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by chekosan

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原稿絶賛執筆中です。

今、書いているのは授業と図書館とのコラボレーションについてなので、
この夏は図書館関係の雑誌記事をたくさん読みました。

図書館ってやっぱりいいですね。
いろんなところを見に行きたい、
図書館のいろんな取り組みを知りたい・したいと思いが膨らみます。

最近は購入することが多くなりましたが、本は図書館で借りる派でした。

前任校・大阪商業大学の図書館報にも
図書館をめぐる思い出、図書館への愛を寄稿しています

原稿を書き終わったら、各地の図書館を訪ねたいと思います。

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by chekosan | 2015-08-29 10:53 | 書いたもの | Trackback | Comments(0)
料亭やお寿司やさんなどで使われる、
「つまもの」と呼ばれる料理に添える葉や花を出荷し、
一大ブランドにした徳島の小さな山間部の町、上勝町。

高齢化が進み、すっかりジリ貧だった町に、
農業大学校を出たばかりの著者が農協の営農指導員として赴任する。

ある年、寒害でみかんの木がことごとく枯死したことをきっかけに、
著者はほかの農産物の栽培と販路開拓に乗り出す。

女性や高齢者でも現金収入が得られるものを探すうちに
「つまもの」(葉っぱ)を売ることを思いつく。

その後は、どんなものが必要とされているのかを調べるため、
給料をすべて費やして、自腹で高級料亭のはしごをし、通風を発症。
農協の就業時間以外にも早朝から深夜まで働き詰めに働いたという。

その甲斐あって、上勝の葉っぱや農産物は今やブランド化している。

成功の秘訣は、

現場をしっかり見ること、現場の人を大事にすること、

とりわけ女性と高齢者が主役にすること。
著者いわく「実際には女の人が世の中のいろんなことの
7割から8割をやっているのだから、
女性が表に出てこないと絶対にダメだ」とのこと。

そして「気」を育てる=やる気を育てる、その気にさせること。
「仕事をもうちょっと頑張ろうと思うか、疲れたからもうやめようと思うかで、
結果は全然違ってくる。1年も経てばその差は歴然」だという。

そのために著者はFAX通信やパソコンによる情報システムなどの仕組みをつくり、
マメに情報を送信し、農家同士の良い競争意識を高めてきた。

そうしていくうちに、農家の女性たちの「ソフト力」
=感覚やセンス、社会動向への意識もどんどん高まったという。

一番大きく変化したのは、住民が町のことを
自分の問題として考えるようになったことだという。

山間部の何もない不利な町、ではなく、
だからこそこういうことができる、と逆手にとった発想で、
上勝町は今や農業以外でも注目される町となっている。

過疎の町、村の農業活性化の成功例としてだけでなく、
いろいろな組織運営、ビジネス手法の参考になる。おすすめ。

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by chekosan | 2015-08-25 10:44 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
著者は、北海道立図書館から引き抜かれて、
滋賀県甲西町立図書館長として図書館の創設と運営に尽力されたあと、
滋賀県立図書館長を務め、現在は滋賀県県政史料室参与をされている。

図書館整備に出遅れていた滋賀県を
全国一の図書館先進県に押し上げた立役者のお一人。

成功の要因は、図書館長と職員が専門職であることにこだわり、
質の高い図書館運営を続けたこと。

甲西町立図書館の設立(1987年)の際には、
司書を全国公募したところ、大勢の応募があり、
採用した司書の働きぶりが利用者にも役所内部にも評判となり、
翌年以降も有能な職員を採用できたという。

また他館を視察したり研修に派遣されたりしたときには、
写真入りルポルタージュを書くつもりで内容の濃い復命書を提出し、
職員と情報共有して今後に生かせるようにしたという。


住民向けには、図書館で音楽会や展覧会、講演会を催すなど、
広い意味での資料提供、文化交流の場を創られた。
今では珍しくないが、当時は先駆的な取り組みであった。

最近、図書館でのビジネス支援が話題になっているが、
甲西町立図書館では開館当初から
地元の求人票やフリーペーパーを配架するなど、
役所内で滞留しがちな情報を広く公開していたという。

その効果を知った役所の各課から
こんなことはできないかという相談が相次いだというエピソードが興味深い。

そのほか、図書館をめぐる様々な経験や主張や提言、
すばらしい活動をされてきた利用者の方の話など、
面白いエピソードが多数紹介されている。

業界誌での連載記事と、新聞への寄稿をまとめたものなので、
若干時系列がわかりにくかったり誤字が散見されたりはするが、
図書館に関心のある人には考えさせられ、
ヒントが見いだせる本であると思う。

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by chekosan | 2015-08-24 12:15 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
岡山の県立高校で長らく図書館を担当されたきた国語の先生の読書指導の実践。

朝の一斉読書から始まり、年間~3年計画で、
本や新聞を読み、感想や意見を学内外に発信して共有するための指導方法。

ブックレットの薄さだが内容は濃い。

読書ノートや展示の例も写真で掲載されているので即、取り入れやすい。

これだけの読書指導を中学・高校でみっちり受けてきてくれたら、
大学の初年次では、さらに深い、次元の高い演習ができるのだけどなぁ。

これを実践して、生徒や学校、周囲を動かし続けるには、
教員の努力や力量がものをいうだろうなぁ。

一学期だけで教員が38冊のブックレビューを実施したとあるが、
これは著者一人でだろうか。だとしたらすごい。

複数の教員が行ったのだとしても、それはそれですごい。
同じ歩調で実践してくれる教員を確保するのはなかなか難しいから。

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by chekosan | 2015-08-17 12:32 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
先日インタビューを掲載していただいたサイト・関西ウーマン様で、
今月から書評を連載させていただくことになりました。
月一回、第二土曜の予定です。

男女関係なく楽しめる本、指針となる本をご紹介します。
ご覧いただければ嬉しいです。

第一弾はこちら
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次回は少し趣向が違うものにしようかな♪

よろしくお願いします。*^^*

画像は関西ウーマン・Facebookの告知より。
うまくリンクがはれないのでお借りしました。
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by chekosan | 2015-08-15 10:47 | 書いたもの | Trackback | Comments(0)
学生のおすすめの一冊。

職場や家庭で、どう接すれば人は動いてくれるかを説く本。
デール・カーネギーは鉄鋼王アンドルー・カーネギーとは別人だが、
本書には鉄鋼王の逸話もいろいろと出てくる。

セオドア・ルーズベルトや著名な企業人や軍人、歴史上の人物の例や、
著名人の著作からの引用も多数出てくるが、それよりも、
D・カーネギーの講習会に出て「人を動かす原則」を実践した普通の人たち、
ガソリンスタンドの経営者とか、工場の責任者や、親たちの事例が面白い。

カーネギーの「人を動かす」原則に通底しているのは、
「人は自己が重要と思いたいもの」だということを意識すること。

相手のプライドを傷つけるような言動は、まず良い効果は生まないという。

そこでカーネギーは、人に動いてもらいたいなら、
お世辞ではなく心からほめる、相手の言うことを認める、
先に誤りを指摘しない、相手が求めていることをくみとること。
笑顔で接すること、といったことを勧める。
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確かに納得できる心得が多いのだが、
これらの「人を動かす」原則が効果を発揮するには、
リーダーや上の立場にある人自身もちゃんと動いていて、
何かを生み出せていて、人のために尽くしていることが前提だろう。

否定や批判や議論を避け、人を持ち上げはするが、
結局、自身はなにもしない、人のために動かない、クリエイティブでない、
そして、動いた人に対して正当な評価をしないような人が、
表面だけ感じ良くふるまっても、効果は低いだろう。
動かされる人も表面的にしか働かないし、組織は緩慢に衰退する。

あくまで「人を動かしたい人」自身の実働や実力、
本心からの相手への敬意があってこそだろう。


なお、付録として「幸福な家庭をつくる七原則」が載っているが、
この部分は原著の改訂版には収録されていないという。
原著改訂版のとおり、なくていいように思う。
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by chekosan | 2015-08-11 22:58 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
いまだかつてない過密な日々でした。が、一冊も本を読まない一か月というのは避けたかったので、月末にムリムリがんばりました。^^;


2015年7月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1234ページ
ナイス数:138ナイス

縮小都市の挑戦 (岩波新書)縮小都市の挑戦 (岩波新書)感想
企業誘致やハコモノで人を呼び込み都市の再生を図るという発想を転換し、その土地が持つ歴史や文化、自然との交わり、風土といった「資本」に立ち返り、都市をブランディングすることを重視するという考え方に共感した。都市が再生していく経緯や方法には相違も見られるのだが、いずれも大学や文化施設、医療関係の施設が大きな役割を果たしているのが興味深い。日本の商店街については、職人仕事を活かした「工房」的なショップを集めることに復活の活路を見出すという提案が魅力的。多くの示唆と情報を提供してくれる一冊。
読了日:7月24日 著者:矢作弘


【TVアニメ化】響け! ユーフォニアム 2 北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏 (宝島社文庫)【TVアニメ化】響け! ユーフォニアム 2 北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏 (宝島社文庫)感想
吹奏楽に燃える中2坊主にと1巻を購入して親子して読んだあと、さほど続きには関心を持てなかったのだが、春から担当している学生のなかに吹奏楽部出身者がけっこういて話題にのぼった。ちょうどその頃、作者が母校の現役学生であると判明。応援もかねて続きを購入。2巻は北宇治高校の吹部がますますレベルアップする。でもどちらかというと、女子高生たちの恋愛感情にも近い友情やすれ違いが濃く描かれている。女子高時代を懐かしく思い出した。さ、わが息子も「コンマス」に就任したことだし(!?)、続いて3巻もいっちゃおう♪
読了日:7月28日 著者:武田綾乃


響け! ユーフォニアム 3 北宇治高校吹奏楽部、最大の危機 (宝島社文庫)響け! ユーフォニアム 3 北宇治高校吹奏楽部、最大の危機 (宝島社文庫)感想
主人公が中庸というか、特徴がないなあと思っていたら、そこを突っ込むような場面があって、そのあたりなかなかリアルで面白かった。3巻は全体的に登場人物の家族の問題がクローズアップされていて、吹奏楽部の活動の場面が少ないのがちと残念だけど、コンクールでの演奏の場面は詳細に描かれているので、楽曲を聴いてみたくなった。中学、高校くらいだと毎年メンバーが替わるので、弱小校がメキメキと強くなるというのは実際にあるんだろうなあ。打ち込むものがあるっていいな♪ ^ー^
読了日:7月29日 著者:武田綾乃


カラフル (文春文庫)カラフル (文春文庫)感想
学生の「おすすめの一冊」。主人公と同じ中学生の頃にこの作品を読んだ学生は、主人公の母の不貞に衝撃を受けたという。確かに我が中2坊主も母を若干、神聖視しているもんなぁ… その年頃の感性や親に抱く期待や幻想の記憶がまだ新しい学生の感想は貴重。別の学生は、支えてくれる人たち、助けを求めていける相手がいることへの感謝を記していた。本当にそう。いろんな役割を求められて疲弊、困惑する私を支え、守り、励ましてくれる仲間がいるからなんとかやれている。素直でみずみずしい学生たちにも日々浄化してもらっている。彼らにも感謝。
読了日:7月31日 著者:森絵都

読書メーター

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by chekosan | 2015-08-02 10:01 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)
一年生の演習科目で「おすすめの一冊」の書評作成を課題にしています。
前任校の大阪商業大学に着任した2011年から始めて、今年で5年目になります。

2012年からは、学生がおすすめしてくれた本を私も読むようになりました。
約120冊を読んだところでひとやすみしていましたが、
今年も流通科学大学の1年生向け科目「文章表現Ⅱ」で同じ課題に取り組んだので、
「おすすめの一冊」読破プロジェクト、再開しました。

そのなかの一冊が、『悪童日記』です。
これをおすすめに挙げる学生がいるとは想像していませんでした。
映画化されたことで知ったそうです。

映画評の紹介はこちら


文中には時代も人名も地名も一切出てきませんが、
第二次大戦中のハンガリーが舞台なのはまちがいありません。

今の常識や感覚からすれば異常とされるような
生と性と死に関わる残酷で生々しいシーンが満載ですが、
戦後しばらくまでは日本でもどこでも同じようなことは起こっていだでしょう。
子どもだって生きるためにはなんでもしていました。

そんなしたたかさと利発さと残忍さを持つ双子の美少年が主人公というところが、
この作品に不気味さと怖さとエロティシズムを加え、魅力的なものにしています。

続編もあるようなのでぜひ読みたいです。映画も見たいです。

浦沢直樹『MONSTER』が好きな人、
中・東欧の歴史が好きな人、美少年ものが好きな人におすすめです。

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by chekosan | 2015-08-01 22:40 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)