中・東欧、ロシアのこと&大学教育のことを発信します


by chekosan

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産業の衰退、人口減少によって「縮小」する都市(shrinking city)の実態と、
そこからの再生を扱った本。

縮小都市研究は、新たな企業を誘致して再生を図ったり、
人口増加を狙ってハコモノを造り人を呼び込むという発想を転換し、
縮小は縮小と受け止め、
その都市が持つ歴史や文化、自然との交わり、風土に立ち返り、
都市のブランディングをすることを重視する。

第1章、第2章では、
自動車産業と栄枯盛衰を共にし、新たな都市像を創りつつある
アメリカのデトロイトとイタリアのトリノの取り組みを主として紹介している。

両都市が再生していく経緯や方法には相違も見られるのだが、いずれも
大学や文化施設、医療関係の施設が大きな役割を果たしているのが興味深い。

第3章では日本を取り上げている。
ここでは郊外のショッピングセンター進出による、
中心部の商店街の衰退を検証した部分で、
「ストア」と「ショップ」の違い、
「ショップ」を集積することの効果を述べた箇所が面白い。

ストアは商品を仕入れて並べて売る小売業、
ショップは、手仕事による加工が施された品を売る商売という違いがある。

職人仕事を活かした「工房」的なショップを集めることに
商店街の復活の活路を見出すという提案である。

非常に多くの示唆と情報を提供してくれる一冊である。

縮小都市が多いのは中・東欧ということだが、
これは別の著作に詳しいようなので、さらに読んでみたい。

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by chekosan | 2015-07-24 22:40 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)

本務校・流通科学大学の1年生向け教養科目「時事問題探究」と、
関西大学法学部3-4年生向け専門科目「外国書研究」で、
映画「Girl Rising~私が決める、私の未来~」を鑑賞しました。


生まれた環境やタイミングによって、女の子たちを待ち受ける高くて非情な壁。 映画『Girl Rising ~私が決める、私の未来~』は、早すぎる結婚や、震災、貧困、カムラリ家事使用人、性的虐待や女子教育を阻む様々な障壁など世界の女の子が直面する状況、そして彼女たちの持つ可能性が描かれています。
映画には9カ国から9人の女の子が登場。各国出身のディレクターが、自国の女の子を取材し、全て実話に基づいて制作しました。7人は本人が登場しますが、事情により顔を見せられない2人のストーリーは、他の女の子が演じています。
公式HPより


どちらの科目も鑑賞に先立って「世界一大きな授業」を実施して
途上国の教育の現状を学びました。
そして先進国は、私たちは何ができるか、何をすべきかを考えました。

「Girl Rising」は、しかし、そこで学んだ事実やデータを、
いい意味で吹っ飛ばしてしまうほどのインパクトを学生に与えました。

途上国の貧しさの度合い、
特に女の子が置かれている状況の過酷さ
(早婚、低年齢出産、レイプ、奴隷制、早死など)、
文字が読めない、教育が受けられないということがどういうことかを
大きな衝撃をもって受け止めてくれたようです。

写真は関西大学の少人数クラスで撮ったものです。

流通科学大学では大教室で上映し、私は一番後ろから学生の様子を見ました。
学生たちは、101分ある映画を、
真剣に、居眠りもせず、ずっと、じっと、食い入るように観ていました。

写真に残せなかったのが残念で仕方ないのですが、
私には彼らの背中が物語っていた彼らの心の内が、
それこそ映画のワンシーンのように画となって焼き付いています。
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とてもいい映画です。また上映会を催したいと思います。

みなさまもいかがでしょうか。

DVD貸し出しは無料です。上記HPから連絡がとれます。
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by chekosan | 2015-07-22 11:26 | 大学教育 | Trackback | Comments(0)
関西で暮らす・働く女性が発信するライフスタイルコミュニティ
「関西ウーマン」様に、インタビュー記事を掲載していただきました。

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by chekosan | 2015-07-21 20:22 | はじめに & プロフィール的なもの | Trackback | Comments(0)
図書館の空間と資料を活用した授業、参考図書の次は新聞と雑誌です。

新聞はおすすめの記事を各自で選び、熟読して要点をまとめ、
グループのメンバーに紹介します。
そのあと各自が持ち寄った記事を再編集して、一つの新聞にしていきます。

見出しや写真、図が使えるように、図書館所蔵の新聞で選んだ場合はコピーを、
各自で購入した場合は切り抜きを用意します。

このチョキチョキ貼り貼りが楽しいのです。
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ほかと違う紙面を!とデザインに凝りに凝ったグループも。
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できあがったらプレゼンテーション。簡潔に内容と工夫した点を紹介します。
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完成したオリジナル新聞を並べると壮観です。
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おすすめの雑誌記事の紹介は、開架に並んでいる雑誌を4区分に分け、
それぞれの区分から1記事ずつ読み、内容と興味をひかれた点を紹介します。

世の中にはこんな雑誌があるんだ!と知ってほしいので、
少しハードルを上げて、複数の雑誌を見てもらっています。

が、参考図書、新聞のプレゼンを経ているので、手慣れたものです。
ワークシートもだんだんと簡略化していますが、
言うべき項目は指示されなくとも説明できるようになります。
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雑誌のときは、余談雑談OKの座談会形式にしています。
とはいえ、やはり教員がファシリテーターとして入った方がうまくいきます。
写真のクラスは、K先生クラスと合同で行ったので、さらに盛り上がりました。

どんな話題が出てくるかわからないので、教員もドキドキ。
なかには学生の方がよく知っている話題もあって、教えてもらうことも。
教員もいっしょになって楽しめるグループワークです。

新聞や雑誌はぜひとも継続して読んでほしいと思います。
それによって、自分の関心が明確になり、アンテナが立っていくのです。
この一連の授業が、そのきっかけになればと思います。
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by chekosan | 2015-07-10 22:36 | 大学教育 | Trackback | Comments(0)

映画「サンドラの週末」

「サンドラの週末」は、病気を治して復職しようとした矢先に、
解雇を言い渡される女性の話です。

同僚の過半数がボーナスをあきらめれば、
解雇を撤回するという厳しい条件を突きつけられたサンドラが
週末に同僚たちを一人ひとり訪ねて歩く、それだけの話です。

号泣するとか感動の嵐とか心が浄化されるとか、そういったものではないです。
サンドラや同僚たちはごくごく普通の人たち。
その普通の人たちの苦悩や迷いを淡々と描いていきます。
派手さのない、リアルな映画です。


この多忙なときに余計に気が滅入りそうな映画を観るのもどうかな…
と迷いつつ、上映最終日に駆け込みました。

仕事のこと、家族のこと、仲間のことを思い浮かべながら観ました。
穏やかな気持ちで帰途に着きました。
観に行ってよかったと思いました。
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by chekosan | 2015-07-03 23:44 | 本、書評、映画 | Trackback | Comments(0)
6月から始まった「文章表現Ⅱ」という授業では、
図書館の空間と資料を活用したアクティブラーニングを展開しています。

まずは図書館ガイダンス
図書館が作成されたスライドやワークシートを使用させていただきました。
図書館の面白さがわかったと好評でした。

次に「おすすめの参考図書を紹介する」授業。
これは前任校の大阪商業大学で好評だった授業です。

辞書事典、統計、白書などからおすすめのものを見つけ出し、
なぜおすすめなのか、どこがおもしろいのかを紹介します。

誰でもなにかビビッとくるものがみつかり、
パラパラ見るだけで質のいいデータ(内容)が見つかるので、
参考図書は調べもののプレゼンを体験するのに最適なのです。

ワークシートをもとに教員と発表内容を精査して、
1分程度の発表の準備をしておいてもらいました。

本番前には発表のコツを伝授。
みな適切な長さ、充実した内容を発表してくれました。

人数の少ないクラスは一人ずつ全員の前で発表、
多いクラスはグループ内で発表して、
そのなかのベストパフォーマーに全員の前で発表してもらいました。
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写真は同じ科目を担当されている先生のクラスとの合同授業。
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6-7月に2コマ連続8週間という授業なので、
授業内で調べる時間をたっぷりとれたこと、
さらに、調べた内容を教員と検討する時間がとれたことは
明らかに発表の出来に良い効果をもたらしました。

選択して受講している学生たちの意欲と能力の高さも
ワークシートやプレゼンの質を高めた要因と評価したいと思います。

このシリーズでは、図書館の職員さんに
見本の参考図書をみつくろっていただきました。
プレゼンの様子も見にきてくださいました。
ありがとうございました。


図書館を使ったアクティブラーニングシリーズ、まだまだ続きます。
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by chekosan | 2015-07-01 21:16 | 大学教育 | Trackback | Comments(0)

6月の読書メーター記録

2015年6月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:2475ページ
ナイス数:128ナイス

ギャラリーフェイク (3) (ビッグコミックス)ギャラリーフェイク (3) (ビッグコミックス)
読了日:6月27日 著者:細野不二彦
「知」の挑戦 本と新聞の大学 II (集英社新書)「知」の挑戦 本と新聞の大学 II (集英社新書)感想
Ⅰに引き続き、Ⅱも面白かった。中島岳志氏の講演は「橋下徹はなぜ支持されるのか」とタイトルだけ見ると時事放談的だが、政治学的な分析枠組みをわかりやすく提示し、そこから社会関係資本や「弱い紐帯」の重要性を説くという興味深い内容。落合恵子、福岡伸一氏の講演も非常に面白かった。浜矩子氏の回は、質疑応答を中心としていて、「日本のサンデル先生」(p.242)のよう。この講演会シリーズの聴衆のレベルの高さに圧倒される。あな恐ろしや。
読了日:6月22日 著者:姜尚中,一色清,中島岳志,落合恵子,浜矩子,福岡伸一
ギャラリーフェイク (2) (ビッグコミックス)ギャラリーフェイク (2) (ビッグコミックス)感想
昔、芸術系大学で教えていた時に、講師控室に並んでいて知ったシリーズ。贋作専門の美術商が主人公です。最近、仕事の合間を縫ってせっせと通っている整骨院の待合室で発見♪ たまに待つときに、ちょっとずつ楽しんでます。登場人物の服や髪形に時代を感じますが、内容は今でも面白いです。
読了日:6月20日 著者:細野不二彦
ギャラリーフェイク (1) (ビッグコミックス)ギャラリーフェイク (1) (ビッグコミックス)
読了日:6月20日 著者:細野不二彦
学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話[文庫特別版] (角川文庫)学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話[文庫特別版] (角川文庫)感想
書店で何度も立ち読みしていたのだが、文庫化を機に購入。ちょっとしくじった感。文庫では学習法などが割愛されているので、今一つ臨場感、説得力に欠ける。もとのバージョンの方がいいのではないかと思われる(たぶん)。というわけで、巻末のビリギャルさやかちゃんの手紙から引用。「自分の知らないことを知るってすごく楽しいんだなって感動したんです」「本を読んでみたら意外にもおもしろくて」「自分がいる世界を広げたいと思った」。そんな経験をしてもらえるよう、我々教員も努めます! 
読了日:6月18日 著者:坪田信貴


暗殺教室 1 (ジャンプコミックス)暗殺教室 1 (ジャンプコミックス)
読了日:6月7日 著者:松井優征
暗殺教室 6 (ジャンプコミックス)暗殺教室 6 (ジャンプコミックス)感想
このところすごい勢いで我が家に漫画が増殖している。誰が買っているのか、まったく。で、私を巻き込みたくてウズウズしている子らにまんまとのせられて、6巻まで一気読みしてしまった。殺せんせ、教師としてすごいわ。生徒一人ひとりに合わせた高速指導。でもタコ(笑)
読了日:6月7日 著者:松井優征
暗殺教室 5 (ジャンプコミックス)暗殺教室 5 (ジャンプコミックス)
読了日:6月7日 著者:松井優征
暗殺教室 4 (ジャンプコミックス)暗殺教室 4 (ジャンプコミックス)
読了日:6月7日 著者:松井優征
暗殺教室 3 (ジャンプコミックス)暗殺教室 3 (ジャンプコミックス)
読了日:6月7日 著者:松井優征
暗殺教室 2 (ジャンプコミックス)暗殺教室 2 (ジャンプコミックス)
読了日:6月7日 著者:松井優征
「知」の挑戦 本と新聞の大学 I (集英社新書)「知」の挑戦 本と新聞の大学 I (集英社新書)感想
公開講座を本にしたもの。いずれの回も興味深い。特に、依光隆明氏「第2回 私的新聞論」がメディア・リテラシーを考えるうえで、池内了氏「第5回 科学と人間の不協和音」が科学リテラシー(の基礎の基礎)を考えるうえで参考にできそう。池内氏は先日読んだ『考える方法 中学生からの大学講義2』所収「それは、本当に「科学」なの?」も面白かった。時事問題の授業で紹介してみようかな。
読了日:6月2日 著者:姜尚中,一色清,依光隆明,杉田敦,加藤千洋,池内了

読書メーター

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by chekosan | 2015-07-01 17:47 | 読書記録 | Trackback | Comments(0)