中・東欧、ロシアのこと&大学教育のことを発信します


by chekosan

タグ:本、読書、図書館 ( 198 ) タグの人気記事

「関西ウーマン」に掲載していただいている書評「信子先生のおすすめの一冊 」、今月は故・米原万里さんの『旅行者の朝食』です。食べものにまつわるエッセー集です。

米原さんの本のタイトルはひとひねりあるものが多いですが、本書もそう。表題の意味は米原さんの本でぜひ確かめてください。

b0066960_11560683.png




ところで、今月から書評にもタイトルが付くようになりました。「コイとハルヴァと少女と私」。米原さん風に、こちらもいろいろ掛けてあります。(=´∀`)

ちなみに、私が見つけたハルヴァをどこかにこっそりアップしておきます。食べた感想は、、、書評本文で!


b0066960_11481490.jpg



b0066960_11485201.jpg

[PR]
by chekosan | 2017-08-19 11:47 | 書いたもの | Trackback | Comments(0)

有名な作品であることは知っていましたが、観たことがなかった「ショーシャンクの空に」。お友達から、モーガン・フリーマンが出ていること、刑務所の図書館の話が出てくることを教えてもらって、いつかは観たいなと思っていました。先日、リトアニア旅行からの帰りに観ることができました。


b0066960_15200240.jpg


妻とその愛人殺しの冤罪でショーシャンク刑務所に入れられた元銀行家の男性が主人公。自由な暮らしを取り戻すべく、決して希望を捨てずに、粘り強く刑務所の暮らしを多少なりとも改善していこうとします。

インテリで税の知識や資金運用力があることを買われ、特別な引き立てで図書館係になった主人公は、議会に毎週手紙を書き、6年かけて、ついに図書館の経費を獲得します。仲間たちと空間を整え、受刑者たちの高校卒業資格取得の世話もするようになります。

広くきれいになった図書館で、本やレコードを楽しみ、資格のために勉強する受刑者たちの様子が描かれる場面はとても明るく生き生きしています。

◇◇◇

刑務所の図書館といえば、もうだいぶ前に読んだ『刑務所図書館の人びと』も面白かったです。ハーヴァード大学を出て、ユダヤ教のラビになることを期待されていた秀才が、その道を進まず、刑務所図書館の職員になるという話です。実話なのか創作なのか、よくわからない不思議な雰囲気のある話です。




b0066960_15263403.jpg

アヴィ・スタインバーグ『刑務所図書館の人びと』(柏書房 2011年)

◇◇◇

日本でも、刑務所で本を読むことは権利として保障されています。昔の政治犯、思想犯が刑務所で読書に勤しみ、新しい言語を習得したというような逸話を何かで読んだ記憶があります。

ところが、戦時中のドイツやソ連の管理していた強制収容所では、読書や書き物は禁止されていて、数冊の本を命がけで隠し持ったという逸話があります。本を読むこと、学ぶことはそれだけ人の精神活動に重要であるいうことですね。

イトゥルベ『アウシュヴィッツの図書係』(集英社 2016)
感想はこちら http://chekosan.exblog.jp/26705653/


b0066960_15514314.jpg


今回のリトアニアでの旅では、ユダヤ人追放、虐殺の歴史について学べる施設にいくつか行きました。リトアニアでも、たいへんな数、割合のユダヤ人が迫害を受け、殺されています。そのような時期でも、ユダヤ人コミュニティは、なんとか文化・スポーツ活動、教育活動を維持しようとしていたという説明があり、強く興味を持ちました。詳しく調べてみたいと思います。










[PR]
by chekosan | 2017-08-13 16:06 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
今年も、流通科学大学の初年次科目「文章表現Ⅱ」では、地域で八面六臂に活躍されている井戸書店の森忠延様に、桂文枝による新作落語「読書の時間」のご披露と、読書の効用についての特別講義をお願いしました。

今年は「文章表現Ⅱ」4クラスの開講曜限がすべて違うため、土曜日に4クラス合同で行いました。そのため昨年よりも大きな教室にしました。(昨年の様子はこちら→ 特別講義「読書のすすめ」~落語「読書の時間」とお話~

b0066960_17403986.jpg

教壇に会議机で高座をしつらえました。



b0066960_17441184.jpg


生の落語は初めてという学生が多く、面白かったとの感想が寄せられました。

落語のあとは、高座を脇に移し、論語のお話、読書についてのお話を聞かせていただきました。
みんなで論語の素読もしましたよ。

b0066960_17462205.jpg

大教室の設備を駆使し、2画面を投影してのお話。
普段と違う授業で新鮮だった、土曜日に来た甲斐があったと感想を書いてくれました。



b0066960_17481411.jpg



特別講義に先立って、森さんには学生へのおすすめ本も選定していただいていました。「文章表現Ⅱ」では、図書館主催の書評コンテストに全員が応募することを必須課題としていますが、その本を森さんおすすめの本から選ぶ学生も多数いました。さて、結果はどうなるかな。発表は秋です。



b0066960_17522316.jpg


さらに、毎年、書評で取り上げた本のPOPやしおりや帯などの販促グッズも課題として作っています。これまでも学生の作品は、井戸書店さんや本学図書館で活用していただいてきましたが、なんと今年は、神戸の11の書店さんが作品を見てくださり、それぞれ一点ずつ選んで秋のフェアで使ってくださるとのこと! 

もちろん、お眼鏡にかなう作品があればですが(笑) いえ、今年も良作揃いですので、それどころが一点に絞るのに悩まれるのではないかと思います!

フェアの様子は、有志の授業外活動希望者に取材に行ってもらい、ブログや「文章表現Ⅱ」Facebookページでもお伝えしようと思います。お楽しみに♪

その授業外活動ですが、今年は早くから名乗りを挙げてくれる学生がいて、この特別講義の回も早くから出てきて舞台設営その他に汗を流してくれました。おかげで非常にスムーズ。平郡さん、大浪君、授業アシスタントの加藤君、ありがとう! 


b0066960_18121808.jpg


そして、講義最終日に正式に授業外活動の希望者を募ったところ、なんと昨年の倍増の20人もの学生が手を挙げてくれました! どうしましょう、嬉しい悲鳴です(笑)

記名式アンケートでさえ、課題が多くて大変だった、ペースが速かった、という苦しげな感想が多数寄せられる「文章表現Ⅱ」ですが、単位に関係のない活動に参加したいという学生がたくさん現れたというのは、大変であってもやりがいがあったということかと教員二人、とても嬉しく思っています。

夏休み明けから、彼らとともに、フェアの取材、横浜での図書館総合展参加、学園祭展示、そして今年の目玉事業として、そうした活動をまとめた冊子づくりに取り組みたいと思っています。応援よろしくお願いします!!











[PR]
by chekosan | 2017-07-27 18:32 | 大学教育 | Trackback | Comments(0)

月イチ書評連載@関西ウーマン、アップされました。今月は劇作家の平田オリザさんの本です。講演を聴いて、すぐに手に入れ、一気に読みました。その魅力の十分の一も伝えられていないかも。ぜひぜひ本を手にとって読んでください。



本文はこちら↓
https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201134


b0066960_20065365.png


[PR]
by chekosan | 2017-07-09 20:08 | 書いたもの | Trackback | Comments(0)
2017年6月は、戦争、ジェノサイド、リトアニア、杉原千畝月間でした。夏休みにリトアニアに行って、そうした歴史の残る場所を見てきます。そういうわけで、7月、8月も引き続きリトアニア&千畝月間となります。


6月の読書メーター
読んだ本の数:18
読んだページ数:4043
ナイス数:371

娘と話すアウシュヴィッツってなに?娘と話すアウシュヴィッツってなに?感想
著者はフランスの歴史学者。第二次大戦とジェノサイドの専門家。自身も多くの親類縁者をアウシュヴィッツやドイツ人による殺害で亡くしている。タイトル通り、娘の疑問に答える形で、ユダヤ人大量虐殺についてわかりやすくまとめてくれている。薄い本だが知りたかったことが網羅されている。本書をベースに授業をした。これで地図があれば言うことなしなのだが! でもおすすめ。
読了日:06月01日 著者:アネット ヴィヴィオルカ


君の膵臓をたべたい (双葉文庫)君の膵臓をたべたい (双葉文庫)感想
学生のおすすめの一冊。今年はこの作家が人気。といっても4、5名だが。スレた大人には先が見通せてしまい驚きや感動は薄いのだが、ピュアな若者が惹かれるのはわからなくはない。それよりも、本を読まない設定の主人公の女の子が尊敬する人に杉原千畝の名を挙げていたのに驚き。千畝氏が学校教育や社会教育でどう取り上げられているかというのがこの夏の私のテーマなので、この女の子がどういう形で千畝氏を知ったのかが気になる。英語の教科書に載ってると聞いたが。あるいは映画の影響か。とマニアックなところに引っかかってみる。

読了日:06月04日 著者:住野 よる


ユダヤ人虐殺の森―リトアニアの少女マーシャの証言 (ユーラシア文庫)ユダヤ人虐殺の森―リトアニアの少女マーシャの証言 (ユーラシア文庫)感想
リトアニアにおける大戦中のユダヤ虐殺についてまとめた本。リトアニアといえば、日本の外交官杉原千畝氏がユダヤ難民約6000人にビザを発給した場所であるが、実は現地の反ユダヤ主義は大変苛烈で、ほとんどのユダヤ人が亡くなったという。本書は辛うじて生き残ったユダヤ人少女の証言を基にしたリトアニアの作家によるドキュメンタリー作品をベースにしているようなのだが、どこからどこまでが引用なのか、どの程度著者のオリジナルな著述なのかが判然としないのが残念。
読了日:06月05日 著者:清水 陽子


バルトの光と風バルトの光と風感想
リトアニアの部分しか読んでいないが、忘れないよう記録。著者は機械関係の営業をされてきた方。旅慣れているらしく、宿や現地で出会う人たちとの交流の記述の割合が多い。なお、本書は1999年夏の旅の記録なので、いまでは交通事情や物価その他は、かなり変化していると思われる。
読了日:06月07日 著者:河村 務



六千人の命を救え!外交官・杉原千畝 (PHP心のノンフィクション)六千人の命を救え!外交官・杉原千畝 (PHP心のノンフィクション)感想
児童向け。著者は27歳の頃から千畝氏を尊敬してきたということで、氏の功績を熱く讃えている。千畝夫人・故杉原幸子さんからも直接話を聞いているとのこと。千畝氏の生い立ち、当時の世界情勢、外交官としての仕事、千畝氏のビザで救われた人たちのその後など、バランスよく、わかりやすく、きちんとまとめられていると思う。なお、外交史料館勤務という職務柄であろう、誰をも批判しない、追及しない記述になっている。
読了日:06月07日 著者:白石 仁章


杉原千畝 (小学館文庫)杉原千畝 (小学館文庫)感想
唐沢寿明主演の映画のノベライズ。あっという間に読める。ヒューマニスト杉原千畝の面よりも、諜報活動の達人としての面をやや強調している。それはそれで面白いといえば面白いのだが、どこまで史実に忠実で、どこがフィクションなのか。映画のお約束、謎めいた美女は実在の人物なのか? 千畝氏のお子さんが存命なだけにひっかかる。既に、加藤剛、反町隆史主演の映画やドラマがあるので、差別化をはかったのか。3作品ともDVDも買ってあるので比較してみる。
読了日:06月07日 著者:大石 直紀


超<集客力>革命  人気美術館が知っているお客の呼び方 (oneテーマ21)超<集客力>革命 人気美術館が知っているお客の呼び方 (oneテーマ21)感想
月イチ書評連載@関西ウーマンで取り上げました。 先月も展覧会を楽しんできた兵庫県立美術館の実践がたっぷり。世界のおすすめ美術館紹介も。兵庫県立に限らず、最近の美術館博物館は、ずいぶん気軽に楽しく学べる場になっています。学芸員に対する残念発言がありましたが、いやいや逆、学芸員や司書やアーキビストといった職の専門性をもっと尊重すべき。存分に腕をふるって活躍していただかねば。
読了日:06月10日 著者:蓑 豊


水澤心吾の杉原千畝物語水澤心吾の杉原千畝物語感想
杉原千畝月間。どんどん読んでいます。こちらは滋賀県立図書館の滋賀県資料コーナーにありました。というのも、著者の水澤さん、写真家の寿福滋さんともが滋賀県出身だからです。水澤さんは一人芝居で杉原千畝を演じておられ、寿福さんは長年、千畝に関わる写真を撮っておられます。そんなわけで、本書は水澤さんの舞台の写真がたくさん載っています。その写真がとてもいいです。前半はお芝居の筋、後半は水澤さんがこの一人芝居をされるに至った半生が綴られています。
読了日:06月10日 著者:水澤 心吾


杉原千畝―六千人の命を救った外交官 (小学館版 学習まんが人物館)杉原千畝―六千人の命を救った外交官 (小学館版 学習まんが人物館)感想
杉原千畝月間。いつ頃から青少年向けの本や教材に千畝氏が取り上げられ、どのように描かれているかを検証すべく分析中。いかにも現代のマンガチックな表現に、うわぁと思ったが、これがなかなかバランスよくまとまっていた。巻末に資料や解説も載っているし、このコマのこの絵は、あの史料に基づいているなとわかるものもあった(日本人がユダヤ難民にリンゴを配っている絵。神戸で実際にそういうことがあった)。子ども向け伝記マンガおそるべし。ということは、他のコマのちょっとした表現も、出所が確かな史料がありそう。また精査してみよう。
読了日:06月10日 著者:稲垣 収,あべ さより


日常を生きる教育論日常を生きる教育論感想
数頁のみ参照。通読はしていない。我が県立図書館の蔵書検索では、書名のみならず目次に挙がっている言葉も拾ってくれる。杉原千畝に関する本を片っ端からチェックしていて見つけた。本書は著者が折にふれ書いた短文を集めたもので、リトアニアのカウナスに千畝を記念する植樹が行われた際、千畝が早稲田出身であることから早稲田関係者も出席したという話が収録されていた。また、このところの私のもう1つの関心事、シュテファン・ツヴァイクに触れたエッセーも収録されていた。なんという偶然と思ったが、著者はドイツの専門家。なるほど。
読了日:06月10日 著者:渡辺 重範


旅でみつめた戦争と平和 (母と子でみる)旅でみつめた戦争と平和 (母と子でみる)感想
杉原千畝氏のことが載っているので手に取ったのだが、ほかの項目があまりに衝撃的で、思わず一気読みしてしまった。著者は元高校教諭。10年余り作家・早乙女勝元氏らと戦争の傷痕が残る場所を訪ね、関係者に話を聞いてこられた。冒頭のフランスのオラドゥール村は、ナチスが村民を虐殺し、焼き払ったが、そのときの状態で丸ごと保全されている。ぜひとも行きたい。イタリアのパルチザンのこと、中国、韓国における日本軍、ベトナム戦争でのアメリカ軍による蛮行、虐殺の痕などについても収録。現場と証言と記録を残し、伝えることの重要性を確認。
読了日:06月11日 著者:重田 敞弘


新版 六千人の命のビザ新版 六千人の命のビザ感想
杉原千畝夫人・幸子氏による回想録。リトアニアでのユダヤ難民へのビザ発行のエピソードは冒頭の五分の一ほど。残りは、リトアニア赴任前のこと、リトアニアを引き上げた直後のプラハでもユダヤ人にビザを発行していたこと、ルーマニアで終戦を迎え、その後一年四カ月もソ連各地の収容所を転々とする日々を過ごしたこと、帰国後、外務省から辞職を勧告され、職を転々としたこと、杉原ビザで救われた人々との再会などが語られる。全編を通じて穏やかな記述が続くのだが、退職勧告の無念さや憤りについては率直に語られているのが印象的である。
読了日:06月11日 著者:杉原 幸子


子どもたちのアウシュヴィッツ子どもたちのアウシュヴィッツ感想
著者はテレジン強制収容所の子どもたちが残した絵を紹介する活動を続けている。アウシュヴィッツはじめナチスドイツの収容所から生還した人々への聞き取りも続けている。テレジンはアウシュヴィッツなどへの中継地として使われたチェコの町。文化人や芸術家、老人、子どもが集められ、一時期は教育・文化活動なども行われたが、結局ほとんどの人は生還できなかった。しかし絵を描くことで希望をもち、生きる気力を保ち続けた子どもたちもいた。本書では、そうした人たちの体験を伝えている。林幸子『テレジンの子どもたちから』と併せておすすめ。
読了日:06月12日 著者:野村 路子


アメリカひじき・火垂るの墓 (新潮文庫)アメリカひじき・火垂るの墓 (新潮文庫)感想
短編集。神戸に来たユダヤ難民の話が出てくるというので手に取った。夫曰く「学生やったら赤入れて直したくなるけどな」という独特な文体。講談調というか。戦中戦後、少年たちは空腹のあまり盗みを働き、栄養失調で死んでいく。通勤電車で読んで朝っぱらから気が滅入るリアルさ。帰宅後思わず「どんなに飢えても母や弟の分まで独り占めせんように」と上息子(飢え息子)に言っておく。養母を慕う少年の話「プアボーイ」が後を引く。この後、2人はどうなっちゃうの⁉︎ 「アメリカひじき」はオッサン思考(嗜好)で、ちょっとヤダ。

読了日:06月13日 著者:野坂 昭如


命のビザ、遥かなる旅路―杉原千畝を陰で支えた日本人たち (交通新聞社新書)命のビザ、遥かなる旅路―杉原千畝を陰で支えた日本人たち (交通新聞社新書)感想
戦乱のヨーロッパから逃れてきたユダヤ難民の渡航の世話をした人々の功績を明らかにしたいという熱い思いで、ゆかりの土地(敦賀、神戸)や生き延びたユダヤ人の人々を訪ね歩き、証言や資料を集めたドキュメンタリー。最後に登場する客船の料理人の方の話が具体的で心打たれた。なお、本書刊行時には神戸におけるユダヤ難民に関する証言や資料はほとんどなかったようだが、神戸市の呼びかけで市民から情報が寄せられ、2017年春に神戸市史の紀要にまとめられた。こちらによれば、神戸の人々は同情的に受け入れていたように見受けられる。
読了日:06月16日 著者:北出 明


N女の研究N女の研究感想
NPOで有給職員として働く女性たちの経歴や働きぶりやその後を追ったもの。著者言うところの「スペックの高い」(難関大学出身、大手企業での実務経験ありなど)女性たち、かつNPOの代表ではない人を選んでいるからか、短期間で離職する人が多い。離職に至った背景は異なるし、「次のステージ」に進むという人もいるが、日本のNPOが自活できるだけの職業とするには厳しいということの表れでもある。であるからこそ、「~女」という表現は(販促のための戦略だろうが)、「一過性」「趣味的に熱中している女性」を連想させないかと危惧する。
読了日:06月20日 著者:中村安希


杉原千畝: 情報に賭けた外交官 (新潮文庫)杉原千畝: 情報に賭けた外交官 (新潮文庫)感想
著者は長年、杉原千畝を研究。本書では、作家の手嶋龍一氏に勧められて、ユダヤ難民を救った人道主義者杉原の情報のプロとしての面を明らかにする。勤務先の外交史料館で発掘した一次史料を駆使した貴重な情報に満ちているが、研究書のスタイルを採った方が、そのオリジナリティと価値がより明確になったように思える。
読了日:06月30日 著者:白石 仁章


読書メーター

[PR]
by chekosan | 2017-07-01 21:31 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
同志社大学の「ロシア・東欧地域研究」では、学期の始めの方に「図書館でこの授業と関連しそうな本をみつける」という小さな課題(任意)を出しています。ジャンル不問。通読しなくてもいいけれど、パラパラでいいので必ず中を見て、どこか面白そうなところを書いてもらいます。なかにはきっちり読んで書いていそうな学生さんもいて感心します。

そして、これも任意ですが、授業内で紹介してもらいます。同輩の発表って、刺激になるんです。さらに私だけが見ていてももったいないので、今年はリストにして受講生全体で共有することにしました。

手書きのワークシートで出してもらったので、打ち込むとちょっと大変なため、あらためてLMS(授業支援システム)で出してもらおうとしたのですがうまくいかず… さらにメールで出してもらったりと右往左往しました。ごめんね、受講生のみなさん、二度手間、三度手間になりました。<〇>

そして集まったデータをアシスタントの院生O君にリスト化してもらいました。書影や、図書館の請求記号も入っているので、気になる本はすぐに探して見ることができます! A4で13ページにもなったため、縮小して両面印刷して配布します。(^-^;  

ちなみに、今年はロシアに関心が集中する傾向が見られました。


b0066960_00144574.jpg




[PR]
by chekosan | 2017-06-22 00:34 | ロシア・東欧地域研究@同志社 | Trackback | Comments(0)

年度末に発刊された、流通科学大学高等教育推進センター紀要第2号に掲載した、橋本信子「読書推進教育における図書館および書店との協働―流通科学大学初年次科目「文章表現Ⅱ」の取り組み ―」がPDFファイルでオンライン公開されました。流通科学大学に来てから3本目の教育実践論文となります。

読書推進、表現力向上という目的で一致する図書館や地域書店と一緒に作った授業の実践報告です。さらに、学生たち自身が自らの学習成果を学内外に発信していく活動の機会を設けました。それによって、学生たち自身が主体性を高め、自分たちの活動であるという意識を高めることができました。

本論は私の単著ではありますが、図書館のみなさん、ゲスト講師も務めてくださった井戸書店の森忠延さん、桑原桃音先生、「文章表現Ⅱ」の受講生たち、とりわけ課外の活動に参加した学生たちとの協働によるものと思っています。

なお、本論の内容を含む教育実践については、2017年3月の「大学教育研究フォーラム」(於京都大学)でもポスター発表をさせていただきました。大学図書館関係者の方、同じような授業や学修指導講座を担当されている方に熱心に話を聞いていただきました。ありがとうございました。



b0066960_15353297.jpg


[PR]
by chekosan | 2017-06-19 15:44 | 大学教育 | Trackback | Comments(0)
同志社大学の「ロシア・東欧地域研究」では、各自好きなテーマを選んで小レポートや期末レポートを書いてもらっています。そうすると毎年必ず登場するのが、この小さな可愛らしい謎の生き物です。

クマ? タヌキ? サル? そのいずれでもありません。オレンジの箱の中で寝てしまって、ロシアにやってきた南の方の正体不明の動物です。

1966年に発表されたウスペンスキー作の児童文学『ワニのゲーナとおともだち』に登場するキャラクター、チェブラーシカです。

当時のソ連では、スターリン時代ほどではないものの、表現活動に厳しい制約がありました。そのなかで比較的、創作の自由の可能性があったのが児童向けの絵本やアニメーションなどでした。チェブラーシカも実は社会風刺や隠喩を含む物語です。

先日、このお話の具体的な作品分析を、学生さんが発表してくれました。わかりやすく興味深い内容で、あの可愛らしいアニメにそんな含意がと他の学生たちも感心していました。

写真は、2012年の滋賀県立近代美術館を皮切りに5カ所で開かれた展覧会「チェブラーシカとロシア・アニメーションの作家たち」の図録です。ウスペンスキーの原作に付けられた何パターンかの挿絵や、アニメ版チェブラーシカのキャラクターデザイン画などが載っています。結構、画家によってチェブラーシカの造形が違うのが面白いです。

この展覧会が開催されていたのは知っていましたが、仕事に忙殺されていた時期で、逃してしまいました。当時はあまり関心がなかったというのも正直なところ。行っておいたら良かったな!

b0066960_21290191.jpg





[PR]
by chekosan | 2017-06-18 21:59 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
「火垂るの墓」を読みました。

有名な作品ですし、学生のおすすめの一冊にも挙がっていたのですが、特に意味はなく後回しになっていました。先日手に入れた『神戸の歴史』26号に、この作品中に神戸に逃れてきたユダヤ難民についての記述があると書いてあり、とうとう手に取りました。



b0066960_15342919.jpg


件のくだりはここ。

「最後までケーキを出していたのは三宮のユーハイム、半年前にこれで店閉まいだからと、デコレーションケーキをつくり、母が一つ買って来た、あすこの主人はユダヤ人で、ユダヤ人といえば昭和十五年頃、清太が算術なろうとった篠原の近くの赤屋敷に、ようけユダヤの難民が来て、みな若いのに髭を生やし、午後四時になると風呂屋へ行列つくって行く、夏やいうのに厚いオーバー着て、靴かて両方左のんをはいて、びっこひいとんのがおった、あれどないしてんやろ、やっぱり捕虜で工場へ入っとんやろか」

ユダヤ難民の人たちが夏なのに分厚いコートを着ている様子は当時の新聞にも出ています。ほとんど着の身着のままだったのでしょうね。

それにしても、野坂氏の文章って関西弁でしゃべっているそのままを書き起こしたようですね。あるいは講談のよう?
独特な文体ですが、私はすぐになじめました。


と、本筋とは違うところを確認したくて手に取った本ですが、作品全体も面白かったです。短編集ですが、ほかの作品も戦中戦後の生活の厳しさ、特に子どもたちの飢えや病や死がリアルに描かれていて、通勤電車で読んでいて、朝っぱらからかなり気が滅入りました。当時は、いや、いまもですが、女性と子どもだけになると、一気にただ生きるだけでも大変になります。母親は子を救おうと必死で働き、食べ物を分け与え、病気になって衰弱していく。子も次々に弱り、死んでしまう。そんなことがゴロゴロ起こっていたと思うと。。。

こんな混乱の状況に陥ったら、果たして我が家は生きのびることができるんだろうか。私と子らだけになったとしたら、私や息子にそんな甲斐性はあるだろうか。庭を開墾して食べ物をと思っても、苗は、種はどうするの? 燃料は? 縁があるんだかないんだかわからない人が居候にきたとして、果たして自分は手に入った貴重な食べ物を、その人たちにも分けてあげられるだろうか? などと考えてしまったのでした。

最近はやはり文学などを読んでも「親」の目線になっているなあと思います。自分の子はもちろん、子どもたちがまっとうな生活ができる世でなければと心底思えるようになりました。

野坂兄妹が実際に暮らし、「火垂るの墓」の舞台のモデルとなった場所や防空壕跡が郷土史家方々により特定されました。野坂氏は、つらくて行けないと正確な場所は伝えなかったため、神戸の空襲から72年にして判明したそうです。(朝日小学生新聞2017年6月5日)




[PR]
by chekosan | 2017-06-14 16:16 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)

月イチ書評連載@関西ウーマン、アップされました。今月は美術館の本にしました。先月も展覧会を楽しんできた兵庫県立美術館の実践がたっぷり。世界のおすすめ美術館紹介も。

兵庫県立に限らず、最近の美術館博物館は、ずいぶん気軽に楽しく学べる場になっています。学芸員に対する残念発言がありましたが、いやいや逆、学芸員や司書やアーキビストといった職の専門性をもっと尊重すべき。存分に腕をふるって活躍していただかねば。


本文はこちら↓
https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201102



b0066960_22034625.png

[PR]
by chekosan | 2017-06-10 22:04 | 書いたもの | Trackback | Comments(0)