中・東欧、ロシアのこと&大学教育のことを発信します


by chekosan

有名な作品であることは知っていましたが、観たことがなかった「ショーシャンクの空に」。お友達から、モーガン・フリーマンが出ていること、刑務所の図書館の話が出てくることを教えてもらって、いつかは観たいなと思っていました。先日、リトアニア旅行からの帰りに観ることができました。


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妻とその愛人殺しの冤罪でショーシャンク刑務所に入れられた元銀行家の男性が主人公。自由な暮らしを取り戻すべく、決して希望を捨てずに、粘り強く刑務所の暮らしを多少なりとも改善していこうとします。

インテリで税の知識や資金運用力があることを買われ、特別な引き立てで図書館係になった主人公は、議会に毎週手紙を書き、6年かけて、ついに図書館の経費を獲得します。仲間たちと空間を整え、受刑者たちの高校卒業資格取得の世話もするようになります。

広くきれいになった図書館で、本やレコードを楽しみ、資格のために勉強する受刑者たちの様子が描かれる場面はとても明るく生き生きしています。

◇◇◇

刑務所の図書館といえば、もうだいぶ前に読んだ『刑務所図書館の人びと』も面白かったです。ハーヴァード大学を出て、ユダヤ教のラビになることを期待されていた秀才が、その道を進まず、刑務所図書館の職員になるという話です。実話なのか創作なのか、よくわからない不思議な雰囲気のある話です。




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アヴィ・スタインバーグ『刑務所図書館の人びと』(柏書房 2011年)

◇◇◇

日本でも、刑務所で本を読むことは権利として保障されています。昔の政治犯、思想犯が刑務所で読書に勤しみ、新しい言語を習得したというような逸話を何かで読んだ記憶があります。

ところが、戦時中のドイツやソ連の管理していた強制収容所では、読書や書き物は禁止されていて、数冊の本を命がけで隠し持ったという逸話があります。本を読むこと、学ぶことはそれだけ人の精神活動に重要であるいうことですね。

イトゥルベ『アウシュヴィッツの図書係』(集英社 2016)
感想はこちら http://chekosan.exblog.jp/26705653/


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今回のリトアニアでの旅では、ユダヤ人追放、虐殺の歴史について学べる施設にいくつか行きました。リトアニアでも、たいへんな数、割合のユダヤ人が迫害を受け、殺されています。そのような時期でも、ユダヤ人コミュニティは、なんとか文化・スポーツ活動、教育活動を維持しようとしていたという説明があり、強く興味を持ちました。詳しく調べてみたいと思います。










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by chekosan | 2017-08-13 16:06 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
リトアニアに向かう機内で観た映画2本目。「ユダヤ人を救った動物園」という日本語題で原作が出ているようです。実話を基にした映画です。

ナチスドイツの侵攻で多大な被害を受け、閉鎖に追い込まれたポーランドのワルシャワの動物園が豚農場に転換して、それを隠れ蓑にユダヤ人300人を匿い、2人を除いて全員を救ったというお話です。

ユダヤ人を匿えば、何人であろうと匿った人まで捕まる時代に、ゲットーから人々を連れ出して数日から数年にわたって匿い、世話をするというのは誰にでもできることではありません。たいへんな勇気と知恵と行動力です。

流れもわかりやすく、しっかり泣ける映画です。ただ、ドイツに占領されたポーランドの話なのに、セリフが英語なのが残念。あまりポーランドっぽく感じませんでした。

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by chekosan | 2017-08-04 02:36 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
ただいまリトアニア🇱🇹に来ています。行きの機中で、映画を2本観ました。1本目が、シュテファン・ツヴァイクの晩年を描いたもの、2本目はナチスドイツに侵攻されたポーランドの動物園でユダヤ人をかくまった実話に基づく話。どちらも最近の一番の関心事。私のためのラインナップかと興奮しました。

なのですが、1本目のツヴァイクの映画は、欧州を追われてブラジルへと逃れたツヴァイクが、文学と政治と人間関係に悩む?というような話。

セリフが重要な映画なのですが、英語の字幕はあったものの、いろんな言語が飛び交うためなんだか混乱(^_^;)

突然、場面が変わって、これ誰?と思ってるうちにまた場面が変わり、機長のアナウンスやら機内サービスやらでしょっちゅう停止するし。

そのうち寝てしまって、隣の10歳息子に一時停止してもらってたような有様なのでした。

というわけで、評価できないのですが、当時ツヴァイクがブラジル🇧🇷でたいへん人気で、会えるなんて超感激〜⭐︎という歓迎を受けていた様子はわかりました。主役も写真で見るツヴァイクとよく似ています。

覚醒している時にまた観れる機会があれば観ようと思います(^_^;)

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by chekosan | 2017-08-03 06:55 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
いやなかなか硬派で、密度の濃い作品です。

ボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都サラエヴォの「ホテル・ヨーロッパ」を舞台としたお話です。

第一次世界大戦勃発のきっかけとなった「サラエヴォ事件」から100年の記念式典が開かれるまさにその日、ホテル・ヨーロッパの従業員たちはストライキを計画します。冬季オリンピックのときにつくられ、多くの著名人をもてなしてきた格式高いホテルなのですが、実は2か月も従業員に給料を払えていないのです。

支配人は、EUからのVIPが多数揃う重要な催しを成功させ、その支払いで銀行への返済をはかりたい。2日待ってくれれば給料を払うからとストライキをやめさせようとします。従業員たちは、内外の注目が集まるその日にこそストライキに打って出て給料を支払わせたい。フロントの若き有能な女性スタッフは両者の板挟みになります。

屋上では、サラエヴォ事件100年特別番組の収録中。女性ジャーナリストが識者にインタビューをしています。3人目のインタビューの相手は、サラエヴォ事件の犯人とまったく同じ名前の男性です。何やら不穏な雰囲気。何者かよくわかりません。歴史認識をめぐって、ジャーナリストと激論になります。

ホテルのVIPルームにチェックインしたフランス人は、部屋にこもって、サラエヴォ事件やユーゴスラヴィア内戦を防げなかった欧州の責任を追及する演説の練習を続けます。

この大きく3つの話が同時進行していきます。フランス人VIPがホテルにチェックインしてから85分間の出来事を85分の映画にしたという形になっています。3つの話が一つになるときがクライマックスです。


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屋上でのインタビュー部分が長くてつまらないという感想も見ましたが、私はここが面白かったです。ボスニア・ヘルツェゴヴィナの過去と、いまも続く民族間の対立の根の深さ、深刻さの一端を知ることができる面白い構造になっていると思いました。

またフランス人VIPの演説は、実際のサラエヴォ事件100年の日に上演された一人芝居「ホテル・ヨーロッパ」を再現したものであるとのこと。この戯曲を原案として本作は作られたそうですが、もともとのお芝居も見てみたいと思いました。

スリルとサスペンスな要素も盛り込みつつ、こういう社会派な作品を作れる監督がいるのだなあ~、と思ったら、気になっていた「鉄くず拾いの物語」や「汚れたミルク あるセールスマンの告発」を撮った監督さんでした。どっちも観れてないのですが。

フランス人VIP役のフランス人俳優以外は、地元ボスニア・ヘルツェゴヴィナの俳優たちで、国際的には著名というわけではないそうですが、とても良かったように思います。

フランス人の場面以外はセルビア・クロアチア語です。この言葉もスラブ語の仲間なので、ほかのスラブ語と語彙や構文(というのか)が似ています。字幕があるからですが、うっすらとわかって嬉しかったです。そして、やっぱりスラブ系の言葉って、なんか音がかわいいです♡


 


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by chekosan | 2017-07-15 23:16 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
ドイツで戦後すぐに書かれたハンス・ファラダの小説『ベルリンに一人死す』を映画化したものです。独・仏・英合作の映画です。

舞台は1940年のベルリン、棺桶を作る木工所の職工長の夫とその妻の一人息子が戦死するところから始まります。夫婦は、息子を奪われた悲しみと憤りから、絵葉書に体制批判、ヒトラー批判を書き、街角に置いて回ります。ささやかな、しかし見つかれば死刑は確実という危険な行為です。そうして2-3年もかけて、ゲリラ的に置いて回った葉書計285枚のほとんどは、見つけた市民によってすぐさま警察に届けられ、夫婦の命を賭した運動は広がりを見せることはありませんでした。


原作はかなり大部の著作で、主人公夫婦以外の人物もていねいに描き出しているそうですが、この映画では、周囲の人々については描き切れていません。主人公たちの夫婦愛とゆるがない意思の尊さに焦点が当てられています。全体的にさらっと話が進んでいって、若干盛り上がりや余韻には欠けます。ドイツが舞台なのに、英語なのもちょっと残念… が、主演俳優二人の演技がとても良いし、映像として全体的にきれいで雰囲気があるので、これはこれでいいかという感じです。

ただ、実話をもとにした話ということなので、体制賛美一色と思われがちなナチスドイツ時代にも、命がけで体制を批判する名もなき市民がいたということを語り継ぐという点で、意義深い映画であると思います。



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by chekosan | 2017-07-12 22:16 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
兵庫県立美術館で開催された短編ドキュメンタリー映画の上映会と、梶岡潤一監督による講演会に行ってきました。映画は25分。第二次世界大戦時、杉原千畝氏が発給した通過ビザでヨーロッパから逃れたユダヤの人々のその後を調査しているフリーライター北出明さんに密着したドキュメンタリーです。

監督はもともと俳優をされている方で、お話がとてもお上手。兵庫県出身ということで、テンポのいい関西弁で、和やかで楽しい講演会でした。

写真撮影、拡散歓迎とのことでしたので、遠慮なく撮らせていただきました。監督のパワーポイントのスライドがとてもわかりやすく勉強になるので、撮影可だったのはとてもありがたいです。

このあと、日本人とユダヤ人の交流を描く長編映画を作りたいとのことで、クラウドファンディングによる資金集めも計画されているそうです。そんなわけで、応援の意味も込めて、講演会の様子をアップさせていただきます☆



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by chekosan | 2017-07-09 21:23 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)

7月は毎週、京都シネマに行かないと!

アイヒマンの後継者



サラエヴォの銃声



残像 →アンジェイ・ワイダ監督遺作



ヒトラーへの285枚の葉書 → 観ました。感想はこちらに









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by chekosan | 2017-06-27 22:17 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
唐沢寿明、小雪主演「杉原千畝」をDVDで観ました。これで杉原千畝氏を取り上げた映像作品3本目です。

うーーん。この映画は好評だったのでしょうか。ノベライズされた小説を先に読んだときに予感はしていたのですが、うーーん。。。という感じです。

唐沢寿明は、いい俳優だと思います。テレビドラマの「白い巨塔」なんて、とても良かったと思います。知的な人だし、見た目的にも割とイメージに合っていると思っていました。が、、、この映画、セリフが全編英語なのです(ポーランド人だけの場面はポーランド語、日本人だけの場面は日本語ですが)。そのために、唐沢君の演技がヘタに思えるのです。

千畝夫人・幸子役の小雪も、ただ千畝に寄り添うだけのおとなしい奥さんというキャラクターになってしまっていて、実在なのかわからないロシア人女性スパイの方が存在感があるという事態に。あと、細かいことですが、あの時代で着物にイヤリングしているのも気になります。外国にいるときはアリだったのでしょうか? 

この作品は、加藤剛版ドラマ反町隆史版ドラマとの差別化を図ったのか、ユダヤ難民に通過ビザを大量発給するエピソードの部分がかなりあっさりしています。監督によれば、単なるお涙頂戴にしたくなかったということですが、狙い通り(?)盛り上がりに欠けるものとなっています。というか、とりあえず全体的にテンポが悪いです。

杉原ビザを持ったユダヤ難民が極東ウラジオストクまでたどり着いたものの、日本は入国を許可しない、さあどうするという後日談を挿入した点は過去のドラマと違う部分なのですが、これも残念なことに中途半端です。どうせならもっとしっかり描くか、まったくない方がいいように思いました。

この作品に関して、史実と異なる部分をかなり細かく指摘する論文もあります。が、それ以前に、狙いやテーマがよくわからない映画になっているように思いました。

良いところは、、、絵というか画質はさすがに過去のドラマよりはずっといいです。ただ室内のセットはちゃちいです。これも残念な感じです。映画なのに。あれ? フォローになっていない?


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これで3本の映像作品を観ました。一番古い加藤剛主演のドラマは、幸子夫人の著作の構成に忠実なドキュメンタリードラマという感じ、反町隆史主演のドラマは主題をしぼった、わかりやすくお涙頂戴な物語、唐沢寿明主演の映画は前2作と違うものをと意気込んでいろいろ盛り込もうとした結果、いろいろ薄まってしまったという感じでしょうか。どれを勧めるかと言われると難しいです。どれも一長一短ありです。いずれにしても、脚色や演出、創作した部分はあるものとして観る必要はあると思います。





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by chekosan | 2017-06-17 22:24 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
杉原千畝を取り上げた映像作品2本目は、反町隆史、飯島直子主演の「六千人の命のビザ」です。こちらは、終戦60年ドラマスペシャルとして、よみうりテレビが制作しました。1時間46分ほどです。

1992年制作の加藤剛主演の「命のビザ」(←感想あり)は、千畝夫人・幸子氏の回想録『六千人の命のビザ』に書かれた内容をほぼ網羅したもので、情報量が多く、後日談もしっかり盛り込んであるのが良さです。ただ、後日談の部分がかなり長いため、少しストーリーが散漫になっていると言えなくもありません。

反町版は、千畝氏がリトアニアでユダヤ難民にビザを発給したエピソードに特化し、登場人物もかなり少なくしているので(お子さんの数まで減っている…)、わかりやすく人道的なドラマになっています。ただし、話を凝縮させているわりには、脚色というか、ちょっとここはフィクションだろ~と思える場面はあります。

キャスティングや演技に関しては、はじめのうちは、う~ん、反町隆史ではかっこよすぎ? 加藤剛さんのインテリな感じの方が合っているなあ、、、他の役も、ちょっとセリフや演技がちょっとわざとらしいなあという気もしましたが、そのうち気にならなくなりました。いや、それどころか、千畝がカウナスの駅でギリギリまでビザを書き続ける場面などは、けっこう感動しました。期待していなくてごめんなさい。

あ、でも戦後の再会シーンの反町千畝の老けさせ方はいただけないです。せっかくの感動がちょっと…(笑) 幸子夫人役は、私は飯島直子の方がゆったりした感じで良かったな(←多分に好みも入ってます)。

ということで、残る1本、唐沢寿明主演の映画もまた観ます。



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by chekosan | 2017-06-14 23:07 | リトアニア | Trackback | Comments(0)
加藤剛、秋吉久美子主演「命のビザ 六千人のユダヤ人を救った日本領事の決断」を観た。このあと2本、杉原千畝氏関連の作品をDVDで用意している。3本観たら比較などしてみたい、とりあえず忘れないようにメモ。

私は本作品をテレビで見て杉原千畝氏を知ったような記憶があったのだが、どうも覚えがないシーンが多くて、違うものを観たのではないかという気もする。あるいはカットされたものを見たのだろうか?

それはともかく。

本作品は、第二次世界大戦のさなかに、本国の命令に背いて、リトアニアから脱出しようとした2千人を超すユダヤ難民に通過ビザを発行して6千人の命(ビザは家族に適用されたため)を救った外交官、杉原千畝氏の苦悩、決断、その後に至るまでを追っている。リトアニアを去ってからの話も案外長い。

ここはという場面のセリフは、原作である妻・杉原幸子氏による回想録『六千人の命のビザ』にかなり忠実にしてある。当時の映像も随所に挟まれているのが効果的。半ドラマ半ドキュメンタリーのような感じのつくりである。

加藤剛が千畝氏のイメージによく合っているように思う。ご本人を知らないのにイメージに合うとか合わないというのもおかしな話かもしれないが。

DVDにはさらに、妻・幸子氏が50数年ぶりにリトアニアを訪問した際の記録映像も付いている。当時、日本領事館で働いていた現地の女性が幸子氏を迎えて思い出を語るシーンや、シナゴーグで現地のユダヤ人からお礼を言われるシーンなども収録されている。



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by chekosan | 2017-06-08 01:04 | リトアニア | Trackback | Comments(0)