中・東欧、ロシアのこと&大学教育のことを発信します


by chekosan
同志社大学の「ロシア・東欧地域研究」では、学期の始めの方に「図書館でこの授業と関連しそうな本をみつける」という小さな課題(任意)を出しています。ジャンル不問。通読しなくてもいいけれど、パラパラでいいので必ず中を見て、どこか面白そうなところを書いてもらいます。なかにはきっちり読んで書いていそうな学生さんもいて感心します。

そして、これも任意ですが、授業内で紹介してもらいます。同輩の発表って、刺激になるんです。さらに私だけが見ていてももったいないので、今年はリストにして受講生全体で共有することにしました。

手書きのワークシートで出してもらったので、打ち込むとちょっと大変なため、あらためてLMS(授業支援システム)で出してもらおうとしたのですがうまくいかず… さらにメールで出してもらったりと右往左往しました。ごめんね、受講生のみなさん、二度手間、三度手間になりました。<〇>

そして集まったデータをアシスタントの院生O君にリスト化してもらいました。書影や、図書館の請求記号も入っているので、気になる本はすぐに探して見ることができます! A4で13ページにもなったため、縮小して両面印刷して配布します。(^-^;  

ちなみに、今年はロシアに関心が集中する傾向が見られました。


b0066960_00144574.jpg




[PR]
# by chekosan | 2017-06-22 00:34 | ロシア・東欧地域研究@同志社 | Trackback | Comments(0)

年度末に発刊された、流通科学大学高等教育推進センター紀要第2号に掲載した、橋本信子「読書推進教育における図書館および書店との協働―流通科学大学初年次科目「文章表現Ⅱ」の取り組み ―」がPDFファイルでオンライン公開されました。流通科学大学に来てから3本目の教育実践論文となります。

読書推進、表現力向上という目的で一致する図書館や地域書店と一緒に作った授業の実践報告です。さらに、学生たち自身が自らの学習成果を学内外に発信していく活動の機会を設けました。それによって、学生たち自身が主体性を高め、自分たちの活動であるという意識を高めることができました。

本論は私の単著ではありますが、図書館のみなさん、ゲスト講師も務めてくださった井戸書店の森忠延さん、桑原桃音先生、「文章表現Ⅱ」の受講生たち、とりわけ課外の活動に参加した学生たちとの協働によるものと思っています。

なお、本論の内容を含む教育実践については、2017年3月の「大学教育研究フォーラム」(於京都大学)でもポスター発表をさせていただきました。大学図書館関係者の方、同じような授業や学修指導講座を担当されている方に熱心に話を聞いていただきました。ありがとうございました。



b0066960_15353297.jpg


[PR]
# by chekosan | 2017-06-19 15:44 | 大学教育 | Trackback | Comments(0)
同志社大学の「ロシア・東欧地域研究」では、各自好きなテーマを選んで小レポートや期末レポートを書いてもらっています。そうすると毎年必ず登場するのが、この小さな可愛らしい謎の生き物です。

クマ? タヌキ? サル? そのいずれでもありません。オレンジの箱の中で寝てしまって、ロシアにやってきた南の方の正体不明の動物です。

1966年に発表されたウスペンスキー作の児童文学『ワニのゲーナとおともだち』に登場するキャラクター、チェブラーシカです。

当時のソ連では、スターリン時代ほどではないものの、表現活動に厳しい制約がありました。そのなかで比較的、創作の自由の可能性があったのが児童向けの絵本やアニメーションなどでした。チェブラーシカも実は社会風刺や隠喩を含む物語です。

先日、このお話の具体的な作品分析を、学生さんが発表してくれました。わかりやすく興味深い内容で、あの可愛らしいアニメにそんな含意がと他の学生たちも感心していました。

写真は、2012年の滋賀県立近代美術館を皮切りに5カ所で開かれた展覧会「チェブラーシカとロシア・アニメーションの作家たち」の図録です。ウスペンスキーの原作に付けられた何パターンかの挿絵や、アニメ版チェブラーシカのキャラクターデザイン画などが載っています。結構、画家によってチェブラーシカの造形が違うのが面白いです。

この展覧会が開催されていたのは知っていましたが、仕事に忙殺されていた時期で、逃してしまいました。当時はあまり関心がなかったというのも正直なところ。行っておいたら良かったな!

b0066960_21290191.jpg





[PR]
# by chekosan | 2017-06-18 21:59 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
唐沢寿明、小雪主演「杉原千畝」をDVDで観ました。これで杉原千畝氏を取り上げた映像作品3本目です。

うーーん。この映画は好評だったのでしょうか。ノベライズされた小説を先に読んだときに予感はしていたのですが、うーーん。。。という感じです。

唐沢寿明は、いい俳優だと思います。テレビドラマの「白い巨塔」なんて、とても良かったと思います。知的な人だし、見た目的にも割とイメージに合っていると思っていました。が、、、この映画、セリフが全編英語なのです(ポーランド人だけの場面はポーランド語、日本人だけの場面は日本語ですが)。そのために、唐沢君の演技がヘタに思えるのです。

千畝夫人・幸子役の小雪も、ただ千畝に寄り添うだけのおとなしい奥さんというキャラクターになってしまっていて、実在なのかわからないロシア人女性スパイの方が存在感があるという事態に。あと、細かいことですが、あの時代で着物にイヤリングしているのも気になります。外国にいるときはアリだったのでしょうか? 

この作品は、加藤剛版ドラマ反町隆史版ドラマとの差別化を図ったのか、ユダヤ難民に通過ビザを大量発給するエピソードの部分がかなりあっさりしています。監督によれば、単なるお涙頂戴にしたくなかったということですが、狙い通り(?)盛り上がりに欠けるものとなっています。というか、とりあえず全体的にテンポが悪いです。

杉原ビザを持ったユダヤ難民が極東ウラジオストクまでたどり着いたものの、日本は入国を許可しない、さあどうするという後日談を挿入した点は過去のドラマと違う部分なのですが、これも残念なことに中途半端です。どうせならもっとしっかり描くか、まったくない方がいいように思いました。

この作品に関して、史実と異なる部分をかなり細かく指摘する論文もあります。が、それ以前に、狙いやテーマがよくわからない映画になっているように思いました。

良いところは、、、絵というか画質はさすがに過去のドラマよりはずっといいです。ただ室内のセットはちゃちいです。これも残念な感じです。映画なのに。あれ? フォローになっていない?


b0066960_21082549.jpg

これで3本の映像作品を観ました。一番古い加藤剛主演のドラマは、幸子夫人の著作の構成に忠実なドキュメンタリードラマという感じ、反町隆史主演のドラマは主題をしぼった、わかりやすくお涙頂戴な物語、唐沢寿明主演の映画は前2作と違うものをと意気込んでいろいろ盛り込もうとした結果、いろいろ薄まってしまったという感じでしょうか。どれを勧めるかと言われると難しいです。どれも一長一短ありです。いずれにしても、脚色や演出、創作した部分はあるものとして観る必要はあると思います。





[PR]
# by chekosan | 2017-06-17 22:24 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
杉原千畝を取り上げた映像作品2本目は、反町隆史、飯島直子主演の「六千人の命のビザ」です。こちらは、終戦60年ドラマスペシャルとして、よみうりテレビが制作しました。1時間46分ほどです。

1992年制作の加藤剛主演の「命のビザ」(←感想あり)は、千畝夫人・幸子氏の回想録『六千人の命のビザ』に書かれた内容をほぼ網羅したもので、情報量が多く、後日談もしっかり盛り込んであるのが良さです。ただ、後日談の部分がかなり長いため、少しストーリーが散漫になっていると言えなくもありません。

反町版は、千畝氏がリトアニアでユダヤ難民にビザを発給したエピソードに特化し、登場人物もかなり少なくしているので(お子さんの数まで減っている…)、わかりやすく人道的なドラマになっています。ただし、話を凝縮させているわりには、脚色というか、ちょっとここはフィクションだろ~と思える場面はあります。

キャスティングや演技に関しては、はじめのうちは、う~ん、反町隆史ではかっこよすぎ? 加藤剛さんのインテリな感じの方が合っているなあ、、、他の役も、ちょっとセリフや演技がちょっとわざとらしいなあという気もしましたが、そのうち気にならなくなりました。いや、それどころか、千畝がカウナスの駅でギリギリまでビザを書き続ける場面などは、けっこう感動しました。期待していなくてごめんなさい。

あ、でも戦後の再会シーンの反町千畝の老けさせ方はいただけないです。せっかくの感動がちょっと…(笑) 幸子夫人役は、私は飯島直子の方がゆったりした感じで良かったな(←多分に好みも入ってます)。

ということで、残る1本、唐沢寿明主演の映画もまた観ます。



b0066960_22332610.jpg

[PR]
# by chekosan | 2017-06-14 23:07 | リトアニア | Trackback | Comments(0)
「火垂るの墓」を読みました。

有名な作品ですし、学生のおすすめの一冊にも挙がっていたのですが、特に意味はなく後回しになっていました。先日手に入れた『神戸の歴史』26号に、この作品中に神戸に逃れてきたユダヤ難民についての記述があると書いてあり、とうとう手に取りました。



b0066960_15342919.jpg


件のくだりはここ。

「最後までケーキを出していたのは三宮のユーハイム、半年前にこれで店閉まいだからと、デコレーションケーキをつくり、母が一つ買って来た、あすこの主人はユダヤ人で、ユダヤ人といえば昭和十五年頃、清太が算術なろうとった篠原の近くの赤屋敷に、ようけユダヤの難民が来て、みな若いのに髭を生やし、午後四時になると風呂屋へ行列つくって行く、夏やいうのに厚いオーバー着て、靴かて両方左のんをはいて、びっこひいとんのがおった、あれどないしてんやろ、やっぱり捕虜で工場へ入っとんやろか」

ユダヤ難民の人たちが夏なのに分厚いコートを着ている様子は当時の新聞にも出ています。ほとんど着の身着のままだったのでしょうね。

それにしても、野坂氏の文章って関西弁でしゃべっているそのままを書き起こしたようですね。あるいは講談のよう?
独特な文体ですが、私はすぐになじめました。


と、本筋とは違うところを確認したくて手に取った本ですが、作品全体も面白かったです。短編集ですが、ほかの作品も戦中戦後の生活の厳しさ、特に子どもたちの飢えや病や死がリアルに描かれていて、通勤電車で読んでいて、朝っぱらからかなり気が滅入りました。当時は、いや、いまもですが、女性と子どもだけになると、一気にただ生きるだけでも大変になります。母親は子を救おうと必死で働き、食べ物を分け与え、病気になって衰弱していく。子も次々に弱り、死んでしまう。そんなことがゴロゴロ起こっていたと思うと。。。

こんな混乱の状況に陥ったら、果たして我が家は生きのびることができるんだろうか。私と子らだけになったとしたら、私や息子にそんな甲斐性はあるだろうか。庭を開墾して食べ物をと思っても、苗は、種はどうするの? 燃料は? 縁があるんだかないんだかわからない人が居候にきたとして、果たして自分は手に入った貴重な食べ物を、その人たちにも分けてあげられるだろうか? などと考えてしまったのでした。

最近はやはり文学などを読んでも「親」の目線になっているなあと思います。自分の子はもちろん、子どもたちがまっとうな生活ができる世でなければと心底思えるようになりました。

野坂兄妹が実際に暮らし、「火垂るの墓」の舞台のモデルとなった場所や防空壕跡が郷土史家方々により特定されました。野坂氏は、つらくて行けないと正確な場所は伝えなかったため、神戸の空襲から72年にして判明したそうです。(朝日小学生新聞2017年6月5日)




[PR]
# by chekosan | 2017-06-14 16:16 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)

月イチ書評連載@関西ウーマン、アップされました。今月は美術館の本にしました。先月も展覧会を楽しんできた兵庫県立美術館の実践がたっぷり。世界のおすすめ美術館紹介も。

兵庫県立に限らず、最近の美術館博物館は、ずいぶん気軽に楽しく学べる場になっています。学芸員に対する残念発言がありましたが、いやいや逆、学芸員や司書やアーキビストといった職の専門性をもっと尊重すべき。存分に腕をふるって活躍していただかねば。


本文はこちら↓
https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=201102



b0066960_22034625.png

[PR]
# by chekosan | 2017-06-10 22:04 | 書いたもの | Trackback | Comments(0)
加藤剛、秋吉久美子主演「命のビザ 六千人のユダヤ人を救った日本領事の決断」を観た。このあと2本、杉原千畝氏関連の作品をDVDで用意している。3本観たら比較などしてみたい、とりあえず忘れないようにメモ。

私は本作品をテレビで見て杉原千畝氏を知ったような記憶があったのだが、どうも覚えがないシーンが多くて、違うものを観たのではないかという気もする。あるいはカットされたものを見たのだろうか?

それはともかく。

本作品は、第二次世界大戦のさなかに、本国の命令に背いて、リトアニアから脱出しようとした2千人を超すユダヤ難民に通過ビザを発行して6千人の命(ビザは家族に適用されたため)を救った外交官、杉原千畝氏の苦悩、決断、その後に至るまでを追っている。リトアニアを去ってからの話も案外長い。

ここはという場面のセリフは、原作である妻・杉原幸子氏による回想録『六千人の命のビザ』にかなり忠実にしてある。当時の映像も随所に挟まれているのが効果的。半ドラマ半ドキュメンタリーのような感じのつくりである。

加藤剛が千畝氏のイメージによく合っているように思う。ご本人を知らないのにイメージに合うとか合わないというのもおかしな話かもしれないが。

DVDにはさらに、妻・幸子氏が50数年ぶりにリトアニアを訪問した際の記録映像も付いている。当時、日本領事館で働いていた現地の女性が幸子氏を迎えて思い出を語るシーンや、シナゴーグで現地のユダヤ人からお礼を言われるシーンなども収録されている。



b0066960_00481717.jpg






[PR]
# by chekosan | 2017-06-08 01:04 | リトアニア | Trackback | Comments(0)
字はたくさん読んでいたし、いろいろ勉強はしていたのだけど、いろいろ残念な感じの5月。


5月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:814
ナイス数:175

約束のネバーランド 1 (ジャンプコミックス)約束のネバーランド 1 (ジャンプコミックス)感想
子らが読め読め押し付けてきて読了。カズオ・イシグロ『私を離さないで』と山田悠介『スイッチを押すとき』を連想。世話係としか接触しない隔絶した小さな世界で育つ子どもたちの話。彼らが育てられている目的が明らかになって、そこから脱出しようとする。子どもたちがかわいらしく、昔のイギリスとかヨーロッパの孤児院風の建物、生活、図書室の感じも良いが、鬼が出てきた時点で残念感が… 新しくやってくる「シスター」にいろいろ語らせ過ぎなのも、ちょっと説明臭いかな~。でも続きが読みたくなる作品。
読了日:05月07日 著者:出水 ぽすか

約束のネバーランド 2 (ジャンプコミックス)約束のネバーランド 2 (ジャンプコミックス)感想
案外展開が速い。ちょこちょこ絵だけ出てきていた図書室が魅力的。この図書室で謎解き?が始まりそうで次巻が楽しみ。でも、若干、絵が雑になってきている気がする。これ以上、崩れなければいいけど。
読了日:05月07日 著者:出水 ぽすか



3万冊の本を救ったアリーヤさんの大作戦―図書館員の本当のお話3万冊の本を救ったアリーヤさんの大作戦―図書館員の本当のお話感想
2003年のイラク戦争(英米によるイラク攻撃)の際、英軍が突入したバスラ市街は大混乱に陥って、爆発、発砲、火災、盗難が頻発する。図書館が攻撃の標的になりそうだと見抜いて、司書と地元の人たちが、手作業で図書館の本を近くの民家に移す。図書館は大爆発して炎上してしまうが、彼らが運び出した本は3万冊にのぼったという。本を守った現地の人々の行動を讃えつつ、市民が日常生活を送っている市街地が攻撃され、多くの人々が犠牲となった事実もしっかり胸に刻みたい。
読了日:05月13日 著者:マーク・アラン スタマティー


弱いつながり 検索ワードを探す旅弱いつながり 検索ワードを探す旅感想
物事を相対化して見てみようと話す際の参考にできそうと再読したら、前回よりも、より実感を伴って読むことができた。本書や古市憲寿氏の本を読んでダークツーリズム決行を後押しされ、昨年久しぶりにヨーロッパに行き、あらためて現地に行く意義や効果を体感してきたからだろう。「観光客」として普段と違う場所に身を置くことで、新しい情報に出会うのではなく、「新しい欲望」に出会うこと。欲望と言っても物欲ではない。知りたいと思うこと、そしてそれによって別の視点を得ること。ということで、今年も現地に行くぞ。
読了日:05月18日 著者:東 浩紀


週刊奇跡の絶景 Miracle Planet 2017年30号 タリン・リガ・ビリニュスの旧市街 エストニア・ラトビア・リトアニア【雑誌】週刊奇跡の絶景 Miracle Planet 2017年30号 タリン・リガ・ビリニュスの旧市街 エストニア・ラトビア・リトアニア【雑誌】感想
この夏の私のテーマは「リトアニア・杉原千畝をたどる旅」。ということで、リトアニア本絶賛蒐集中。
読了日:05月27日 著者:




アドルフに告ぐ 1 (文春コミックス)アドルフに告ぐ 1 (文春コミックス)感想
神戸市史の紀要『神戸の歴史』で、明治から神戸にはユダヤ人が居住していたこと、大戦中は神戸のユダヤ人協会を頼って杉原ビザを持ったユダヤ難民が、敦賀→神戸と逃れてきたという事実を知った。そこに、この作品にも神戸のユダヤ人のことが書かれているというので初めて手に取った。てっきりドイツが舞台だと思っていたら。思いっきり神戸も舞台で驚いた。戦災や震災で当時の建物やまちなみはほぼないだろうが、痕跡を訪ねてみたくなっている。
読了日:05月28日 著者:手塚治虫

アドルフに告ぐ 2 (文春コミックス)アドルフに告ぐ 2 (文春コミックス)
読了日:05月28日 著者:
アドルフに告ぐ 3 (文春コミックス)アドルフに告ぐ 3 (文春コミックス)
読了日:05月28日 著者:
アドルフに告ぐ 4 (文春コミックス)アドルフに告ぐ 4 (文春コミックス)
読了日:05月28日 著者:
アドルフに告ぐ 5 (文春コミックス)アドルフに告ぐ 5 (文春コミックス)感想
全巻一気読みしたので途中の巻の感想は省略。いやなかなか面白かった。フィクションの部分も多いのだろうが、歴史的経緯や当時の神戸、大阪の雰囲気を知るのには良いのではないだろうか。最後の後日談の部分は辛い展開ではあるが、そう簡単にみんな幸せ、はい終わり、とはいかないのが手塚治虫。
読了日:05月28日 著者:手塚 治虫


読書メーター

[PR]
# by chekosan | 2017-06-05 13:53 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)

昨年(2016年)、「第2次世界大戦中、外交官杉原千畝(ちうね)氏(1900~86年)が発給した「命のビザ」によってナチス・ドイツの迫害を逃れ、神戸にたどり着いたユダヤ人難民についての資料提供を神戸市が呼び掛けている」という報道を見ました。この春、その成果物が発行されました。『神戸の歴史』第26号です。

杉原千畝氏には前々から関心をもっていました。加藤剛主演の映画のテレビ放送を見て知ったのだったか。1990年代に岐阜・八百津町役場が開いた千畝展にも行きました(その後、八百津町には杉原千畝記念館も建てられていますが、こちらは未見)。滋賀で開催された、杉原氏に関する写真展にも行きました。下の写真は、2014年9月にあけぼのパーク多賀で開催された写真展です。


b0066960_10104463.jpg



杉原ビザで日本にたどり着いたユダヤ難民に関する記録は多くはなかったようですが、神戸市の呼びかけで市民から情報が寄せられました。『神戸の歴史』26号には、寄せられた情報や論稿、資料などが掲載されています。一般家庭で着物を着て記念撮影している写真などもあります。


b0066960_09493121.jpg


今年が私にはベストなタイミングに思えてきたので、この夏は、八百津町の記念館と、ユダヤ人がたどり着いた敦賀の「人道の港 敦賀ムゼウム」、そして千畝氏がビザを発行したリトアニアのカウナスの元日本総領事館の建物にある杉原千畝記念館を訪問することにしました。カウナスでは、杉原一家がリトアニアを離れる前に滞在したメトロポリスホテルに泊まります。



さて、『神戸の歴史』26号をざっとみたところ、手塚治虫『アドルフに告ぐ』に、当時神戸にユダヤ人が少なからず居住していた様子が描かれているという記述がありました。

ちょうど夫が実家から引き揚げてきた本の山の中に『アドルフに告ぐ』全巻がありました。めくってみたところ面白くて、そのまま一気に読んでしまいました。その様子を覗いていた小5息子も読み始め、親子で半日かけて読了してしまいました。


b0066960_09342075.jpg

史実を基にしたフィクションですが、面白いですね。本当にあったことのように思えて入り込んでしまいます。さすが手塚作品。そして、予想以上に神戸が舞台なのですね。てっきりドイツが舞台だと思っていました。

作品中、杉原千畝の名前こそ出てきませんが、ポーランドからリトアニアに逃れたユダヤ人たちをシベリア経由で日本に脱出させるという話が出てきます。この作品では、日本ではユダヤ人差別がなく、特に神戸ではコミュニティを形成し、土地になじんでいたように描かれています。

神戸に勤務するようになって3年目ですが、まだまだ神戸を知りません。戦災・震災で当時の様子を留めているところはそう多くないでしょうが、そのことも含め、「アドルフに告ぐ・神戸めぐり」もよいかもと思ったりもしています。








[PR]
# by chekosan | 2017-06-04 10:50 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)