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by chekosan

タグ:リトアニア ( 10 ) タグの人気記事

誕生日~香港研修引率~風邪~授業開始で、充実していたけど、あっという間だったようなひと月。

あいかわらず、怖い系暗い系が並ぶ読書記録。特に最後のホロコースト回想録なんて、夜に読んでしまって怖くて眠れなくなった。でも、貴重な証言がたくさん綴られ、さまざまなことを深く考えさせられた本だった。今月のMVP。残酷なシーン満載なので、おすすめはしにくいけど。


9月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:2951
ナイス数:296

怖い絵のひみつ。 「怖い絵」スペシャルブック怖い絵のひみつ。 「怖い絵」スペシャルブック感想
大人気の美術展、「怖い絵」展の紹介本。中野京子氏のベストセラー『怖い絵』シリーズで紹介されている名画を含む、さまざまな「怖い」絵を集めた企画展。キャッチコピーは『その闇を知ったとき、名画は違う顔を見せる。』。本書は、同展の主な作品の解説や展覧会にまつわる秘話、中野氏と宮部みゆき氏の対談など。この美術展、兵庫会場に行ったがたいへんな人で、解説板を読むのもひと苦労。先に本書で予習しておいて正解だった。表紙やチラシにも使われている絵は確かに良かった。大きくて、緻密で、肌やドレスの質感がとても美しい。
読了日:09月02日 著者:中野 京子


怖い絵 (角川文庫)怖い絵 (角川文庫)感想
悪魔や人殺し、戦争といった「怖さ」だけではない。現代では考えられないような残酷な風習や習慣、人の心の闇やよこしまな気持ちを露わにしている「怖い」絵もある。「とにかく絵を見て何かを感じてみましょう」という日本の美術教育に中野氏は疑問を呈する。西洋の絵画には神話や宗教、時代の背景を知らないと寓意がわからないモチーフ、題材がたくさん出てくる。その意味を知ることで、絵は俄然、面白くなる。月イチ書評で取り上げました。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201166
読了日:09月03日 著者:中野 京子


約束のネバーランド 5 (ジャンプコミックス)約束のネバーランド 5 (ジャンプコミックス)感想
いよいよ脱出。もともと現実離れした話ではあるが、ますます超人になっていく子どもたち、異世界みたいな外の世界。ハウスにいる頃の方が面白かったな。。。
読了日:09月08日 著者:出水 ぽすか




復讐専用ダイヤル―赤川次郎ショートショートシリーズ (赤川次郎ショートショートシリーズ 1)復讐専用ダイヤル―赤川次郎ショートショートシリーズ (赤川次郎ショートショートシリーズ 1)感想
図書館に行ったついでに小5息子に適当に何冊か見繕った一冊。自分が一気読みしてしまった。赤川さん、久しぶり。何十年ぶりかな。一時期ずいぶん読んだなぁ。相変わらず読みやすくて面白い。こちらは短編集。携帯電話がない時代の話もあるのでだいぶ昔の作品なのだが、全然古びない。ちょっとブラックでちょっと人情味があって。また時々気分転換に赤川さんの本、手に取ってみよう。
読了日:09月10日 著者:赤川 次郎


とりつくしま (ちくま文庫)とりつくしま (ちくま文庫)感想
心残りのある死者が一つだけ何かモノに取り憑けるというお話。学生がすごく感動するんですと勧めてくれた。ピュアだなぁ。私なら、、子らのベストオブぬいぐるみなら捨てられずにそばに居られるかなとか思ったけど、やっぱりいいや。家族が嘆きかなしむ様子を見るのは辛いし、落ち着いてきた頃に聞きたくないこと見たくないことを知ってしまうのもヤダし、自分の存在が忘れられていくのを見るのも嫌だな。しばらくしっかり悲嘆にくれてもらったら、あとは私のことは忘れていいから明るく生きていってほしいなぁ!
読了日:09月11日 著者:東 直子


怖い絵 泣く女篇 (角川文庫)怖い絵 泣く女篇 (角川文庫)感想
怖い絵シリーズ2作目。絵が描かれた当時の常識や風習、考え方、流行りがわかると、面白く感じなかった絵の面白みがわかってくる。それでも絶賛されるほどの名画なのかよくわからないものもあるが、それは文庫という小さなサイズに押し込まれているからかもしれない。ところでルーベンスの時代ならアタシも三女神の争いに仲間入りできたんじゃないかしら。生まれる時代間違ったわ〜(´∀`)
読了日:09月11日 著者:中野 京子


あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫 (520))あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫 (520))感想
子どもの頃から気になっていた本をようやく読んだ。ドイツ人少年のぼく一家は、同じアパートに住むユダヤ人のフリードリヒ一家と親しくつきあう。少年の父は20世紀にまさか国家が虐殺を指揮することはないだろうと脱出を拒む。いかにも悪どい家主、一家を助けようとしながらも決定的なところでは及び腰なぼくの一家、ノリでポグロムに参加してしまうぼく。普通の人々がユダヤの人々を追い詰めていく様子が淡々とリアルに描かれる。三部作のようなので続きもまた読みたい。
読了日:09月12日 著者:ハンス・ペーター・リヒター


夜の記憶:日本人が聴いたホロコースト生還者の証言夜の記憶:日本人が聴いたホロコースト生還者の証言感想
著者は生命倫理の研究者。ホロコーストの現場や生存者を直接訪ねた記録だが、肝心のインタビューが大幅に短縮されている人もあるよう。インタビュー相手が既に回想録を出しているような人ばかりだからか? 挨拶部分や「話を聞いてのまとめ」的コーナーを排して、できる限り生の証言を採録して欲しかった。全体的に情緒的で思い込みや想像に基づく記述が多いので留意する必要がある。ところで、第2世代、第3世代へのホロコーストの影響については別の機会にという記述が何度か出てくるが、研究成果はもう出されないのだろうか。
読了日:09月14日 著者:沢田 愛子


おわらない音楽 私の履歴書おわらない音楽 私の履歴書感想
日経新聞「私の履歴書」に加筆修正したもの。疾風怒濤な小澤氏のこれまでをざっと追える本。すごい密度、すごい交友関係。恩師への尊敬の念と、自らも次の世代を育てようと教育活動に力を入れているところに感動。おかげで、我が息子も、小澤征爾音楽塾の青少年無料招待リハ公開で、小澤征爾指揮カルメンをかぶりつきで観ることができ、良かった良かったと大興奮して帰ってきた。初めてのオペラがそれだったおかげで、すっかりオペラ好きになった模様。一流は違うと思った次第。私も小澤氏の公演、聴きに行きたいなあ。
読了日:09月17日 著者:小澤 征爾


日本に来たユダヤ難民: ヒトラーの魔手を逃れて 約束の地への長い旅日本に来たユダヤ難民: ヒトラーの魔手を逃れて 約束の地への長い旅感想
著者はイスラエルの建国に携わり宗教大臣を務めた人物。ポーランドからのユダヤ難民の救出に奔走した回想録。団体名や派閥名、宗教上の用語が頻発してわかりづらい。一覧と注釈が欲しかった。著者自身、杉原千畝の発給した通過ビザを持って日本に来た難民ではあるが、その話は一部である。杉原については深い敬意と謝意を持って記してあるが分量は多くない。なお最近インターネット上でユダヤ人の恩人として拡散されている人物についてはかなり厳しく否定している。
読了日:09月19日 著者:ゾラフ バルハフティク


日本人に救われたユダヤ人の手記日本人に救われたユダヤ人の手記感想
リトアニアで生まれ育ったユダヤ人少年のホロコースト回想録。杉原関連本には、杉原との交流部分ばかりが引用されるが、本書はそれ以外の体験の方が断然面白い。面白いという表現はそぐわないかもしれないが…本書で語られているユダヤ人に対する迫害、殺害、略奪の様子は生々しく残酷で非常にショッキングである。それでもカウナスではユダヤ人同士の結束が固くコミュニティの信頼関係が崩れなかった。詳細は、この夏、かつてのゲットー跡を訪れた記録と併せてブログに。http://chekosan.exblog.jp/27140033/ 読了日:09月22日 著者:ソリー ガノール





読書メーター

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by chekosan | 2017-10-01 14:02 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
入手が遅れて後回しになっていた『日本人に救われたユダヤ人の手記』を読んだ。リトアニアで生まれ育ったユダヤ人少年が、ホロコーストを生き抜いた回想録である。

ソリー少年の一家は日本領事代理だった杉原千畝と交流があったため、杉原関連本には必ずといっていいほど引用される本である。というと、杉原ビザで欧州を脱出した話かと思えるが、そうではない。ソリーの一家は、杉原の忠告を受けながらリトアニア脱出になかなか踏み切れなかったために、とんでもなく過酷な体験をしてしまう。ソリーと父、姉、叔母はなんとか終戦まで生き延びるのだが、ほとんどの親類縁者友人知人は亡くなってしまうのである。

ソリーと父は、敗北が避けられなくなったナチドイツの命令で、ゲットーからダッハウ収容所へ連行され、さらに収容所から徒歩で移動させられる。この「死の行進」の途中で、日系アメリカ人部隊に救出される。

というように、ソリー少年に救いの手を差し伸べた人々のなかに杉原や日系2世の米兵がいたということで、邦題は「日本人に救われた」となっているわけである。

杉原関連本には、杉原との交流部分や日系人が救出した部分のみがクローズアップされて引用されるのだが、本書はそれ以外の体験の方が断然、面白い。面白いという表現はそぐわないかもしれないが…

リトアニアにはユダヤ人社会が根付いていて、文化的、経済的に豊かなコミュニティを形成していた。ソリーの一家もそうである。事業で成功し、カウナス中心地の広いアパートで、宗教的、文化的に満たされた生活を送っていた。

ところが、ソ連の侵攻、ナチスドイツの侵攻に伴って、リトアニア人のユダヤ人への憎悪が爆発する。ヨーロッパユダヤ人を死に至らしめたのはナチス親衛隊だけではない。むしろ実行部隊はドイツが占領した地域の地元住民や、ウクライナなどから連れてこられた兵士たちであった。本書で語られているユダヤ人に対する迫害、殺害、略奪の様子は生々しく残酷で非常にショッキングである。

それでも、ソリー少年たちのいたカウナスではユダヤ人同士の結束が固く、ゲットーに閉じ込められたのちも、ユダヤ人評議会やユダヤ警察とコミュニティとの信頼関係が最後まで崩れなかった。食べるものにも事欠く状態であっても、カウナス・ゲットーでは、職業学校や文化団体、オーケストラまで活動していた。カウナス・ゲットーの生み出す物資は質も高く、生産性が高かったため、ドイツ占領下のゲットーのなかで一番長く存続できたという。

カウナスのユダヤ警察は住民側に立っており、地下抵抗組織を支援してさえいた。最後にはそれがナチスにばれて警察官たちも虐殺されてしまう。が、そうした結束の固さ、人間関係が保たれていたことは、ゲットー閉鎖後、収容所に移送されたのちもプラスの効果をもたらしたようである。

にしても、酷い。実に恐ろしい日々である。よくソリー少年や父が生き残れたものだ。まさに危機一髪を何度も何度も脱している。機転を利かせて、技能を生かして、コネや伝手を辿って、なけなしの財産をはたいて、身を隠して、、、目の前で他の人たちが殺されたり、連行されたりすることも度々ありながら、ソリーたちがなんとか生き延びたのは、精神力と運と家族や友人たちとの結束が大きいように思う。


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なお、カウナス・ゲットーも他のゲットー同様、ドイツの敗退が色濃くなって解体、焼き打ちされてしまう。ゲットーに生き残っていた人々はバルト諸国やドイツなどの強制収容所に連れて行かれてしまう。そのため現在のカウナスにはゲットーの痕跡はない。

戦後は木造住宅が建てられ、住宅地になっている。夏にカウナスに行ったとき、5万人が殺された現場である「第9要塞」(別途投稿予定)に行く途中、そうとは知らずにその地区の大通りをバスで通って、強烈に惹かれるものがあった。第9要塞で買った写真集を見たところ、まさにそのあたりがかつてのゲットーであったとわかり、後日あらためて歩いてみた。

第9要塞の受付で購入したパンフや磁石、そしてカウナス・ゲットーの今を撮った写真集。

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今、かつてのゲットーだった地区には、記念碑が立っているくらいである。


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2002年にカウナスを訪れた澤田愛子氏は、『夜の記憶』(創元社 2005)のなかで、カウナスにおけるホロコーストの記憶の留め方について批判的に記述されている。そのときは第9要塞を訪れる人も他にはおらず、高額の撮影料をとられたという。旧ユダヤ人墓地も荒れており、ゲットーの病院があったところで撮影をしていると、通行人の男性が「何かを口走って行った」という。それが何という言葉であったかは通訳者に確認しなかったというが、澤田氏の前後の文脈から、あまり良くない空気を感じ取ったのだろう。

私がこの夏(2017年)に訪れたカウナスは、そのような雰囲気はまったくなかった。第9要塞は賑わってはいないが見学者が何組もいたし、安価な入場料で、わかりやすくていねいな展示を見ることができた。

ゲットーがあったVilijanpole地区は、たしかに高級感のある中心部の通りと比較すれば取り残された地区という感じはしたが、高層ビルが建設されていたり、いまどきなスーパーが営業していたりと再開発の最中という感じであった。さらには、この地区で地図を見ていたら「何かお探しですか、お手伝いしましょうか」と英語で訊いてくれる人があったり、「日本人か? 日本はいいねえ」とわざわざ自転車を停めてニコニコと声をかけてくれる夫婦に出会ったりもして、むしろ友好的、歓迎されている雰囲気を感じることができた。

リトアニアはEU加盟(2004年)に向けて、過去の歴史の再評価に取り組んだ。今もそれは続いている。自国の「負の歴史」に向き合って、さまざまな整備を施し、外国から多くの人を受け入れるようになってきたことの表れかもしれない。

いずれにせよカウナスにおけるポグロムとホロコーストの歴史については、もう少し調べてみたい。見損ねているところもまだまだあるので、もう一度行きたいと思っている。


つづく


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by chekosan | 2017-09-24 12:28 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
昨年8月のベルリン、プラハと、今年のリトアニアには、下の息子(小学5年生、10歳)を連れて行きました。順番からいくと今回は兄(高校1年生)にしたかったのですが、予想外に夏休みの登校が多く、今回も弟に。


1)何を見るか、どこを回るか、何をさせるか

昨年はまだ9歳、体も小さく、歴史や英語の知識もぜんぜんありませんでした。一年経って、背は少しは伸びましたが、そう劇的に変化があるわけではありません。

しかも、あくまで目的は私の教育、研究のための素材探し、資料集め、現地確認です。秘密警察の拘置所跡だの強制収容所だの博物館だの、子どもには辛気臭いおどろおどろしいところが主たる見学先になります。

でも、普段から私の積んでいる本や、鑑賞している映画をちらちら見ているので、前回も今回も、「おっかあの仕事が優先やし!」と特に抵抗なく、どこにでもご機嫌でついてきました。

さすがに虐殺シーンなどが写真で出てきそうなコーナーでは、このあたりは見なくていいよ、見ない方がいいよと予告するなどの配慮はしています。

それにしても行き先があまりにも子どもらしくないかなとも思いますが、そもそも、子どもにとっては、自分のまちを離れれば、日本国内であっても驚きの連続、発見の連続です。

ベッドタウンの新興住宅地で生まれ育った息子は、空港に向かう特急列車の窓から見えた二戸イチならぬ4戸イチの住宅を見て「いま家がつながってたで!」とびっくりするくらいです。ましてやヨーロッパをや。何を見ても新鮮です。

とはいえ、大人でも相当興味がなければ鬱陶しいだけのマニアックなところばかり回りますから、ただついてこい、静かにしていろというのでは苦痛でしょう。

そこで、子どもにはデジカメを持たせて、どんどん写真を撮らせました。昨年は子の撮った写真は使いものになりませんでしたが、今年はずいぶん上手になっていました。

もちろん、資料として、きっちりぶれなく漏れなく撮りたいところでは、私がデジカメを使って撮影します。デジカメの方が撮れるスピード、質、枚数、バッテリーのもちが断然良いと思います。シャッター音もさせずに済むので、周囲にも迷惑がかかりません。

子ども自身が撮った写真には、私には見えていなかった街の様子が収められていることもあります。体が小さいということもあって、子どもの目の付けどころや見えているものは文字通り大人とは違うので、スレた大人の私にも新鮮な発見があります。これは小さな子どもを連れて行く利点です。子どもをダシにして、私一人では若干ためらわれる写真を撮ることもできます。

例えば、小5になっても遊具や公園は気になるようで、見つけると漏れなく吸い寄せられていました。それによって、私も、その街で子どもがどう暮らしているかという観察の視点が追加されました。

リトアニア第2の街カウナスには、次の写真のような遊び場が歩ける範囲にいくつもあり、子育てしやすそうな雰囲気がありました。

そういう街はやはりほかのところにも目と手が細かく行き届いています。緑や花やベンチや噴水やゴミ箱なども多く、よく掃除や手入れがされています。おかげで、ただ歩いているだけでも気持ちが良かったです。

これは目抜き通りの突き当り、大きな聖堂前の広場です。お揃いの反射ベストを着て遊びにきた子どもたち。就学前の幼児か?



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上の写真とは別のとき。学童くらいの子どもたちが引き上げていくところを見送る息子。


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アイス屋さんが、わたあめも売っていました。息子も欲しがりましたが、これは阻止。残すに決まっている(笑)


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2)もったいないくらいスケジュールはゆったりと

息子は普段から早寝早起きで、小学校が遠いので、重いリュックを担いで2キロや3キロ歩くのには慣れています。が、その分、夜は電池切れになります。

いろいろなものに目をとられ、立ち止まり、撮影し、道に迷い、アイスを食べ、、、などとしていると、そうはたくさん回れません。

ヨーロッパでの外食は日本よりも時間がかかります。慣れないところを歩き回るので、普段以上に休憩が必要です。

今回は、息子が到着後2、3日は思いっきり時差ボケになっていたので、朝からその日のメインの目的地に行って、お昼は外食、いったん宿に帰って休憩。息子は昼寝。夕方からまた少しだけ散歩や食事というパターンが多かったです。

夏のリトアニアは21時半くらいにならないと暗くならないので、夕方からの外出も危険なくできました。それでも、息子は8時には眠くなり、9時にはぐっすりだったので、私も夜は宿で家計簿をつけたり、その日の記録をアップしたり、次の日の計画を立てたりしておとなしくしていました。

気力体力体調維持を考えると、大人も無理をしない方がいいと思います。日本で家族や友人とお出かけするときでも、一日にできるのは、せいぜい展覧会を2つ観て、食事とお茶くらいするくらいではないかと思うのです。いろいろ回りすぎると、どこに行ったのか、何を見たのかがごっちゃになって、消化しきれないように思います。

私は初めて海外に行ったのが、40日ほどのロシア語研修で(当時はまだソ連)、うち4週間ほどはレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)の外国人専用ホテルで半日授業、半日はエクスカーションでした。それでもレニングラードを見尽くしたようには思えませんし、語学研修が終わってからのモスクワやキエフに至っては、ほとんど記憶に残っていません。

まあ当時は写真はネガで、ビデオも普及していなかったので、年月とともに記憶は薄れる一方で、なんでも大量に残せる今の時代とは条件が違うのですが。

そんなわけで、今回も、9泊11日で2都市のみ。カウナスで4連泊、ヴィリニュス4連泊、最後にまたカウナスに戻って同じ宿に1泊しました。

カウナスは日帰りで十分という人もありますが、たしかに、大人だけで一通り歩くだけならそれも可能です。でも、たいへん快適な街なので、可能ならばぜひゆっくり滞在されることをおすすめします。

私は、カウナスもヴィリニュスもまだ足りないと思いました。リトアニアに数か月くらい滞在できるような仕事のクチはないだろうかと思いました(思っています)。


カウナスのメインストリートには、滞在中に、こんな滑り台も出現。こちらは有料です。息子は興味津々でしたが、結局恥ずかしがって滑らず。

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これも滞在中に出現。日本のショッピングモールでも走っていますが、電気の汽車(もどき)です。カウナスのメインストリートは歩行者と自転車(緑のレーン)のみ通行でき、しかもとてもゆったりしているので、この汽車くらい問題なく通れます。私がちょっと乗りたかった(笑) 汽車はヴィリニュスでも大聖堂の広場周辺を走っているのを見ました。


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3)何をどれだけ持っていくか

<洋服>
「旅の準備」編にも書きましたが、息子は体が小さいので、荷物は極力軽くしています。でも、洗濯に追われるのもしんどいので、洋服はある程度の数は持っていきます。目安は、上下、肌着とも、日数の半分くらいずつ。毎日写真を撮るので、同じ服は2回くらいでとどめたいところです。

後半の宿は洗濯機付きのアパートメントタイプに。前半は手洗いしました。今回は、ひどく暑くもなく寒くもなく、湿度が低くて過ごしやすかったので、これくらいの枚数で程よかったです。

<靴>
靴はかさばるし重いのですが、大人も子どもも履きなれたものを複数持っていくようにしています。雨や汚れや傷みを考えるとやはり替えは必要かなと思います。今回は、息子の靴の一足が最後の方で破れたので、最後に捨てて帰りました。

<食料と水分>
食べ物もある程度持っていきます。息子の大好きなお菓子、白米パック、インスタント豚汁などなど。何よりも持っていって良かったのは、伊藤園の水出しができるほうじ茶ティーバッグです。我が家では一年中やかんに番茶を作って飲んでいるので、近い味のものにしました。水でも香りがよく出て、これはヒットでした。20パック入り、すべて使い果たしました。開封時に粉が飛ぶので、それだけは注意です(笑)

前半のカウナスのホテルに湯沸かしグッズがなかったのは誤算でしたが、そこそこ暑いわりには部屋に冷房がなかったので、ガスの入っていないミネラルウォーターをせっせと買って、ほうじ茶を作りました。

外出時には、持っていった水筒に水出しほうじ茶を作って持ち歩きました。食事のときには100%ジュースを注文したりしたので、結果的には湯沸かしグッズがなくても大丈夫でした。

後半の宿ではキッチンが整っていて、気温もやや下がったので、お湯をどんどん沸かして、宿が置いてくれていた紅茶や、持っていったインスタントコーヒーも飲みました。
お茶タイムがとれたことで、ずいぶんくつろげました。やっぱりお湯が沸かせるのはいいなと思いました。



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<娯楽、勉強、ヒマつぶし>
息子は文庫本を6冊ほど持っていきました。旅のはじめの方は、空港へ向かう電車、空港での待ち時間、機内などヒマな時間がたくさんあります。はじめの2、3日で持っていった本は読んでしまいました。そのあとは日中歩き回ってバタンキューだったので、宿のテレビでアニメをほんの少し見たくらいでした。

夏休みの宿題も持っていきましたが、予想通りほとんどやらず。一行日記を書いていたかなというくらいです。葉書を出すというのも宿題の一つだったので、現地から学校の先生方、ピアノの先生、自宅に絵葉書を出しました。

絵葉書を買い、文面を考えて書き、郵便局を探して切手を買って投函するだけでも、子どもにはちょっとした「仕事」になったかなと思います。なお、自宅への葉書は1週間ほどで届きました。

カウナスの郵便局。カッコイイ。内部も素敵。ここで切手を買いました。


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4)子連れのメリット

小学生くらいの子どもを連れていると、邪険にされたり怪しまれたりされることは、まずないです。どこでも優しくしてもらえます。大人だけだと見落とすこと、気がつかないことに目がいくということも多いです。何より親子で同じ経験を共有できることが大きいです。

私の場合、下の息子は小さいときからほったらかしだったので、二人きりの旅は貴重な時間です。父親や兄が大好きな息子も、旅先では頼れるのは母だけ。私も話し相手は息子だけ。蜜月です。

そういえば、パネリアイという村に行ったとき、森からガサガサとナイフを持っておじさんが出てきて、一瞬ドキッとしました。どうやら葉っぱを採っているようだったので、ホッとして「あ、葉っぱを採ってはるんか」とつぶやいたら、「『そうだ、葉っぱを売ろう!』やな」と息子。なぜ知っているのかと聞いたら、「本棚に本があったから、ちょっとだけ見てん」とのこと。

子どもは案外、見ている。教えなくても吸収していて、それらが繋がるときがあるんだなと感心した次第です。

月日が経てば忘れるかもしれない。でも、旅先でもいろいろ吸収してくれているんじゃないかな、それで十分じゃないかなと思います。


リトアニアのニャンコにじゃれてもらう息子。



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カウナスのお城跡で、現代アートな壁画を狙う息子。空がきれい。


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つづく。

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by chekosan | 2017-08-17 15:29 | リトアニア | Trackback | Comments(0)
広島県福山市にあるホロコースト記念館に行ってきました。杉原千畝コーナーが常設展示されることになり、外務省の外交史料館の白石仁章氏による杉原千畝に関する講演会が開かれるというので、その日に合わせて行きました。

建物の外観はホームページで見ていましたが、周辺の様子はわからなかったので、現地に行って軽く驚きました。普通の民家のある集落の中にいきなり建っているのです。なんとなく勝手に山の中にあるのかと思っていました。

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2時開始の講演会にちょうどいいくらいに着いたら、すでにたくさんの人が来られていました。便利とは言い難いところにあるにもかかわらず、駐車台数がかなり少ないこと、日傘を差して徒歩で来られた方をたくさん見かけたことなどから、近くにお住いの方が大半だったのではないかと推察しました。

受付を済ませたあと、記念館が発行している冊子を購入しました。この受付や会計や会場設営なども土地の方がボランティアでされているような雰囲気でした。地域の方に支えてられている施設と拝察しました。


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行った先のオリジナル資料は、その場で買っておくのが肝要。後ではなかなか手に入らなかったり手間だったりします。オリジナルでなくても、あまり出回ってなさそうなものはゲットすべし! ということで、帰りの荷物はずっしり重くなりました。


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◇◇◇

講演に先立って、3人の女性が紹介されました。杉原千畝の発給したビザで欧州を脱出できた女性のお子さんとお孫さん2人です。今は亡きおばあ様の足跡をたどる旅をされていて、おばあ様のことが紹介されているこの記念館をちょうど訪ねられていたのです。

ああ本当に杉原ビザで助かった人がいて、そのおかげで目の前のこの方たちは存在するのだなあ、一人の命を救うことはその人だけではなく何人何十人もの人を救うことになるというのは本当だなぁと実感しました。

◇◇◇

この記念館は学習施設という性格を前面に出しているので、講演会も小中高生にもわかるようにゆっくりゆっくり話されました。内容的には白石さんの著作のエッセンスを初学者にもわかるよう噛み砕いた感じでした。質疑応答も、館の方が子どもさんからと強調され、ホロコーストについて勉強してきたという中学生グループの生徒さんたちが指名され、がんばって感想や質問を言っていました。

最後に一人だけ一般の参加者からの質問を受け付られました。その質疑応答によって、白石さんの著作を読んでいて聞いてみたいと思った真意や本音が聞けたのは収穫でした。

◇◇◇

講演後、常設展示を見て回りました。ホロコーストの概要がわかる展示、アンネ・フランクのコーナー、杉原千畝のコーナーがあります。模型やジオラマでわかりやすく展示してありますし、当時の貴重な現物も見ることができました。規模は小さいですが、いい展示だと思いました。

特に、アンネのオランダの隠れ家の模型やアウシュヴィッツ強制収容所のジオラマは、こういう構造、こういう並びだったのか!と、たいへんよくわかりました。

撮影禁止だったのは残念ですが、公式HPやメディアの記事などで見ることができますし、館のオリジナルの冊子にも掲載されていますので、後日確認するときには、そちらを見ることにしましょう。

下の写真は千畝が発給したビザに押したカウナスの日本領事館の公印を模したスタンプです。こちらは自由に押すことができますよ!


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屋外には、「アンネのバラ園」がありました。普通のお家のお庭くらいの面積ですが、リトアニア共和国の外務大臣などの著名な方が植樹された(?)バラが植わっています。



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アンネが隠れ家から見ていたというマロニエの木も。


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規模としては少し大きめのお家くらいなのですが、明るく開放的なつくりで、展示もとても見やすいです。なにより地元の方々が気軽に足を運ばれている様子だったこと、みなさんで運営を支えておられる雰囲気だったのが良いなあと思いました。館内外とも、気を配り、手をかけている生きた施設だと思いました。遠方からはなかなか行きづらいかもしれませんが、広島と合わせて平和学習ツアーとして訪問されてはいかがでしょうか。入館無料です。







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by chekosan | 2017-07-30 23:59 | 博物館、資料館 | Trackback | Comments(0)
兵庫県立美術館で開催された短編ドキュメンタリー映画の上映会と、梶岡潤一監督による講演会に行ってきました。映画は25分。第二次世界大戦時、杉原千畝氏が発給した通過ビザでヨーロッパから逃れたユダヤの人々のその後を調査しているフリーライター北出明さんに密着したドキュメンタリーです。

監督はもともと俳優をされている方で、お話がとてもお上手。兵庫県出身ということで、テンポのいい関西弁で、和やかで楽しい講演会でした。

写真撮影、拡散歓迎とのことでしたので、遠慮なく撮らせていただきました。監督のパワーポイントのスライドがとてもわかりやすく勉強になるので、撮影可だったのはとてもありがたいです。

このあと、日本人とユダヤ人の交流を描く長編映画を作りたいとのことで、クラウドファンディングによる資金集めも計画されているそうです。そんなわけで、応援の意味も込めて、講演会の様子をアップさせていただきます☆



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by chekosan | 2017-07-09 21:23 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
2017年6月は、戦争、ジェノサイド、リトアニア、杉原千畝月間でした。夏休みにリトアニアに行って、そうした歴史の残る場所を見てきます。そういうわけで、7月、8月も引き続きリトアニア&千畝月間となります。


6月の読書メーター
読んだ本の数:18
読んだページ数:4043
ナイス数:371

娘と話すアウシュヴィッツってなに?娘と話すアウシュヴィッツってなに?感想
著者はフランスの歴史学者。第二次大戦とジェノサイドの専門家。自身も多くの親類縁者をアウシュヴィッツやドイツ人による殺害で亡くしている。タイトル通り、娘の疑問に答える形で、ユダヤ人大量虐殺についてわかりやすくまとめてくれている。薄い本だが知りたかったことが網羅されている。本書をベースに授業をした。これで地図があれば言うことなしなのだが! でもおすすめ。
読了日:06月01日 著者:アネット ヴィヴィオルカ


君の膵臓をたべたい (双葉文庫)君の膵臓をたべたい (双葉文庫)感想
学生のおすすめの一冊。今年はこの作家が人気。といっても4、5名だが。スレた大人には先が見通せてしまい驚きや感動は薄いのだが、ピュアな若者が惹かれるのはわからなくはない。それよりも、本を読まない設定の主人公の女の子が尊敬する人に杉原千畝の名を挙げていたのに驚き。千畝氏が学校教育や社会教育でどう取り上げられているかというのがこの夏の私のテーマなので、この女の子がどういう形で千畝氏を知ったのかが気になる。英語の教科書に載ってると聞いたが。あるいは映画の影響か。とマニアックなところに引っかかってみる。

読了日:06月04日 著者:住野 よる


ユダヤ人虐殺の森―リトアニアの少女マーシャの証言 (ユーラシア文庫)ユダヤ人虐殺の森―リトアニアの少女マーシャの証言 (ユーラシア文庫)感想
リトアニアにおける大戦中のユダヤ虐殺についてまとめた本。リトアニアといえば、日本の外交官杉原千畝氏がユダヤ難民約6000人にビザを発給した場所であるが、実は現地の反ユダヤ主義は大変苛烈で、ほとんどのユダヤ人が亡くなったという。本書は辛うじて生き残ったユダヤ人少女の証言を基にしたリトアニアの作家によるドキュメンタリー作品をベースにしているようなのだが、どこからどこまでが引用なのか、どの程度著者のオリジナルな著述なのかが判然としないのが残念。
読了日:06月05日 著者:清水 陽子


バルトの光と風バルトの光と風感想
リトアニアの部分しか読んでいないが、忘れないよう記録。著者は機械関係の営業をされてきた方。旅慣れているらしく、宿や現地で出会う人たちとの交流の記述の割合が多い。なお、本書は1999年夏の旅の記録なので、いまでは交通事情や物価その他は、かなり変化していると思われる。
読了日:06月07日 著者:河村 務



六千人の命を救え!外交官・杉原千畝 (PHP心のノンフィクション)六千人の命を救え!外交官・杉原千畝 (PHP心のノンフィクション)感想
児童向け。著者は27歳の頃から千畝氏を尊敬してきたということで、氏の功績を熱く讃えている。千畝夫人・故杉原幸子さんからも直接話を聞いているとのこと。千畝氏の生い立ち、当時の世界情勢、外交官としての仕事、千畝氏のビザで救われた人たちのその後など、バランスよく、わかりやすく、きちんとまとめられていると思う。なお、外交史料館勤務という職務柄であろう、誰をも批判しない、追及しない記述になっている。
読了日:06月07日 著者:白石 仁章


杉原千畝 (小学館文庫)杉原千畝 (小学館文庫)感想
唐沢寿明主演の映画のノベライズ。あっという間に読める。ヒューマニスト杉原千畝の面よりも、諜報活動の達人としての面をやや強調している。それはそれで面白いといえば面白いのだが、どこまで史実に忠実で、どこがフィクションなのか。映画のお約束、謎めいた美女は実在の人物なのか? 千畝氏のお子さんが存命なだけにひっかかる。既に、加藤剛、反町隆史主演の映画やドラマがあるので、差別化をはかったのか。3作品ともDVDも買ってあるので比較してみる。
読了日:06月07日 著者:大石 直紀


超<集客力>革命  人気美術館が知っているお客の呼び方 (oneテーマ21)超<集客力>革命 人気美術館が知っているお客の呼び方 (oneテーマ21)感想
月イチ書評連載@関西ウーマンで取り上げました。 先月も展覧会を楽しんできた兵庫県立美術館の実践がたっぷり。世界のおすすめ美術館紹介も。兵庫県立に限らず、最近の美術館博物館は、ずいぶん気軽に楽しく学べる場になっています。学芸員に対する残念発言がありましたが、いやいや逆、学芸員や司書やアーキビストといった職の専門性をもっと尊重すべき。存分に腕をふるって活躍していただかねば。
読了日:06月10日 著者:蓑 豊


水澤心吾の杉原千畝物語水澤心吾の杉原千畝物語感想
杉原千畝月間。どんどん読んでいます。こちらは滋賀県立図書館の滋賀県資料コーナーにありました。というのも、著者の水澤さん、写真家の寿福滋さんともが滋賀県出身だからです。水澤さんは一人芝居で杉原千畝を演じておられ、寿福さんは長年、千畝に関わる写真を撮っておられます。そんなわけで、本書は水澤さんの舞台の写真がたくさん載っています。その写真がとてもいいです。前半はお芝居の筋、後半は水澤さんがこの一人芝居をされるに至った半生が綴られています。
読了日:06月10日 著者:水澤 心吾


杉原千畝―六千人の命を救った外交官 (小学館版 学習まんが人物館)杉原千畝―六千人の命を救った外交官 (小学館版 学習まんが人物館)感想
杉原千畝月間。いつ頃から青少年向けの本や教材に千畝氏が取り上げられ、どのように描かれているかを検証すべく分析中。いかにも現代のマンガチックな表現に、うわぁと思ったが、これがなかなかバランスよくまとまっていた。巻末に資料や解説も載っているし、このコマのこの絵は、あの史料に基づいているなとわかるものもあった(日本人がユダヤ難民にリンゴを配っている絵。神戸で実際にそういうことがあった)。子ども向け伝記マンガおそるべし。ということは、他のコマのちょっとした表現も、出所が確かな史料がありそう。また精査してみよう。
読了日:06月10日 著者:稲垣 収,あべ さより


日常を生きる教育論日常を生きる教育論感想
数頁のみ参照。通読はしていない。我が県立図書館の蔵書検索では、書名のみならず目次に挙がっている言葉も拾ってくれる。杉原千畝に関する本を片っ端からチェックしていて見つけた。本書は著者が折にふれ書いた短文を集めたもので、リトアニアのカウナスに千畝を記念する植樹が行われた際、千畝が早稲田出身であることから早稲田関係者も出席したという話が収録されていた。また、このところの私のもう1つの関心事、シュテファン・ツヴァイクに触れたエッセーも収録されていた。なんという偶然と思ったが、著者はドイツの専門家。なるほど。
読了日:06月10日 著者:渡辺 重範


旅でみつめた戦争と平和 (母と子でみる)旅でみつめた戦争と平和 (母と子でみる)感想
杉原千畝氏のことが載っているので手に取ったのだが、ほかの項目があまりに衝撃的で、思わず一気読みしてしまった。著者は元高校教諭。10年余り作家・早乙女勝元氏らと戦争の傷痕が残る場所を訪ね、関係者に話を聞いてこられた。冒頭のフランスのオラドゥール村は、ナチスが村民を虐殺し、焼き払ったが、そのときの状態で丸ごと保全されている。ぜひとも行きたい。イタリアのパルチザンのこと、中国、韓国における日本軍、ベトナム戦争でのアメリカ軍による蛮行、虐殺の痕などについても収録。現場と証言と記録を残し、伝えることの重要性を確認。
読了日:06月11日 著者:重田 敞弘


新版 六千人の命のビザ新版 六千人の命のビザ感想
杉原千畝夫人・幸子氏による回想録。リトアニアでのユダヤ難民へのビザ発行のエピソードは冒頭の五分の一ほど。残りは、リトアニア赴任前のこと、リトアニアを引き上げた直後のプラハでもユダヤ人にビザを発行していたこと、ルーマニアで終戦を迎え、その後一年四カ月もソ連各地の収容所を転々とする日々を過ごしたこと、帰国後、外務省から辞職を勧告され、職を転々としたこと、杉原ビザで救われた人々との再会などが語られる。全編を通じて穏やかな記述が続くのだが、退職勧告の無念さや憤りについては率直に語られているのが印象的である。
読了日:06月11日 著者:杉原 幸子


子どもたちのアウシュヴィッツ子どもたちのアウシュヴィッツ感想
著者はテレジン強制収容所の子どもたちが残した絵を紹介する活動を続けている。アウシュヴィッツはじめナチスドイツの収容所から生還した人々への聞き取りも続けている。テレジンはアウシュヴィッツなどへの中継地として使われたチェコの町。文化人や芸術家、老人、子どもが集められ、一時期は教育・文化活動なども行われたが、結局ほとんどの人は生還できなかった。しかし絵を描くことで希望をもち、生きる気力を保ち続けた子どもたちもいた。本書では、そうした人たちの体験を伝えている。林幸子『テレジンの子どもたちから』と併せておすすめ。
読了日:06月12日 著者:野村 路子


アメリカひじき・火垂るの墓 (新潮文庫)アメリカひじき・火垂るの墓 (新潮文庫)感想
短編集。神戸に来たユダヤ難民の話が出てくるというので手に取った。夫曰く「学生やったら赤入れて直したくなるけどな」という独特な文体。講談調というか。戦中戦後、少年たちは空腹のあまり盗みを働き、栄養失調で死んでいく。通勤電車で読んで朝っぱらから気が滅入るリアルさ。帰宅後思わず「どんなに飢えても母や弟の分まで独り占めせんように」と上息子(飢え息子)に言っておく。養母を慕う少年の話「プアボーイ」が後を引く。この後、2人はどうなっちゃうの⁉︎ 「アメリカひじき」はオッサン思考(嗜好)で、ちょっとヤダ。

読了日:06月13日 著者:野坂 昭如


命のビザ、遥かなる旅路―杉原千畝を陰で支えた日本人たち (交通新聞社新書)命のビザ、遥かなる旅路―杉原千畝を陰で支えた日本人たち (交通新聞社新書)感想
戦乱のヨーロッパから逃れてきたユダヤ難民の渡航の世話をした人々の功績を明らかにしたいという熱い思いで、ゆかりの土地(敦賀、神戸)や生き延びたユダヤ人の人々を訪ね歩き、証言や資料を集めたドキュメンタリー。最後に登場する客船の料理人の方の話が具体的で心打たれた。なお、本書刊行時には神戸におけるユダヤ難民に関する証言や資料はほとんどなかったようだが、神戸市の呼びかけで市民から情報が寄せられ、2017年春に神戸市史の紀要にまとめられた。こちらによれば、神戸の人々は同情的に受け入れていたように見受けられる。
読了日:06月16日 著者:北出 明


N女の研究N女の研究感想
NPOで有給職員として働く女性たちの経歴や働きぶりやその後を追ったもの。著者言うところの「スペックの高い」(難関大学出身、大手企業での実務経験ありなど)女性たち、かつNPOの代表ではない人を選んでいるからか、短期間で離職する人が多い。離職に至った背景は異なるし、「次のステージ」に進むという人もいるが、日本のNPOが自活できるだけの職業とするには厳しいということの表れでもある。であるからこそ、「~女」という表現は(販促のための戦略だろうが)、「一過性」「趣味的に熱中している女性」を連想させないかと危惧する。
読了日:06月20日 著者:中村安希


杉原千畝: 情報に賭けた外交官 (新潮文庫)杉原千畝: 情報に賭けた外交官 (新潮文庫)感想
著者は長年、杉原千畝を研究。本書では、作家の手嶋龍一氏に勧められて、ユダヤ難民を救った人道主義者杉原の情報のプロとしての面を明らかにする。勤務先の外交史料館で発掘した一次史料を駆使した貴重な情報に満ちているが、研究書のスタイルを採った方が、そのオリジナリティと価値がより明確になったように思える。
読了日:06月30日 著者:白石 仁章


読書メーター

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by chekosan | 2017-07-01 21:31 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
唐沢寿明、小雪主演「杉原千畝」をDVDで観ました。これで杉原千畝氏を取り上げた映像作品3本目です。

うーーん。この映画は好評だったのでしょうか。ノベライズされた小説を先に読んだときに予感はしていたのですが、うーーん。。。という感じです。

唐沢寿明は、いい俳優だと思います。テレビドラマの「白い巨塔」なんて、とても良かったと思います。知的な人だし、見た目的にも割とイメージに合っていると思っていました。が、、、この映画、セリフが全編英語なのです(ポーランド人だけの場面はポーランド語、日本人だけの場面は日本語ですが)。そのために、唐沢君の演技がヘタに思えるのです。

千畝夫人・幸子役の小雪も、ただ千畝に寄り添うだけのおとなしい奥さんというキャラクターになってしまっていて、実在なのかわからないロシア人女性スパイの方が存在感があるという事態に。あと、細かいことですが、あの時代で着物にイヤリングしているのも気になります。外国にいるときはアリだったのでしょうか? 

この作品は、加藤剛版ドラマ反町隆史版ドラマとの差別化を図ったのか、ユダヤ難民に通過ビザを大量発給するエピソードの部分がかなりあっさりしています。監督によれば、単なるお涙頂戴にしたくなかったということですが、狙い通り(?)盛り上がりに欠けるものとなっています。というか、とりあえず全体的にテンポが悪いです。

杉原ビザを持ったユダヤ難民が極東ウラジオストクまでたどり着いたものの、日本は入国を許可しない、さあどうするという後日談を挿入した点は過去のドラマと違う部分なのですが、これも残念なことに中途半端です。どうせならもっとしっかり描くか、まったくない方がいいように思いました。

この作品に関して、史実と異なる部分をかなり細かく指摘する論文もあります。が、それ以前に、狙いやテーマがよくわからない映画になっているように思いました。

良いところは、、、絵というか画質はさすがに過去のドラマよりはずっといいです。ただ室内のセットはちゃちいです。これも残念な感じです。映画なのに。あれ? フォローになっていない?


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これで3本の映像作品を観ました。一番古い加藤剛主演のドラマは、幸子夫人の著作の構成に忠実なドキュメンタリードラマという感じ、反町隆史主演のドラマは主題をしぼった、わかりやすくお涙頂戴な物語、唐沢寿明主演の映画は前2作と違うものをと意気込んでいろいろ盛り込もうとした結果、いろいろ薄まってしまったという感じでしょうか。どれを勧めるかと言われると難しいです。どれも一長一短ありです。いずれにしても、脚色や演出、創作した部分はあるものとして観る必要はあると思います。





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by chekosan | 2017-06-17 22:24 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
杉原千畝を取り上げた映像作品2本目は、反町隆史、飯島直子主演の「六千人の命のビザ」です。こちらは、終戦60年ドラマスペシャルとして、よみうりテレビが制作しました。1時間46分ほどです。

1992年制作の加藤剛主演の「命のビザ」(←感想あり)は、千畝夫人・幸子氏の回想録『六千人の命のビザ』に書かれた内容をほぼ網羅したもので、情報量が多く、後日談もしっかり盛り込んであるのが良さです。ただ、後日談の部分がかなり長いため、少しストーリーが散漫になっていると言えなくもありません。

反町版は、千畝氏がリトアニアでユダヤ難民にビザを発給したエピソードに特化し、登場人物もかなり少なくしているので(お子さんの数まで減っている…)、わかりやすく人道的なドラマになっています。ただし、話を凝縮させているわりには、脚色というか、ちょっとここはフィクションだろ~と思える場面はあります。

キャスティングや演技に関しては、はじめのうちは、う~ん、反町隆史ではかっこよすぎ? 加藤剛さんのインテリな感じの方が合っているなあ、、、他の役も、ちょっとセリフや演技がちょっとわざとらしいなあという気もしましたが、そのうち気にならなくなりました。いや、それどころか、千畝がカウナスの駅でギリギリまでビザを書き続ける場面などは、けっこう感動しました。期待していなくてごめんなさい。

あ、でも戦後の再会シーンの反町千畝の老けさせ方はいただけないです。せっかくの感動がちょっと…(笑) 幸子夫人役は、私は飯島直子の方がゆったりした感じで良かったな(←多分に好みも入ってます)。

ということで、残る1本、唐沢寿明主演の映画もまた観ます。



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by chekosan | 2017-06-14 23:07 | リトアニア | Trackback | Comments(0)
加藤剛、秋吉久美子主演「命のビザ 六千人のユダヤ人を救った日本領事の決断」を観た。このあと2本、杉原千畝氏関連の作品をDVDで用意している。3本観たら比較などしてみたい、とりあえず忘れないようにメモ。

私は本作品をテレビで見て杉原千畝氏を知ったような記憶があったのだが、どうも覚えがないシーンが多くて、違うものを観たのではないかという気もする。あるいはカットされたものを見たのだろうか?

それはともかく。

本作品は、第二次世界大戦のさなかに、本国の命令に背いて、リトアニアから脱出しようとした2千人を超すユダヤ難民に通過ビザを発行して6千人の命(ビザは家族に適用されたため)を救った外交官、杉原千畝氏の苦悩、決断、その後に至るまでを追っている。リトアニアを去ってからの話も案外長い。

ここはという場面のセリフは、原作である妻・杉原幸子氏による回想録『六千人の命のビザ』にかなり忠実にしてある。当時の映像も随所に挟まれているのが効果的。半ドラマ半ドキュメンタリーのような感じのつくりである。

加藤剛が千畝氏のイメージによく合っているように思う。ご本人を知らないのにイメージに合うとか合わないというのもおかしな話かもしれないが。

DVDにはさらに、妻・幸子氏が50数年ぶりにリトアニアを訪問した際の記録映像も付いている。当時、日本領事館で働いていた現地の女性が幸子氏を迎えて思い出を語るシーンや、シナゴーグで現地のユダヤ人からお礼を言われるシーンなども収録されている。



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by chekosan | 2017-06-08 01:04 | リトアニア | Trackback | Comments(0)

昨年(2016年)、「第2次世界大戦中、外交官杉原千畝(ちうね)氏(1900~86年)が発給した「命のビザ」によってナチス・ドイツの迫害を逃れ、神戸にたどり着いたユダヤ人難民についての資料提供を神戸市が呼び掛けている」という報道を見ました。この春、その成果物が発行されました。『神戸の歴史』第26号です。

杉原千畝氏には前々から関心をもっていました。加藤剛主演の映画のテレビ放送を見て知ったのだったか。1990年代に岐阜・八百津町役場が開いた千畝展にも行きました(その後、八百津町には杉原千畝記念館も建てられていますが、こちらは未見)。滋賀で開催された、杉原氏に関する写真展にも行きました。下の写真は、2014年9月にあけぼのパーク多賀で開催された写真展です。


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杉原ビザで日本にたどり着いたユダヤ難民に関する記録は多くはなかったようですが、神戸市の呼びかけで市民から情報が寄せられました。『神戸の歴史』26号には、寄せられた情報や論稿、資料などが掲載されています。一般家庭で着物を着て記念撮影している写真などもあります。


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今年が私にはベストなタイミングに思えてきたので、この夏は、八百津町の記念館と、ユダヤ人がたどり着いた敦賀の「人道の港 敦賀ムゼウム」、そして千畝氏がビザを発行したリトアニアのカウナスの元日本総領事館の建物にある杉原千畝記念館を訪問することにしました。カウナスでは、杉原一家がリトアニアを離れる前に滞在したメトロポリスホテルに泊まります。



さて、『神戸の歴史』26号をざっとみたところ、手塚治虫『アドルフに告ぐ』に、当時神戸にユダヤ人が少なからず居住していた様子が描かれているという記述がありました。

ちょうど夫が実家から引き揚げてきた本の山の中に『アドルフに告ぐ』全巻がありました。めくってみたところ面白くて、そのまま一気に読んでしまいました。その様子を覗いていた小5息子も読み始め、親子で半日かけて読了してしまいました。


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史実を基にしたフィクションですが、面白いですね。本当にあったことのように思えて入り込んでしまいます。さすが手塚作品。そして、予想以上に神戸が舞台なのですね。てっきりドイツが舞台だと思っていました。

作品中、杉原千畝の名前こそ出てきませんが、ポーランドからリトアニアに逃れたユダヤ人たちをシベリア経由で日本に脱出させるという話が出てきます。この作品では、日本ではユダヤ人差別がなく、特に神戸ではコミュニティを形成し、土地になじんでいたように描かれています。

神戸に勤務するようになって3年目ですが、まだまだ神戸を知りません。戦災・震災で当時の様子を留めているところはそう多くないでしょうが、そのことも含め、「アドルフに告ぐ・神戸めぐり」もよいかもと思ったりもしています。








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by chekosan | 2017-06-04 10:50 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)