。国立西洋美術館長も務めた。
日本の伝統的な文化や習慣重視で、本書のサブタイトルは「日本のソフトパワーの底力」だが、
経済産業省が進める「クールジャパン」戦略については、
90年代にイギリスのブレア政権が進めた「クール・ブリタニア」を真似たもので、
やや新鮮味に欠けると冷めた評価である。

◇◇◇

2000年前後、「文明間の対話」の重要性が広く認識されるようになる。
これはグローバル化の進行、インターネットの普及の影響と背中合わせである。

言語のグローバル化に航路して、オックスフォード英語辞典は採録する英単語を世界中から集めるようになった。
英語圏以外のアジアや中東などで使われている英単語も含めているという。

◇◇◇

文化をソフトパワーとしてうまく発信しているのは「韓流」をひろめた韓国であろうと著者は言う。
韓流ドラマははじめから海外での放映を前提につくられており、放映料はきわめて安いという。
また、海外で放映する際、出演者全員の同意が必要な日本と違い、韓国はそのハードルが低いらしい。
そのため、「ドラマの出来、筋立ても上質とはいいがたい」ドラマではあるが、
海外のテレビ局にとっては、安くで一定の女性ファンを取り込める、ありがたい存在なのだと評している。

◇◇◇

著者の手本はフランスの文化立国戦略か。

フランスは自国文化の保護育成にたいへん力を入れている。
そのため、1993年、GATTウルグアイラウンドでは、カナダとともに、
映画については関税撤廃の対象から外すべきと粘り強く主張し、
映画やオーディオビジュアル分野について自由貿易における「文化的例外」が認められた。
これはハリウッド映画が映画市場を席捲することを避けるためである。

たしかに著者が引くフランスの文化政策、文化予算には驚嘆する。
過去の文化を保護、保存、活用することはもちろん、新しい文化を育成することにも力を入れている。
そのときに、これまでの予算額を分配するのではなく、上積みするところがすばらしい。

◇◇◇

ユネスコの「世界遺産」や「記憶遺産」「文化多様性条約」といった制度についても、
日本ははっきりと出遅れている。
著者は、「文化多様性条約」は保護主義を助長するようなことはなく、
むしろ文化や映像・音響作品の防衛の枠組みに恩恵をもたらしているとする。

◇◇◇

2012年6月のリオ+20会議「包括的豊かさレポート2012」は、
豊かさをはかるには、天然資源、教育水準、熟練した労働力、
整備された社会インフラや機械化などの総計で見る必要があるとしている。
そこで、自然資本、人的資本、人工物(物的)資本をストックと考え、数値化している。

日本の場合は、豊かさを維持するには、人的資本を増やすことにかかっている。
これには、多種多様な教育の機会を得ることと、文化の充実がきわめて重要である。

具体的には、自国語の尊重と海外における日本の普及、
日本の伝統文化の継承と浸透、ポップカルチャーに代表される現代文化の活力を増大させること、
異なる文化を受容すると同時に、日本文化を他の文化と相対化する柔軟性をもちうることである。

◇◇◇

本書後半は、さらに具体的な文化政策や地方自治体の取り組みが紹介されている。
そうした実際的な取り組みをもっと詳しく知りたいところだが、
それは各主体が発信していることだろうから、おいおい追っていきたい。

・「新・伝統工芸品」 … 南部鉄器への注目
・ヨーロッパのアーティスト・イン・レジデンス ※日本でも平田オリザさんが手がけている
・文化庁による「日本遺産」の創設 …「グループ化」と「物語性」を重視
・伝統文化をかみ砕いて伝える「インタープリター」の養成
・南イタリアの洞窟住居群の保全と活性化の事例
・イギリスの芸術文化支援 「アーツ・カウンシル」
 「アーム・レングスの原則」…政治と助成機関は一定の距離をおくべし
・イギリスの史跡保護 イングリッシュ・ヘリテージ
・ドイツの文化教育 具体的施策は地方にゆだねているが教育は連邦政府が力を入れている
・アメリカは寄付文化 寄付を促す税制
・フランスの造船業の町ナント 音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」で町おこし
 「ヨーロッパでもっとも住みやすい町」とまで
・スコットランドのグラスゴーも工業都市から文化都市へ変貌
・日本でも浜松市と鶴岡市がユネスコの「創造都市」に認定
・豊岡市「コウノトリ」の町へ
・富山県射水市大島地区「絵本の町」






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by chekosan | 2017-04-22 13:59 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)

今年の美術展第2弾は、大阪中之島の国立国際美術館で開催されている「クラーナハ展」。

16世紀、ドイツの宮廷画家として活躍した画家です。
工房を構えて、たくさんの作品を生み出した経営者でもありました。

デューラーと同時期で、題材や画法によっては画風がそっくりです。
サインがないとわからないものも。

宗教改革のマルティン=ルターと親交が深く、何枚も肖像画を描いています。

でも代表作は、このあたりかと思います。↓
妙に体が薄くて均整とれていないのですが、それがなんとも独特な雰囲気です。


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大看板に、顔出しパネル。
最近の美術展は、こういう撮影ポイントを作ってくれているのが楽しいです。

平日に行ったからか、お客さんが少なく、じっくり絵を観ることができました。
顔出しパネルも誰ひとり顔を突っ込もうとしないので、
せっせと何枚もパネルだけ撮ったり、一枚だけ顔を突っ込んで友人に撮ってもらったりしました。
顔出し写真は、しかし、私の顔面はまったく面白みが出ないと判明したので永久お蔵入りにします。



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美術展のお楽しみ、グッズ売り場ですが、今回はテープを購入しました。
これは顔出しパネルの彼女、ユディト嬢がつけている首飾りをモチーフにしています。

なかなか凝ったテープなので、贈り物やカードに使ったら素敵かな。


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点数も多く、短い解説映画も流れていて、ていねいな展示だと思いました。
若干、解説と作品の配置がよくわからない箇所もありましたが、
じっくり見ることができたので、クラーナハとその工房の作風、生涯、
美術史における位置づけなどが理解できました。




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by chekosan | 2017-03-01 00:17 | 美術 | Trackback | Comments(0)

2017年第8弾。実話をもとにした映画です。
同志社の授業で受講生から教えてもらってディスクを買っていながら一年経ちました。

「黄金のアデーレ」は、19世紀末から20世紀初頭に活躍したグスタフ・クリムトの名画です。
絵のモデルであるアデーレはウィーンの裕福なユダヤ人一家の一員で、芸術家のパトロンでした。

アデーレ自身は若くして病気で亡くなるのですが、そのあとにナチスがオーストリアを併合し、
ウィーンのユダヤ人は過酷な迫害を受けます。
名誉を傷つけられ、財産を没収され、強制収容所に送られていくのです。

アデーレの夫や姪たちも命からがらウィーンを脱出します。
アデーレの姪であるマリア・アルトマンは年老いた両親を残し、
夫とともに決死の脱出を試み、着の身着のままでアメリカにたどり着き、一から生活を築きます。

1998年、オーストリアはナチスが没収した作品を元の所有者に返還する法律を制定します。
マリアは、オーストリア政府を相手取り、一族の思い出の品であるアデーレの肖像画を返還するよう、
友人の息子を弁護士として雇い、訴訟を起こします。

この若い弁護士は、やはりオーストリアからアメリカに逃れた著名な作曲家シェーンベルクの孫です。
青年の曾祖父母はトレブリンカ収容所で亡くなっています。

はじめは乗り気でなかった青年は、お金のためにこの件に着手しますが、
そのうちに出自を自覚し、自らの意思で絵の返還に奔走するようになります。

返還法が制定されたとはいえ、アデーレの肖像画はオーストリアのシンボル的絵画、
オーストリア政府はなかなか返還に応じません。
何年もの歳月をかけてマリアと弁護士は訴訟を続け、とうとう絵はマリアの元に還るのでした。

その後、マリアは他の相続人への遺産分配の必要から、一般公開を条件に絵を売却します。
入手したのは、化粧品会社エスティ・ローダーが開設した美術館ノイエ・ガレリエです。
いまはニューヨークのこの美術館に展示されているとのことです。


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◇◇◇

映画のなかで、オーストリアの人々が、街中にナチスの旗を掲げ、
ドイツ軍に敬礼をして歓迎するシーンが出てきます。

ナチスによるオーストリア併合によって、ユダヤの人々はさまざまな権利をはく奪され、
財産を没収され、出国しようにもできなくなっていきます。

街頭では、大勢の市民がユダヤ人の人々を取り囲んで笑いながら
帽子をとったり髭を剃ったりして、屈辱を味合わせる場面があります。

主人公はそこに居合わせながら、何もできず逃げ去らざるを得ない。
非常に胸の痛むシーンです。

しかし、ナチスドイツのオーストリア併合についてオーストリア国内で歴史を見直す機運、
つまり「オーストリアは一方的な犠牲者である」という認識を再検討する気運が高まってきたのは
比較的最近の話であったと思います。
美術品などを返還する法律ができたのもまさにその流れでしょう。

そうした経験から、主人公は、返還の手続きのためにウィーンに行くことになっても、
かたくなにドイツ語を話そうとしません。

いま穏やかに暮らしているから、過去のことだからという問題ではないのです。

普通の生活を暴力的に中断させられ、家族や友人の命や財産を奪われた人々にとって、
奪われたものを取り戻すことは、金銭だけの問題ではないことは理解したいものです。

私が何度もお世話になったチェコのホストマザーも、
ロシア語やドイツ語は、話せるが使いたくないと、はっきり言っていました。

支配被支配の関係から生じた名誉の毀損や屈辱的な扱いに関することは、
放置していれば溶解するというものではなく、
共感、和解、再評価というプロセスが必要であると思います。

◇◇◇

そうしたことを踏まえて、しかし、
アデーレの肖像画がニューヨークに行ってしまったというのは残念な気がします。

買い取ったローダー氏はナチスによる没収財産の返還にも尽力しているとのことですが、
クリムトは世紀転換期のウィーンを代表する芸術家で、
彼が率いた芸術家の一派「分離派」の作品はやはりウィーンにあってほしい。
1992年に、ウィーンでクリムトやシーレの作品を直接観たときの感動を思い出して、
この映画の結末に感動しつつも、悲しく寂しい気がしたのでした。

◇◇◇

映画で、主人公と弁護士青年が、最初にウィーンに行って空振りに終わったあと、
無駄な旅にしないためにとホロコースト犠牲者を追悼碑を訪ねるシーンがありました。

昔にウィーンに行ったとき、かなりいろいろまわったつもりだったのですが、
こんな建物はなかったのではないかなと思ったら、2000年にできたものでした。
次回、ウィーンに行くことがあったら訪ねてみたいと思います。

◇◇◇

この映画、テーマとしては考えさせられるものを含んでいるのですが、
ちょっと演出が軽めというか情緒的すぎるというかテレビドラマ的なシーンも多いです。

が、主人公(ヘレン・ミレン)はたいへん!!魅力的でした。
おしゃれで強くてチャーミングで自立した女性!
年齢を経てもこんなに素敵な老婦人でいられたらいいなあと惚れ惚れしました。


そして、主人公と弁護士を助けるオーストリア人ジャーナリストを演じた俳優さん!
なんと「グッバイ、レーニン!」の主演男優さんでした。

この映画、東ドイツの消滅(東西ドイツの統一)と家族愛をからめていて大好きなのですが、
あの頼りなげな青年が、こんな貫禄たっぷりに!とびっくりしました。






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by chekosan | 2017-02-24 12:26 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)


今年は行きたい展覧会が目白押し。一覧をまとめておきます。
あくまで私が行きたいものだけ。随時、足したり整えたりしていきます(多分)。
これも好きなんじゃない? というものがあれば教えてください♪

(2017/2/23追記)



ルーヴルNo.9展
http://manga-9art.com/ → 大阪会場に行ってきました (1/21に記録)


◇クラーナハ展  → 行ってきました http://chekosan.exblog.jp/26686960/

1月28日(土)ー4月16日(日)国立国際美術館@大阪中之島
10:00~17:00(金曜日のみ19:00まで) 

http://www.tbs.co.jp/vienna2016/
アクセス
http://www.nmao.go.jp/info/access.html



絵本はここから始まった ―ウォルター・クレインの本の仕事
2017年2月4日~3月26日 滋賀県立近代美術館

http://www.shiga-kinbi.jp/?p=19759
アクセス
http://www.shiga-kinbi.jp/?page_id=119


ピーターラビット展
2017年2月11日~4月2日 グランフロント大阪
http://www.peterrabbit2016-17.com/

 ↓ ハシゴして行ってきました。





◇ミュシャのスラヴ叙事詩

2017年3月8日(水)-6月5日(月) 国立新美術館@東京
毎週火曜日休館 ただし、5月2日(火)は開館
10:00-18:00 ※金曜日は20:00まで
※4月29日(土)-5月7日(日)は20:00まで

http://www.mucha2017.jp/
新国立美術館のミュシャ展ページ
http://www.nact.jp/exhibition_special/2016/alfons-mucha/
アクセス
http://www.nact.jp/information/access/


◇マティスとルオー

2017年 4月4日(火) ~ 5月28日(日) あべのハルカス美術館
火~金 / 10:00~20:00
月土日祝 / 10:00~18:00
[ただし5月3日(水・祝)~7日(日)は20:00まで開館時間を延長]

http://www.aham.jp/exhibition/future/rouaultmatisse/
アクセス
http://www.aham.jp/access/




いつだって猫展
2017年4月29日(土)〜6月11日(日) 京都文化博物館
http://www.bunpaku.or.jp/exhi_special_post/always-neko/
アクセス
http://www.bunpaku.or.jp/info/access/



◇ベルギー奇想の系譜展 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで
 → 行ってきました。http://chekosan.exblog.jp/26895886/


2017年5月20日(土)~7月9日(日) 兵庫県立美術館

アクセス
http://www.artm.pref.hyogo.jp/access_m/index.html


◇アンチンボルド展

2017年6月20日(火)-9月24日(日)国立西洋美術館@上野公園
9:30―17:30(金・土曜日は20:00まで)

http://arcimboldo2017.jp/
アクセス
http://www.nmwa.go.jp/jp/visit/map.html


◇ブリューゲル「バベルの塔」展

2017年7月18日(火)~ 10月15日(日) 国立国際美術館 @大阪中之島

http://babel2017.jp/


◇怖い絵展

2017年7月22日(土)~9月18日(月・祝) 兵庫県立美術館
http://www.kowaie.com/

アクセス
http://www.artm.pref.hyogo.jp/access_m/index.html



◇大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち

2017年10月3日(火)~2018年1月14日(日) 兵庫県立美術館 

http://hermitage2017.jp/
アクセス
http://www.artm.pref.hyogo.jp/access_m/index.html


◇ボストン美術館展

10月28日(土)~2月8日予定 神戸市立博物館

http://boston2017-18.jp/
アクセス
http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/museum/info/access.html




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by chekosan | 2017-01-31 14:53 | 美術 | Trackback | Comments(0)